『税は公平か――福祉社会の税金を考える』
和田 八束 19741128 日本経済新聞社,日経新書,177p.
■和田 八束 19741128 『税は公平か――福祉社会の税金を考える』,日本経済新聞社,日経新書,177p. ASIN: B000J9U746 [amazon] ※ t07.
■引用
「所得は、それが生み出される源泉がどこであるかにかかわりなく、一つの量的な大小として示される。資産の所有や階級の違いなどにかかわりなく、貨幣所得が多いか少ないかということを容易に明らかにできるのである。税負担の公平を客観的に実現しうる指標として、さしあたり最も便利なものといえよう。税の公平のうえから、所得税が理想的であるといわれるのは、このためである。
所得税の最も優れている点は、所得再分配を行うのに適していることである。つまり所得の分配を課税によって修正し、とくに高所得者に対する税を重くすることによって、可処分所得(税引き後の所得)を平準化しようというわけである。
このためには、あらゆる源泉からの所得を総合して、これに累進的な課税をする必要がある。」(和田[1974:62])
■言及
◆立岩 真也 編 200908 『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社 ※