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『義務に関する十一の試論──不服従、戦争、市民性』
Walzer, Michael[マイケル・ウォルツァー]
1970
Obligations: Essays on Disobedience, War, and Citizenship
=19931125 山口晃 訳,而立書房,386+4p.
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last update: 20191009
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Walzer, Michael
1970
Obligations: Essays on Disobedience, War, and Citizenship
=19931125 山口晃 訳 『義務に関する十一の試論──不服従、戦争、市民性』,而立書房,386+4p. ISBN:4880591718 3000+
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■内容
ウォルツアーの「試論」を読んでいくうちに我々は不思議な感慨におちいる。〈義務〉という言葉が、"しなければならない"から"しなくてもよい"という意味に変容してくるからだ…。現代という時代的制約の中で、国家を理論的に相対化しようと試みる。
■目次
1 不服従(不服従の義務;市民的不服従と団体の権威;抑圧されている少数派の義務;知識人の責任について)
2 戦争(国家のために死ぬ義務;政治的疎外と兵役;良心的参戦拒否;捕虜―戦闘後も戦いは継続するのか)
3 市民性(国家のために生きる義務;政治的連帯と個人的名誉;市民性の問題;市民性の三つの種類;ある社会主義的市民の生活の一日)
■引用
「★10例えばMarx & Engels[1845-1846](の所有観について青木[1992:45-68])に描かれる「朝に狩猟をし、昼には魚を捕り」という未来社会において政治活動はどうなるのだろうとWalzer[1970=1993:291ff.]は考える。私たちとしては…」(立岩[2003])
「一つの文化、歴史、成員資格を共有し、そして共有し続けることを心に決めている個人は何を選択するのであろうか。[…]社会契約とは、私たちの共同生活にとってどの財が必要であるかについて共同の決定へと到達し、その財をお互いに用意する、そのような一つの合意である。それらにサインするものはすべての構成員に対して義務を負う。彼らが全体としての人類から自らを区別し、特定の共同体の中で諸力を結合させるのはそうした諸々のためであった」(邦訳 p22)
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後藤 玲子
20020629 『正義の経済哲学――ロールズとセン』,東洋経済新報社
「財についての多元主義的概念を基盤とする配分的正義の理論は、共通したヒューマニティから生じるのではなく、社会的財に関する共有された概念から生じてくる。それらは本質的にローカルで、パティキュラーな性質をもつ」(邦訳 p1)
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後藤 玲子
20020629 『正義の経済哲学――ロールズとセン』,東洋経済新報社
「優越した財を独占しようとする主張が──公共的な目的のために起こるとき──イデオロギーを構成する。イデオロギーの標準的形態は、正当化される所有と、人格的特性のあるセットとを哲学的な原理を仲介として結びつけることである。・・・(中略)・・・能力主義すなわち才能ある者に開かれている職業という考えは、才能があると主張するものの原理である。彼らはほとんどの場合、教育の独占者である。自分の貨幣を危険にさらす覚悟ができている──あるいは、できていると公言する──者の原理は、自由交換である。彼らは動産の独占者である。これらの集団は──そして自らの原理と所有によって同様の特徴をもつほかの集団は──相互に競い合い、最高位を求めて闘う。」([1983=1999:32])* *田中紗織
「障害と道徳──身体環境への配慮」
に引用
「コミュナルな提供が成員資格を尊重するのであれば、依存性の堕落(服従、受身、卑下、尊大さ)の克服を目指さなければならない。マイモニデスが勧める、貧しい人々を自活させる計画、すなわち社会復帰、再訓練、小さな仕事への助成などが重要なのである。・・・どんな共同的提供の計画も多様な形の地域的自助と自発的な結合の余地を残しておくことが大切である。その目的は共同的活動への参加、そして成員資格の具体的な実現である。しかし、まず貧困を克服し、それが達成されたら、元貧困者が共同体の政治的・文化的生活に加わるというのではない。そうではなくて、貧困に対する(そして他のあらゆる困窮に対する)闘いは、貧しい者、それほど貧しくはない者、裕福な者、こういった多くの市民が当然参加すべき活動の一つなのである。」(邦訳 p148-150)
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後藤 玲子
20020629 『正義の経済哲学――ロールズとセン』,東洋経済新報社
「専門の世話人と無力な被保護者という完全な二元主義は、民主主義にとって根本的な危険を招く可能性がある。もしもボランティア、組織作りをする人、貧しい者と老人の代表、地域の支持者、隣人、こうした人々による仲介がないのであれば」(邦訳 p152)。*
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後藤 玲子
20020629 『正義の経済哲学――ロールズとセン』,東洋経済新報社
■書評・紹介
■言及
UP: 20100731 REV: 20191009
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