『論理的観点から―論理と哲学をめぐる九章―』
Quine, W. V. O. 1980 From a Logical Point of View: Nine
Logico-Philosophical Essays. Second Edition, Revised. With a New
Forward. Harvard University Press
199211 飯田隆訳,『論理的観点から―論理と哲学をめぐる九章―』,みすず書房
■Quine, W. V. O. 1980 From a Logical Point of View: Nine
Logico-Philosophical Essays. Second Edition, Revised. With a New
Forward. Harvard University Press
=199211 飯田隆訳,『論理的観点から―論理と哲学をめぐる九章―』,みすず書房, ISBN-10: 4326198877
■目次
序言 一九八〇年
第二版への序言
序文/凡例
T なにがあるかについて
U 経験主義のふたつのドグマ
V 言語学における意味の問題
W 同一性・直示・物化
X 数理論理学の新しい基礎
Y 論理学と普遍者の物化
Z 指示の理論についての覚え書き
[ 指示と様相
\ 意味と存在的推論
初出一覧
訳者あとがき
引用文献
索引
■引用
「経験主義のふたつのドグマ」
地理や歴史についてのごくありふれた事柄から、原子物理学、さらには純粋数学や論理に属するきわめて深遠な法則に至るまで、われわれのいわゆる知識や信
念の総体は、周縁に沿ってのみ経験と接する人口の構築物である。あるいは、別の比喩を用いれば、科学全体は、その境界条件が経験である力の場のようなもの
である。周縁部での経験との衝突は、場の内部での再調整を引き起こす。いくつかの言明に対して、真理値が再配分されなければならない。ある言明の再評価
は、言明間の論理的相互連関のゆえに、他の言明の再評価を伴う−論理法則は、それ自身、同じ体系のなかのもうひとつの言明、同じ場のなかのもうひとつの要
素にすぎない。ひとつの言明は、はじめの言明と論理的に連関している言明であるかもしれないし、論理的連関そのものについての言明かもしれない。だが、場
全体は、その境界条件、すなわち経験によって、きわめて不十分にしか決定されないので、対立する経験がひとつでも生じたときに、どの言明を再評価すべきか
については広い選択の幅がある。どんな特定の経験も、場の内部の特定の言明と結び付けられているということはない。特定の経験は、場全体の均衡についての
考慮を介して、間接的な仕方でのみ、特定の言明と結びつくのである。(pp.63-64)
UP:20071216 REV:
*作成:篠木涼
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