HOME
>
全文掲載
>
優生:2020(日本)
第15回:東京控訴審第3回期日&報告集会のご報告
山本 勝美
20210930
(第1回)
(第2回)
(第3回)
(第4回)
(第5回)
(第6回)
(第7回)
(第8回)
(第9回)
(第10回)
(第11回)
(第12回:仙台5/11)
(第13回:東京5/21)
(第14回:仙台9/17)
(第15回:東京10/4)
Tweet
last update:20211016
■目次
第1節:はじめに
第2節:東京控訴審第3回期日のご報告
第3節:報告集会のご報告
第4節:終わりに
第1節:はじめに
早目に裁判所前にきてみたが、昨日より一段暑さの強い日差しを浴びて、所内に入ったまま、時間間際まで出そびれていた。
2時15分に仲間と入庁行動を行う、入り口で抽選券を受け取る。
が、全員入廷。3時開廷。
第2節:控訴審第3回期日のご報告
意見陳述要旨
(
いけんちんじゅつようし
)
2021年
(
2021ねん
)
10月
(
10がつ
)
4日
(
4か
)
旧優生
(
きゅうゆうせい
)
保護法
(
ほごほう
)
東京
(
とうきょう
)
弁護団
(
べんごだん
)
1 はじめに
今日
(
きょう
)
の
裁判
(
さいばん
)
では、
前回
(
ぜんかい
)
の
裁判
(
さいばん
)
で
私
(
わたし
)
たちが
主張
(
しゅちょう
)
したことについて、
2人
(
ふたり
)
の
学者
(
がくしゃ
)
の
意見書
(
いけんしょ
)
をふまえて、
主張
(
しゅちょう
)
の
補充
(
ほじゅう
)
をし、また、
国
(
くに
)
からの
反論
(
はんろん
)
がありましたので、もう
一度
(
いちど
)
、
私
(
わたし
)
たちの
主張
(
しゅちょう
)
を伝
(
つた
)
え、
反論
(
はんろん
)
しています。
これまでもお
伝
(
つた
)
えしてきたように、
私
(
わたし
)
たちは、
北
(
きた
)
さんに
対
(
たい
)
して
優生(
ゆうせい
)
手術
(
しゅじゅつ
)
を
行
(
おこなって
)
っても
良
(
よ
)
いとしていた
法律
(
ほうりつ
)
、その
法律
(
ほうりつ
)
によって
作り出された
(
つくりだ
)
障害者
(
しょうがいしゃ
)
に
対
(
たい
)
する
差別
(
さべつ
)
、そしてその
差別
(
さべつ
)
を
放置
(
ほうち
)
してきた
国会
(
こっかい
)
議員
(
ぎいん
)
や
大臣
(
だいじん
)
たちが、
憲法
(
けんぽう
)
のもとで
責任
(
せきにん
)
をとることを
求
(
もと
)
めています。
2
今回
(
こんかい
)
北
(
きた
)
さんが
侵
(
おか
)
された
人権
(
じんけん
)
早稲田
(
わせだ
)
大学
(
だいがく
)
名誉
(
めいよ
)
教授
(
きょうじゅ
)
の
戸波
(
となみ
)
江二
(
こうじ
)
さんが
作成
(
さくせい
)
した
意見書
(
いけんしょ
)
には、おおむね、
次
(
つぎ
)
のことが
記載
(
きさい
)
されています。
日本
(
にほん
)
国
(
こく
)
憲法
(
けんぽう
)
では、
人間
(
にんげん
)
にはそれ
自体
(
じたい
)
としてかけがえのない
価値
(
かち
)
があり、
尊厳
(
そんげん
)
をもった
存在
(
そんざい
)
として
認
(
みと
)
められるという、
言い換えれば
(
いいかえれば
)
人間
(
にんげん
)
の
尊厳
(
そんげん
)
を
守
(
まも
)
るべきということも
含
(
ふく
)
まれていると
考
(
かんが
)
えられています。
そして、
優生
(
ゆうせい
)
保護法
(
ほごほう
)
や
本件
(
ほんけん
)
の
手術
(
しゅじゅつ
)
は、
特定
(
とくてい
)
の
人々
(
ひとびと
)
を「
不良
(
ふりょう
)
の
人々
(
ひとびと
)
」と
決
(
き
)
めつけ、それらの
