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『脱常識の社会学――社会の読み方入門――』

Collins, Randall 1982 Sociological Insight an introduction to nonobbvious sociology,Oxford University Press.
=19920313 井上 俊・磯部 卓三 訳 『脱常識の社会学――社会の読み方入門――』,岩波書店,252.


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■Collins, Randall 1982 Sociological Insight an introduction to nonobbvious sociology,Oxford University Press. =19920313 井上 俊・磯部 卓三 訳 『脱常識の社会学――社会の読み方入門――』,岩波書店, 252p. ISBN-10:4000012754 ISBN-13:978-4000012751 3045 

■内容
[出版社/著者からの内容紹介]
なぜ我々は疑いもせず,取引きができるのだろう.なぜ結婚するのだろう.当たり前のこととして片づけられている日常の生活をめぐる「常識」.その深層構造を儀礼と象徴を通して脱「常識」化し,解明してゆく.

「BOOK」データベースより
われわれの社会はいつ、なぜ、どう形づくられたのか?「常識」を儀礼と象徴を通して脱常識化、日常の深層構造をあざやかに解明してゆく。

「MARC」データベースより
なぜ我々は結婚するのだろう。なぜ宗教に走るのだろう。なぜ権力が生まれるのだろう。そうした当り前のこととして片づけられている日常の生活をめぐる常識。その常識に秘められた深層構造を、儀礼と象徴を通して脱常識化し、あざやかに解明してゆく。

英語版 Book Description
Revised and expanded to incorporate recent research, this classic text now offers a more comprehensive introduction to many of sociology's most interesting and elegant ideas, written with a grace and wit that have delighted a generation of students. Beginning with a central problem that distinguishes sociology from most other ways of looking at the world, Randall Collins examines the limits of human rationality and sociological theories of religion, showing how they open up a general theory of social rituals that holds the key to much of the rest of sociology. With these conceptual tools in hand, he invites students to ponder how sociological analysis can illuminate a variety of urgent topics--power, crime, sex, love, and the position of women in society--as it reveals both their visible social symbols and their paradoxical deep structures. In a new final chapter, Collins stakes out an important role for sociology in the information age, while coming full circle to the theories of rationality and ritual with which he began, showing that artificial intelligence can approximate human creativity only if it can take part in ritual interactions. Uniquely engaging, Sociological Insight dramatizes the major issues and concerns of sociology in a way that gets students thinking and talking, and whets their appetites for more.

■目次

まえがき
1 合理性の非合理的基礎
  契約の前契約的基礎
  ただ乗り(フリーライダー)問題
  契約社会の台頭
  権力と連帯

2 神の社会学
  宗教の共通基盤
  なぜ人びとは道徳的感情をもつのか
  社会的儀礼の一般モデル
  神の類型(タイプ)は社会の類型(タイプ)に対応する
  個我の発生
  日常生活における相互作用儀礼
  社会的儀礼の世界

3 権力の逆説
  三つの戦略――金銭・強制力・連帯
  当然視されているものの重要性
  最適化と満足化
  不確実性の力

4 犯罪の常態性
  犯罪の保守主義的説明
  リベラルな説明
  犯罪についてのラディカルな説明
  犯罪の社会的必要性
  犯罪の限界

5 愛と所有
  性愛的所有(エロティック・プロパティ)
  世代的所有(ジェネレーショナル・プロパティ)
  家産的所有(ハウスホールド・プロパティ)
  性的市場の台頭と愛の革命
  家族の将来

あとがき
訳者あとがき
文献案内

■引用
もしオープン・マリッジが広くいきわたるとすれば、それは、まちがいなく、大きな変化である。オープン・マリッジというのは、二人のパートナーがお互いに、相手が性的パートナーを欲しいだけもってもよいとする合意である。それは家族構造――公式なものであれ、非公式のものであれ、また長期的なものであれ、短期的なものであれ――の鍵である排他的な性的所有を廃止するものだから、それが広まることは真の変化である。恋をするという現在の過程も、同じくこの排他性から生じる。したがって、もしオープン・マリッジが一般的になれば、私たちは実際上まったく新しい家族組織をもつことになるだろう。
しかし、オープン・マリッジが広く人気を博しつつあるとは思われない。オープン・マリッジが普通成功しないのには、構造的な理由がある。すでに述べた社会学的観察ぶよればmそこで起こると思われるのは、オープン・マリッジをした二人が競争することになりやすいということである。標準的な家族において夫婦の相対的な力がそれぞれの収入の多少によって影響されるのとまったく同様に、オープン・マリッジにおいては、男女の相対的な力は、それぞれが他に何人の性的パートナーをもっているかに依存する。オープン・マリッジは、どちらが性的により好まし(p227)いかという競争になる。今日の私たちの社会では、性的パートナーを探し求める女性の方が、男性の場合よりも、喜んで応じる相手を得やすいから、この競争は女性の勝利になるのが普通である。結局、男性は、しばらくすると、自分の方が分が悪くなりつつあり、またパートナーの方がオープン・マリッジで得をしていると感じはじめる、ということになりやすい。逆説的なことだが、最初にオープン・マリッジをいいだすのはどちからといえば男性であるのに、それを終わらせたいと思うのも男性の方なのである。いずれにしても、オープン・マリッジは、構造的に不安定である。カップルは、実験を終わりにして、もっと排他的な関係に戻るか、そうでなければ結婚が崩壊して普通の離婚になるかのどちらかである。(p228)

■書評・紹介

■言及



*作成:岡田 清鷹
UP:20080803
愛/承認・貴族  ◇犯罪身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
 
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