『障害者解放と労働運動』
高杉 晋吾 19771031 社会評論社,282p.
■高杉 晋吾 19771031 『障害者解放と労働運動』,社会評論社,282p. ISBN:475031739X ISBN-13: 9784750317397 2520 [amazon] ※絶版
■目次
序論 障害者を封じ込める社会構造
全国の施設に広がる構造的危機
危機の本質と二つの選択
障害者「雇用」政策の欺瞞性
全障連の闘いと運動の転換期
第一部 生産点と障害者
T 「福祉モデル」工場と障害者のたたかい――大久保製壜闘争報告
一、福祉〈どれい〉工場の叛乱
二、組合破壊攻撃に抗して
三、資料
U 葛飾福祉工場の労働組合
V 労働災害としての精神病
W 障害者にとって労働とは何か
第二部 生活点と障害者
T 高崎「のぞみの園」事件の深淵
U 「私はこの箱から逃れたい」――「第二びわ湖学園」にみる施設の状況
V ともに生きる願いを阻むもの――「いわき・敷津浦学園」移転計画の波紋
W 施設経営の危機と障害者の状況
X 早苗君が叫ぶ日――豊中市の障害者解放教育
Y 川崎バス乗車闘争が問うもの
あとがき
■引用
八木下浩一 「動けない人間をどうやって職場で働かしていくかっていう問題を、いまの労働者階級は語っていない。たとえば、寝たきりの障害者は労働ができるのかっていったら、はっきりいって、できるんです。どうやってできるのかっていったら、たとえば、機械革命が起こったら役に立つわけですよ。技術が、ボタンで勝手に何でもできる世の中なんだから、障害者がボタン押せるのかっていったら、押せる。そのことを知識でどう取組むか、取組まないか。また、労働者階級がそこまで労働問題として自分の問題としてやるかやらないかっていう問題なんだ。(142)
…中略…
だけど能力はない。たとえばモノをつくれるか。たとえば、いまここにあるようなテーブルをぼくがつくるとしても、四つの足があるわけだが、チンバになっちゃうわけだ。わかっていてもやることはできないわけです。モノサシではかってやっても、ノコギリ入れるときは、斜めに切ったり、横に切ったり、縦に切ったりする。四つの足が合わないわけだ。それが売れないと資本家にしてみれば労働者の価値がないわけだよ。机がつくられなかったらダメ。商品としての労働者の価値はないわけだよ。しかしその価値観は本来資本家のものだ。そこらへんに問題があるんだ。労働者が、四つの足をつくるのも、われわれが作るのも、同じ労働として認めない労働者階級は、本当の闘いをやってるとはぼくは思わないな。
だから、根本から地域の中でどんどん、いまの価値観を変えていかなくちゃいけない。たとえば、女の人が美しい、じゃあどこが美しいんだということになるわけだ。口紅つけてるのが美しいかとか、美しくないとか……。障害者が何もつけないで(笑)歩いても美しいと思えば美しいと思うまで価値観を変えなくちゃいけない。価値観を変えるために、障害者が地域の中にいかに住むかっていうことをぼくたちがやっただけ//のことです」(143-4)
■書評・紹介
■言及
*作成:堀田義太郎 追加者: