HOME > 全文掲載 >

《グッドモーニング STUDYサロン》北野の街から考える、生活・創作・フェミニズム――第1回[活動報告]

[Activity Report] Thinking from the Kitano Area as a Base: Everyday Living, Creation and Feminism ('Good Morning Study Salon' Vol.1)

村上 潔Murakami, Kiyoshi
2026年4月15日 於:ギャラリー島田

Tweet
last update: 20260503

◎Index

書誌情報
この資料ページについて
企画概要
第1回活動報告
他の開催報告/参加記録
関連情報

>TOP

■書誌情報[Bibliographic Information]

◇村上潔 2026 「[活動報告]《グッドモーニング STUDYサロン》北野の街から考える、生活・創作・フェミニズム――第1回」(2026年4月15日/ギャラリー島田),arsvi.com:立命館大学生存学研究所,2026年4月15日,(https://www.arsvi.com/2020/20260415mk.htm)
◇Murakami, Kiyoshi, 2026, "[Activity Report] Thinking from the Kitano Area as a Base: Everyday Living, Creation and Feminism ('Good Morning Study Salon' Vol.1)" (April 15, 2026 / Gallery Shimada), arsvi.com, April 15, 2026, (https://www.arsvi.com/2020/20260415mk.htm). *Lang.: Japanese

>TOP

■この資料ページについて

この資料ページは、下記企画の活動報告である。
内容は、
◇進行の記録
◇村上潔がレクチャー的に話したトーク内容(事前に準備した資料に加筆修正を施し、実際に話した内容+補足情報を反映させたもの)
◇参加者からの質問・発言
◇参加者全員でのやりとり *あった場合
◇検討事項/決定事項 *あった場合
となる。
本ページは必要に応じて随時更新する。

>TOP

■企画概要

◆《[グッドモーニング STUDYサロン]北野の街から考える、生活・創作・フェミニズム》
ファシリテーター:村上潔
第1回:2026年4月15日(水)10:30~
主催・会場:ギャラリー島田[神戸市中央区]
*要予約・無料
・告知1:https://gallery-shimada.com/cn6/2026-04-15.html
・告知2:https://www.facebook.com/galleryshimada/posts/pfbid0SBT3ZYNB3hZVeF2pyVyHWQGmX3CCs1Z49st4uVaDZ9Yr14jzqCvDHqzhHVxkeQQtl
・告知3:https://www.instagram.com/p/DW0cCZlgMw8/
・告知4:https://x.com/Gallery_Shimada/status/2041387582811263331

告知に掲載された内容紹介

テーマ《北野の街から考える、生活・創作・フェミニズム》にそって、参加者の皆さんで、日頃感じていることを語り合ったり、考えたり、何か作ってみたりする連続サロンをスタートいたします。
ファシリテーターには、現代女性思想・運動史がご専門の村上潔さんをお招きいたします。

告知に掲載されたファシリテーター紹介

<村上潔 プロフィール>
1976年、横浜市生まれ。湘南経由、町田市育ち。2002年から2005年まで、『remix』誌(アウトバーン)に、主に映画・音楽に関する記事を寄稿。2009年、立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了。博士(学術)。現在、立命館大学生存学研究所客員研究員、神戸市外国語大学非常勤講師、立命館大学大学院先端総合学術研究科非常勤講師。主たる専門領域は、現代女性思想・運動史、フェミニストアーカイヴィング、エコソーシャリストフェミニズム。著書に『主婦と労働のもつれ――その争点と運動』(洛北出版、2012年)など。2016年より本格的にジン[Zine]カルチャーの研究に着手し、調査・翻訳・論文/解説文執筆・講演・国際シンポジウムでの報告・メディアへの知見提供・ワークショップのゲストファシリテーター、等の活動を行なう。

>TOP

■第1回活動報告(文責:村上潔)

