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1月 355点 692,444円 紹介料33,917円 5.5%*
2月 395点 814,462円 紹介料40,149円 5.5%
3月 396点 672,167円 紹介料35,173円 5.5%
4月 393点 917,857円 紹介料43,557円 5.5%
5月 360点 675,195円 紹介料35,173円 5.5%
6月 310点 569,809円 紹介料30,035円 5.5%
7月 431点 845,726円 紹介料43,970円 5.5%
8月 354点、602,078円 紹介料31,636円 5.5%
9月 315点、584,543円 紹介料30,237円 5.25%
10月 379点、658,213円 紹介料34,584円 5.25%
11月 321点、594,136円 紹介料29,484円 5.25%
12月 353点、598,523円 紹介料30,619円 5.25%

 紹介料計418,534円

 *101点〜300点:4.5%/301点〜1000点:5.25%
 *紹介料率が改定されていました。

○新刊から



 
 
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AJF会員の佐藤千鶴子さん(アジア経済研究所)がAJF事務局に標記図書を送ってくれました。

著編者の佐藤誠さん、第12章執筆の峯さんも会員です。

2008年にインドネシアから、2009年にフィリピンからの看護師・介護福祉士候補者が日本へやってきて研修を受け、資格取得後、継続して日本 で医療・福祉労働に従事するという事態に注目している方も多いと思います。

以下、目次です。

越境するケア労働 日本・アジア・アフリカ
佐藤誠編 日本経済評論社 4400円+税 A5版 252p 2010年12月20日 [amazon]

第1章 ケア労働と国際移民の理論的考察 佐藤誠
 第1部 看護・介護・家事ケア労働の国際移動
第2章 日本における看護移民労働導入の現状と課題 竹野ユキコ・佐藤誠
第3章 日本におけるフィリピン人介護労働者の3つの軌跡 マリア・レイナルース・D.カルロス
第4章 フィリピンにおける保健医療格差と医療従事者 マリア・エラ・L.アティエンザ
第5章 西アジアにおけるスリランカ人家事ケア労働者 中村尚司
第6章 看護師の国際移動 英国、フィリピン、南アフリカ 佐藤千鶴子
 第2部 社会セクターにおける熟練労働者の国際移動 南部アフリカを中心に
第7章 南部アフリカにおける熟練移民労働とマクロ経済状況 レオン・ハートウェル
第8章 南アフリカにおけるジンバブエ人移民の流入 ニコラ・デヤヘール
第9章 英国の社会セクターにおけるジンバブエ人移民労働 エイドリアン・ベイリー
 第3部 外国人受け入れの社会的状況
第10章 南アフリカにおけるゼノフォビア フセイン・ソロモン、ルイーズ・ヘーグ
第11章 外国人労働者受け入れをめぐる労使の対立 安藤次男
第12章 外国人の子どもの教育と人間安全保障・社会的再生産 小島祥美・峯陽一

「はしがき」にある「タンザニアとザンビアの医師の50%、モザンビークの医師の75%が国外に移出する」に改めて驚きました。



 
 
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反アパルトヘイト運動、ケニアの文学者グギ・ワ・ジオンゴの救援運動などに関わり、アフリカにおける民族語の教育への導入、多言語共存の状況をどのように作っていくかに関心を持って研究している楠瀬佳子さんが、2006年秋から翌年春にかけてケープタウンで研究生活を送った記録をまとめて「わたしの南アフリカ ケープタウン生活日誌から」を出版しました。

「第一章 民主化から一三年 理想と現実のはざま」に紹介された多言語状況を教育、読書へ導入する試み、動き出した読書クラブの成果、複数の公用語(アフリカの民族語)での出版をめぐる課題とチャレンジを興味深く読みました。

「第二章 南アフリカの現状から」には、ワールドカップに向けてスタジアム建設や街の景観をかえるための事業が行われる一方で上昇し続ける物価、日常的につながっている人々が遭遇する犯罪など、南アの課題が生々しく描かれています。

