『未来世界の倫理――遺伝子工学とブレイン・コントロール』
Glover, Jonathan 1984 What Sort of People Should There Be?: Genetic Engineering, Brain Control and Their Impact on Our Future World,PENGUIN BOOKS LTD. Harmondsworth, Middlesex, England.
=19960108 加藤 尚武・飯田 隆 監訳,産業図書,340p.
■Glover, Jonathan 1984 What Sort of People Should There Be?: Genetic Engineering, Brain Control and Their Impact on Our Future World, PENGUIN BOOKS LTD. Harmondsworth, Middlesex, England.
=19960108 加藤 尚武・飯田 隆 監訳 『未来世界の倫理――遺伝子工学とブレイン・コントロール』,産業図書,340p. ISBN-10: 4782800983 ISBN-13: 978-4782800980 \3150
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内容(「BOOK」データベースより)
本書で著者は、われわれが望む未来はどんな種類のものかという意思決定にかかわる道徳的ジレンマを検討し、遺伝子工学を用いて人間本性を改変することの望ましさについて考察する。それから著者は、さまざまな形の脳科学技術に対してわれわれが抱く敵意の出所を批判的に考究し、現状のようなうまく言葉にならない抵抗にかわって未来の意思決定を導くべき一連の価値を提案する。最後には来るべき世代の人々についての議論がある。
内容(「MARC」データベースより)
われわれが望む未来はどんな種類のものかという意思決定に関わる道徳的ジレンマを検討、遺伝子工学を用いて人間本性を改変する望ましさを考察。われわれはどこまで自身の価値に従って来るべき世代の人々の人生を形成すべきか。
■目次
謝辞…i
第1章 はじめに…1
1 問題…1
2 方法…6
第1部 遺伝子
第2章 遺伝子工学の使用に関する問題…17
1 遺伝子と環境に関する議論を避けること…21
2 未来の世代の遺伝子構造を変える方法…23
3 「積極的」と「消極的」の区別…28
4 全体としての改善はありそうにない、または、不可能であるという見解…34
5 家族関係と、われわれの子孫たち…37
6 クローニング…39
7 種の境界を越える…42
8 リスクと失敗…49
9 これまでの反対理由…52
第3章 決定…57
1 神を演じない…58
2 遺伝子のスーパーマーケット…61
3 混合システム…67
4 価値観…68
5 人間の本性を変化させること…75
第2部 思考実験
第4章 ガラス張り…81
1 思考を監視する…84
2 ガラス張りの自由社会…88
3 人間関係…90
4 アイデンティティと個性…97
5 二つの観点…100
第5章 気分…103
1 社会的静寂主義への反論…106
2 適切性…108
3 スーパードラッグ…111
第6章 統制…117
1 いくつかの疑問…120
2 当局による悪用…122
3 当局による善意の統制…124
4 民主的にプログラムされた統制への自主的な服従…126
5 閉じた社会…129
6 アイデンティティ…130
7 自己変様…132
8 結論…135
第7章 夢(I)…138
1 経験機械…140
2 いくつかの素朴な反論…141
3 内的視点と外的視点…143
4 他の人々…144
5 活動…146
6 アイデンティティにかかわる反論…147
7 カント的反論…148
8 それでもまだ私だろうか…151
9 個人的特徴…153
第8章 夢(II)…158
1 ドリーム・ワールド…159
2 ドリーム・ワールドは実在するか…163
3 欺瞞、そして、われわれの欲すること…168
4 ドリーム・ワールドは心中心であるという反論…170
5 心依存的な考え方…173
6 閉所恐怖症…177
第9章 仕事…180
1 協力と自己表現…184
2 行き先よりも途中の旅…186
3 結果と置き換え…188
4 さまざまな回路…193
5 さまざまな否定的回路…196
6 システム…202
7 経済的問題を超えて…206
第10章 思考実験についての思考…209
1 自己開発と自己表現…214
2 接触と多様性…215
3 意識の発達…216
4 人間の本性についての保守主義を超えて…219
第3部 価値観
第11章 世代…225
1 スターリンとゲルツェン…226
2 平等原理…228
3 平等原理と衝突するいくつかの見解…234
4 平等原理の事実上の制約…240
5 ユートピアに抗して…242
6 介入の擁護…243
7 起こりうる衝突…246
第12章 調整…251
1 欲求の質と充足…253
2 自律…259
3 中立…265
4 人間動物園…267
第13章 視点…270
1 外的な視点…271
2 質…274
3 偏向…280
4 アルキメデスとノイラート…288
第14章 いくつかの結論…295
1 知的限界を超えて…298
2 情緒と想像力に関する限界…300
3 価値と危険…306
4 意識…309
解説…313
訳者あとがき…333
索引…340
■監訳者略歴(*「奥付」より)
加藤尚武(かとう・ひさたけ)
昭和38年 東京大学文学部哲学科卒業
昭和41年 東京大学大学院修士課程修了(哲学)
昭和47年 東北大学文学部助教授
昭和57年 千葉大学文学部教授
平成6年 京都大学文学部教授
現在にいたる
飯田隆(いいだ・たかし)
昭和47年 東京大学教養学部教養学科卒業
昭和53年 東京大学大学院博士課程中退(哲学)
昭和57年 熊本大学文学部助教授
昭和63年 千葉大学文学部助教授
平成3年 千葉大学文学部教授
現在にいたる
*作成:植村要