『破瓜病の精神病理をめざして』
小出 浩之 19840615 金剛出版,296p.
last update: 20140410
■小出 浩之 19840615 『破瓜病の精神病理をめざして』,金剛出版,296p. ISBN-10:4772401865 ISBN-13:978-4772401869 欠品 [amazon]/[kinokuniya] ※ [広田氏蔵書] m.
■内容
(著書裏表紙より)
分裂病症状の軽症化や薬物による疎通性の高まりといった昨今の情況の中で、新しい精神病理学の再編成が今日迫られている。ここに、笠原門下の俊才が破瓜病の解明に向かって精進したその研究成果を世に問うことは大きな意義をもつであろう。
外因性の疾患において、症状は異物として現実世界に挿入される、思春期妄想症ではスプリット(分裂)は、境界例のように継時的に現れるのではなく共時的に現われる、分裂病では主体性が他者の側へと移る……などの独創性に溢れた発想を、「共鳴体制」「主体性の体験」「他性」等の概念を用いて発展させ、従来の分裂病論、自閉論にたいして根本的な改変を迫る。
多くの人々の注目を集めてきた、いわば小出学ともいうべき精神病理学論集の第一弾。
■目次
T 序章
幻覚妄想の病理
U 発症状況論
分裂病から見た思春期
分裂病の発症条件について
分裂病者ならびに思春期妄想症者にとっての思春期 ――対象自己と内的自己――
V 妄想型分裂病論
妄想指向型分裂病と幻覚指向型分裂病
分裂病幻覚についての一試論
W 破瓜型分裂病論
破瓜病の精神病理(その一)――病前史と病態――
破瓜病の精神病理(その二)――妄想型と破瓜型――
破瓜病の精神病理(その三)――分裂病性人格変化――
X 終章
分裂病の家族研究 ――その方法論的検討――
分裂病者の体験する「他性」について
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:志知 雄一郎