『存在と時間 上』
Heidegger, Martin 1927 Sein und Zeit
=19940607 細谷 貞夫,ちくま学芸文庫,524p.
Last Update:20100819
■Heidegger, Martin 1927 Sein und Zeit
=19940607 細谷 貞夫 『存在と時間 上』,ちくま学芸文庫,524p.
ISBN-10:4480081372 ISBN-13:9784480081377 \1200 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
1927年に刊行されるや、ドイツの哲学界に深刻な衝撃をもたらした、ハイデッガーの最初の主著。《存在》の諸相をその統一的意味へさかのぼって解明すること、そして、存在者の《存在》を人間存在(=「現存在」)の根本的意味としての《時間》性から解釈することを主旨として、「現存在の準備的な基礎分析」と「現存在と時間性」の二編から構成する。上巻ではこの前者を収録した。「現存在」の根本的な構成が「世界=内=存在」として提示され、「現存在」のうちに見いだされる「存在了解」を探求すべく、基礎的な問いが差し出される。
■目次
凡例
献辞
序にかえて
巻頭言
序論 存在の意味への問いの提示
第1章 存在の問いの必然性、構造および優位
第1節 存在への問いをあからさまに反復する必然性
第2節 存在への問いの形式的構造
第3節 存在問題の存在論的優位
第4節 存在問題の存在的優位
第2章 存在問題の開発における二重の構造 考究の放送および構図
第5節 存在一般の意味の解釈のための
地平を打開する作業としての、現存在の存在論的分析論
第6節 存在論の歴史の解体の課題
第7節 考究の現象学的方法
A 現象の概念
B ロイズの概念
C 現象学の予備概念
第8節 論考の綱要
第1部 現存在を時間性へむかって解釈し、存在への問いの超越的地平として時間を究明する
第1編 現存在の準備的な基礎分析
第1章 現存在の準備的分析の課題の提示
第9節 現存在の分析論の主題
第10節 人間学、心理学および生物学に対する現存在の分析論の境界設定
第11節 実存論的分析論と未開的現存在の解釈、「自然的世界概念」を取得することの困難さ
第2章 現存在の根本的構成としての世界=内=存在一般
第12節 世界=内=存在を、内=存在そのものを手引きとして素描する
第13節 ひとつの基づけられた様態についてなされる、内=存在の例示 世界認識
第3章 世界の世界性
第14節 世界一般の世界性の理念
A 環境性と世界性一般の分析
第15節 環境世界のなかで出会う存在者の存在
第16節 内世界的存在者において通示される、環境世界の世界適合性
第17節 指示と記号
第18節 趣向性と有意義性、世界の世界性
B 世界性の分析を、デカルトにおける世界の解釈と比較対照する
第19節 res extensaとしての「世界」の規定
第20節 「世界」の存在論的規定の基礎
第21節 デカルトの「世界」存在論の解釈学的論究
C 環境世界の「身の廻り」的性格と現存在の空間性
第22節 世界の内部にある用具的存在者の空間性
第23節 世界=内=存在の空間性
第24節 現存在の空間性と空間
第4章 共同存在と自己存在としての世界=内=存在、「世間」
第25節 現存在の誰れかをたずねる実論的な問いの手がかり
第26節 ほかの人びとの共同現存在と日常的共同存在
第27節 日常的自己存在と世間
第5章 内=存在そのもの
第28節 内=存在を主題的に分析する課題
A 現の実存論的構成
第29節 心境としての現=存在
第30節 心境のひとつの様態としての別れ
第31節 了解としての現=存在
第32節 了解と解意
第33節 解意の派生的様態としての言明
第34節 現=存在と話、言語
B 現の日常的存在と現存在の頽落
第35節 世間話
第36節 好奇心
第37節 曖昧さ
第38節 頽落と被投性
第6章 現存在の存在としての関心
第39節 現存在の構造全体の根源的全体性への問い
第40節 現存在の際立った開示態としての不安という根本的心境
第41節 関心としての現存在の存在
第42節 関心としての現存在の実論的解釈を、現存在の前=存在論的な自己解意によって検証する
第43節 現存在、世界性および実在性
(a)「外界」の存在と証明可能性との問題としての実存性
(b)存在論的問題としての実在性
(c)実在性と関心
第44節 現存在、開示態および真理性
(a)伝統的な心理概念とその存在論的基礎
(b)真理性の根源的現象と、伝統的心理概念の派生的性格
(c)真理の存在様相と真理の前提
訳者の注記
後記
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志