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『病院精神医療を越えて――精神科看護のひとつの試み』

矢野 真二 19841025 批評社,267p.

last update:20110406

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■矢野 真二 19841025 『病院精神医療を越えて――精神科看護のひとつの試み』,批評社,267p. ASIN: B000J71UX0 1600 [amazon] m.※

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■ *批評社のHPより http://www.hihyosya.co.jp/isbn978-4-8265-0053-1.html
開放病棟とはいえ、隔離と収容の施設にすぎない精神病院の現実を越えて、「病者」と共に新たな精神医療の在り方を求めて、ユニークな実践を試みた看護者たちの悪銭苦闘の記録である。

■著者

■ *奥付より
1938年 東京で生まれる。
1963年 国立武蔵野療養所 高等看護学院卒業
    町田市民病院神経科看護長を経て、現在、上秦野病院看護部部長、看護士。

■目次

■ 暮れゆく八三年に――まえがきにかえて
T 精神「病者」の人間性を解放する闘い
U 五年の歳月の流れに思うこと
V 閉ざされた病院の中で
W ”反”精神医療としての看護
X 全職員による解放化医療にむけて
Y 「病者」が生きられる社会づくりをめざして

■引用

■ 暮れゆく八三年に――まえがきにかえて

 「七九年からはじめられた、病院の解放化への永かった道程、そして、この五年の歳月の流れは、<0017<昨日のことのようにも、また、十年が過ぎ去ったようにも感じられます。それほどにいろいろなことがあり、また何もなかったような気がします。」(矢野[1984:17-18])

W ”反”精神医療としての看護

 「看護者が看護を自ら専門職と呼び、専門職としての拡がりを持つためには、病院の構造と機能の中で自らが存在し、位置している関係をはっきり捉えることが是非とも必要です。そうした関係構造の認識を通して看護の目的や役割、そして看護者の主体性が問われるわけであって、そうしたことを抜きにしては、専門職としての看護の自立などあり得ません。それは「病者」への言葉だけの看護があり得ないことと同じことだといえます。”反”精神医療の看護とは、そうした意味からいえば、「病者」が一人の人間として安心して医療をうけられるように病院を開放化[ママ]すること以外にはない、といえるだろうと思います。」(矢野[1984:154])

 「医療とは無関係な規制を解いて「病者」を知る
 ○閉ざされた精神病院、そして「病者」

 非医療的状況には”反”精神医療を! 非人間的処遇には人間としての復権を! 差別支配には差別されている人間の人間的解放を! 不透明な管理機構には、透明な民主的運営を!
 七九年までの時間と規則と罰則にがんじがらめに閉ざされた病院内状況は、「病者」にとってはまさに暗黒時代であったといえるでしょう。七一年四月の開院から約七年間の病院の状況は、すでに述べてきたとおりです。
 七九年の一月から、取り組んできた病院解放化の運動は、八三年まで五年間続けられてきました。」(矢野[1984:155])

■紹介・言及

■ ◇立岩 真也 2013/12/10 『造反有理――精神医療現代史へ』,青土社,434p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.


UP: 20110504 REV:20140709
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