*参加者
一般参加者:5名
〈ギャラリー島田〉スタッフ:3名
*時間
10:30~12:40頃

1 進行

◆主催者挨拶:〈ギャラリー島田〉スタッフ
◆このサロンの成り立ち(村上から)
◇ネーミング
┃《グッドモーニング STUDYサロン》:〈ギャラリー島田〉スタッフによる
┃「北野の街から考える、生活・創作・フェミニズム」:村上による
◆村上の自己紹介
◇〈ギャラリー島田〉との関わり(2014年~)
https://gallery-shimada.com/cn1/1918.html
https://www.arsvi.com/2010/1604mk.htm
◇神戸市外国語大学《ジェンダー論入門》(2014年~)
2014年度:https://sites.google.com/site/kobegirls2014/
2026年度:https://www.arsvi.com/d/2026igs.htm
◆村上トーク【下記[2]参照】
◆参加者の方々の実践紹介
◇北野でのアートに関わる活動
◇神戸市南西部の地域で多様なコミュニティ活動
┃ママ友と+移民の人たちと
┃晩ごはんを一緒に作るだけの活動も
┃主宰者の娘さんも「ただいる」かたちで参加
◇ブルガリアと神戸をつなぐ活動
◆出された意見・感想
◇「ノリ」大事だよね!
◇「アントレプレナーシップ」と「DIYフェミニズム」は似ている気がする
◇抵抗のなかで、無自覚的に差別・排除をしていたのではないか――と気付いた。

2 トークのためのメモ(村上)

◆コンセプト
・“ギャラリーで”――ではなく――“街から”
・“アート”――ではなく――“創作”
・“作品”――ではなく――“制作物”
・“誰か一人(代表者)”――ではなく――“みんなで”
◇日常性・アマチュアリズム――を重視する
「働き」ながら
生活を成り立たせながら
他者をケアしながら
創作したり
創作したものを共有したり
共同で創作環境をつくったりすること
――そこに最大限の価値を見出す
◇気付か(れ)ない創造性
日々“当たり前”にやっている生活やケアに関する行為は、本当はそれだけで十分“創造的”な行為。
そう(周りから)見なされていないだけ、そう(自分で)気付いていないだけ。
┃創作は難しい?
日々の暮らしで精いっぱいで、“創作”なんて無理。自分には難しい。
でもなぜ難しいと感じるのか
それは本当に難しいことなのか
どうしたらもっと自然に“暮らし”と“創作”を接続できるのか
◇それならみんなで……
自他の状況を認識すること
変化に向けて思考すること
知恵やヒントを出し合うこと
┃価値を置く対象
いきなりなにかを“つくる”のではなく
つくるまでの“段階・プロセス”に価値を置く
┃先を急がす・最初の基点を
"Study" ← (の前に)話し合う ← (の前に)ただそこにいる
空間を共有する
→何かを感じる
そこで不安や違和感があれば:共有する
それにみんなで向き合うことから始める
┃掲げる理念を言い換えてみると
(DIY)フェミニズムの実践として:目指すのは:
“相互扶助”・“エンパワーメント”
=支え合うこと・励まし合うこと

