HOME > BOOK >

『職場の異常心理』

秋元 波留夫 19700815 日本工業新聞,243p.


このHP経由で購入すると寄付されます

■秋元 波留夫 19700815 『職場の異常心理』,日本工業新聞,243p. ASIN: B000J9ZJ30  \504 ※ 

■内容

あいつ、どうも、おかしいゾと周囲が気づいた時、職場では? そして一番つらいはずの本人の身の処し方は? 職場の長期欠勤者に精神障害者が激増している昨今、個人に、企業に、強く訴えかけている産業精神医学の任務もそこにある。本書は、衝撃的なその実態を明かにし、対処療法にまで言及。サラリーマン、管理職必読の実用書。

■目次

まえがき

I 精神障害者の発見と問題点
――産業精神医学の任務――
/企業のなかの精神障害者/精神障害者発見のヒント/実例に見る異常性/様子がおかしいと気づいたとき/

II 異常心理のさまざま
/素質と環境であなたも狂う/発作をおこした農家の嫁/みせかけだった団地夫人の自由と安泰/こわい中学生の神経性梅毒/

III 精神異常とはなにか
/ノイローゼの意味/内因精神病/外因精神病/心因性の精神異常/ある不産女の悲劇/精神薄弱について/

IV 精神異常者はあなたの周りに何人いるか
/ある朝突然に/精神病者は何にいるか/休職で一番多いのは精神病/日本の精神障害者/アメリカの精神障害者/日本の自殺は世界で第一位/

V 人物評価の方法と意義

/“おかしな奴”即精神異常者ではない/面接のもつ意味/性格と体型その行動パターン/精神科医の診察方法/ロールシャッハ検査とは/ノイローゼ、その誤れる評価/

VI 職場でおかしいとわかったあとの入院

/入院医療をきめる要因/入院治療中の精神衛生管理/復職と退職/復職後のアフターケアと職場で生ずる問題/入院治療で解決されない問題/

VII 社員予備軍・大学生の精神障害

/くるった大学生がふえている/東大で行っている精神衛生管理システム/大学生の精神医学的特徴/東大生には精神分裂病が多い/こんな学生は精神分裂病/東大新入生に対する精神障害者のスクリーニング/スクリーニング面接の結果と問題点/精神障害のスクリーニングとその心理検査の応用/

VIII 脳波と健康管理

/正常人の脳波/特殊な脳波の出現/脳波に影響するいろいろな条件/脳波検査の必要性/健康人でも一割は異常/脳波診断の価値/定期健康診断に脳波検査を/

IX 精神異常と法律

/精神衛生法とはどんな法律か/精神病者監護法の成立といきさつ/精神病院法の成立について/精神障害者とは何か?/都道府県立精神病院の設置義務/精神衛生センターの新設/精神病院は足りているか/

■引用

「アメリカの精神障害者
精神障害者の総数は文化が進むにつれて増加するといわれている。世界でもっとも豊かな国、文明が高度に発達している国?アメリカを例にとって、精神障害の実態を探ってみよう。……一九六四年には再発を含めて五一一、二六二人が精神病院に新入院しており、毎年少なくとも二九万人が新しく発病して入院している。この数は小児まひ、ガン、心臓病、結核など、すべての他の病気新入院者総数を上回っている。精神病院の患者の二〇%は、二〇年以上にわたる在院患者で、四一%は一〇年以上、五〇%は五年以上の在院となっている。
 一九六五年には三九二万人が何らかの精神治療を受け、一般内科外来患者中六〇〇万人が精神症状を併発しているという。
 米国の精神病院の職員は二三万人を越し、そのうち精神科医が五、二一四人もいるのにまだ一万人の専門医が不足していて、州立精神病院のうち二一病院には精神科医が一人もおらず、九一病院にはわずかに一人から四人の精神科医がいるに過ぎぬという(州立病院は普通二、〇〇〇〜三、〇〇〇人の精神病患者を収容している)医師一人が受け持っている入院患者数は平均一一〇名となる。米国の精神病院全体としてはさらに一二万人の職員が不足している。」(pp.89-90)

■書評・紹介

■言及



*作成:三野 宏治 
UP: 20090707 REV:
精神障害/精神医療  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
TOP HOME (http://www.arsvi.com)