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『クライシス・コール――精神病者の事件は突発するか』

野田 正彰 198210 毎日新聞社 322p. → 20020116 『犯罪と精神医療――クライシス・コールに応えたか』,岩波現代文庫 340p.


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野田 正彰 198210 『クライシス・コール――精神病者の事件は突発するか』,毎日新聞社 322p. ASIN: B000J7KMES [amazon]→20020116 『犯罪と精神医療――クライシス・コールに応えたか』,岩波現代文庫 340p. ISBN-10: 4006030517 ISBN-13: 978-4006030513 1155 [amazon][kinokuniya] m,


■20020116 『犯罪と精神医療――クライシス・コールに応えたか』,岩波現代文庫 340p. ISBN-10: 4006030517 ISBN-13: 978-4006030513 1155 [amazon]

■内容紹介
出版社の紹介
精神病者の犯罪が起こるたび,保安処分の実施が叫ばれる.しかし,著者はなによりも事件のフィールドワークが重要と考え,13件の重大事件を調査する.患者や家族は精神的危機を訴えるクライシス・コールを発していた.それに応えられる医療制度や精神科医の診断能力はあったのか.調査の分析から精神医療に対して提言する.解説・鎌田慧.

内容(「MARC」データベースより)
精神病者の犯罪が起こるたび、保安処分の実施が叫ばれる。患者や家族の発するクライシス・コールに応えられる医療制度や医師の診断能力はあったのか。13の重大事件の調査の分析から精神医療に対して提言する。索引つき。

■目次

はじめに
第1章 精神病者の事件は突発するか
 浮かび上がった保安処分問題
 事件のフィールドワークを
 参考資料 改正法の保安処分草案
第2章 精神医療を求めながら
 精神障害者の犯罪は誤解されている
 事例1 漁村の一族七人殺人事件
 事例2 元画学生の一家四人刺殺
 事例3 農村の一家が発病して
 事例4 シンナー中毒の息子殺し
第3章 外来通院中の事件
 社会の偏見にかこまれて
 事例5 海辺の通行人殺害
 事例6 大都会の隣人殺し
 事例7 ニュータウン傷害事件
第4章 忘れられた退院者たち
 事例8 嵐の夜の襲撃
第5章 入院・退院を繰り返して
 事例9 白昼の通り魔
第6章 転々と住まいを変えて
 事例10 帰郷者の公園殺害事件
第7章 精神病院に入院中に
 事例11 連続通り魔事件
 事例12 入院患者の看護婦刺殺事件
 事例13 外勤作業に出て殺人
第8章 精神医療の現状と背景
 あなたはご存知ですか?
 精神病院はなぜこんなに増えたか
 精神病院はなぜ遠い
 ケネディ教書とクラーク報告
 精神病は遺伝病か?
 分裂病は治るか
第9章 クライシス・コールに応える医療を
 事件に至る5つの問題点
 司法精神鑑定と刑事政策
 精神的危機に対応できる精神科医療を
資料1 精神病・精神薄弱に関するケネディ大統領教書
資料2 日本における地域精神衛生―WHOへの報告 D・H・クラーク
引用文献
1982年のあとがき
解説(鎌田慧)
牽引

■紹介・引用

「事件を追っていけばわかるように、世間の人々が思っているほどに、“精神病者の犯罪は突発”してはいない。一般社会の常識でいえば“突発”しているのだが、精神医学的には突発ではない。しかし、病者の苦しみや、症状を見落としてしまったり、あるいは解決能力のない単なる談話だけの精神衛生相談では、精神医療側が何を言っても始まらないと言うことだ。この事例で見れば、前記のような精神医療のレベルのままでは、たとえ保安処分論者が主張しているような“治療処分”をしたとしても、いつかはKは“よくなった”とされて退院し、やはり同じような事件を起こしていたであろう。また、一部の精神科医のように、精神科医としての責任を自身に問いかけることを忘れ、ただ行政に向かって「医療と福祉の充実」を叫んでも、本件のような場合には何の意味も成さない」。(p.157)


*作成:阿部 あかね(先端総合学術研究科)
UP:20070726 REV:20081101, 20090712
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