『差異と反復』
Deleuze, Gilles 1968 Différence et répétition, Presses universitaires de France.
=19921125 財津 理,河出書房新社,525p.
last update: 20180305
■
Deleuze, Gilles 1968
Différence et répétition, Presses universitaires de France. =19921125 財津 理 『差異と反復』,河出書房,525p. ISBN-10: 4309230296 ISBN-13: 9784309230290 欠品
[amazon]/
[kinokuniya] ※ p
■内容
「いつの日か、世紀はドゥルーズのものとなるだろう」とフーコーをいわしめたドゥルーズの主著にして代表作。ニーチェ、ベルクソン、スピノザらとともに、差異を同一性から解き放ち、反復を“理念”の力=累乗の特異性として発見する時、新たな生と思考がはじまる。かぎりない力をひめた怪物的な書物。
■目次
はじめに
序論 反復と差異
反復と一般性――行動の視点からする第一の区別
一般性の二つのレヴェル――類似の等しさ
法則の観点からする第二の区別
反復、自然の法則と道徳法則
キルケゴール、ニーチェ、ペギーによる、反復の哲学プログラム
概念の内包と「阻止」の現象
「自然的阻止」の三つの事例と反復――名目的諸概念、自然の諸概念、自由の諸概念
反復は概念の同一性によって説明されず、否定的でしかない条件によっても説明されないということ
「死の本能」の諸機能――サイトの関係における、そして一つの定立的な原理を要請する者としての、反復(自由の諸概念の例)
二つの反復――概念の同一性と否定的条件による反復、差異による、そして《理念(イデア)》における過剰による反復(自然的諸概念と名目的諸概念の例)
反復における裸のものと着衣のもの
概念的差異と概念なき差異
しかし、差異の概念(《理念(イデア)》は、概念的差異に還元されることはなく、同様に、反復の低率的な本質は、概念なき差異に還元されることはない
第一章 それ自身における差異
差異と暗い背景
差異を表象=差異現前するということは必要なのだろうか。表象=再現前化の四つのアスペクト(四重の根)
幸福な景気、差異、大と小
概念的差異、最大かつ最高の差異
アイリスとテレスに差異の倫理学、および、差異の概念と概念的差異の混同
主的差異と類的差異
四つのアスペクト、あるいは差異の従属――概念の同一性、判断の類比、諸述語の対立、知覚されたものの類似
差異と有機的な表=再現前化
一義性と差異
配分の二つのタイプ
一義性と類似の和解不可能性、
一義的なものの三つの契機――スコトゥス、スピノザ、ニーチェ
永遠回帰における反復は存在の一義性の定義である
差異とオルベジックな表象=再現前化(無限大と無限小)
理由としての根拠
ヘーゲルによる差異の論理学と存在論――矛盾
ライプニッツによる差異の論理学と存在論――副次的矛盾(連続性と不可職別者)
差異のオルジックなあるいは無限な表象=再現前化は、前述の四つのアスペクトから、どうして免れていないのか
差異、肯定と否定
否定的なものの錯覚
否定的なものの排除と永遠回帰
プラトンによる差異の論理学と存在論
分割の方法と諸形態――要求者たち、テスト―根拠、問い―問題、(非)―存在、および否定的なものの身分
差異の問題において決め手となるもの――見せかけ(シミユラクル)、見せかけ(シミユラクル)の抵抗
第二章 それ自身へ向かう反復
反復、それは、何かが変えられること
時間の第一の総合――生ける現在
ハブトゥス、受動的総合、縮約、観照
習慣の問題
時間の第二の総合――純粋過去
《記憶》、純粋過去、そして署現在の表象=再現前化
過去の四つのパラドックス
習慣における反復と記憶における反復
物質的反復と精神的反復
デカルト的コギトとカント的コギト、未規定なもの、規定作用、規定されうるもの
ひび割れた《私》、受動的な自我、そして時間の空虚な形式
記憶の不十分な点、時間の第三の総合
時間の、形式、順序、相対、セリー
第三の総合における反復――欠如によるその条件、変身のその作用者、その無条件な特徴
永遠回帰における反復という観点からする、悲観的なものと喜劇的なもの、歴史、信仰
反復と無意識――『快感原則の河岸』
第一の総合と拘束――《ハヴィトゥス》
第二の総合――潜在的な諸対象と過去
エロスとムネモシュネ
反復、置き換えと偽装――差異
