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『文章構成法』

樺島 忠夫 19800820 講談社,193p.

last update:20111214

■樺島 忠夫 19800820 『文章構成法』,講談社,193p. ISBN-10:4061455877 ISBN-13:978-4061455870 \735 [amazon][kinokuniya]  ※

■内容

出版社/著者からの内容紹介
文章を書くことは考えることであり、読み手に理解させ、納得させることである。では――●“模範文にならって書きましょう”ではなぜ書けないか●感動したことをそのまま書けば、よい作文ができるか●何を書けばよいかわからない時、どうするか●主題の見つけ方に技術はあるか●ヘタな文章に型はあるか●トピックはどう生かすか――本書は、内容作りから、目的にあった表現の仕方まで、システマティックに文章を作りあげていくノウハウを豊富な実例と体験をもとに公開した。

どんな順序で並べるか――「ゆうべ、熊さんの家に強盗が入ってね」「へえ、それは大変だ。で、どうなった?」「日本刀でぐさりと腹を刺された」「気の毒になあ」「しかし、強盗はすぐあげられた」「そうかい」「熊さんとこは天ぷら屋だからね」こういう順序ならば、相手をうまく話に乗せることができる。しかし、「熊さんとこは、天ぷら屋だろ」「そうだよ」「ゆうべ、熊さんの家に強盗が入ってね」「天ぷら屋だから、すぐあげられたのだろ」順序をまちがえると、意図通りにはいかないことになる。読み手は、時間的な順序に従って次々に与えられる内容に反応する。その反応のしかたに、人間としての一般的な傾向があれば、その傾向をうまくとらえることによって、よい文章の型を設けることができる。――本書より

■目次

1.なぜ文章構成法か
2.書くことの発見のために
3.主題を発見するには
4.内容作りの技術
5.主題と要旨はどう違うか
6.文章構成のポイント
7.文表現をどうするか
8.書くとき、買いてから

■引用

◆私たちが社会に提供する価値ある情報としては、
 ○人があまり知らない知識、知ることが必要な事実。
 ○人が、どうすればいいか、どうあればいいかと迷っていることに関して、判断、意志決定の材料になる事実や考え方。
 ○人が漠然と感じてはいるが、はっきり意識していない現象や考え方を明確に表現することによって、それについての認識を確かにしたり、問題をはっきりさせたりする。
 ○すでに知られていること、説明されている事実・出来事に対して、新しい解釈・見方・考え方を提出し、それによってはっきりわかってくること、新たに生じる問題を示す。
などがある。[1980:40]

◆文章を書くときには、このように、一つ一つが独自の要旨を持つまでに内容がまとまっている部分を、幾つか設けて書く。そして、内容のまとまりを、視覚的にも強調するために、 そのまとまりの頭では、行を変えて一字下げて書き始める。これが段落である。行を改め一字下げて書けば段落になるのではない。意味的にまとまっている言葉のブロックが段落であり、 その視覚的強調が行変え一字下げなのである。/文章はこのように、区切りを作り、部分的独立を目立たせて書くもので、これが明快な文章を書くコツである。[1980:68-69]

◆箇条書きの効用は、
 一、全体が、幾つの、どんな要素から構成されているかが、はっきりわかる。
 二、必要な情報がどこにあるかが、すぐわかる
 三、書く側でも、必要な要素を落とさずに確かめて書くことができる。[1980:71]

◆文章を書くとき、文章の要所要所で、
・――はなぜだろうか。(問題提起)
・次のような実験をした。(実験内容の告知)
・まとめると――となる。(要約)
・次のことがわかった。(観察結果)
・結論は――である。(結論)
・私は――を提案する。(提案)
などのように、“内容”をどうしたのか・・・や、読み手に対してどうするのか・・・を、はっきり言語化して表しておくと、読み手の理解が正確になる。[1980:139]

◆あいまいさをなくし、書き手と読み手との間の知識・経験の差を縮めるためには、文章を抽象的にせず、内容をくだいて述べることが役に立つ。[1980:157]

◆・・・まず、文章を何のために書くか、どんな内容にするか、がある。新聞の投書欄であれば、読者の意見を書く場所であるし、学術雑誌であれば、その専門の論文を書く、というように、 投稿先によって目的・内容がすでに定まっている場合が多い。執筆を依頼される場合には、編集者から、どのような内容を、どんな狙いで書くのかの注文がある。内容はその時々によって 様々であるが、どの場合にも、論文を書くのか、新しい知識を啓蒙的に解説するのか、読者に問題を提起するのか、折に触れての随想を書くのか、読者の楽しみのために文章を書くのか、 この狙いは確認しておいた方がいい。/また、読み手は専門家か、サラリーマンか、その中でも管理職か、不特定多数の人々か、家庭の婦人か、子どもか老人か、これら読み手のあり方 によっても、書くべき文章のスタイルは変わってくる。もし、雑誌やシリーズ物の書物で、一つの企画の中の一部を担当する場合には、他にどんな内容が書かれたか、予定されているのか、 だれがそれを書いたか、書くのかも知っておく。これによって自分の担当する内容・範囲がはっきりするし、無駄な重複や空白を防ぐことにもなる。[1980:174-175]

◆文章構成のチェックリスト
1、主題がはっきりしているか。文章全体を通じて一貫しているか。
2、区切りをはっきり設けて書いているか。その区切りは、意味のまとまりを持っているか。段落を、意味の上でも視覚的にもはっきりと設けてあるか。
3、一つの文が長すぎないか、一つの文に多くの内容を詰め込みすぎているところはないか。
4、意味がはっきりしない言いまわし、人によって違った意味に受け取られる表現をしているところはないか。
5、あまり簡単にまとめすぎてはいないか。他人によくわかるように書いてあるか。5W1Hの、大切な要素が脱落してはいないか。
6、抽象的に述べすぎてはいないか。もっと具体的に表現できないか。
7、意見・感想・問題提起の表現に、それを引き起こしたり根拠となったりする事実の表現を伴わせて述べているか。
8、正確に伝えるために、内容向けの筆者の行動“考える・推定する・伝え聞く・信じる・疑う”などの表現あるいは読み手向けの行動“報告する、約束する、 問題を提起する、依頼する、希望する”などの表現を加えたらどうか。
9、表現・文体は統一されているか。「です・ます」と「である」とを混用してはいないか。
10、文字使いは統一されているか。送りがな・かなづかいは正しいか。誤字・あて字はないか。辞書を調べてみたらどうか。[1980:190-191]

◆自分が書いた文章は、どうしてもひいき目で見てしまう。また、文字使いにしても、不注意による誤字もあるが、誤字の多くは、正しいと思って書いたものである。だから、自分で点検 しても訂正されずに残ってしまう。だから、書いたあとで親しい友人や同僚に読んでもらうとよい。[1980:192]

◆自分で書いた文章を読んでもらうときには、次の点に関して気づいたことを言ってもらうとよい。
ア、わかりにくいところ、誤解されそうなところ。
イ、表現や文字使いがおかしいところ。
ウ、内容について、おかしいのではないか、なんとなく納得できないと感じられるところ。論理的に筋が通っていないところ。
これを、ただ聞くだけでなく、わかりにくいと言われた所であれば、それを相手に説明してみるとよい。論理的に筋が通っていない、と言われた所では、論理が通るように述べなおして 聞いてもらうとよい。相手にわかるように表現することによって、書いた表現とは別の表現があることに気づくことができるし、自分が考えていることを、より正確に分析することが できる。さらに、内容について相手に説明し議論しているうちに、すばらしいアイデアがひらめく効果もある。[1980:192-193]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20111213 REV:20111214
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