人々
(
ひとびと
)
を
劣
(
おと
)
った
人
(
ひと
)
として優生
(
ゆうせい
)
手術
(
しゅじゅつ
)
を
強制
(
きょうせい
)
するものであり、
日本
(
にほん
)
国
(
こく
)
憲法
(
けんぽう
)
が
保護
(
ほご
)
する「
人間
(
にんげん
)
の
尊厳
(
そんげん
)
」の
原理
(
げんり
)
に
正面
(
しょうめん
)
から
反
(
はん
)
している、としています。
このような
優生
(
ゆうせい
)
保護法
(
ほごほう
)
及
(
および
)
び
本件
(
ほんけん
)
手術
(
しゅじゅつ
)
は、
人間
(
にんげん
)
の
尊厳
(
そんげん
)
の
原理
(
げんり
)
や
人格権
(
じんかくけん
)
を
傷
(
きず
)
つけ、
障害者
(
しょうがいしゃ
)
差別
(
さべつ
)
をするものであり、
裁判所
(
さいばんしょ
)
においては、こうした
大切
(
たいせつ
)
な
人権
(
じんけん
)
侵害
(
しんがい
)
の
本質
(
ほんしつ
)
から
目
(
め
)
を
背
(
そむ
)
けることなく、
回復
(
かいふく
)
に
向
(
む
)
けた
裁判所
(
さいばんしょ
)
の
使命
(
しめい
)
が
果
(
は
)
たされなければならないとしています。
以上
(
いじょう
)
をふまえ、
今回
(
こんかい
)
一
(
ひと
)
つのポイント
(
ぽいんと
)
となっている
20年
(
20ねん
)
という
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
についても、しっかりと
検討
(
けんとう
)
する
必要
(
ひつよう
)
があります。
3
20年
(
20ねん
)
という
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
は、
本件
(
ほんけん
)
ではあてはまらないこと
立命
(
りつめい
)
館
(
かん
)
大学
(
だいがく
)
名誉
(
めいよ
)
教授
(
きょうじゅ
)
の
吉村
(
よしむら
)
良一
(
りょういち
)
さんの
作成
(
さくせい
)
した
意見書
(
いけんしょ
)
は、まさにこの20
年
(
ねん
)
の
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
にかかわるものです。
この
意見書
(
いけんしょ
)
によれば、
被害者
(
ひがいしゃ
)
の
保護
(
ほご
)
すべき
権利
(
けんり
)
や、
憲法
(
けんぽう
)
違反
(
いはん
)
による
被害
(
ひがい
)
を
回復
(
かいふく
)
しなければならない
要素
(
ようそ
)
がある
事案
(
じあん
)
では、
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
について
詳
(
くわしく
)
しく
検討
(
けんとう
)
する
必要
(
ひつよう
)
があるとしたうえで、
本件
(
ほんけん
)
では
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
について
詳
(
くわしく
)
しく
検討
(
けんとう
)
する
必要
(
ひつよう
)
があるとしています。
この
意見書
(
いけんしょ
)
をふまえて、わたしたちは、
本件
(
ほんけん
)
のような
憲法
(
けんぽう
)
違反
(
いはん
)
により、
大切
(
たいせつ
)
な
人権
(
じんけん
)
を
根本
(
こんぽん
)
から
侵
(
おか
)
すケース
(
けーす
)
においては、
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
の
決
(
き
)
まりをそのまま
当
(
あ
)
てはめることが
正義
(
せいぎ
)
や
公平
(
こうへい
)
に
反
(
