『見えない死――脳死と臓器移植』
中島 みち 19850925 文藝春秋,294p.
last update: 20101008
■中島 みち 19850925 『見えない死――脳死と臓器移植』,文藝春秋,294p. ISBN-10: 4163400109 ISBN-13: 978-4163400105 \1200 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
脳死とは、見えない死である。脳死とは、暖かな死である。脳死とは、散文的な死である―臓器移植との関連で性急に語られがちな人間の死の重み、かけがえのない生を問い直した労作、ここに増補新版なる。
■目次
序章
第一章 筑波大病院膵腎同時移植
元気に戻ってくるはずだったのに
「いわゆる脳死の状態になりました」
肝臓の受け手はみつからず
心臓を、早くお役に立つうちに
温阻血時間ゼロ分の新鮮な臓器が
膵臓はピッと、張った
「せっかく貰った膵臓を取るなんて、いやだッ」
告発に至った人々は、その日
発表前から波乱ぶくみ
告発
「とてもこんなチャンスは、ないッ」
和田移植前から堪えに堪えて
第二章 和田心臓移植事件
山口義政は生きていた
なんのための移送
「まさに千載一遇のチャンスだ」
札幌地検はどう認定したか
提供者が運び込まれる前に移植の準備?
疑惑はいっぱいだが、起訴はあきらめた
移植をしなければ、もっと生きた
宮崎信夫の心臓の弁は切り離されていた
心臓はキラキラと? だが人は死んだ
なぜ、証拠はなくなったのか?
第三章 脳死とは
脳死
脳死判定の基準、立法化例
第四章 しかし、脳死の現場では
脳死は生命の不可逆点というけれど
脳については、まだわからないことだらけ
脳死判定の現場に乱れ
第五章 ICUから
愛するものほど、脳死には死の実感なく
「臓器ほしい、そんなん、絶対に言わせへんッ!」
脳死になりたてのホヤホヤの臓器しかいらない
なぜそんなにいそぐのか?
不思議な生還者
第六章 二十一世紀に向かって
脳死や植物状態にさせぬことこそ
臓器移植はほんとうにバラ色か
アメリカと日本では土台が違う
マスコミと移植推進
終章
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:片岡 稔