『「ふれあい」の精神医療』
浜田 晋 19791025 弘文堂,258p.
■浜田 晋 19791025 『「ふれあい」の精神医療』,弘文堂,258p. ISBN-10: 433560002X ISBN-13: 978-4335600029 1200 [amazon]/[kinokuniya] ※
■引用
「悲惨な彼らの生活をじかにこの眼で見た時、私(精神科医)と患者の「距離」が深くて暗い絶望的な溝として感じられたのです。その時、私自身も疲れきってぼろぼろでした。東大赤レンガ病棟の連夜の当直と、過酷な状況の中で、私自身が追い詰められていました。しかし、一方ではこのような危機的な時にこそいろいろなものが見えてくるとも言えましょう。この機に、私は今後の精神科医としての実践活動の一番大切な手がかりをつかんだのかもしれません。
そのひとつに精神科医と患者の間のどうしようもない「距離」を、私の医療の原点にすえて、そこからでなおしてみるしかないのだという覚悟がかたまったことです。それが裏返せばどうして患者さんと同じ地平に立てるか、それにはどうしたらよいかということでした。」(浜田[1979:★])
cf.東大病院精神神経科病棟(通称赤レンガ)占拠・自主管理
■言及
◆立岩 真也 2013/11/ 『造反有理――精神医療の現代史
へ』,青土社 ※
作成:阿部 あかね