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『生き方について哲学は何が言えるか』

Williams, Bernard 1985 Ethics and the Limits of Philosophy, Harvard University Press
=19930831 森脇 康友・下川 潔訳,『生き方について哲学は何が言えるか』, 産業図書, 402p. ISBN-10: 4782800835


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Williams, Bernard. Ethics and the Limits of Philosophy, Harvard University Press, 1985
=19930831 森脇 康友・下川 潔訳,『生き方について哲学は何が言えるか』, 産業図書, 402p. 6000 ISBN-10: 4782800835 ISBN-13: 978-4782800836 [amazon]

■産業図書のHP
http://www.san-to.co.jp/

■目次

第一章 ソクラテスの問
第二章 アルキメデスの支点
第三章 基礎づけの試み――幸福
第四章 基礎づけの試み――実践理性
第五章 倫理学理論のスタイル
第六章 理論と偏見
第七章 言語論的転回
第八章 知識、科学、収斂
第九章 相対主義と反省
第十章 道徳、この特異な制度

あとがき

原注
訳注
訳者あとがき
索引

■引用
にもかかわらず、私は、倫理との関連では、真正の深い区別を見出しうること、そしてさらに、その区別は(必ずしも伝統的ではないが繰り返し生じる)ある感じを生じさせるのに十分であると信じる。その感じとは、科学がそのイメージ――世界が本当はいかにあるのかということの体系的な理論的説明というイメージ――に大なり小なり合致する可能性があるのに対し、倫理思想はそのイメージをぴったり満たすことはありえない、というあの感覚である。さらに、伝統は単にそのような区別があるとするだけでなく、上一致というものの理解を通してその区別を理解しうるようになるだろうと考えた点でも正しい。しかし、問題は上一致がどれほどあるかではなく、それどころか上一致を解消するのにはどのような方法があるかという問題ですらない。もっとも、後者は、もちろん重要な示唆を多々与えるものではあるが。基本的な違いは、むしろこの二つの領域それぞれにおいて、上一致を取り除くという望みを(矛盾に陥ることなく)もつときの、その望みについての反省的な理解〔の構造の相違〕にある。つまり、それは「最適条件の下で、何が上一致の終結についての最良の説明でありうるか《という問題である。それを今後は「収斂の説明《と呼ぶことにしたい。
 根本的な違いは倫理的なるものと科学的なるものとの間にある。私はこの対比の片方の項がなぜ「事実的なるもの《などではなく「科学的なるもの《と呼ばれるべきかを説明したいと思う。もう片方の方は「倫理的なるもの《と呼ばれるが、それ〔を取り上げるの〕は倫理的なるものとは私たちが考察しているものであり、この領域を拡張したり狭めたりするのに相当の議論が必要となるからである。こちらの方が「評価的《などと呼ばれないのは、それでは倫理的なもののほかに審美的な判断も含まれることになり、それはそれでまた多くの問題を提起するからである。それが「規範的《と呼ばれないのは、この表現が倫理的関心にかかわるものの一部(概していえばルールに関わる部分)しかカバーせず、さらに、当然に法のようなものにも関わってくるが、これはこれでまた違った問題を提起するからである。より重要なことは、それを「実践的《と呼ばない、ということである。「実践的《と呼ばないのは、そうすると問題の大部分が取り扱われないことになるからである。その理由はすでに指令や、である・べしの区別を考察する差異に指摘したものである。実践的なるものと非実践的なるものとの間に区別があるということは認めるに難くない。この世には明らかに実践的推論とか熟慮といったものが存在し、それは世の中がいかにあるかを考えることとは異なっている。両社h明らかに異なっている。だからこそ、実証主義は、評価的なるものを実践的なるものに還元することによって、この伝統的な区別を妥当なものであると論証したと思い込んだのだ。しかし、この還元は間違っており、問題を実際よりも簡単なものに見せかけているのである。(pp.223-225, 「第八章 知識、科学、収斂《)


作成者:篠木 涼
UP:20080112 REV:20080616
「哲学/政治哲学(political  philosophy)/倫理学」  ◇BOOK

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