『注射の功罪――大腿四頭筋拘縮症をめぐって』
津山 直一・小林 登・砂原 茂一・高橋晄正・赤石 英 19761210 東京大学出版会,244p.
■津山 直一・小林 登・砂原 茂一・高橋晄正・赤石 英 19761210 『注射の功罪――大腿四頭筋拘縮症をめぐって』,東京大学出版会,244p. ASIN: B000JA09FW \不明 [amazon] ※ ms
■内容
注射による大腿四頭筋拘縮症は、医療関係者、厚生行政当局、製薬企業などに大きな衝撃を与えただけでなく、広く一般市民に「自分たちの受けている医療」について深刻な疑惑をなげかけました。この本は、この事件(サリドマイド事件)を社会に押し出すきっかけを作った高橋氏、自らの専門領域の出来事として深刻に受け止めておられる小林氏、この種の障害児の治療にたずさわっておられる津山氏、注射自己の基礎条件を研究された赤石氏―の四人の方々の分析と見解とを収録しています。(砂原茂一による「はしがき」の一部抜粋)
■目次
はしがき
問題の発端とその後の展開
1.事件のあらまし
2.地元の反応と全国への波及
3.親とこの苦悩の日々
4.印象に残る子どもたち
5.明るみに出た歴史的背景
大腿四頭筋拘縮症その他合併症
1.いとぐち
2.筋肉注射による筋拘縮症
3.大腿四頭筋拘縮症
4.結語
付
小児と注射――小児医療における注射の位置づけ
1.はじめに
2.小児の医療のあり方
3.注射によっておこり得る合併症
4.小児における筋肉注射の部位
5.注射投与の利点、とくにその薬力学特性
6.注射投与を必要とする場合
7.おわりに
注射と注射剤の問題
1.緒言
2.注射自己の実態
3.注射部位の問題
4.注射法指定の根拠
5.注射剤の物理化学的性状
6.注射剤の溶血性と組織障害性
7.注射剤の培養細胞障害試験
8.筋肉注射全廃論
9.結語
いろいろな薬害事件の背景としての日本の医療の風土
1.なぜ日本に薬の事件が多いのか
2.薬氾濫と注射崇拝
3.治療の科学
4.医学教育の責任
5.日本の医学・医療の反省
6.むすび
子どもたちの未来のために―責任の所在とわれわれの責任
1.注射の安全性と適応と部位の選択
2.責任者たちの姿勢
3.人権のための闘争
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:本岡 大和