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「障害者と労働」研究会 2022年度公開セミナー
指定質問ならびに参加申込者からの事前質問への応答(当事者)

駒澤 真由美 20221219.

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last update: 20240319


 本記録は、2022年12月19日に立命館大学大学院 先端総合学術研究科 院生プロジェクト「障害者と労働」研究会が開催した2022年度公開セミナー「障害のある人もない人も共に働く職場とは〜『精神障害を生きるーー就労を通して見た当事者の「生の実践」』出版記念〜 において、本書の研究協力者でもある当事者(元山さんと今井さん:仮名)が当日の指定質問ならびに参加申込者からの事前質問に応答されたものである。当日限られた時間ではあったが、真摯にお答えいただいたお二人にあらためて心より感謝申し上げたい。なお、Q16〜20の質問については、本研究会代表の栗川治さんに応答いただいた。
 本セミナーの企画概要はコチラ https://www.r-gscefs.jp/?p=13166&preview=true


指定質問1−1 障害を受け入れて働くとは?

A(元山) ここで働き始めた当初は、「障害者として認めたくなかった」という考えをもっていたと思うんです。働く期間が長くなるにつれて、それはなくなっていったように思います。なぜかと言いますと、一般の人と障害者って差があるのかなと正直思います。これは、ただの慣れなのか、わからないんですけど。Z社会的事業所で、療育手帳や自分より重い精神障害を持たれている方とかを同僚とみて働くことができてます。どういったことがきっかけでということは正直わからないんですけど、僕のなかでは一般就労する方も、Z社会的事業所で働く方も同じ労働者だと思ってます。それやから、受け入れて働けているんやと思います。いま、僕38歳なんですけど、(Z社会事業所に来て)人生70年生きてこられた方が「人生なるようにしかならん、考えても仕方ない。今あることがすべてなんやから、それを受け入れないと先に進めない」って話をされたんです。そのときに、すごく楽になったんです、正直。今悩んでることって、10年後にはどうでもいいことになっているという意味やと僕は思ったんです。その人のそういう考えを自分のなかで考えると、今あるのがすべてなんやから、自分で無理することないと思ったんです。実際にZ社会的事業所で働いているたいへんな人たちを見ていて、自分の悩みってすごいちっぽけなもんやないかなと思ったんです。それがここで働いている理由なんやないかなと思います。

A(今井) 自分も、集団面接会で一回受かってるけど、落ちている人もいるし。集団面接会で、僕は落ちたんやけど、もう一人受かった人は会社が倒産しちゃったんですね。一般就労でもなく、福祉的作業所でもなく、社会的事業所で働いているというのは、もう運不運でしょうね。自分がここで働くようになったというのは、やっぱり。その人は倒産したあと、まあハローワークに行って新しい仕事をみつけはったんやけど、パートですよね。基本的にはね。ひと月5万。自分は一人前になりたかったから、お金ほしかったから働いているっていうことあります。自分自身の成長を促すためですよね。主治医の先生が言うには、未熟なところがあるから、お勤めに行きながらそういうことを勉強する段階にあるっていうのは、診断書にも書いてあったし。診断書には、うそは書いてるわけないんやろうけど、ぶっちゃけ言うてしまうと、お金がほしいから働いているというのがあるし、障害年金もらえてるから、やっぱり安定して働けているわけじゃないですか。障害年金なかったら、生活立ちゆかなくなるから。身寄りがいないから。ファミレスの内定もらったときも「給料だけで食っていけ」って、「家があるからいけるんちゃうか」って、「手先も器用やし」って言われたけど、主治医の先生はそうは言わなかった。精神障害者として生きるっていうのは、主治医が言ったのは、こういう障害年金もらうというのは、「今井さん、もともと地元の人やない、よそから引っ越してきた。親戚一人もいない。お父さん・お母さんもいない。そんなん、稼ぎだけで、食っていけるわけない」って言わはったから。「精神科に通院していることが意味なくなってしまうでしょ。障害年金もらわなかったら」って言わはったんです。「これは金のためやと思って割り切ってくれ」って言われました。


指定質問1−2 教育との関係性は?

A(元山) 今の社会って、障害を持ってる方と持ってない方がともに働けるかっていうたら、正直働けないと思うんです。それは、小中高と教育の課程でクラスが分けられていたり、一般の人から見たら「あの子変じゃないか」とか思っている人がいる。一緒に教育を受けるとかできると一番いいんですけど、家族のなかでも「あの子はこんな障害を持っている」とか話が出てしまう。「誰とも仲良くしないといけないよ」という教育をやっぱりしていかないとできないと思うんです。やじとかもあるんですけど、人間って自分と違う人に対してなにかを言ってしまうとか、絶対あると思うんです。言われたほうはつらいですし、すごいショックなことやと思うんです。自分も子どもがいてますけど、ぼくたち親たち世代がしっかりとこういうことを教えていかないといけないと思います。


指定質問2 駒澤さんの研究に参加することを通して、ご自身にどのような変化や発見がありましたか?

