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『狂気の思想――人間性を剥奪する精神医学』

Szasz, Thomas S. 19750816 新泉社,300 p.


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■Szasz, Thomas S. 1970 Ideology and Insanity=19750816 石井毅・広田伊蘇夫訳 『狂気の思想――人間性を剥奪する精神医学』新泉社,300 p.  ASIN: B000JA1LPO  [amazon]【品切れ】

■紹介・引用

 「私はこれまで、強制入院――本人の意志に反して精神病院に収容すること――は拘禁の一形態であると主張してきた。こういった自由の剥奪は、独立宣言やアメリカ憲法に具現化された道義に反するものであり、それはまた、さまざまな基本的人権をめぐる近代概念を全く冒?するものとも主張してきた。「正気」の人間が「狂気」の仲間を「精神病院」に拘禁する行為は、白人が黒人を奴隷化する行為にも喩えることができる。つまるところ、強制入院は反人間的犯罪であると私は考えている。」(p124)

「我々は精神医学がその出発点以来ずっと人間行動をコントロールする仕事に関与してきたことを否定するわけにはいかない――まず精神病院への強制入院を介して、ついで物理的拘束、化学的鎮静剤、電気ショック、精神外科、トランキライザー、そして最近では環境・グループ療法といった一連の追加手段によって。」(p186)

「精神医学的分類にとって、自由の意味は何なのか?簡単に答えれば、人間行為を分類することは、その行為を拘束することになると私には思える。」(p219)

「私は人間を精神医学的に分類化することがその人を賤しめ、人間性を剥奪し、かくて彼を物に転化させてしまうという見解を述べてきた。」(pp237-238)

「さらに、これは精神科医療の特質の故に薬物規制は必然的に二重の、かつ矛盾した影響を与えている。一方で、多くの人々が、自分で薬物を服用することで、治療効果を上げ得て、しかも経済的負担と精神病者の役割を担う社会的烙印の両方を避けることができるのに、薬物を入手できないがために、それが不可能となる。他方で、薬物を服用したくない多くの人々が――たとえば、精神病院への入院者やその他の人々で、強制的に治療されている人々が、鎮静させられ、服従させられるのを拒否できないのである。論理的にみれば、ひとたび、ある処置が「精神科治療」として社会的に受け入れられれば、患者の意思に反してその処置の強制が許される事実から、この不合理は生じてくる。したがって、精神病の治療薬についてのいわゆる医学的・精神科的功罪には関係なく、自らの意志に反して薬物を投与されるのは、担当医がその人の行動を変えようと望むからである。その変化を当の本人が結果的によかったと考えるか否かは別問題であろう。一見医療的に見えるとしても、この時、強制的な宗教的改宗の正当性が提起すると同様の道徳的ジレンマに我々は直面する。」(pp245-246)





*作成:松枝亜希子
UP:20071219
BOOK ◇精神障害/精神障害者

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