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『ドキュメント 沖縄闘争』

新崎 盛暉 編 19691215 亜紀書房,520p.

last update: 20110626


■新崎 盛暉 編 19691215 『ドキュメント 沖縄闘争』,亜紀書房,520p. ASIN: B000J9GD12 [amazon]  o01 sm02 m04

■目次

はしがき

第一部
一 敗戦と混乱
(1)敗戦から占領へ
(2)沖縄人連盟の活動
二 闘争の発生
(1)初期政党と帰属論議
(2)弾圧下の闘い
(3)初期、在本土沖縄学生運動
三 闘争の拡大
(1)伊江島の闘い
(2)島ぐるみ闘争
(3)那覇市長選挙と「民連」
(4)第二次琉大事件
四 闘争の組織化
(1)復帰協の結成
(2)初期労働運動の二潮流
(3)全沖農と宮古農民闘争

第二部
一 ベトナム戦争と反戦意識の形成
(1)ベトナム戦争と反戦意識の形成
二 闘いの昂揚
(1)佐藤来沖反対闘争
(2)教公二法阻止闘争
三 闘いの多様化
(1)全沖縄軍労働組合
(2)主席選挙闘争
(3)沖縄大学学園闘争
(4)沖闘委と渡航制限撤廃闘争
(5)琉球新報労組の闘い
四 新たなる局面
(1)2・4闘争(B52撤去闘争)
(2)本土、4・28
(3)沖縄闘争のための市民組織
(4)沖縄、4・28以降

あとがきにかえて――佐藤訪米阻止闘争と日米共同声明――

付録資料
本書に収録した資料


■引用

■はしがき

「ここで沖縄闘争という場合に、まず第一に考えられるのは、祖国復帰運動あるいは沖縄(人民)解放闘争として提起され、展開されてきた全沖縄的規模での闘争である。つぎに、第一の闘争に包摂される部分的改良要求闘争、たとえば、50年後半の島ぐるみの軍用地接収反対闘争、60年代中期の主席公選闘争、67年にピークを迎えた教公二法阻止闘争などがある。第三に限られた分野において、特定の階層や集団によって担われた闘いでありながら、沖縄の現実に構造的にあるいは思想的に肉迫する方向性をもった個別的闘争、たとえば、宮古島の農民闘争、沖縄大学学園闘争、琉球新報労組の闘いなどがある。そして第四には、祖国復帰運動に呼応するかたちの本土における沖縄返還運動、さらには、日米安保体制の核心的部分に対する挑戦として位置づけられる沖縄奪還、解放闘争がある。沖縄闘争という言葉を広い意味で用いた場合には、少なくともこれだけの内容が含まれうるし、本書においてもそのような意味でこの言葉を使っている。

 だが、沖縄闘争という言葉が一般的に使われるようになったのは、そう古いことではない。せいぜいここ2、3年のことである。すなわち、日本政府の政策が、「沖縄奪還」を利用しつつ日米安保体制の再編強化をはかるという方向を明確にしはじめたのと、軌を一にしている。」(ページ数なし)

「しかし、アメリカのベトナム政策の破綻とベトナム戦争の重要拠点沖縄における政治支配の行き詰まりは、日米の相対的力関係の変化を背景としながら、日米支配層に、「沖縄返還」を利用しつつ日米安保体制を再編強化するという方向を追及させることになった。ここにおいて沖縄闘争は、軍事支配という沖縄支配の本質を衝くことなくしてはいかなる意味においても成立しえないものとなる。沖縄返還(復帰)運動が、日本本土からの沖縄の分離に問題を限定するかぎり、それは日米両政府の政策に吸収されざるをえない。」(ページ数なし)

「だが一方、いかなるかたちにせよ、施政権の返還(異民族支配という現象の解消)は、軍事支配の本質的矛盾を表面化させざるをえない。沖縄人民の軍事支配下からの解放を第一義的な課題とする沖縄闘争は、必然的に基地撤去の闘いを中心として展開していくことになるであろう。そして沖縄米軍基地が日本全土の軍事基地の中枢としての役割を果し続ける以上、当然、沖縄闘争は、反戦闘争という性格をもち、反安保闘争という方向を明確にした闘いとなるであろう。

 沖縄闘争という言葉は、返還(復帰)運動の終焉を予知しつつ、それをのりこえて支配の本質に迫りうる質をもった闘いをあらわす言葉として登場してきたといえよう。」(ページ数なし)



■書評・紹介

■言及



*作成:大野 光明
UP: 20110626
沖縄 社会運動/社会運動史  ◇「マイノリティ関連文献・資料」(主に関西) 身体×世界:関連書籍  ◇BOOK
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