障害学国際セミナー 2016
「法的能力(障害者権利条約第12条)と成年後見制度」
East Asia Disability Studies Forum 2016
Date: 2016/09/22-23 (Thu.- Fri.)
於:立命館大学大阪いばらきキャンパス内コロキウム / Place: Colloquium, Ritsumeikan University Osaka Ibaraki Campus
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[Korean]
last update: 20170731
■開催趣旨
障害学国際セミナー2016は、障害者権利条約の核心部分の一つである法的能力に関する第12条と成年後見制度を取り上げます。
日本では、本年4月に同条約が求める方向性を反映しないまま、成年後見制度利用促進法が成立しました。本年6月末に国連に提出された同条約の第1回政府報告にも、「成年後見制度のうち、特に代行型の枠組みである後見類型の運用に当たっては、最良の支援を提供しても、なお法的能力の行使が困難な場合に本人の権利と利益を守るための最終手段として利用されるべきものであり、かつ、代理人が本人に代わって意思決定をする場合にも、法の趣旨に則り、できる限り本人の意思を尊重するよう制度運用の改善を図る必要がある」という記述があります。
こうした課題を持つのは東アジアにおいても日本だけではありません。法的能力と成年後見制度の現状と課題、そして、条約が求める支援付き意思決定の実践例を東アジアにおいて共有することが本セミナーの目的です。
従来の韓国と中国に加えて、初めて台湾からの参加を得て開催する第7回目の障害学国際セミナーへの皆様の積極的なご参加を心よりお願い申し上げます。
■テーマ
法的能力(障害者権利条約第12条)と成年後見制度
■日時
2016年9月22日(祝・木)午前9時―午後5時
23日(金)午前9時―正午
(一部のみの参加も歓迎します)
■プログラム
総合司会 長瀬修(立命館大学生存学研究センター特別招聘研究教授)
9月22日(木:祝)
9:00 開会挨拶 立岩真也(立命館大学先端総合学術研究科教授、同生存学研究センターセンター長)
9:10 基調講演「障害者権利条約第12条(法的能力)実施の国際的課題」[PDF]
池原毅和(弁護士、東京アドヴォカシー法律事務所所長)
9:40 第1セッション:韓国(座長:立岩真也)
11:30 ポスター発表
12:20 昼食休憩
13:10 第2セッション:中国(座長:邱大昕/高雄医学大学教授)
- 「中国大陸における成年後見制度の概要」陈博(国立アイルランド大学ゴールウェー校博士課程院生)、高薇(武漢大学公益発展法律研究センター主任研究員)[PDF]
- 「中国における障害者権利条約第12条完全実施の課題――中国での実証研究に基づいて」黄裔(リーズ大学博士課程院生)[PDF]
- 「障害者権利条約に基づく変革を阻害するものと戦術的分析」黄雪涛(平等正義イニシャティブ:EJI会長)[PDF]
15:00 休憩
15:10 第3セッション:台湾(座長:宋颂)
- 「台湾民法の成年後見新制度――実務運営についての研究」陳誠亮(台湾知的障害者親の会理事)[PDF]
- 「法的能力と投票参加――台湾の事例」林聰吉(淡江大学教授)[PDF]
- 「精神障害の法的能力の衝撃と反響――台湾からの報告」陳文珊(博士、玉山神学院助教)[PDF]
- 「第12条実施への挑戦――障壁ある法は決して法にあらず」滕西華(中華民国障害者連盟事務総長)[PDF]
17:00 第1日目終了の挨拶:吉田美喜夫(立命館大学総長)
9月23日(金)
9:00 第4セッション:日本(座長:季錫九/障害者権利条約実施連帯政策委員会委員長)
- 「成年後見に代わるもの」立岩真也(立命館大学先端総合学術研究科教授、同生存学研究センターセンター長)
- 「日本の成年後見制度・意思決定支援とグッドプラクティス」桐原尚之(立命館大学先端総合学術研究科院生、日本学術振興会特別研究員(DC1)、全国「精神病」者集団運営委員)[PDF]
10:50 休憩
11:00 パネルディスカッション:東アジアにおける法的能力と成年後見制度の展望
池原毅和(座長)、陳俊傑(チョーズンパワー:ピープルファースト香港執行委員会政策担当委員)
[PDF]、玄根植(韓国障害者人権フォーラム政策課長)、黄裔(リーズ大学博士課程院生)、孫迺翊(国立政治大学教授)、桐原尚之(立命館大学先端総合学術研究科院生、日本学術振興会特別研究員(DC1)、全国「精神病」者集団運営委員)
12:00 閉会
■会場
立命館大学大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市岩倉町2-150)内
コロキウム(立命館いばらきフューチャ―プラザ3階)
アクセス
最寄り駅:JR茨木駅(徒歩5分)、阪急南茨木駅(徒歩10分)、大阪モノレール宇野辺駅(徒歩7分)・南茨木駅(徒歩10分)
大阪茨木キャンパス[外部リンク:MAP/施設案内PDF]
(初めての方は恐縮ですが、時間に余裕を持っていらっしゃってください)
■使用言語
日本語、韓国語、中国語(すべての同時通訳があります)
情報保障 手話通訳、文字通訳(共に日本語)
■参加申込み
入場は無料ですが、事前申し込みが必要です。締め切りは9月15日(木)です。
申し込み先
立命館大学生存学研究センター事務局
E-mail: ars-vive@スパム対策st.ritsumei.ac.jp
件名は「障害学国際セミナー2016申し込み」で本文に氏名、所属先(ある場合)、ご住所、E-mail アドレスをご記入の上、9月15日(木)までに、お願いします。
■主催
◇立命館大学生存学研究センター / Research Center for Ars Vivendi, Ritsumeikan University
■共催
◇韓国障害学フォーラム / Disability Studies Forum in Korea [Facebook]
◇Handicap International (China) [Handicap International] [International Archives - China Development Brief]
■関連情報
国際セミナー関連
◇障害学国際セミナー2016
◇"East Asia Forum on Disability Studies 2016 to Meet in September" Ars Vivendi E-mail Magazine No.147
研究報告等
◇桐原 尚之 2009/09/27 「法的能力と支援された意思決定の議論における障害者運動の課題」 報告要旨/原稿
◇安原 荘一 2016/03/25 「「成年後見制度利用促進」法案(2016.3.22衆議院内閣委員会提出)問題点精読の試み――「医療・介護における意思決定問題」は先送り?」
声明等
◇斎藤 正彦 2011/08/02 「成年後見制度は高齢者の人権を守れるか」 [動画:YouTube]
◇日本ALS協会近畿ブロック・会長 増田英明 2015/03/25 「成年後見制度利用促進法案に反対する緊急声明」 [MS Word]
◇全国公的介護保障要求者組合 2016/03 「成年後見制度利用促進法案に断固反対する!」 [MS Word]
◇NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会 2016/03/25 「拙速な「成年後見制度の利用の促進に関する法律案」の成立に反対し、患者の意思の尊重の在り方については慎重な議論を求めます」 [MS Word]
◇全国「精神病」者集団 2016/03/30 「声明 成年後見制度利用促進法案をめぐる議会運営のあり方に抗議し、法務委員会その他での検討を求めます!」 [MS Word]
◇自立労働組合京都コミュニティソーシャルワーカー分会 2016/04/13 「成年後見利用促進法などの成立についての分会声明」 [MS Word]
新聞記事等
◇2016/04/15 「社説 成年後見促進法 自己決定権の尊重こそ」『京都新聞』2016年04月15日
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160415_2.html
*作成:小川 浩史