無意識の本姓に関する諸帰結――セリー状の、差異的=微分的な、そして問いかけ的な無意識
第三総合あるいは第三の「河岸」に向かって――ナルシシズム的自我、死の本能、そして時間の空虚な形式
死の本能、対立と物質的反復
死の本能と永遠回帰における反復
類似と差異
システムとは何か
暗き先触れと「異化させるもの」
文学的システム
幻想(ファンタスム)あるいは見せかけ(シミユラクル)、および差異に対する同一的なものの三つの形態
プラトン主義の真の動機は、見せ掛け(シミユラクル)の問題の中にある
見せ掛け(シミユラクル)と永遠回帰における反復
第三章 思考のイマージュ
哲学における前提の問題
第一の公準――普遍的本姓タル《思考》の権利
第二の公準――常識〔共通感覚〕の理想
第三の公準――再任というモデル
思考とドクサ
カントにおける《批判》の両義性
第四の公準――表象=再現前化のエレメント
諸能力の差異=微分的理論
諸能力の不調和的使用――暴力とそれぞれの能力の限界
プラトン哲学の両義性
思考するということ――思考におけるその発生
第五の公準――誤謬という「否定的」なもの
愚劣の問題
第六の公準――指示の特権
意味と命題
意味のパラドクス
意味と問題
第七の公準――解の様相
新理論における解の錯覚
問題というカテゴリーの存在論的重要性と認識論的重要性
「学ぶ」ということは何を意味するのか
第八の公準――知という結果
差異と反復の哲学に対する障害としての諸公準の要約
第四章 差異の理念的総合
問題的な審廷としての理念
未規定なもの、規定可能なもの、および規定作用――差異
微分
量化可能性、および規定可能性の原理
質化可能性、および相互規定の原理
ポテンシャリティ、および十分な規定作用の原理(セリー的形式)
微分法において無限小が無用であること
〈差異的=微分的〉と〈問題的〉
問題の理論――弁証法と科学
《理念(イデア)》と多様体
諸構造――それらの基準、諸《理念(イデア)》のタイプ
副次的矛盾の方法――特異なものと正則なもの、特別なものと通常のもの
《理念イデア》、そして諸能力に関する差異的=微分的理論
問題と問い
命令と遊び=賭け
《理念(イデア)》と反復
反復、特別なものと通常のもの
否定的なものという錯覚
差異、否定と対立
否定的なものの発生
《理念(イデア)》と潜在性
潜在的なものの実体性――<スベテノ仕方デ・・・・・・存在者>
差異化=微分的な無意識、あるいは判明で―曖昧なもの
《理念(イデア)》の現実化のプロセスとしての異化=分化
力動あるいはドラマ
ドラマ化の普遍性
差異/異化=微分/分化という複雑な基礎概念
第五章 感覚されうるものの非対称的総合
差異と雑多なもの
差異と強度
差異の取り消し
良識と共通感覚
差異とパラドクス
強度、質、広がり――取り消しの錯覚
深さあるいはスパティウム
強度の第一の特徴――即自的に不等なもの
数における不等なものの役割
感覚されうるものの存在
第三の特徴――巻き込み
本性上の差異と程度上の差異
エネルギーと永遠回帰
永遠回帰における反復は、質的なものでも延長的なものでもなく、強度的なものである
強度と微分
《理念(イデア)》の現実化における個体化の役割
個体化と異化=分化
固体化は強度的である
個体的差異と個体化の差異
「交錯」、「巻き込み」、「繰り広げ」
システムの進化
包み込みの中心
個体化のファクター、《私》と《自我》
心的なシステムにおける他者の本性と機能
結論 差異と反復
表象=再現前化批判
有限か無限化という二者択一は無益であること
同一性、類似、対立、そして類比――それら(四つの錯覚)はどのようにして差異を裏切るのか
しかし、同一性、類似、対立、そして類比は、どのようにして反復をも裏切るのか
理由としての根拠――その三つの意味
根拠から無底へ
非人称的な個体化と善個体的な特異性
見せかけ(シミユラクル)
《理念(イデア)》と問題に関する理論
《他者》
遊び=賭けの二つのタイプ――それらの特徴
カテゴリー批判
反復、同一的なもの
二つの反復
病理学と芸術、常同症とリフレーン――すべての反復の共存の場所としての芸術
存在論的な、第三の反復へ向かって
時間の形式と三つの反復
第三の反復の選別的な威力――永遠回帰とニーチェ(見せかけ(シミユラクル)たち)
帰還しないもの
《同じ》ものの三つの意味――存在論、錯覚、そして誤謬
存在の類比と表象=再現前化、存在の一義性と反復
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:本岡 大和