以下に目次を紹介していますので、どうぞ、興味を感じた章から読んでみてください。

反アパルトヘイト運動との関わりの中で出会った人々が、アパルトヘイト後の南アで政治家、裁判官、大学人そしてNGOのスタッフとして活躍している姿も、心動かすものがあります。

わたしの南アフリカ ケープタウン生活日誌から
楠瀬佳子著 第三書館 2100円(税込み) 四六判 393p [amazon]

第一章 民主化から一三年 理想と現実のはざま
第二章 南アフリカの現状から
第三章 ジェンダーの闘いはつづく 女たちの生き方から
第四章 文化活動を通してみえるもの
第五章 南アフリカを旅する



 
 
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コートジボワールの障害者雇用政策について、今年から大阪国際大学で教えている亀井さんが書いています。

途上国障害者の貧困削減――かれらはどう生計を営んでいるのか
森壮也編 岩波書店 定価6405円(本体6100円)/A5判・上製・240頁 2010年11月2日刊行 [amazon]

 丹念な調査で得られた多角的データから
 途上国に生きる障害者の現実を浮き彫りにする
 ――貧困削減戦略の再構築をめざして

編者からのメッセージ:
 昨今,日本においても貧困への関心が高まってきている.厚生労働省は2009年10月,「相対的貧困率」と呼ばれる所得中央値の50%以下の所得しか得ていない人たちの割合が15.7%(2007年)であると発表した.これはOECD諸国の平均値を上回る衝撃的な数字である.また一方で,障害者自立支援法をめぐる議論のなかで,そもそも自立とは何なのか,また障害者も含めた本来あるべき社会のあり方はどのようなものなのかということについても関心が高まってきている.本書は,そうした日本の状況とはまた異なる開発途上国の障害者の状況について,統計と生計を中心に実際のデータを丹念に検証し,検討を積み重ねた成果である.〔中略〕
 これらの分析全体から得られたのは,「生計を営む主体としての障害者」の具体像である.障害者は決して,支援や福祉の受け手という単なる受け身の存在ではない.特に政府財政にゆとりのない開発途上国では,政府からの福祉の支援を当てにすることはできない.家族や地域のコミュニティからの助力を得ることはあるにせよ,障害者たちは必死に自力で生計を営んでいる.すなわち,障害を持つ人たちの経済生活を営む力,稼得能力は筆者たちの想像以上のものがあった.それと同時に,そうした能力を拡大し,高めるための支援,またエンパワメントのあり方にはもっと工夫の余地があることも見えてきた.本書の分析を踏まえて,障害者の持つケイパビリティ発揮のための望ましい政策のあり方を探る必要がある.(「あとがき」より)

 開発学と障害学が出会ったところから、障害統計、障害生計に迫る中で、途上国の貧困者の中の相当割合を占めるのにも関わらず国連ミレニアム開発目標でも不運から漏れた障害者の問題についてのデータに則した実証研究です。ぜひとも皆様の研究室、図書館で備えて頂ければ幸いです。

【目次】
序章 障害統計と生計 ………………………………………森 壮也(アジア経済研究所)
                    はじめに
 第1節 本書の課題と分析方法  
 第2節 障害のモデル  
 第3節 障害の定義と分類  
   1 国際障害分類の歴史 / 2 障害概念と途上国
 第4節 先進国と開発途上国における障害調査  
   1 米国における障害調査 / 2 障害調査のデザイン/ 3 途上国における障害調査
第5節 障害データの国際比較  
   1 障害データの国際比較の歴史 / 2 世界銀行 / 3 ワシントン・シティ・グループ
 おわりに  

第1章 中国の障害者の生計 ……………………………小林昌之(アジア経済研究所)
――政府主導による全国的障害調査の分析――
 はじめに  
 第1節 中国の障害統計  
   1 障害統計の位置づけ / 2 調査体制と手順 / 3 調査内容 /  4 障害の定義 / 5 小括
 第2節 障害者の生計実態  
   1 障害者数の概況 / 2 都市・農村人口 / 3 教育状況 /4 就業状況 / 5 生活収入源 / 6 社会保障 / 7 所得 / 8 小括
おわりに  