A(元山) この研究に実際に参加してみて、出来上がった本を読ませてもらって、こんな立派な本ができるんだなと正直思いました。実は、家族にも自分のこういう精神障害について話す機会というのがほとんどなかったんですけど、今回、この本があることに対して、この本に僕のことが載っているよという話ができるきっかけができました。これが一個の変化があったことだと思います。もうひとつ、仕事の面では、取材を受ける前は、本に載ってた給料が一緒やから、安いんちゃうかなという思いもすごい持ってたんですけど、あらためて読み直してみたら、そういうことも書いたったんですけど、今は、一緒に働くということがすごい大事とか。Z社会的事業所というのが、実はすごいところなんやというのがあらためてわかったということですね。

A(今井) 最初の主治医の先生が言わはったように、「人間万事塞翁が馬」やと思うんです。「人間万事塞翁が馬」という言葉は非常に大事で、このまえ、骨折して整形外科行ってるけど、いろんな角度からモノを見てますかってことですよね、結局。新聞配達のアルバイトしているのもそやし、(精神科の)病院におったから、こうやって語ることは義務やと思っているし。自分が得たことがプラスになってるからですよね。メリット・デメリットで勘定したらメリットのほうが大きいからやってるっていうこと。研究に参加して、メリットがあると思いますよ。自分自身を振り返って、こういう生き方してきたなあというのがわかるというか。ひょっとしたら、人生が平たんじゃないということよりも、世の中にはいろんな考え方の人がいるっていうことがわかるということやろうね。不幸はただの不幸なのかというと、そうではなくて。アルバイトをすることも、こうやって質問を受けることも、自分の人生にとってプラスになるからやってるっていうことなんです。いろんな角度から見て、プラスに変えられるかどうかやと思う。(たとえば)母親が死んだときに、お金の無心をする人がいた。ひょっとすると、これちょっと読んでみたときに、自分で働いてお金を得ることができんのかなと。自分の相続したお金をたかったのかもしれない。今から振り返ると、自分の生育歴のなかで、自分で働いてお金を得ることができない人がいるっていうことに気づくわけですよ。ゆえに、相続した遺産や保険金にたかる人がいるっていうことやね。ハローワークの意見書に主治医が非常に頭のいい人やと思うと書いてます。自分が見てるコレと、ほかの人が見てるコレがおんなじかというと、字って読めてあたりまえと思ってたんですよ。ここに入るまで、親が高学歴やったから、みなが識字ができるって思いこんでたんやろうね。でも、ここで働くと必ずしも、自分はこのポスターの内容がわかっても、ほかにわからん人がいるっていうことが気づきにくかったのかな。たとえば保険金とか相続した遺産をもらいに来る人をすごい失礼な人やと思ったけど、自分で稼ぐことができん、そういう人やったんかなということがわかるでしょ。精神科の病院にも入院してるし、いろんな(事情を抱えた)人がいるんやなというのはわかりました。そういうことが、今回のインタビューのなかで振り返って、わかったということやろうね。インタビューを受けて、これまでの経験の整理ができるっていうこと。整理することができるっていうのは、プラスやろうね。


【参加者からの質疑】

Q1 当事者が障害年金を受給するうえでの課題についてお考えを聞かせていただけますと幸いです。

A(元山) 今は、取材を受けた3年前とは変わってますけど、3年前は障害年金をもらうということは社会に助けられているというイメージですかね。僕の周りにもそういう方がいないんで、職場にはおられますけど、障害年金をもらってしまうと、一般的なイメージって年金というのは、60歳、65歳をすぎたひとがもらうもの。それをもらっているというのは、おかしいんじゃないかという考えを一般の人は持っていると思うんです。それで、当時は抵抗があったということですね。

A(今井) 障害年金をもらううえでの課題ね〜。相手してくれるとこと、してくれないところがありますよね。。市役所の保険年金課に行ったら追い返された。年金事務所に行ったら「診断書があったら受け付けます」って言ってくれた。みんな平等に受けられるべきやろうね、場所によって違うとか、相手してくれる人によって違うとか、そこが問題やね。


Q2 さまざまな価値観や考え方がある中で、存在を認め合うだけでなく、働き方を認め、その人の信条の自由を認めていくためには、何が必要でしょうか?