3 参加者とのやりとりのなかで村上が言及した内容

◆戦後日本の民衆文化/民衆教育運動
◇象徴的な事例
┃1 文化・教養度の高いの街(文教地区):東京国立市
 1970年代:公民館学習:主婦への教育
┃2 町工場の街:東京大田区
 1950年代:サークル文化運動:労働者を組織化
┃3 地方:東北地方の農村部
 1950・60年代:生活記録運動:若年女性への教育
◇方法論
・作文/詩:原稿用紙と鉛筆+ガリ版
・版画:彫刻刀と木材+紙+インク
┃お金がかからない
┃専門的知識・技術を必要としない
◆世界のアクティヴィズムのなかで
・版画:インドネシア:民衆の政治的抵抗運動
・タペストリー:チリの女性たち:災害の記憶/政治的抵抗運動
◇主体/単位
地域に住む無名の人々(非アーティスト)
作者名ではなく〈○○コレクティヴ[Collective]〉
◆現在のフェミニズムで重視されるキー概念
・多様性[Diversity]
・包摂性[Inclusivity]
・交差性[Intersectionality]
◆フェミニストの発言から感じられた「復讐心」・「攻撃性」――をどう捉えるか
◇1970~80年代のラディカルフェミニズムの一部にそうした兆候は見られた
◇フェミニズムが本質的に追求するのは「解放」+そのための「抵抗」(+のための「連帯」)
┃「抵抗」は「復讐/攻撃」と同義ではない。より広い・高いポテンシャルをもつ。
┃「解放」のために「闘い(闘争)」は必要だが、ゴールはその先にある。
◇「解放」の先のヴィジョンは:「自由」と「尊厳」が十全に守られる世界
◆男並みキャリアを目指すのではなくオルタナティヴへ――という方向性の実践例
◇「ワーカーズコレクティヴ[Workers' Collective]」
┃日本:1980年代~:女性(母親)中心
‐ジャム作り/保育関係/高齢者送迎など
┃「働けない」若年男性を包摂する試みも
┃課題:市場化されたサーヴィスへの対抗
‐自らの「働き」/商品も市場化(商業主義に適応)していくことへの葛藤
【参考】(1)https://www.arsvi.com/d/w05.htm(2)https://www.arsvi.com/2010/1011yt07.htm
◆「女だから」・「母だから」といった一元的属性規定に基づく運動は“危うい”
◇運動からの排除ならびに運動内での抑圧――が必然的に生じる
┃その力は集団的・無自覚的に作動し/進行する
‐ゆえに気付き・修正するのが困難
◇性・人種・国籍・障害等の被差別属性:集団的抵抗の拠りどころにはなる――が――ひとつの要素に集約化・固定化させない意識が必要となる
◆DIYもフェミニズムも:「身体性」への意識を強くもつと理解/アプローチしやすい
◇理論や方法論を(頭で)学ぶだけではない
◇見えない――けれどたしかに受け取られる――「感覚」を重視すること
┃例:人とつなが(ってい)る空気の感触

4 初回を終えて――村上コメント

おかげさまで、とても有意義な初回になりました。
どんな感じになるか、事前に想定できなかったのですが、本当にすてきな時間・空間が生まれたように思います。参加者のみなさんに喜んでいただけて、(まさかの)「感動した」というお言葉までいただいて、私のほうが感無量でした。それは、(決して「私の」ではななく)〈ギャラリー島田〉という「場」がこれまで築き上げてきたものの「成果」だと思います。「場の力」というものの存在を、改めて実感しました。
参加者のみなさん、〈ギャラリー島田〉スタッフのみなさん、ありがとうございました。

>TOP

■他の開催報告/参加記録

◆〈ギャラリー島田〉
◇ギャラリー島田 2026 「「グッドモーニング STUDYサロン」vol.1が開かれました」,ギャラリー島田,2026年4月25日,(https://gallery-shimada.com/cn6/2026-04-25.html) *4月25日以降に上書き更新され、現在は「「グッドモーニング STUDYサロン」vol.2を開催します」というタイトルのページになっています。
https://gallery-shimada.com/cn3/2026-05-19.html

◆参加者によるレポート
https://x.com/MariTanabe/status/2047525479318794333/(2026年4月24日)

>TOP

■関連情報

◇村上潔 2026 「[報告資料]葛藤を抱えつつ、つながりをつくる――都市空間におけるフェミニズムとDIYの可能性」(ゲスト講義),ジェンダー論講座《「ジェンダーとわたしと」――今、見えなくされている社会の話を》(全3回)第3回,2026年3月28日,〈京都市男女共同参画センター ウィングス京都〉/オンライン,arsvi.com:立命館大学生存学研究所,(https://www.arsvi.com/2020/20260328mk.htm


*作成:村上 潔Murakami, Kiyoshi
UP: 20260415 REV: 20260416, 17, 0503
生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築  ◇アーカイビング――障害/クィア/BIPOC/フェミニズム(海外)  ◇都市・空間・場所[City/Urban/Space/Place]  ◇生活・生存[Life / Survival]  ◇身体[Body/System]  ◇[Gender/Sexuality]  ◇フェミニズム/家族/性[Feminism/Family/Sex]  ◇女性の労働・家事労働・性別分業[Women's Work / Housework / Domestic Labor / Sexual Division of Labor]  ◇全文掲載
TOP HOME (https://www.arsvi.com)