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『野生の思考』

Levi-Strauss,Claude[クロード・レヴィ=ストロース] La Pansee Sauvage,Paris,Libraire Plon
=19730330 大橋 保夫 訳,みすず書房,366+30p.


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Levi-Strauss,Claude[クロード・レヴィ=ストロース] 1962, La Pansee Sauvage,Paris,Libraire Plon=19730330 大橋 保夫 訳『野生の思考』,みすず書房,366+30p. ISBN:4622019728 5040 [amazon] ※

■目次


第1章 具体の科学
第2章 トーテム的分類の論理
第3章 変換の体系
第4章 トーテムとカースト
第5章 範疇、元素、種、数
第6章 普遍化と特殊化
第7章 種としての個体
第8章 再び見出された時
第9章 歴史と弁証法

付録
訳注
訳者あとがき
文献
人名・署名索引
事項索引

■引用
「神話や儀礼は、しばしば主張されたように、現実に背を向けた「架構機能」の作り出したものではなくて、それらの主要な価値は、かつてある種のタイプの発見にぴったり適合していた(そしておそらく現在もなお適合している)観察と思索の諸様式のなごりを現在まで保存していることである。ある種のタイプの発見とは、感性的表現による感覚界の思弁的な組織化と活用とをもとにしてなしえた自然についての発見である。このような具体の科学の成果は、本質的に、精密科学自然科学のもたらすべき成果とは異なるものに限られざるを得なかった。しかしながら具体の科学は、近代科学と同様に学問的である。その結果の真実性においても違いはない。精密科学自然科学より一万年も前に確立したその成果は、依然として今のわれわれの文明の基層をなしているのである。」(『野生の思考』p22)

「動物学者の意識の中に分類学と愛情が仲よく同居しうるとしたら、いわゆる未開思考の中でこの二つの態度が結びついていることを説明するのに別の原理を引っ張り出す理由はないのである」(『野生の思考』p46)

「「分類の原理に公準はない」というのが真実である。それは民族誌的調査、すなわち経験によってのみ機能的に取り出せる。」(『野生の思考』p70)

「現地人の諸制度が、これまた時間性の波に流されはするけども、常に歴史の偶然性と図式の普遍性とから一定距離を保ちつつ、いわば可解性の流れのなかを航行してゆくことがよくわかる。カリュブディスとスキュラ、すなわち通時態と共時態、出来事と構造、美と論理のそれぞれから常に適当な距離にある彼らの制度の性質は、それを一面だけで定義しようとする人にはつかまえようがない。」(『野生の思考』p88)

「先ほども簡単に説明したとおり、歴史的にも地理的にもこのように都合のよい条件に恵まれていたので、オーストラリアの諸文化が相互に持つ変換の関係が地球上の他の地域より完全に、かつ組織的に現れるのは不思議ではない。」(『野生の思考』p106)

「そして、人文科学がその対象に出会えるのは恣意的に切り離された個々の変換のレベルではなくて、もっぱら群のレベルなのである」(『野生の思考』p130)


「「実践」とは−少なくともこの点では私とサルトル(Sartre,p181)の見解は一致するが−人間科学にとって根本的な全体なのである。マルクシズム−マルクス自身はそうではなかっとしても−慣習行動が直接的に「実践」から出てくると考えることがあまりにも多すぎた。異論の余地のない下部構造の優位に異議を唱えるのではないけれども、私は、「実践」と慣習行動の間には常に媒介項があるのを信じている。その媒介項が概念の図式なのであって、その操作によって、互に独立しては存在しえない物質と形態が、構造として、すなわち経験的でかつ解明可能な存在として実現されるのである。私は、マルクスがほんの少し素描をしただけのこの上部構造の理論の確立に貢献したいと思っいる。」(『野生の思考』p154)

「歴史と分類体系との間には、一種の根本的反感が存在する。「トーテミズムの真空地帯」とでも呼びたいもののことも、これで説明がつく。ヨーロッパとアジアの大文明地域には、トーテミズムにつながるようなものは、痕跡の状態においてさえも、きれいさっぱり存在しない。これらの文明は自らを歴史によって説明することを選択したのであり、その企図は、有限群を使って事物や存在(自然存在としての動物、社会存在としての人間)を分類する企図とは両立しないからではないだろうか?」(『野生の思考』p279)


*作成者:近藤 宏
UP: 20080423
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