第2章 フィリピンの障害者の生計 …………森壮也・山形辰史(アジア経済研究所)
――2008年マニラ首都圏障害調査から――
 はじめに  59
 第1節 フィリピンにおける障害調査  
   1 フィリピンの障害調査の背景 / 2 過去の調査主体と結果
 第2節 障害インクルーシブな調査  
   1 障害当事者の調査員採用 / 2 アクセシビリティの改善で拡がる当事者の活躍
 第3節 調査結果  
   1 調査対象市の概要 / 2 標本抽出法 / 3 標本の属性 /  4 障害者の生計
 おわりに  

第3章 インドネシアの障害者の生計 …………………東方孝之(アジア経済研究所)
――教育が貧困削減に果たす役割――  
 はじめに  
 第1節 インドネシアの障害統計と先行研究  
   1 Susenasから得られる障害者情報 / 2 Podesから得られる障害者情報
 第2節 障害者の生計――2006年Susenasから  
   1 障害者比率 / 2 障害者の生計――障害者は貧しいのか?
 第3節 教育へのアクセスと障害者の厚生水準  
   1 教育水準の向上と厚生水準 / 2 推計結果
 おわりに  

第4章 ベトナムの障害者の生計 ………………………寺本 実(アジア経済研究所)
――外部環境とのかかわりについての事例調査を通した考察――
 はじめに  
 第1節 ベトナムの障害統計  
   1 人口・地域別分布・年齢 / 2 障害の種類・原因 / 3 教育・仕事・生活
第2節 ベトナムの障害者の「生計」に関する事例研究  
   1 調査地に関する検討 / 2 フィールド調査に基づく考察
 第3節 社会政策・社会行政論に基づく整理,分析  
   1 基礎的概念と分析枠組み / 2 整理と分析
おわりに  

第5章 マレーシアの障害者の生計 …………………久野研二(国際協力機構)
   ――持続的生計アプローチの視点から――               
           はじめに  
 第1節 調査方法
      1 調査の概念的枠組み / 2 調査方法
 第2節 マレーシアの障害分野の概要  
   1 統計 / 2 法律・政策・行政制度 / 3 障害者福祉行政の状況 / 4 障害者の所得貧困をめぐる状況 / 5 障害者の雇用をめぐる状況
第3節 障害者の生計
   1 生計資本資産 / 2 脆弱性 / 3 構造とプロセスの変容――制度・組織・政策 / 4 生計戦略
おわりに  

第6章 タイの障害者の生計 ……………………………福田暁子(前早稲田大学)
   ――統計調査とケーススタディから見える全体像――
                はじめに――障害者政策の制度的変化  
 第1節 タイの障害者の把握  
   1 障害者把握の方法 / 2 障害者登録報告制度に基づくデータ収集 / 3 統計調査
 第2節 ケーススタディに見るタイの障害者の実態  
   1 都市に住む障害者の例 / 2 農村地帯に住む障害者の例 / 3 障害を持つ児童とその家庭のケース(1) / 4 障害を持つ児童
とその家庭のケース(2) / 5 障害者の自助団体
 おわりに  

第7章 コートジボワールの障害者の生計 …………亀井伸孝(大阪国際大学)
   ――公務員無試験採用制度の達成と課題を中心に――  
 はじめに――アフリカにおける障害調査の意義  
 第1節 現地調査の方法  
   1 調査地と調査期間 / 2 対象と調査法 
 第2節 調査結果  
   1 障害者数と国勢調査 / 2 政府機関 / 3 障害者関連法と政策 / 4 障害者公務員無試験採用制度 / 5 学校と教育 / 6 障害当事者団体と諸活動 / 7 個人の生計――調査票から / 8 個人の生活感覚――直接観察と自由会話から / 9 そのほかのトピック
 第3節 考  察  
   1 公務員無試験採用制度の光と影 / 2 アフリカ障害者の生活戦略/ 3 アフリカ社会の特性にかかわる問題群  
 おわりに――アフリカの特性に根ざした「障害と開発」研究  

あとがき



 
 
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笹岡雄一さん・武内進一さん・峯陽一さんの編集で『アフリカから学ぶ』が出版されました。

