『戯歌番外地――替歌にみる学生運動』
野次馬旅団編 197006 三一書房,三一新書,217p.
■野次馬旅団編 197006 『戯歌番外地――替歌にみる学生運動』,三一書房,三一新書,217p.
■目次
舌代
T わかっちゃいるけどやめられねえ篇
――六〇年代初期――
1 全学連中央執行委員の歌
2 勉強なんかやめちゃえ
3 民青へ行っちっち
4 学連男の歌
5 赤蛙の歌
6 全学連血風録
7 なさけなや節
8 代々木のまがりかど
9 おいらは全学連
10 構改ブルース
11 ブントの本領
12 代々木と奴隷
13 山本派の歌
14 民々綱領の歌
15 デカンショ節
16 民青ワルツ
U 雨の降るデモは心も濡れる篇
――六〇年代中期――
17 赤い旗
18 マル同ブルース
19 学連時代
20 デモ心
21 悲しき活動家
22 ストはまだ続く
23 ハイそれまでよ
24 パクラレ小唄
25 左翼心の唄
26 全学連かぞえ唄
27 ルクセンブルギストの唄
28 五万節
29 ジグザグ銀座
30 三派にさそわれて
31 ゲバルトあんちゃん
32 革マルの歌
V 丸太かかえて丸太かかえて革命だ篇
――六〇年代後期――
33 ブルー・サトー
34 羽田の二人
35 社共を乗り換え
36 活動家ブルース
37 入っちまったマヌケ
38 初恋のブクロ
39 初恋のZ
40 ゲバ子の唄
41 羽田の想い出
42 ブント音頭
43 あこがれのブント
44 ゲバダコの唄
45 新宿騒乱ブルース
46 民が死ぬ
W ゲバやれゲバやれゲバぐれて篇
――六八〜六九年全国学園闘争――
47 あんたがたどこさ
48 ゲバをやりたい
49 日和ってみたい
50 歌を忘れた民青
51 民コロなんてさ
52 ゆけトロツキ
53 民コロ
54 駒場の青いヘル
55 民ちゃん
56 知りたくないの
57 君知るや
58 アメクバリ
59 まちぼうけ
60 黄色いメット民青
61 八本をかえせ
62 知らなかったの
63 時計台
64 日大闘争時代
65 体育会ブルース
66 古田ブルース
67 戦友
68 昨日民ちゃんといた時にゃ
69 京大仁義
70 抗戦ブルース
71 時には××のように
72 網走番外地
73 ハレンチおやじ
74 八雲のゲバ囃子
75 都立大闘争突然史
76 私は真赤な社学同
77 ゲバの季節
78 ゲバルトのマーチ
79 墓場のバリケード
80 末期的ブルース
81 空志士ボタン
82 バリケード小唄
83 工専生のブルース
84 劣等生ブルース
85 企業の奴隷
86 生徒に嫌われるなんて
X 殴らば殴れ殺さば殺せ篇
――六九年一一月決戦以後――
87 モロトフ節
88 権力の奴隷
89 ブントがわれた
90 東拘の夜
91 野次馬は今日も娑婆だった
92 マル同流れもの
93 夜の蒲田
94 白ヘルのタンゴ
95 サツのかたすみ
96 世界革命音頭
番外 人民の酒焼酎は篇
――戦前及び五〇年代――
97 君が代ブギウギ
98 赤い山脈
99 焼酎の歌
100 時の流れに
101 学聯の歌
102 赤旗の歌
103 メーデー歌
104 ああ革命は近づけり
105 革命歌
106 大学の歌
歌の不在の闇は深い 上野ミ志
あとがき
附録 六〇年代歌謡曲ヒット年表
■著者
野次馬旅団
■引用
@デモでパクられる人数も通常一ケタで、二ケタになると次の日のビラに「大弾圧」と仰々しく書かれた頃。パクられても二泊三日(送検ナシ)三泊四日(検事パイ)で出られた平和な平和な℃梠繝fシタ。取調べも警官の方で「キミ、黙秘?じゃ取調べ終わりだ」といってくれたという。学生サンは犯罪者≠ニみなしてくれなかった。[1970:20]
どれほどの真情をこめたことばでさえも、すぐさま歌謡曲の文句のように月並みに、紋切り型になってしまうのなら、紋切り型には紋切り型をだ。敵よりも一瞬早く、己れ自身をパロディ化して見せるさ。
紋切り型は、もうひとつの紋切り型を裸にする。と、むきだしにされたことばは、突如奇妙な輝きを放ちはじめる。いかなる光源によって。光源は、己れのことばを紋切り型に切りそろえていくとき、落とされた無言の怨みにほかならない。裸のことばは、その光を乱反射するしかない。が、だからこそ逆に闇のなかに沈んでいる無念の想いの所在をさし示すことができるのだ。現在のかえ歌はパロディでしかない。だが、そうでしかないが故に、痛苦をもって己れ自身をパロディ化するしかなかった者たちの暗さを反射しているのだ。上野[1970:207-208]
◆立岩 真也 2022/12/20 『人命の特別を言わず*言う』,筑摩書房
*頁作成:立岩 真也・権藤 眞由美