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『ドイツ悲劇の根源(上)』

Benjamin, Walter 1928 Ursprung des deutschen Trauerspiels,Ernst Rowohlt Verlag,257p.
=19990610 浅井 健二郎 訳,筑摩書房,ちくま学芸文庫,378p.

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last update:20160108

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Benjamin, Walter 1928 Ursprung des deutschen Trauerspiels,Ernst Rowohlt Verlag,257p. =19990610 浅井 健二郎 訳 『ドイツ悲劇の根源(上)』,筑摩書房,ちくま学芸文庫,378p. ISBN-10:4480084932 ISBN-13:978-4480084934 欠品 [amazon][kinokuniya]

■内容

「根源」へのまなざしが、「ドイツ・バロック悲劇」という天窓を通して見る、存在と歴史の「星座(コンステラツイオーン)」―『ドイツ悲劇の根源』は、この「星座」のきわめて精緻な叙述である。バロックの言語形式との格闘のなかで、言語哲学と歴史哲学が、理念と現象が、ギリシア悲劇と近代悲劇が、英雄の神話的生と被造物の歴史的生が、メランコリカーとハムレットが、象徴とアレゴリーが、音声と文字が、神と悪魔(サタン)が、さまざまに火花を散らしながら出会う。哲学的批評の方法論、悲劇論、メランコリー論、アレゴリー論から成る1920年代のこの名著に、「運命と性格」、「暴力批判論」、「カルデロン・ヘッベル論」ほかの関連論考・資料を加えた、文庫版新訳。

■目次

ドイツ悲劇の根源
 認識批判的序章
  トラクタートの概念/認識と真理/哲学的美/概念における分割と分散/星座としての理念/理念としての言葉/分類するものではない理念/ブルダッハの唯名論/真実主義、混合主義、帰納法/クローチェにおける芸術ジャンル/根源/モナド論/バロック悲劇に対する軽侮ならびに誤解/〈評価〉/バロックと表現主義/本「序章」のために

 第1部:バロック悲劇とギリシア悲劇
  1 バロックの悲劇理論/アリストテレスの影響に重要な意味はない/バロック悲劇の内実としての歴史/君主権の理論/ビザンチン史料/ヘロデ劇/決断力のなさ/殉教者としての専制君主、専制君主としての殉教者/殉教者劇の過小評価/キリスト教的年代記とバロック悲劇/バロック劇の内在性/遊戯と反省/被造物としての君主/名誉/歴史的エートスの壊滅/舞台/聖者および陰謀家としての廷臣/バロック悲劇の教育的意図
  2 フォルケルトの『〈悲劇的なもの〉の美学』/ニーチェの『悲劇の誕生』/ドイツ観念論の悲劇理論/ギリシア悲劇と伝説/王位とギリシア悲劇/古い〈悲劇〉と新しい〈悲劇〉/枠としてのギリシア悲劇的死/ギリシア悲劇的対話、訴訟的対話、プラトン的対話/悲しみとギリシア悲劇性/シュトゥルム・ウント・ドラング、古典主義/政治劇、人形劇/滑稽な人物としての陰謀家/運命劇における運命の概念/自然的な罪とギリシア悲劇的な罪/小道具/丑3つ時と亡霊の世界
  3 義認論、不動心、メランコリー/王侯の憂鬱/メランコリー、身体的および心的に/土星論/さまざまな象徴:犬、球、石/アケーディアと背信/ハムレット

〈付録〉参考資料1
『ドイツ悲劇の根源』において言及される主要作品(梗概)
 アンドレーアス・グリューフィウス――『レオ・アルメニウス、あるいは君主殺害』/『グルジアのカタリーナ、あるいは強固なる不屈の心』/『殺害された陛下、あるいは大ブリテン国王カーロルス・ストゥアルドゥス』/『カルデーニオとツェリンデ、あるいは不幸な恋人たち』/『高潔なる法学者、あるいは死に赴くアエミリウス・パウルス・パピニアーヌス』
 ダーニエル・カスパー・フォン・ローエンシュタイン――『アグリッピーナ』/『ソフォニスベ』
 ヨーハン・クリスティアン・ハルマン――『マリアムネ』
 カルデロン・デ・ラ・パルカ――『げに恐ろしき怪物、嫉妬』/『不屈の王子』/『人生は夢』

■引用

■書評・紹介

■言及



*作成:奥坊 由起子
UP:20160108 REV:(更新した日付全て)
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