A(元山) ひとぞれぞれいろんな考え方があると思うんですけど、年収が高い人・低い人、働く人・働かない人、いろいろいると思うんですけど、それぞれが認め合うことってできないんじゃないかなと正直思います。これをみんなが認めていくには何が必要かって、僕が思うには資本主義じゃないほうがいいのかなと思います。

Q3 小学校の特別支援学級の自閉症、情緒学級を担任させていただいてましたが。児童と保護者のことで、自分のできなさに責任を感じ、鬱になりました。今後は、教育関係の仕事にはつかない方が良いのでしょうか?

A(元山) 私もZ事業所で大人の発達障害の方とか、知的障害をもたれている方と仕事をしていますけど、知的障害をもたれている方の親御さんと話すこともあるんです。親御さんはどこかに責任を押し付けないというのがあると思うんです。この方は特別支援学級の先生ということですけど、できることって学校のなかでしかないと思うんです。それで、各家庭の協力がないと、ご家族がおられない方は支援センターの協力がないとできないと思うんです。学校におられる時間は精一杯やらはったらいいと思うんです。で、恩師の言葉じゃないですけど、「なるようにしかならん」という思いをもてば、今後もこういう仕事していけるんじゃないかと思います。

A(今井) 自閉症の人が、自分を見つけるのは運不運でしょうね。教育者の人が自分の力不足と思う必要はないと思う。うちにも自閉症の人いるでしょ。外に出てるから、ばったり出くわすこともある。その人はたまたまデイサービスに通っている。ある人はこういう社会的事業所で働いている。


Q4 今回、メインのテーマは福祉的就労かと思いますが、クローズドで一般就労しているケースにおける過剰適応の課題についてどのようにお考えかお伺いできるとうれしいです。

A(元山) 障害と言わずに隠して一般就労しているケース、自分の経験から言いますと、隠してるんですけど、どんどん自分が詰まっていく。で、結局辞めてしまう。これって誰にも見えないと思うんです。どこかで本人が決断をするしかないと思うんです。障害をオープンにして働くのかどうか。障害者雇用については企業のなかでも変わってきていると思うんですけど、役職を外されたりとか。でも、自分のなかでは、気が楽になるんじゃないかなと思います。


Q5 役割主義、成果主義の評価制度等で評価されている労働者の中で、障害のある人もない人も気持ちよく共に働く職場環境の作り方について

A(元山) これは、従業員の教育しかない。一般企業で働いてきた人って障害者と関われるかっていうと関われないと思うんです。だから、実際、企業に入ってから、あの人はいろいろ教えてあげなあかんとか、急にできないと思うんですけど。だから、こういうことをやろうとすると、新入社員の時から、ともに働くという教育を入れていかなあかんと思います。


Q6 働く中で感じた健常者との差にどのようなものがあったか

A(元山) 一般就労と障害者雇用と両方で働いてきたんですけど、僕の場合は、大差はないんじゃないかなと思います。健常者の方でも学校休みたい、仕事休みたいってあると思うんです。精神疾患ってそれと似たようなものじゃないかなと思うんです。うつの時でも、いきなり仕事だるくなって会社に行けなくなった。似たような感覚じゃないかな。仕事の差っていうのも、そんなにないんじゃないかな。できることもありますし、差があるとしたら、コミュニケーションがとりづらいとか。社会的事業所にいたら、あまり差を感じない。そういう場になってるんでしょうね。僕ら、当然やと思ってたんですけど。

A(今井) それはあまり感じたことはありません。なんにもせんでも金もらえる人はいはりますしね。仕事が自分らよりできひんでも、たくさんもらってはる人、一般でもいはるんと違います? 能力と金額の差というのは必ずしも比例しないと思いますよ。能力があっても少ない人もいはるし、能力があがると比例してあがるかというとそんなことないと思いますよ。健常者と差があるということはないと思う。生まれつき、家が金持ちやったりとかしたら関係ないわけやから。人によっては、作業所で、指導員の人の首切っちゃったこと。能力にそんしょくなくても片っぽ、給料一人前にもろうて、こっちは工賃。能力にはほとんど差はないけど、結局、その人は首になって、安いほう、自分をとったわけでしょ。能力に差はないと思いますよ。


Q7 就労継続支援A型に通ってますが次はピアスタッフとしてピアサポートやラップを広める活動しながら、相談支援員として働きたい目標があります。 可能ですか?