はん
)
する
結果
(
けっか
)
となるため、この20
年
(
ねん
)
という
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
があてはまらないと
主張
(
しゅちょう
)
しています。
なお、
国
(
くに
)
自身
(
じしん
)
も、
20年
(
20ねん
)
という
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
が、
事案
(
じあん
)
によっては、
裁判所
(
さいばんしょ
)
の
判断
(
はんだん
)
であてはまらず、
優生
(
ゆうせい
)
手術
(
しゅじゅつ
)
の
被害
(
ひがい
)
回復
(
かいふく
)
を求める
(
もとめる
)
ことについて
時間
(
じかん
)
制限
(
せいげん
)
があてはまるかどうかは、
裁判所
(
さいばんしょ
)
の
判断
(
はんだん
)
しだいとして、
裁判所
(
さいばんしょ
)
に
責任
(
せきにん
)
を
押し付けよ
(
おしつけよ
)
うとしています。
4
国際的
(
こくさいてき
)
な
人権
(
じんけん
)
の
条約
(
じょうやく
)
によっても
時間
(
じかん
)
の
制限
(
せいげん
)
は
認
(
みと
)
めるべきでないことについて
北
(
きた
)
さんに
対
(
たい
)
して
時間
(
じかん
)
の
制限
(
せいげん
)
を
認
(
みと
)
めることは、
日本
(
にほん
)
が
国際
(
こくさい
)
社会
(
しゃかい
)
に
対
(
たい
)
して
守
(
まも
)
ることを
約束
(
やくそく
)
している
条約
(
じょうやく
)
にも
反
(
はん
)
しています。
北
(
きた
)
さんへの
優生
(
ゆうせい
)
手術
(
しゅじゅつ
)
は、
拷問
(
ごうもん
)
等
(
とう
)
禁止
(
きんし
)
条約
(
じょうやく
)
の「
拷問
(
ごうもん
)
」に
当
(
あ
)
たるほど、
北
(
きた
)
さんの
人
(
ひと
)
としての
大切
(
たいせつ
)
なものを
奪
(
うば
)
っています。そして、このこと
自体
(
じたい
)
は
国
(
くに
)
も
争
(
あらそ
)
っていません。
国
(
くに
)
は、
拷問
(
ごうもん
)
に
対
(
たい
)
する
補償
(
ほしょう
)
を
求
(
もと
)
めるために、
時間
(
じかん
)
の
制限
(
せいげん
)
をつけるべきではないという
考え方
(
かんがえかた
)
は、
国際
(
こくさい
)
社会
(
しゃかい
)
でまだ
一般的
(
いっぱんてき
)
に
認
(
みと
)
められていないと
反論
(
はんろん
)
しています。しかし、
条約
(
じょうやく
)
の
解釈
(
かいしゃく
)
をする
専門家
(
せんもんか
)
やガイドライン
(
がいどらいん
)
が、
拷問
(
ごうもん
)
について
時間
(
じかん
)
の
制限
(
せいげん
)
をつけてはいけないと
言
(
い
)
っていることは、
既
(
すで
)
に
国際的
(
こくさいてき
)
な
ルール
(
るーる
)
として、
国
(
くに
)
も
尊重
(
そんちょう
)
しなければなりません。
そして
拷問
(
ごうもん
)
である
以上
(
いじょう
)
、その
苦
(
くる
)
しみは
長期間
(
ちょうきかん
)
続
(
つづ
)
くのですから、たとえ
優生
(
ゆうせい
)
手術
(
しゅじゅつ
)
は
条約
(
じょうやく
)
ができる
前
(
まえ
)
の
出来事
(
できごと
)
だとしても、
国
(
くに
)
は
責任
(
せきにん
)
を
負
(
お
)
う
義務
(
ぎむ
)
があります。このことは、
世界
(
せかい
)
各地
(
かくち
)
の
裁判所
(
さいばんしょ
)
でも
認
(
みと
)
められています。
日本
(
にほん
)
の
裁判所
(
さいばんしょ
