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『「病院化社会」の経済学――現在医療システムはあなたの明日をどこまで保障できるか』

西村 周三 19830324 PHP研究所,PHP新書,194p. ASIN: 4569210104 525


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■西村 周三 19830324 『「病院化社会」の経済学――現在医療システムはあなたの明日をどこまで保障できるか』,PHP研究所,PHP新書,194p. ASIN: 4569210104 525 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01

 「イリッチ[…]の主張を要約してみよう。<0012<
 […]
 医療や健康に対して反技術的である彼の指摘はおそらく、正しいだろう。しかし、私には、死に直面している人に向かって「自らの尊厳で、医者の手を借りずに死を迎えよ」とはいえない。それが肉親や友人であったら、なおさらである。治るか治らないかわからないけれども、最新の医学成果で治療させたいと思うのは人情ではないだろうか。このことは、最初に述べたイギリスの現状をみるとよくわかる。
 […]<0013<
 莫大な医療費支出が、イギリスの財政についていけず、NHSに最新医療設備が導入できなくなり、生死を分けるような大病の場合、結局、高額を払って私立の病院にかからなければならないからだ。」(西村[1983:12-14])

 「脳死のあと心臓が死ぬまでの間に、各種の臓器を他人に移植すれば、この臓器の有用性が著しく高まる。それにもかかわらずわが国では、現在法律で心臓死を死の判定基準としているために、臓器移植が困難になっているという。
 医学的にはいうにおよばず、経済的にみても臓器移植の費用は人工透析の費用よりはるかに安く同じ費用で多くの人命を救うことができるのだ。
 だからといってこの種の判断基準は、もちろん単純に医学上や経済上から決められてよいというものではないことはいうまでもない。たんに移植技術の有用性やその技術の向上、経済性ということを理由に個人の死の判定をされては困るからである。しかしながら、かといって、個人やその家族のみにかかわる全く個人的な事柄であるわけでもない。宗教家や様々の専門家の意見なども反映しつつ、また医学の進歩の現状もふまえた考慮がなされねばならないだろう。<0192<
 いずれにせよ社会の持つ文化や伝統を考慮に入れつつ、社会的合意を形成していくことが必要なのである。」(西村[1983:192-193])


UP:20061212 REV:
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