A(元山) 今の自分の立場で思っていることがあって、今でも、精神障害を抱えて入ってきた人とかもいるんですけど、まず、Z社会的事業所に入ってきた段階で、なんかあったら、自分に伝えてきはるんです。この建物の上に支援センターがあるんですけど、そこにつないだりしてるんです。これって、もしかして相談員なんじゃないかなと思うことがあるんです。そういう職種ではないんですけど。なろうと思うんじゃなくて、こういう場で働いていると自然となるんじゃないかな。こういうのも経験で伝えたらいいんじゃないかな。それを仕事にする必要もないんじゃないかな。わざわざそれを仕事にしなくてもいいんじゃないかな。


Q8 履歴書で精神疾患があることがバレてしまうため、即敬遠・不採用にされること100回近く経験してきました。この根深い偏見はどうすれば正されるのでしょうか?また、精神障害者が雇用されやすい職種は限られている印象を受け、やりたくない職種を選ばざるを得ない実態もあります。精神障害者に職種を自由に選べる権利はないのでしょうか?

A(元山) やりたくないこともやってみたら、実は自分に合う仕事もあるんじゃないかな。やりたい仕事でも、精神疾患がでてしまうなら、ひょっとしたら、自分にあってないんじゃないか。合わない仕事でも、やってみたら、僕も最初、「清掃なんて」って思ってましたけど。やりたくないと思った仕事でもやってみたら、やってみたらいいんじゃないかな。

A(今井) これも「人間万事塞翁が馬」でやりたいことを仕事にするのが果たしていいのかどうか。やりたい仕事を選んで、そこに就職することだけが価値観じゃないと思いますよ。やりたい仕事につくのは必ずしも幸福とは限らないと思います、僕はね。そういう考え方の人もいはるかもしれないけど。僕は、やりたくて、この仕事についたわけじゃないから。ダルクの人が蒸発したから、ここに入ることになったけど。でも、今はやってたら楽しかったから続けてるんですね。自由かどうか。作業所のお坊さん、学校の教員やった。それやりたい仕事やったと思う。でも実家がお寺やから、やめざるを得なかった。決してお坊さんの仕事につきたかったわけじゃないだろうけど。今まで知らなかった自分に出会うことでしょうね。「未見の我に気づく」って言葉ありますよね。まだ見ぬ自分に気づくってこと。やってみたら、わりと楽しかったということ。ダルクの人が逃げたから、すきまに入っただけやけど、入ってみたら新しい世界が広がったから。こういう世界もあるんやなってことですよね。


Q9 障がい者が就労する上で、その場において、心理的安全性はどこまで確保、あるいは担保されているか?

A(元山) Z社会的事業所でいえば、事業所ですから、仕事をしてお給料もらうわけですから、失敗したら怒られるというのは一般企業と変わらないと思うんです。たとえば、怒られたことに対して悩む方はおられると思うんですけど、そのあとにやっぱりサポートを入れてるんです。個人で言うんではなくて、いたずらをするということも、全体で伝えて誰がやったというのは正直言わないんです。「次は頑張れよ!」ではなく、「君は良く頑張っている」というサポートを入れます、お互いに。それが、Z社会的事業所が10数年続けられている理由かなと思います。みんなでサポートしあっている。それが完成していますね。一人だけが責任をもってやっているわけではない。

A(今井) これはうちの会社、ほったらかしやと思う。それがかえって良かった。自分で考えて成長することができるから。代表者は、ほったらかし。自分で考えて行動してくださいってことやね。


Q10 障害者雇用の現状と課題を知りたいです。当方、障害者雇用で1年半以上働いていて、他の方々の意見も聞いてみたいです。

A(元山) まわりが障害を持っている方と持ってない方というのを、区別しないところなのかな。区別しちゃうと溝ができると思います。

A(今井) 5万やったら、5万の仕事だけして、割り切って帰る人もいはるし。自分みたいに、フルに働いて生活していく人もいるし。それは個人の自由やと思います。


Q11 引きこもり期間が長く、一般就労の面接に受かった試しがない。履歴書の書き方なのか、はたまた受けごたえなのか、自分では原因分からず。社会参加を成したいが、未だ社会が受け入れ体制を整えれていないことは承知。それに不平不満を説いた所で現状意味は無い。では自分はどうするか?というところで、堂々巡りを繰り返す現在。何らかの導きを見いだせると思い、今回参加致します。

A(今井) 自分も集団面接会で、相手してくれたとこと、してくれなかったとこと、ありますよ。ファミレスは相手してくれた。「そんな長いこと作業所で働いてはんの」と、はっきり言われたこともありますよ。「あなたみたいな人はおそらく社会の役にたたない人やろうな」って、面接の人に。「これから、こんりんざいないでしょうね」って言われたことあります。それはもう、面接する人の人柄でしょうね。だから、人によっては相手にしてくれるとこもあるし、誰にあたるかということ。


Q12 現在障害者雇用の事務のパートで雇われていますが、双極性障害のうつ状態になってしまい休職中です。働けていたとき、年金と合わせた収入が15万くらいということに全然納得できませんでした。障害者は貧困状態にとどまるべきで、家も車も家庭も持つな、服もファストファッションでしか買うなと世の中に言われている気分です。欲望を持つなと言われているのでしょうか?