四六判430p+索引17pのかなりの分量の本です。

AJF事務局に本が届いたので、かねてから気になっていた、ジンバブウェの現状をどうみるのかという章をまず読みました。

アフリカ研究者マームード・マムダニが、1997年以降、ジンバブウェで進行した土地の収用分配政策について、代償は大きかったがこの土地改革は社会経済面における民主革命であり、歴史上の正義を無視すれば他国でも同様の民衆扇動が起きるだろうと論じた、と紹介されているのを読み、ブラジルの土地なき農民運動などにつながる動きとして捉えるべきだという思いを新たにしました。マムダニの議論に対して、35人のアフリカ研究者が連名で批判を投じていることも紹介されており、これも興味深い話だと思いました。

アフリカから学ぶ

峯陽一・武内進一・笹岡雄一編 有斐閣 2300円+税 四六判 430p+索引17p [amazon]

第I部 歴史の中のアフリカ
 第1章 アフリカの歴史から学ぶ――人間の「進歩」とは何だろうか  峯 陽一
 第2章 アフリカの独立から五〇年――内側から見たアフリカの動態  吉田昌夫
 第3章 アフリカ史と日本  青木澄夫
 第4章 アフリカ史を読み解く――女性の歩みから  富永智津子
第II部 「平和なアフリカ」のために
 第5章 冷戦後の紛争はなぜ起きたのか?――アフリカの紛争から学ぶ  武内進一
 第6章 人道支援や平和構築の知恵――難民・避難民の視点で考える  米川正子
 第7章 ルワンダにおける元戦闘員の社会復帰の試み――DDRと和解促進の関係  小向絵理
 第8章 ジンバブウェ――「紛争国」の農村で暮らす人びと  壽賀一仁
第III部 「豊かなアフリカ」のために
 第9章 アフリカ農村再生への道――「コミュニティ」開発の可能性を探る  花谷 厚
 第10章 アフリカ経済は持続可能か――資源、製造業、南アフリカ  西浦昭雄
 第11章 アフリカの教育と子どもたちの未来  横関祐見子
 第12章 エイズとともに生きる人びと――アフリカ的連帯  徳永瑞子
第IV部 アフリカの二一世紀――新しい関係をめざして
 第13章 分権化と社会――東アフリカからのメッセージ  笹岡雄一
 第14章 変貌するアフリカ市民社会と日本の私たち  舩田クラーセンさやか
 第15章 アフリカに求められている援助とは?  黒川恒男

コラム一覧
 1. 呪術化する現代アフリカ  近藤英俊
 2. イスラムを通して支え合うアフリカ社会  内山智絵
 3. 現代アフリカ文学の巨人 グギ・ワ・ジオンゴ  宮本正興
 4. 多言語社会からの問いかけ  竹村景子
 5. 世界で評価されるタンザニアの美術  金山麻美
 6. 歌って踊れて、働くアフリカ人  鈴木裕之
 7. ケニアのマラソン選手の強さの秘密  関 幸生
 8. サッカーから見えてくるアフリカの諸相  関 幸生
 9. 日本でたくましく生きるアフリカ人  和崎春日

※アフリカ研究者だけでなくアフリカ支援に関わるJICAのスタッフ、専門家が多数執筆しているのも特徴ですね。



 
 
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10億を超えたアフリカの人口の過半数は15歳以下、アフリカの子どもに関わる報告やニュースがもっともっと紹介されてもいいのではと感じています。

そうした中、2006年に「アフリカのろう者と手話の歴史」を書いた亀井伸孝さんが、「森の小さな〈ハンター〉たち 狩猟採集民の子どもの民族誌」という興味深い本を出しました。

「おわりに」から印象に残った部分を抜き書きします

 今日、「万人のための教育(Education for All)」が国際機関によって唱導され、また、人間の豊かさと可能性を測る「人間開発指数(Human Development Index)」の重要な要素のひとつとして「教育」が位置付けられている。教育がなされないことは子どもにおける権利の剥奪であり、自由が奪われていることにほかならないとする価値観は、人類共通の了解事項になったかのようである。  私もこの思想には一理あると考えており、それを支持する趣旨の文章を書いたこともある。しかし、どこか心の底で、本当にそうなのであろうかと疑う視角も残っている。

