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立命館大学大学院先端総合学術研究科・院生プロジェクト「フェミニズム研究会」公開企画
フェミニズムという構え ――政治・権力・表象

於:立命館大学(衣笠キャンパス)恒心館735号室(3階)
[Korean]

Last update: 20130219

■フェミニズムという構え ――政治・権力・表象

日時:2013年2月23日(土)14:00−18:00
場所:立命館大学(衣笠キャンパス)恒心館735号室(3階)
参加:参加費無料、事前申し込み不要

■趣旨
 2012年4月に「フェミニズム研究会」(2012年度立命館大学大学院先端総合学術研究科・院生プロジェクト)は活動を開始しました。この一年間、ジェンダーで分かたれる日常・学術の場における権力関係を分節化するために、フェミニズムの蓄積を“学ぶ”ことからはじめようという“入門的”プロジェクトとして活動を継続してきました。そのような〈知〉は、日常・学術における諸活動にエンパワメントをもたらしうるものであるという、「生存」の思想/実践としてのフェミニズムの出発点に立ち返ることが、この研究会の目的であったともいえます。
 今回は、これまで研究会を積み重ねてきた成果として、外部から発題者をお招きし、フェミニズムをめぐる議論の場をひらきたいと考え、公開研究会を企画いたしました。
 カナダでは2009年以降多くの大学の女性学部(およびプログラム)が、往来の「女性学」から「ジェンダー学部」や「フェミニスト研究学部」などの名称変更(☆注)を迎えてきたといいます。今回は、そのプロセスにただなかで、大学院生として、また研究員として、議論にかかわってこられた池田直子さんをお迎えします。
池田さんがかかわってこられた、そのプロセス(ヨーク大学/2009〜2011年)には、名称変更が、たんなる「名前の問題」としてではなく、「女性学の歴史」という前提を再審議すること、また「女性」という概念と自分自身の関わりを問うこと、が示されていたということです。また、ひとつの共同体、「セーフ・スペース」の場として「女性学」を想定することにおける他者化や排除についての疑問が学生のあいだで活性化した過程でもありました。こうした揺らぎのなかに「女性学」をすえていくことの意味とはなにか、という課題がそこにはありました。
 第一部ではこれらのプロセスと発表者自身の関わり、そしてこの議論とフェミニズムのつながりについての思いをうかがったうえで、第二部では、研究会プロジェクト・メンバーによる、それぞれの「立ち位置」からのフェミニズムを語ります。
 本研究会は、オーディエンスのみなさまとも話題を交換できるような参加型を目指しています。多くの方々が、それぞれのフェミニズムを持ち寄りつつ、議論に参加されますことを期待しております。

■タイムテーブル (敬称略)
◆第T部
14:00〜14:15研究会紹介と趣旨説明
谷村ひとみ(立命館大学大学院先端総合学術研究科・公共領域)
14:15〜15:10発題T: 女性学の「揺れ」とひろがり ――カナダでの経験から
池田直子(カナダ・ヨーク大学大学院博士後期課程)
質疑応答
15:10〜15:20 休憩
◆第U部
15:20〜16:20発題U (各20分)
@山口真紀(立命館大学大学院先端総合学術研究科・公共領域)
A植村要 (立命館大学大学院先端総合学術研究科・公共領域)
B堀江有里(立命館大学大学院国際関係研究科・非常勤講師)
16:20〜16:40 質疑応答
◆第V部
 16:40〜18:00全体協議
 18:00 終了(予定)
*司会:堀田義太郎(立命館大学生存学研究センター・教員)

☆北米での「女性学」の「名称変更問題」("name change debate")について
カナダでは、設立40年以来、「女性学」という名称を掲げてきたほとんどの大規模な州立大学の女性学部がいま、「ジェンダー学部」「ジェンダーとセクシュアリティ学部」「ジェンダー研究学部」と改名している(例:ブリティッシュコロンビア大学、クイーンズ大学、モントリオール大学、オタワ大学、ヨーク大学など)。これは2009年前後のカナダ政府による縮小経済政策により、多数の大学がいくつかの学部の予算削減を断行した結果で、その対象となったのが人種的マイノリティ研究、ソーシャルワーク、ファインアーツ、そして女性学であったという背景もある。
 フェミニズムのなかでは「女性学」という名称を捨てる風潮に対する危惧と組織的な抗議の声が上がった。「女性学」という名称が本質主義的であり、より包括的で非本質的な「ジェンダー」に改名するべきだという主張に対し、「女性学」改名に異議を唱えるフェミニストたちのなかからは次のような異論が挙がった。「女性学」設立には長い重要な政治的歴史があり、「バックラッシュ」に応じて「女性学」を捨てることは、そもそも女性学が批判してきた女性排除に加担することだと。こうした意見は実際に学術誌や一般紙で「Women’s Studies Under Attack(攻撃下の女性学)」と称される主張となった(Susan G Cole, Herizons, Spring 2010 Issue)。

UP: 20130216 REV: 20130219

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