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『精神病質の概念』

武村 信義 19830610 金剛出版,精神医学文庫,176p.

last update:20101202

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武村 信義 19830610 『精神病質の概念』,金剛出版,精神医学文庫,176p. ISBN-10: 4772401695 ISBN-13: 978-4772401692 1800 [amazon][kinokuniya] ※ m.

■著者

 著者略歴(奥付全文)

「1928年4月15日長野県出生
現在 東京大学医学部脳研究所医学心理学部門・助教授
専攻 犯罪・司法精神医学,異常性格学
著書 「優生学」1961年,南江堂(共著)「精神医学」1966年,医学書院(共著)
訳書 P.ガイスプレヒト「殺人――実存的限界状況の分析」1980年,金剛出版
編集 「精神医学大系」第24巻(中山書店)を懸田克躬,中田修とともに責任編集,等」

■引用

 あとがき(全文)

 「私はこのー冊を私の恩師,故吉益脩夫先生に捧げる。先生は犯罪学研究者として知られる。しかしまた先生は遺伝精神医学,優生学に多大の関心を寄せられ,自ら精神病の家系調査や犯罪者などの双生児研究に従事され,国民優生法の成立に尽力された。先生の学問的関心とお仕事は変質論に深くかかわりをもっていたとみられる。私がはじめて変質論に触れたのは,1961年,同先生の助手として先生の「優生学の理論と実際」(昭和15年)の改訂をお手伝いしたときであった。今,当時の私の変質論の理解はまことに皮相的だったことが悔まれる。本書において19世紀のドイツにおける精神病質概念の著述に当って変質論にやや詳細に立ち入ったのは,Kraepelinまでの古典的精神病質概念とSchneiderのそれとの相違を明確に示したかったからである。私は先生との結びつきがひとっには変質論にあったことを憶い,本書を先生の墓前に供えたい。

 本書の著述に際しては,わが国では東京医科歯科大学犯罪心理学教室・中田修教授,同教室・影山任佐博士,ドイジではFrankfurt大学・Prof. Dr. J. Gerchow, Koln大学・Prof. Dr. W. de Boor,同大学・p[ママ]rof. Dr. U.H. Peters,またBerlin大学・Prof. Dr. W.Rasch, Bayerische StaatsbibliothekのDr. Schneidersおよびわれわれの教室の大沼美喜子技官などの方々にひとかたならぬお世話になった。これらの方々の助力がなければ本書の執筆は不可能であった。また出版のため金剛出版中野久夫氏から常に好意ある激励をいただいたことを忘れることはできない。このことを記してこれら<0175<の方々に深甚の謝意を表明したい。
 本書を執筆して,いままで無知だっただけに歴史を学ぶということがいかに大切かを痛感するとともに,歴史書を執筆することの怖さを知った。資料や文献の選択の困難さ,それらの入手が思うに任せないことなどの障碍のほかに,これまでの不勉強,誤った知識に基づく思いこみ,根拠のない,もしくは根拠に乏しい断定や,文献の読み違い,あるいは読み方の不足,文章表現の不適切さなどの,自分が嫌になるような失敗を私はいく度となく繰り返し,何度も文献の照合と考察をやり直し,書き直しも再三にわたった。本書のなかでしばしば引用したAckerknechtやWerlinderのきわめてすぐれた歴史書のなかにすら。誤りや記述の不適切な箇所を見出すのであるから,私の意図に反して本書もまた史実の把握の正確さとその解釈の適切さの点で完壁ではありえないであろう。本書でできるだけ引用文献と引用箇所を明記することに努めたのは,読者や後続の研究者による訂正を可能とするためである。
 序文に記したように,本書は著者の研究計画の一部を実現したものであり,それ全体が実現してはじめて私の意図も意昧あるものとなることを,自らに語りかけつつ,今宵筆をおく。

              1983年2月10日
                        著者」


UP:20130904 REV:
武村 信義  ◇精神障害/精神医療  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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