 本書で取り上げた、ミッションの学校をめぐって起きた様々な事件(第六章 ※森の中での狩猟が可能になる乾季になると子どもたちも森の中へ移動してしまい学校を休校にせざるをえなくなったことなどが書かれている)は、一見失敗のように見えるかもしれない。しかし、よく見れば、普遍的価値の追求を個別状況に沿わせて多少なりとも実現させ、子どもたちが取りうる選択肢を拡充しようとする、ひとつの達成と言えなくもない。子どもたちが秘めた潜在能力とそれが生み出す文花を受け入れつつ、現地の文脈に沿わせて教育を達成していこうとする姿勢は、今日の教育問題を考える上でも有効なヒントとなるのではないだろうか。

※ 先日紹介した西アフリカにおける児童・青少年労働者の運動が、働く場で学ぶ機会を保障することの必要性を訴えていることを思い浮かべながら、上記の記述を読みました。

森の小さな〈ハンター〉たち 狩猟採集民の子どもの民族誌
亀井伸孝著 京都大学学術出版会 3400円+税 A5判292p 2010年2月 [amazon]



 
 
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アフリカ学入門―ポップカルチャーから政治経済まで―

舩田クラーセンさやか編 明石書店 2500円+税 A5判 359p [amazon]

アフリカ学への誘い 舩田クラーセンさやか
Warming up! アフリカ×日本関係の現在 遠くて近いアフリカ 舩田クラーセンさやか
コラム1 よそ者同士 アフリカに出くわす ウィリー・トコ
 第1部 アフリカを学ぶ
第1章 アフリカ学入門概論1 「アフリカ」の誕生 大林稔
第2章 アフリカ学入門概論2 現代アフリカへの歩み 大林稔
コラム2 アフリカは本当に貧しいのか モザンビークの場合 下平明子
第3章 アフリカ貧困・開発論 わたしたちはどう考え、何をするべきか 高橋基樹
第4章 アフリカ紛争論 ポスト冷戦期の紛争はなぜ起こったのか 武内進一
第5章 アフリカ食料安全保障論 食料安全保障問題と農村開発 吉田昌夫
第6章 アフリカ教育論 学校教育の歴史、現在と援助 山田肖子
第7章 アフリカにおける保健・環境衛生論 マラリアとの闘いを中心として 勝間靖
第8章 アフリカ・ジェンダー論 ケニア・カンバ女性の生活史から考えるアフリカ社会のジェンダー関係 富永智津子
第9章 アフリカ文化論 音楽から見たアフリカ社会 伝統から現代まで 鈴木裕之
 第2部 アフリカに接近する
第1章 日本−アフリカ交流史 日本の近代化とアフリカ観(19世紀末−1970年代) 青木澄夫
第2章 日本のアフリカ協力
 その1・国際協力機構(JICA) 鍋屋史朗
 その2・NGO 林明仁
第3章 国連によるアフリカ協力 舩田クラーセンさやか
第4章 あなたの周りの「アフリカ」探し
アフリカの食と料理/アフリカの音楽とダンス/アフリカの映画/日本に暮らすアフリカ人
コラム3 日本暮らすアフリカ出身者に聞いてみました(1)
コラム4 日本暮らすアフリカ出身者に聞いてみました(2)
第5章 日本で学べる「アフリカ」探し
アフリカの言語を学ぶ/アフリカについて大学・大学院で学ぶ/アフリカについてNGOのインターンシップで学ぶ
 第3部 アフリカで学ぶ、働く、根を下ろす
第1章 アフリカで学ぶ アフリカへ留学しよう!
第2章 アフリカで働く
国連職員/開発コンサルタント/国際機関職員/企業人/NGOスタッフ/ジャーナリスト/起業家
第3章 アフリカに根を下ろす マサイの花嫁 永松真紀
資料・アフリカお役立ち情報
あとがき



 
 
