>HOME >BOOK
『仮面の道』

Levi-Strauss Claude 1975  La voie des Masques,Plon
=19770805,山口 昌男・渡辺 守章 訳 新潮社,236p.


このHP経由で購入すると寄付されます

Levi-Strauss,Claude [クロード・レヴィ=ストロース],1975,la Voie des Masques,Plon
=19770805,山口 昌男・渡辺 守章 訳 『仮面の道』,新潮社,236p. ASIN:B000J8X9GK 8755 [amazon] b

■目次

第一巻
第二巻

図版目録
書誌
《仮面の道》解説 山口昌男

■引用

「1943年に私はこう書きとめておいた。「ニューヨークには、幼年期の夢が一同に寄り集まったような魔法の場所がある。底では年月を経たトーテム柱が歌いかつ語りかけ、奇妙なオブジェが不安げに凝固した表情で訪問客のほうを窺い、また人間離れしたやさしさを持った動物たちが、前脚を人間の手のように合わせてこう祈っているように見える、選ばれたヒトのためにビーバーの宮殿を築き、海豹王国の案内人となり、あるいはその人に神秘的な抱擁を与えつつ、蛙やかわせみの言葉を教える特権を委ねて欲しい、と。ここに言うのは、時代遅れではあるが、奇妙にも有効な展示法のおかげで、仄暗がりに光りのさす洞穴に入って崩れんばかりの過去の稀宝の山を前にしたような感動を与える番外の魅力を持っている場所で、毎日10時から5時までは誰でも訪れることのできる、あのアメリカ自然史博物館の一隅である。」」p11

「意味論的な観点から考えれば、神話が意味を持つのは、変形された神話の群の中に組み込まれてである。それと同様に、ある類型の神話は、造形的な観点だけから見れば、他の類型の仮面に対して成立するものであり、それらの仮面の輪郭や色彩を反映させながら、その固有の意味を獲得するものなのである。」p34

「現在なお、多くの民族学者や美術史家がするように、ひとつの仮面が、いや更に一般的に言って、彫刻や絵画が、それぞれの表しているもの、あるいはその目的となっている芸術的な、または祭儀的な用途によってそれ自体として解釈されえると考えるのは、全く幻想に過ぎないというべきであろう。われわれが見てきたことは、反対に、ひとつの仮面はそれ自体においては存在していない、ということであった。ひとつの仮面は、その傍らに常に存在するものとして、それの代わりに選ぶことのできるような現実の、あるいは可能性としてのほかの仮面を前提としているのである。」p196

「孤独を欲する芸術家は、おそらく稔り豊かな幻想を抱いているのであろうが、しかし、彼が自分自身に与えている特権はなんら現実性を持ってはいない。彼が全く自己の内的欲求に従って、自己を表現しているとか、独創的な作品を作っているのだとか信じているとき、実は彼は、過去、現在の芸術家に、現在活躍中か潜在的な芸術家に対して答えているのだ。人がそれを知っていようと、知らずにいようと、創造の小道というものは、けっして一人きりで歩むことはないものなのである。」p202


*作成:近藤 宏
UP:20080506  
Levi-Strauss,Claude  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
 

TOP HOME(http://www.arsvi.com)