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『女子労働と労働市場構造の分析』

ホーン・川島 瑶子 19851220 日本経済評論社,151p. 2000


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◆ホーン・川島 瑶子 19851220 『女子労働と労働市場構造の分析』,日本経済評論社,151p.  ISBN: 4818800805 2000 [kinokuniya] ※

第1章 女子労働についての問題提起と分析のための理論構成について

1.1女子労働についての問題提起

1.2労働市場の構造をいかに把握するか

 「人的資本論」「人は教育、職場訓練、健康維持等に投資することによって人的資本を蓄積し、労働の生産性を高めることができる。このような人的資本への投資額が労働者の生産性を決定し、労働者の生産性が賃金を決定すると主張する。したがって賃金格差は労働者の生産性の差の結果であり、それは結局労働者の有する人的資本量の差の反映であることになる。要するに労働者の教育水準、職場経験、職場研修等が違うから労働生産性に差が生じ、それが賃金格差を生じているのだという説明である。」[4]

 説明できない部分については 好み[4]

人的資源論では説明できないこと

1.教育年数及び勤続年数が男子と同等であっても女子賃金の方が一般的に低いという事実を…適切に説明しきれない。
2.年功序列賃金
3.パートタイマー[5]

制度派

・「「労働市場分断論」(Labour market segmentation theory)は、労働市場は全労働者に統一的包括的なものとして存在するのでなく、複数異質の労働市場に分断されており、それぞれが仕事の性質、労働<0004<条件、賃金構造、昇進制度あるいは雇用関係の安定性の面で異なった体系をもつ下部労働市場を構成しており、相互間の労働移動が限られた封鎖的な分断であると主張する。労働者は自由意思によって自らの所属する市場を選ぶのでなく、経済的社会的機構の力によって配置される。賃金格差は、人的資本論者が説くように労働者個人の生産性の差に帰因(ママ)するのでなく、むしろ団体的な性格のものであり、社会経済寄稿に根ざしている。労働市場分断論によると、女子の低賃金は、賃金水準が低い労働市場に大部分の女子が配置されているからであると説明される。」[4-5]

 「教育とか職場経験とかの労働者の個人的属性が生産性を高めることに役立ち、したがって賃金も上昇するという点では人的資源論者の主張に同意するが、労働者の属性が同じであったら賃金は誰にも同一であるという考えには疑問を投げざるをえない。それに代わって、労働者の属性は、労働者がどの市場に属するかによって異なった待遇を受けるという仮説をたてよう。[労働者の属性の差][傍点]および[属性の待遇の差][傍点]の両者が、賃金格差の原因であると考えるからである。この意味で、本書は人的資源論と労働市場分断論を併用した理論構成を用いるといえよう。」[6]


1.3仮設の設定

1.4本書の構成

(参考)労働市場についての学説の概要

人的資本論批判
→新しい説明

・差別嗜向論(Becker[1971])

・寡占・独占による不完全競争、職場における一般訓練と特殊訓練の区別
 (Becker[1975])

・職業的隔絶と殺到理論(occupational segregation and crowding)。
 バーグマン(Bergmann[1971])

・シグナル論

・スクリーン論

労働市場分断論
「分断論における分析単位は個々の労働者でなく、労働者グループである。労働生産性と賃金の間の直接の関係を否定し、賃金は労働者個人の属性によってではなく、資本主義社会の社会経済的、政治的構造によって決定される。したがって、賃金格差の分析および格差是正のための政策論の焦点は、労働力を供給する労働者側の要因ではなく、労働力を需要する企業の側の要因におかれることになる。」[16]

 Doeringer, P. B. & Piore, M. J.[1971]の「理論を以下に要約しよう。」[16]

残差は30〜40%[17]

職業的隔絶と殺到理論
「女子が低生産性、低賃金で特徴づけられる特定の職業におし込められ、そこが女子労働力の供給過多になっているため、女子の生産性がいっそう低下するからだということになる。この説は正統派の完全競争市場の仮説に修正を加えている。」[18]

 労働市場分断論[18-19]
 わが国における経済および労働市場二重構造論[19-20]

第2章 日本の労働市場と女子労働の特質について

第3章 周辺労働市場の分断について

第4章 中核労働市場の分断について

第5章 どの労働者がどの労働市場に配置されるか

第6章 賃金決定は産業セクター、性によりどう異なるか

第7章 女子労働者が負担しいる「差別」のコストはどのくらいか

第8章 女子労働は労働市場でどのように位置づけられているか

「中核労働者と周辺労働者は労働者として共通の利益関心を分かち合うというよりも、むしろしばしば利害が対立するような関係におかれている。」[114]

……

@
A嗜向
B独占 供給の弾力性低い→
C混雑 二重労働市場


UP: REV:20051015
BOOK  ◇女性の労働・家事労働・性別分業
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