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斉藤@AJF事務局です。

昨年末、標記の本が出版されています。

関連情報の提供、内容紹介など可能な方、どうぞよろしく。

現代アフリカ農村と公共圏
児玉由佳編 アジア経済研究所 3990円(税込み) A5判 307p 2009.12 [amazon]

序章 アフリカ農村社会と公共圏の概念/児玉由佳
はじめに
第1節 市民社会と公共圏の概念の検討
第2節 アフリカ農村社会に関する先行研究の検討
第3節 本書の構成と主な論点
第1章 エチオピア農村社会における公共圏の形成 ―市民社会/共同体の二元論をこえて―/松村圭一郎
はじめに
第1節 アフリカの市民社会/共同体への視座
第2節 エチオピア農村社会の現代的状況
第3節 社会関係の複合性
第4節 「公共圏」をつくりだす
おわりに
第2章 アフリカ農村の生産者組織と市民社会−ガーナの事例から−/高根務
はじめに
第1節 アフリカ諸国における生産者組織
第2節 ガーナにおける生産者組織
結論
第3章 東アフリカ農村における森林資源管理と生計安全保障 ―タンザニアとケニアの参加型制度の事例分析―/上田元
はじめに
第1節 非木材林産物の利用と管理
第2節 公共圏に馴化した参加制度―タンザニア北部メル山南斜面−
第3節 制度導入の進まない森林保護区―ケニア中央部アバーデア山脈北東麓−
第4節 考察
おわりに
第4章 ザンビアの農村における土地の共同保有にみる公共圏と土地法の改正/大山修一
はじめに
第1節 ザンビアにおける土地制度の変遷
第2節 地域概要
第3節 ベンバの土地とチーフ,農村の公共圏
第4節 土地制度の改正と焼畑農耕民社会の混乱
第5節 慣習地の囲い込みにともなう公共圏の崩壊の危険性
おわりに
第5章 ルワンダの農村社会と民衆司法―アブンジを中心に−/武内進一
はじめに
第1節 アブンジ制度
第2節 アブンジの実態
第3節 アブンジの性格と評価
結び―民衆司法導入の意味−
補章1 新しい公共圏の創生と消費の共同体 ―タンザニア・マテンゴ社会におけるセングの再創造をめぐって―/杉村和彦
はじめに
第1節 アフリカにおける共同体の特質とマテンゴ社会
第2節 消費の共同体における公共圏のかたち
第3節 セングの再創造
第4節 開かれた共同性と新しい「公共圏」の創生
おわりに



 
 
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斉藤@AJF事務局です。

高橋基樹さんの新刊を手に取ったら、南部アフリカ研究会と高橋ゼミ合同で行った研究会で、高橋さんが、フランツ・ファノンを称揚しつつ革命的暴力支持を明らかにしたサルトルに対するハンナ・アーレントの批判を語っていた情景を思い出しました。

開発と国家 アフリカ政治経済論序説 [開発経済学の挑戦]
高橋基樹著 勁草書房 4410円(税込み) A5判 541p 2010年1月 [amazon]

以下、目次と「はじめに」からの抜き書きです。

序章 個別と普遍:政治研究者のアフリカへの眼差しから
第1章 方法論:開発研究と地域研究の架橋を目指して
第2章 権力と収奪:新政治経済学の再検討
第3章 農業と政府:穀物土地生産性とその決定要因
第4章 民族と近代:難問としての「部族」主義
第5章 希少性と「国民」:独立の見果てぬ夢
結章 対話と国家:21世紀のための覚書