)
は、これまでも
重要
(
じゅうよう
)
な
判断
(
はんだん
)
をする
時
(
とき
)
に、
条約
(
じょうやく
)
が
決
(
き
)
めていること、
日本
(
にっぽん
)
政府
(
せいふ
)
に
対
(
たい
)
して
言
(
い
)
われたことを
参照
(
さんしょう
)
してきました。
今回
(
こんかい
)
も、
国際
(
こくさい
)
人権
(
じんけん
)
に
関する
(
かんする
)
専門
(
せんもん
)
機関
(
きかん
)
は、
優生
(
ゆうせい
)
手術
(
しゅじゅつ
)
が
人権
(
じんけん
)
条約
(
じょうやく
)
に
違反
(
いはん
)
すること、その
賠償
(
ばいしょう
)
に
対
(
たい
)
して
時間
(
じかん
)
の
制限
(
せいげん
)
をするべきではないことをはっきりと
認
(
みと
)
めているのに、
国
(
くに
)
がこれを
無視
(
むし
)
することは
国際
(
こくさい
)
社会
(
しゃかい
)
に
対
(
たい
)
しても
説明
(
せつめい
)
がつきません。
5
被害者
(
ひがいしゃ
)
への
十分
(
じゅうぶん
)
な
補償
(
ほしょう
)
をする
法律
(
ほうりつ
)
が
欠
(
か
)
かせないこと
私
(
わたし
)
たちは、
国
(
くに
)
が
北
(
きた
)
さんに
対
(
たい
)
してきちんと
補償
(
ほしょう
)
をしないことは
違法
(
いほう
)
であることも
確認
(
かくにん
)
して
欲
(
ほ
)
しいと
求
(
もと
)
めています。
国
(
くに
)
は、
仙台
(
せんだい
)
地裁
(
ちさい
)
判決後
(
はんけつご
)
の
判決
(
はんけつ
)
では、
被害者
(
ひがいしゃ
)
へ
補償
(
ほしょう
)
をする
法律
(
ほうりつ
)
をつくる
必要性
(
ひつようせい
)
が
明
(
あき
)
らかではないと
主張
(
しゅちょう
)
しています。しかし、
東京
(
とうきょう
)
・
大阪
(
おおさか
)
でも
人権
(
じんけん
)
侵害
(
しんがい
)
が
認
(
みと
)
められているうえ、
直
(
ちょっ
)
近
(
きん
)
の
神戸
(
こうべ
)
の
判決
(
はんけつ
)
では、
結論
(
けつろん
)
に
続
(
つづ
)
き、
以下
(
いか
)
のように
述
(
の
)
べられています。「なお、
事案
(
じあん
)
の
性質
(
せいしつ
)
に
鑑
(
かんが
)
み
付言
(
ふげん
)
するに、
旧優生
(
きゅうゆうせい
)
保護法
(
ほごほう
)
の
優生
(
ゆうせい
)
条項
(
じょうこう
)
が
日本
(
にほん
)
国
(
こく
)
憲法
(
けんぽう
)
に
違反
(
いはん
)
することが
明白
(
めいはく
)
であるにもかかわらず、
同条項
(
どうじょうこう
)
が
半世紀
(
はんせいき
)
もの
長
(
なが
)
きにわたり
存続
(
そんぞく
)
し、
個人
(
こじん
)
の
尊厳
(
そんげん
)
が
著
(
いちじる
)
しく
侵害
(
しんがい
)
されてきた
事実
(
じじつ
)
を
真摯
(
しんし
)
に
受け止め
(
うけとめ
)
、
旧優生
(
きゅうゆうせい
)
保護法
(
ほごほう
)
の
存在
(
そんざい
)
を
背景
(
はいけい
)
として、
特定
(
とくてい
)
の
疾病
(
しっぺい
)
や
障害
(
しょうがい
)
を
有する
(
ゆうする
)
ことを
理由
(
りゆう
)
に
心身
(
しんしん
)
に
多大
(
ただい
)
な
苦痛
(
くつう
)
を
受
(
う
)
けた
多数
(
たすう
)
の
被害者
(
ひがいしゃ
)
に
必要
(
ひつよう
)
かつ
適切
(
てきせつ
)
な
措置
(
そち
)
がとられ,
現在
(
げんざい
)
においても
同法
(
どうほう
)
の
影響
(
えいきょう
)
を
受
(