A(今井) 欲望というのは、肯定したほうがいいと思う。作業所の所長がお坊さん。働いている以上、欲望というのは否定する必要はないと思う。自分もバイク好きやから、ずっとバイク乗ってるから。


Q13 弟が先天的な心疾患があり、11年前に倒れてから社会復帰できず今も療養中。母親も看病を理由に弟と同居を続け、共依存に陥っているように見えます。弟は自殺願望もあるようで、最近では訪ねても部屋から顔も出しません。少しでも気持ちが前向きになるような勇気づけの方法がありましたら、ご教示いただけますと幸いです。

A(今井) 気の毒な人やとは思うけどね、勇気づけるとかはできひんけど、欲望を満たすようなことが少しでもあるといいかな。


Q14 仕事と治療の両立について

A(今井) 主治医が週6日くらい働いてくれてるから、必ず精神科に通えるんです。それはありがたいこと。インターネットで調べたらクリニックの診療体制みたらわかると思うけど、それで両立できてます。


Q15 精神科病院への入院についてどのようなイメージがありますか?

A(今井) 廃人みたいな人はいました。わかりやすい人もいましたし、僕みたいにわかりにくい人もいました。僕見て、精神の病気もってるように、見えますか?ということですね。


Q16 精神障害者の就労に関する問題は根深いものがあり、個人の力ではどうにもならない。故に、こうした団体が声を拾い上げて問題を顕在化して提起し、議論を喚起していく必要がある。そのための提案がないのは研究会の開催意義に疑問符がつく。

A(栗川) 今回の公開セミナーでは、なんらかの提案をするということは考えていませんでした。まずは、駒澤さんの研究によって明らかになったこと、当事者の方々の「生の実践」を知っていただき、それをもとに議論ができればと願い、皆様のご協力で、その目的は果たせたととらえています。もちろん、時間の制約もあり、十分な意見交換ができたとは言えません。これからも引き続き、ご一緒に考えていければと思います。


Q17 すべての一般校に、情報補償機器・手話指導員などを配置してインクルーシブ教育を実現することは、物理的にも可能なのでしょうか。

A(栗川) 可能だと思います。その実現のためには、教育行政の政策転換が必要になってきますから、そのための運動、世論形成などが重要になってくると思います。


Q18 いつか皆さんのように、大学院に行けたらいいと本気で思っています。ぼくにとってのリカバリーの一つかもしれません。

A(栗川) 立命館大学大学院先端総合学術研究科には、いろいろな院生がいます。入学を、どうぞ前向きにご検討ください。


Q19 精神医学や、貴研究会のような場所で学ぶことを考えましたが、学んで発表する場があっても、当事者や関係者など、すでに関心のある方々ばかりが聴講し、内輪だけで終わってしまうように感じています。どうしたらもっと開かれた場所で問題提起することができるのでしょうか。もし貴研究会で課題を感じていることなどあれば、教えていただきたいです。

A(栗川) 「もっと開かれた場所で問題提起すること」はたいせつで、私たちもめざしたいと考えています。とはいえ、実際には、告知の方法の限界(自分が登録しているメーリングリスト等)もあり、「当事者や関係者など、すでに関心のある方々ばかりが聴講し、内輪だけで終わってしまう」という状況から脱し切れていないかもしれません。それでも、今回、300名以上の方々から参加申込をいただき、未知の多くの方々と一緒に、この場を共有できたのはよかったと思います。今後、こういった問題に関心のない方々に、どう呼び掛けていくか、名案はありませんが、考えていきたいと思います。


Q20 本を購入した人には何かの操作でテキストデータがいただけると嬉しいです。

A(栗川) 本の奥付ページにテキストデータ引換券が付いていますので、それを生活書院にお送りください。全文テキストデータがメールかCDで送ってもらえます。





*作成:岩ア 弘泰(いわさき ひろやす)
UP: 20240315 REV: 20240317, 19
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