「はじめに」から

 わたしたちにいま最も必要とされているのは、富裕さの反対側へ視野を広げることである。日本にとって、西欧・北米の諸国は世界の富裕さを共有する同類であり、東アジアはその同類となることを目指してきた追走者である。大雑把にいえば、すべて昨日より今日、富裕になる過程を経験してきた社会ばかりである。農業・農村の停滞に足をとられず、工業化に足を踏み出すことのできた社会ばかりである。
 だが、自分と同じ側にあるものをつぶさに知ったところで、決して世界全体を認識したことにはならない。自分と大きく異なるもの、対極に位置するものを知らなければ包括的理解は生まれない。明らかに日本人および日本の知は、この点の努力を怠ってきた。世界の中で、文化、社会、自然などさまざまなな面において、国と社会のかたちにおいて、そして、とりわけ経済的富裕さにおいて日本と対極にあるのが、サハラ以南のアフリカ地域に属する貧困諸国だろう。アフリカには、形式的には他と変わらない主権国家があり、政府行政機構が存在しているが、それは、わたしたちが日常的に思い浮かべる国家や政府行政機構とは似て非なるものである。21世紀になり、アフリカ諸国は全体として経済成長を経験し、この地域に若干の注目が寄せられている。しかし、マクロ的な成長の陰には、広範な大衆の相も変わらぬ貧困が放置されている。この地域を理解することは、わたしたちの、人類社会全体の理解にとって不可欠の作業である。

【付記:2010年7月17日】著者への公開インタビューを計画しています。2010年9月中に東京都内で実施する予定です。関心のある方は、AJF事務局(info@ajf.gr.jp、担当・斉藤)へ連絡下さい。



 
 
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斉藤@AJF事務局です。

会員でシェアのスタッフである青木さんが標記の本を出版しました。

南アフリカ最北部、農業に不向きなために、アパルトヘイト体制の南アでは黒人のための「ホームランド」に指定された地域が大部分を占めるリンポポ州で2年間、地元のNGOと一緒にエイズ啓発、HIV陽性者支援の取り組みを行ってきた青木さんの体験・実感がことばのはしばしに感じられる本です。

青木さんは、南アで、「アフリカには2種類の人間しかいません。HIVとともに生きる人、そしてエイズの影響を受けている人たちです」と書かれた本を見て、「なんて大げさなんだろう」と思ったと書いています。

日本で暮らしている私たちには、HIVとともに生きる人もエイズの影響を受けている人たちもなかなか見えません。しかし、青木さんが南アで暮らし始めた頃はまだ、普通の人たちがエイズ治療を受けることはたいへん困難で、「知り合うそばから人々が亡くなって」いったそうです。同じ頃、南アに囲まれた小国レソトで国際協力活動に従事していた甲斐田さんは、毎週土曜日にお葬式が開かれていたことを、アフリカNOWのために書いてくれました(もうすぐ発行する第88号に、甲斐田さんのレポートを掲載します)。

当然のことながら、こうした現実を、人々は黙視していたわけではありません。この本は、HIV陽性者が中心となった運動体による取り組みや、世界的なエイズ対策に資金を提供する仕組みについても紹介しています。

「期待される日本のリーダーシップ」を、この本の小見出しに終わらせないために、どんな取り組みが必要かについては、現在、gCOE生存学在籍の新山君(アフリカNOW第87号に、ブルーリ潰瘍に対する取り組みのレポートを寄稿)が書いている本に期待したいと思います。

折しも、韓国、中国の市民社会代表と一緒に、世界エイズ・結核・マラリア対策基金第3期増資会議に向けた戦略会議、日本政府への働きかけが進められています。こうした取り組みについても、アフリカNOWで特集を組みたいと考えています。

以下のアマゾンへのリンクを利用してもらえると、AJFへの寄付につながります。

ぼくは8歳、エイズで死んでいくぼくの話を聞いて。―南アフリカの570万人のHIV感染者と140万のエイズ孤児たち
青木美由紀著 合同出版 1300円+税 A5判 150p [amazon]



 
 
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斉藤@AJF事務局です。

会員の市野川さんから、標記の本について、連絡がありました。

紹介が遅れましたが、どうぞよろしく。

いのちの選択──今、考えたい脳死・臓器移植 岩波ブックレット(782)
[生命倫理会議] 小松美彦市野川容孝田中智彦(編) 岩波書店 630円 【テキスト・データ引換券付】 [amazon]

【内容紹介】 日本社会では今、「いのち」はどこに向かっているのか。臓器移植法の改定により「脳死」が「人の死」とされ、家族の承諾だけでも全年齢で臓器提供が可能になった。7月の本格施行を控え、多くの人が遭遇しうる「ご家族の臓器を提供しますか」という問いに対し、知っておきたい事実や脳死・臓器移植をめぐるさまざまな声を伝える。

