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小倉 利丸 19850815 れんが書房新社,317p. ■小倉 利丸 19850815 『支配の「経済学」』,れんが書房新社,317p. ISBN-10: 4004305845 ISBN-13: 978-4004305842 2415 [amazon] ■目次 第1章 アルカイックな労働経験 一 古代ギリシアの労働観 手仕事の蔑視/職人の手仕事/事物の四原因/祈りに包まれる労働/余暇の文明 二 アルカイックな社会の労働観 労働と労働表象の区別/労働の言語/マエンゲの労働生活/審美的基準/慎重な態度/共同の事物と価値討議/価値の転倒 第2章 初期近代の宗教倫理と労働 一 貧民の監禁と教育 浮浪者と乞食の収容/救貧法のなかの暴力/新しい身体と新しい心性/怠惰を癒す労働 二 「貧しい人々」と「人間の屑」 貧しさの分化/貧しさに対する知覚様式の変動 三 禁欲の強制 貧困の価値の変化/禁欲道徳の押しつけ/労働時間表と規律/禁欲と産業的労働身体の形成/強制労働と「労働の喜び」/十九世紀の労働思想/労働の神聖 化 第3章 現代の労働経験 一 労働者の証言 アンリ・ドマンの労働調査/未熟練層の証言/半熟練層の証言/熟練層の証言 二 ドマンの解釈と「労働の喜び」論 労働の喜びの条件/知性と労働の統一/他人による承認 三 機械化への期待 機会と人間の調和による労働の喜び/労働と人生の目的と一致 四 労働の細分化と喜びの消滅 細分化労働の深まり/職業的満足の実現/余暇への期待 第4章 労働と対他欲望 一 対他欲望 労働の内部と外部の区別/他人の評価への欲望/承認を求める欲望/敬意の政治/虚栄心 二 承認欲望のメカニズム 欲望の三つの側面/三つの欲望の具体的例証/同等性への嫌悪とヒエラルキーの形成 三 労働の記号化 虚構としての「喜び」/象徴的消費/記号としての労働 第5章 労働文明の転換 一 余暇の無為から多忙な勤勉へ 古代における労働と時間/労働の格上げと余暇の格下げ 二 勤勉労働への懐疑 労働という狂気/無為の復権要求/無為の喜び 三 承認と正義 承認欲望の二つの類型/正義の二つの類型/マエンゲ・モデル/必然の領域の縮小/禁欲と勤勉をこえて 参考文献 あとがき ■引用 「いずれにせよ、資本家は労働者の何らかの主体性を媒介しないことには、自らの生産過程を遂行しえないのだが、他方、労働者の主体性を支える彼の肉体的精 神的な維持は、資本の生産過程の外部で、すなわち、生活過程で行われなければならない。生活過程は単に牛馬のように肉体的な「再生産」を実現するにとどま らず、精神的な「再生産」をも実現しなければならない。生産過程における労働者の効率的な支配は、こうして、資本によって直接支配しえない生活過程との関 連をもたざるをえなくなる。そして、〈労働力〉商品化は、その商品性を維持するための、生産と生活をつらぬく特殊な支配の様式を形成する。」(p.19- 20) 「以前にも述べたように、テーラー・システムの、労働者に対する支配のシステムとしての決定的な限界は、労働者を単に機械とみなし、機械のように扱いうる ものと想定したところにある。そうである限りにおいて、人間としての労働者は、疎外感と敵対的な意識をもたざるをえない。テーラー・システムのもつ効率性 を十分に実現するためには、テーラーの労働者観では決定的に不十分なのだ。資本家たちは既にそのことに気づいていた。「敵対的な社会関係」を協調的な社会 関係に転化し、「疎外された労働」を自己実現の労働に転化することによって、労働の意味と主体性の剥奪の跡にあいた空白を転倒した行為の意味と主体性で充 満する、資本による労働者の意識支配をめぐる試行錯誤が開始されることになる。」(p.174) UP:20070927 ◇労働観 ◇本 |