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『車椅子・残酷な青春――進行性筋ジストロフィー症者たちの詩文集』 ありのまま舎 編 19770430 エール出版社,188p.


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last update:20160124

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■ ありのまま舎 編 19770430 『車椅子・残酷な青春――進行性筋ジストロフィー症者たちの詩文集』,エール出版社,188p.,[amazon][kinokuniya] ※ md.

■目次

■引用

 「あとがき
 東北の四月はまだ肌寒い。
 昭和四十七年のそんなある日、私達の続けている運動体の前身が誕生した。それまでの患者自身だけでかたまっていたサークル的組織とは異なり、一般の人達を含んだ形で社会に働きかけをする集りに変って出発したのだ。
 朝の起床から食事・用便まで何一つ自分だけでは用をたせない進行性筋萎縮症(進行性筋ジストロフィー症)患者と普通の健常者はどこで結びつくのか、どこの接点(つなかり)を見い出せば同次元で思考できるのか、また行動できるのか、私達は初期にこんな議論を幾度も続けた。
 そんな中から具体的な行為として最初に詩集『車椅子の青春』を自費出版していった。
 その後、詩集は版を重ね『続・車椅子の青春』を刊行するまでに至った。
 この時点までは私達の数々の社会に対する運動は、着実に成果をあげることができた。
 『続・車椅子の青春』は全国に散在している患者から詩の寄稿という形で協力をもらい、また私達自らも筋ジス患児・者を被写体とした写真パネルを持ち歩き、患者への理解をと写真展を開催△185 して行動を起こしていった。
 運動の一環として筋ジス患者施設を訪れ意見の交換をしたこともある。
 しかし、およそこの五年間にわたる私達の行為は何を残したのであろうか。
 結果は、あげた運動の成果と同時に社会の中に存在するいろいろな問題をあらためて認識することしなかったのである。
       *    *
 それは、収容施設に起きる患者と医療従事者とのトラブル、在宅患者の経済的問題・介護者の問題、また医療の不備という問題、数えあげればきりがないほどである。
 特に経済的な問題は患者一人の問題として収拾せず回りにも必ず影響を及ぼしている。」(ありのまま舎編[1979:185-186]、「あとがき」(著者名なし))

 裏カバー
 「★進行性筋ジストロフィー症とは
 進行性筋萎縮症(筋ジストロフィー)という病気をご存知でしょうか。全身の筋肉が萎縮し、ついには余病を併発して死に至るという病気です。この病気の8割をしめる型の内、悪性のディシャンヌ型は幼児に発病し、進行も早く15〜16才で死亡いたします。良性でも10才前後で車椅子の生活になり、20才前後でこれまた死亡するという悲惨な病気で、全国にはこの病気で苦しむ仲間が2万〜3万人もいるといわれています。」

■言及

◆立岩 真也 2018 『(題名未定 2018b3)』,青土社


*作成:立岩 真也
UP:20180331 REV:
ありのまま舎
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