【目次】 ■はじめに …小松美彦
■1章 知っておきたい、考えたい、脳死・臓器移植13のこと …香川知晶/小松美彦/田中智彦
■2章 家族として脳死と臓器移植を経験して …佐藤凛 (聞き手・市野川容孝)
■3章 さまざまな声 …池田清彦/池内了/杉本健郎/多田富雄/大場健/荻野美穂/金森修/小泉義之/佐藤憲一/高草木光一/柘植あづみ/爪田一壽/土井健司/森岡正博
■主な参考文献
■[付録] 生命倫理会議「臓器移植法改定に関する緊急声明」

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私が担当した「2章」では、本人のドナー・カードにもとづき、脳死状態からの臓器提供に同意したけれども、今では、そのことを後悔しているし、脳死・臓器移植がはたして正しいことなのか、今では疑問に思っている、という方が、仮名ではありますが、その複雑な思いを吐露されています。

1章、2章、3章の全体を通じて訴えたいことは、あまりにも多くのことが知られていないし、知られていないまま、昨年の法改定は、粗雑かつ乱暴になされ、そして、この7月から、この改定法が本格的に施行されるが、本当にこれでよいのか、ということです。



 
 
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斉藤@AJF事務局です。

名古屋大学大学院国際協力研究科で教えている山田肖子さんの新刊『国際協力と学校 アフリカにおけるまなびの現場』を読みました。

「はじめに」に

「なぜ国際協力をするのか」、「何のための教育なのか」についての自問自答を、公然と書いてしまった代物

とあるように、山田さん自身の経験や考えの変遷の振り返りがうかがえるところが、実に面白い本になっています。

たとえば10pには、

私自身、まさにこうした(国際協力に関わる大学院が創られ、留学制度が整えられるという)時代背景のなかから排出された人材である。私は学部生のときは法学部で、国際経済法のゼミに所属していた。もともと教育学部出身でもない私が、教育開発専門家として育っていったのは、この分野ですでに出来上がった人材が不足していて、活躍の場が与えられたからでもあったし、そうして仕事をするなかで、より高度な知識を身につけようと留学を考えると、奨学金制度が用意されていたからでもある。

という記述があり、また、12pにある

私は自分にも一端の責任があるかもしれないと思うのだが、情報が豊富になった分、悩んだり求めたりする前に、教科書的な答えが与えられ、教育開発の正解はこれで、それに対する理由付けはこう、とパターン化して覚えてしまう傾向があるような気がするのである。

という記述から、学生に「もっと疑問を深めたら」と勧めている山田さんが感じられます。

終章の

大きな問題は、教育開発をやろうとする人々が、意外と日本の教育政策や現状に疎いことだ。他人の国の教育問題を云々する前に、自分の国の教育行政制度がどうなっていて、自分の身近なところにどんな教育問題があるのかを考えたことがなければ、どうして飛行機で何時間も飛ばなければ行けない国の教育問題が理解できるだろう。何かを理解するためには、自分のなかに、新しい知識や情報を関連付けられる基礎知識がなければならない。日本にも、学校を中退した人のためのノンフォーマル教育はある。そういう人はなぜ中退することになり、なぜまた教育を受けたいと思ったのだろう。そこで教えている教師はどんな課題ややり甲斐を感じているのだろう。あるいは、日本でも、ニューカマーの子どもたちは、日本語で学ぶことが困難で、学校になじめなかったりする。そういう子どものたちのために、日本語の習得を支援しながら、学校の勉強を教えてくれる特別教室もある。日本で、日本語を話せない子たちが抱える問題を知る努力をしたら、アフリカの他言語社会での教育についても、想像力が少し働くのではないか。

という記述には、山田さんが直面している大学院教育の現場の課題が凝縮されているのかな、なんて考えてしまいました。

国際協力と学校 アフリカにおけるまなびの現場
山田肖子著 創成社 800円+税 新書判 230p 2009年11月 [amazon]



UP:20100705 REV:
 

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