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『創造の方法学』

高根 正昭 19790920 講談社,講談社現代新書,198p.


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last update:20160315

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■高根 正昭 19790920 『創造の方法学』,講談社,講談社現代新書,198p. ISBN-10:4061455532 ISBN-13:978-4061455535 740+ [amazon][kinokuniya]

■内容

アメリカの幼稚園では、絵にしろ工作にしろ、両親や先生が、手本を示してはいけないことになっている。模倣を排し、個性を尊び、新しい表現と、知識の創造を目ざす風土と伝統なのであろう。西欧文化の輸入に頼り、「いかに知るか」ではなく、「何を知るか」だけが重んじられてきた日本では、問題解決のための論理はいつも背後に退けられてきた。本書は、「なぜ」という問いかけから始まり、仮説を経験的事実の裏づけで、いかに検証していくかの道筋を提示していく。情報洪水のなかで、知的創造はいかにしたら可能なのだろうか。著者みずからの体験をとおして語る画期的な理論構築法が誕生した。

■目次

1 方法論への道 知的創造とは何か
   アメリカへの留学/尊敬と憎しみの感情/罪の意識の英会話/スタンフォード大学/アメリカ文化の普遍主義/一人前の人間として生きる/厳しい業績主義/組織的読書の要求/書く訓練/方法論の重視/3つのR/日本とアメリカとの差/大学教育の根底にあるもの

2 問題をどうたてるか
   戦意昂揚の宣伝映画/問題解決のための論理/「原因」と「結果」の論理/命題と仮説/なぜという問いかけ/「記述」と「説明」との差/ミヘルスの研究/「結果」からの仮説/「結果」が「原因」となる/図に書いてみる/数量的研究へ着手

3 理論と経験とをつなぐ
   リップマンの三角関係/仮説から検証へ/より一般的な概念へ/概念の修正と創出/カテゴリーの定義/概念を具体化した指標/デュルケムの『自殺』/より高い信頼性へ/抽象と経験の往復運動/現実感覚の意味/動いている人間関係の原理/貴重な回り道

4 科学的説明とは何か――イメージから論理へ
   ローソクの実験/数値をもった概念/時間と共変/因果法則を満足させる3つの条件/ふたたび「イギリスの闘い」/無作為化/原理的に安全な方法/限られた方法でもある

5 数量的研究の方法
   移民のエネルギー/サーヴェイ・リサーチの開発/理論は単純でなければならない/世論調査の方法/無作為抽出法/二変量解析/二流の物理学者と一流の社会学者/80の質問を収めるカード/悪夢のような作業/多変量解析/マッカーシーのアカ狩り/偽の関係の発見/『日本の政治エリート』/4つの基本型/バス解析/より広い現実への適用

6 全体像をどうつかむか――質的方法を求めて
   質的歴史研究法/ベンディックス教授のセミナー/歴史のダイナミズムをとらえる/ベラ教授の思い出/Yes, I did./ヴェーバーの方法/『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』/歴史事象の場合/日本の近代化/勤勉・節約・経済的成功/組織的比較例証法/トクヴィルの場合/アメリカとフランスの比較/因果関係推論の原理

7 現場の体験の生かし方
   2つの経験/内灘と砂川/鋭い観察者/よき情報提供者こそ/参加観察の方法/内部の事情を/逸脱事例に関する/マーガレット・ミード/文化人類学だけではない/想像的実験/直接体験から一般的知識へ

8 ジャーナリズムに学ぶ――現実をどう理解するか
   新聞記者の留学生/経験の世界を理解する/発見・伝達の能力/学ぶべき現実感覚/研究と評論/ノッペラボーの紹介文/あらゆる側面を知り尽くす/立場をはっきりさせる

9 方法論の一般理論へ 創造にむかって
   組織化されていない方法論/大学教育の根本機能/理論を組みあげる/無限の循環/統合への試み/方法論とは知的活動の原則/調査と研究のためのルール

あとがき

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:奥坊 由起子
UP:20160315 REV:
身体×世界:関連書籍  ◇BOOK

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