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目の前のアフリカ 第2回
病いと共にあるつながり――エイズ・人権・社会運動――
日時:2013年6月14日(金) 17:00〜
場所:立命館大学 アカデメイア立命21 2階会議室
[チラシ1・PDF]
[チラシ2・PDF]
[English]
last update:20130630
■趣旨
第2回目のテーマは「HIV・エイズ」。1980年代まで知られることのなかったこの病気は、1996年に治療方法が確立されると、世界各国で治療が進められるようになる。抗レトロウイルス薬(ARV)による治療法が確立し、HIV/エイズは「不治の病」から「慢性病」となった。しかし、感染者の大多数を占める発展途上国の貧しい人びとに治療薬が行き渡るまでには、困難な道のりがあった。当初、アフリカは医療の質が低く人々の教育水準も低いために、HIV治療は失敗におわるとの見方もあった。しかし最近では、アフリカで暮らす陽性者の健康が大きく改善されただけではなく、新たな感染も減少に向かっているとの報告が相次いでいる。
こうした状況に至ったきっかけには、当事者であるHIV陽性者の「声」があった。「絶望」から「希望」を取りもどしたHIV陽性者。彼らをめぐる動きとつながりが、どのようにして病を生きる人々の状況を変えたのか。今回のセミナーでは、グローバルな動向、アフリカ、そして日本国内の状況にも目を向けながら、エイズ・人権・社会運動という3つのキーワードをもとに「病いと共にあるつながり」を探ってみたい。
■プログラム
17:00〜18:30 対談
西真如 (京都大学学際融合教育研究推進センター特定准教授)
×
斉藤龍一郎 (アフリカ日本協議会事務局長)
×
新山智基 (日本学術振興会特別研究員)
西 真如「社会的つながりが感染症を治療する――エチオピアのHIV感染症と釜ヶ崎の結核問題の経験」
斉藤龍一郎「アフリカのHIV陽性者運動に誰が応じたのか? 日本における課題」
新山智基「アフリカのHIV陽性者運動の役割」
18:30〜 フリーディスカッション
司会:新山智基
▽URL
斉藤龍一郎:
http://www.arsvi.com/w/sr01.htm
西真如:
http://www.jafore.org/9/
新山智基:
http://www.arsvi.com/w/nt08.htm
■会場へのアクセス
キャンパスマップ:
http://www.ritsumei.jp/campusmap/map_kinugasa_j.html#pagelink1
(地図中2の建物)
アクセスマップ:
http://www.ritsumei.jp/campusmap/map_kinugasa_j.html#pagelink1
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■関連文献
◇西 真如 2010「ウイルスと共に生きる社会の倫理 −エチオピアのHIV予防運動にみる「自己責任」と「配慮」」『人間環境論集』10(2)
[PDF・外部リンク]
◇
斉藤 龍一郎
2011 「グローバルな人権の課題――途上国におけるHIV陽性者運動が明らかにしたこと」,市野川容孝編『人権の再問』法律文化社,
◇
新山 智基
20111201
『世界を動かしたアフリカのHIV陽性者運動――生存の視座から』
,生活書院,216p.
◆
林 達雄
20050603
『エイズとの闘い――世界を変えた人々の声』
,岩波ブックレットNo.654
◆
稲場 雅紀
・
山田 真
・
立岩 真也
2008/11/30
『流儀――アフリカと世界に向かい我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』
,生活書院,272p
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■開催報告 文責:
新山智基
本年度より、月例で開催しているアフリカ・セミナー「目の前のアフリカ」。第2回は 「病いと共にあるつながり――エイズ・人権・社会運動 」と題し、京都大学の西真如先生(京都大学学際融合教育研究推進センター特定准教授)、本生存学研究センター所属の斉藤龍一郎先生(NPO法人アフリカ日本協議会事務局長、立命館大学衣笠総合研究機構客員教授)をお迎えして開催しました。
冒頭、新山より趣旨説明および書籍
『世界を動かしたアフリカのHIV陽性者運動――生存の視座から』
(2011、生活書院)をもとに「アフリカのHIV陽性者運動の役割」に関する報告・資料提供を行いました。その後、斉藤先生から「アフリカのHIV陽性者運動に誰が応じたのか? 日本における課題」、西先生から「社会的つながりが感染症を治療する――エチオピアのHIV感染症と釜ヶ崎の結核問題の経験」というテーマでお話しいただきました。
斉藤先生からは、ネルソン・マンデラが治療を受けることをうながしたHIV陽性者である
ザッキー・アハマット
の活動、またエドウィン・キャメロンのお話しをもとに、世界が変化していく動きを陽性者運動、治療薬・特許権問題などを取り上げながら、ご報告いただきました。加えて、アフリカ日本協議会がどのような形でこの問題に関わっていったのか、
林達雄
氏(現・アフリカ日本協議会代表/立命館大学衣笠総合研究機構客員教授)の国際エイズ会議での体験をもとにご紹介いただきました。
西先生からは、エチオピアのHIV感染症と釜ヶ崎の結核問題に関してご報告いただきました。アフリカのHIV陽性者は、治療薬の服薬状況が先進諸国と比べて良い(服薬アドヒアランスが良好)のに対して、釜ヶ崎の結核罹患率は「アフリカなみ」に高いというデータがあります。10万人あたりでみると、釜ヶ崎427人、サハラ以南アフリカの200人に比べ、高い状況にあります。なぜ結核が治癒しない場所があるのか、その原因には社会的孤立、アルコール依存・精神疾患・生活障害、服薬アドヒアランスの達成が困難、地域保健運動の停滞などがあります。これらをアフリカのHIV治療と関連させていただきながらご報告いただきました。
ご報告後、さらに西先生にはエチオピアのHIV感染症の状況、斉藤先生にはNGO支援の立場から対談・お話しを伺いました。その後、質疑応答では、アフリカの実情や「つながり」という視点、HIVと結核の比較に関するご質問など、登壇者のお二方との意見交換が行われました。
UP: 20130515 REV:20130523, 0616, 0630
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