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『構造・神話・労働 クロード・レヴィ=ストロース日本講演集』

19790405 大橋 保夫 編,三好 郁朗・松本 カヨ子・大橋 寿美子 訳, みすず書房,188p.


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Levi-Strauss,Claude 19790405 『構造・神話・労働 クロード・レヴィ=ストロース日本講演集』大橋 保夫 編 三好 郁朗・ 松本 カヨ子・ 大橋 寿美子 訳, みすず書房,188p .ISBN:4622004801 1980 [amazon] ※ w/lc01

■目次

T 講 演
 民族学者の責任
 構造主義再考
 神話とは何か
 労働の表象
 著者を囲むシンポジウム(大橋保夫)
U 対 話
 未開と文明
一民族学者のみた日本
あとがき(大橋保夫)

■引用
 「世界が小さくなったこと、民族学者は自ら望むと否とを問わずもはや中立ではいられないこと、研究としてなされる観察や判断が自分の意図とは異なった目的に利用されうること、私がはじめてそれに気づいたのは1941年か1942年にニューヨークへ亡命者として到着した時でした。フランスで戦時中を過ごし、ブラジル中部に長期滞在をして戻ってきたのです。写真のネガを持ち帰ったところ、到着するとすぐに米国の諜報機関から連絡があり、ネガ全部にできる限りの注釈をつけて複写してくれるようにというのです。一体何のためなのでしょうか。南米のこの奥地にも、いつかは軍事作戦が展開されるかもしれません。そうすれば私の資料が役に立つかもしれないというわけだったのです。」(『構造・神話・労働』p11)

「民族学者が現在してはならぬと私が考えるのは、あの一種の知的テロリズム、ときには知的のみにとどまらぬテロリズムに屈服することです。アメリカ人類学協会が陥りかけているこの種の新魔女狩りの例は先ほどお話しました」(『構造・神話・労働』p29)

「個人的かつ歴史的な生成に関わる主体としての人間に関心をもつのも正当なら、全く別の視点に立って、もはや主体ではなく、主体が意識していようがいまいが、これを機能せしめている知的メカニズムを把握しようと努めるのは同じく正当なことなどです。  フランスでは「主の右には多くの席がある」などと申します。構造主義は、それが唯一可能な人類学であるなどと主張するものでありません」(『構造・神話・労働』p57)

「神話とはまず、今しがた申しましたように、動物と人間とがまだ互いに切り離されておらずそれぞれが宇宙に占める領域がまだはっきり区別できていなかった、非常に古い時代に起こったことの物語です。しかし同時のこの太古の出来事は、いろいろの事物がどのようにしてできたか、現在どうなっているか、将来どのような形で残るかということを説明します。ゆえに神話の第一の性格はこの「時間統合機能」です。それは、過去によって現在を説明し、現在によって未来を説明して、ある秩序が現れるとそれが永久に続くことを確認するものです。」(『労働・神話・構造』p66)

「科学的思考の出現とともに神話はいわば炸裂してしまい、今やその破片が散乱しているのを見出すだけです。かつて神話が統一的な答えを与えようと努めていた諸問題は、今日では全く別々の問題となり、あるものには宗教的説明、あるものには法律解釈、またあるものには歴史的説明が与えられるようになりました。」(『労働・神話・構造』p80)

*作成者:近藤 宏
UP: 20080426
Levi-Strauss,Claude  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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