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『儀礼としての相互行為――対面行動の社会学』

Goffman, Erving 1967 Interaction Ritual Essays on Face-to-Face Behavior, Anchor Books.
=200210 浅野 敏夫 訳 法政大学出版局 新訳版 332p.


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■Goffman, Irving 1967 Interaction Ritual: Essays on Face-to-Face Behavior, Anchor Books. =198612 安江 孝司・広瀬 英彦 訳,『儀礼としての相互行為――体面行動の社会学』,法政大学出版局.→200210 浅野 敏夫 訳,新訳版,332p. ISBN-10: 4588099035 ISBN-13: 978-4588099038 \3990 [amazon][kinokuniya]
■内容

■目次 ■書評・紹介

■言及
ニッケル硬貨には社会的に許可された価値があると同時に、主観的な価値もある。主観的価値がある根拠のひとつとして、硬貨投げで勝ったらもらえ、負けたらもらえないもの、すなわち投げ上げる人があとでもらうかもらえないもの、がそれになる。これがギャンブルの結果性(consequentiality)である。結果性を言い換えれば、清算(payoff)が行われるその機会の境界を越えて溢れ出し、賭けた人ののちの生活に客観的に見て影響を及ぼす清算の容量、ということになる。この結果性が生じている期間は、ギャンブルのプレイ以後の局面、あるいは結果性の局面である。(p. 165)
問題をはらんでいる結果性が面前にあり、人の行動を自発的に行われる実際的ギャンブルと解釈できるそういう職業を考えてみよう。
(1)商品・不動産の投機
(2)採鉱、高層建築作業、テストパイロット
(3)「荒っぽいやり方の」仕事。セールスマン、プロモーター
(4)政治家、俳優、舞台芸能人
(5)軍人の職務と警官の職務
(6)犯罪的仕事
(7)競技場のプロのスポーツ。フットボール、ボクシング、闘牛
(8)趣味的スポーツ。登山、猛獣狩り、スキューバダイビング、スカイダイビング、サーフィン、そりすべり、洞窟探検
(pp. 178-180)
人が他人たちのなかにいるとき、その人が取り扱わなければならないさまざまな対象のうち、そのひとつが特別に注目されていい。すなわち、他人たちが注目されていいのだ。人が他人たちを相手にしてつくりあげる自分の印象と、結果として他人たちがその人のものだと見なすいろいろな特性とは、その人への評価をつくることに特別の関係をもつことになる。というのも、目撃する人たちは、自分たちが目撃するものに対して直接個人的な利害関係をもつことになるからである。(p. 175)
狭く言えば、個人が他人たちのなかにいるときはいつでも、個人は、いろいろな相互行為儀礼という手段を通じて、ひとつの儀礼的秩序をいやおうなく維持することになる。その場で起きるいっさいの出来事の明示的意味が、個人とその場にいる人たちがそれぞれにもっている立場と矛盾しないことを確実にするよう、個人は求められている。それを確実にするものとしては、礼儀正しさ、丁重さがあり、他人たちが個人をなおざりにしたことに対応することがある。そして、あき時間においてであれ、かかっている時間においてであれ、その秩序を維持することはそう見える以上に問題をはらんでいる状態である。(p. 175)
精神病院の入院患者たちは、まさにそういうことをやって、問題決定的で結果性をもった行為が運命的なものに変わる事態をはっきりと示してきた(p. 177)
*作成:中田 喜一
UP: 20091208 REV:
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