う
)
けて
根深
(
ねぶか
)
く
存在
(
そんざい
)
する
障害者
(
しょうがいしゃ
)
への
偏見
(
へんけん
)
や
差別
(
さべつ
)
を
解消
(
かいしょう
)
するために
積極的
(
せっきょくてき
)
な
施策
(
しさく
)
が
講
(
こう
)
じられることを
期待
(
きたい
)
したい。」。このように、
現状
(
げんじょう
)
の
被害者
(
ひがいしゃ
)
に
対
(
たい
)
する
措置
(
そち
)
や
施策
(
しさく
)
が
不十分
(
ふじゅうぶん
)
であることが
判決
(
はんけつ
)
でもの
述
(
の
)
べられており、やはり
被害者
(
ひがいしゃ
)
への
十分
(
じゅうぶん
)
な
補償
(
ほしょう
)
をする
法律
(
ほうりつ
)
がないことは、
違法
(
いほう
)
だと
言
(
い
)
わざるを
得
(
え
)
ません。
6
最後
(
さいご
)
に
これまで、
裁判所
(
さいばんしょ
)
は、
法律
(
ほうりつ
)
をそのまま
当
(
あ
)
てはめると
回復
(
かいふく
)
されるべき
被害
(
ひがい
)
が
回復
(
かいふく
)
されない
場合
(
ばあい
)
に、
何
(
なん
)
とか
論理
(
ろんり
)
を
構成
(
こうせい
)
して、
被害者
(
ひがいしゃ
)
を
回復
(
かいふく
)
する
判決
(
はんけつ
)
を
出して
(
だして
)
きました。
期間
(
きかん
)
制限
(
せいげん
)
については、
平成
(
へいせい
)
10
年
(
ねん
)
の
最高裁
(
さいこうさい
)
判決
(
はんけつ
)
でしたり、また
本年
(
ほんねん
)
4
月
(
がつ
)
26
日
(
にち
)
B型
(
Bがた
)
肝炎
(
かんえん
)
訴訟
(
そしょう
)
の
最高裁
(
さいこうさい
)
判決
(
はんけつ
)
は
被害者
(
ひがいしゃ
)
救済
(
きゅうさい
)
の
幅
(
はば
)
を
広
(
ひろ
)
げました。
一昨年
(
いっさくねん
)
には、
ハンセン病
(
はんせんびょう
)
患者
(
かんじゃ
)
の
家族
(
かぞく
)
までも
救済
(
きゅうさい
)
する
判決
(
はんけつ
)
もありました。
本件
(
ほんけん
)
も、
国策
(
こくさく
)
による
被害
(
ひがい
)
で、
多
(
おお
)
くの
被害者
(
ひがいしゃ
)
がおり、
東京
(
とうきょう
)
地裁
(
ちさい
)
判決
(
はんけつ
)
も
人生
(
じんせい
)
被害
(
ひがい
)
と
評価
(
ひょうか
)
するほど
重大
(
じゅうだい
)
な
被害
(
ひがい
)
が
発生
(
はっせい
)
している、
回復
(
かいふく
)
すべき
被害
(
ひがい
)
がある
事案
(
じあん
)
です。
裁判所
(
さいばんしょ
)
におかれましては、このことをふまえて、ご
検討
(
けんとう
)
いただきたく
存
(
ぞん
)
じます。
以上
(
いじょう
)
初めの30分審議の後、裁判官一同がいったん退場した後、裁判長が、原告団長と国側弁護士と30分程協議。
その後、再開廷、「次回、再会を持つ。北原告に尋問する.」
10月29日、午後2時再会する、と宣言。
第3節:報告集会のご報告
北さんのアピール文
こんにちは、優生被害者の北三郎です。
14歳のとき、何の説明もないまま手術を受けました。この裁判を起こすまで、親を恨んできました。しかし、自分が受けた手術は国がした優生手術だったことを知り驚きました。今も妻の声が聞こえてきます。「子どもがいなくて寂しいの」。この言葉がとてもとても辛かった。子どもが欲しくてもできない体にされてどれほど苦しんできたか。
この苦しみ、国に謝ってもらいたい。国が勝手にした不妊手術。私の人生を返して欲しい。
6月30日に判決がありました。私の願いはまったく届きませんでした。判決には納得できません。
20年たったら権利が消えてしまうというのは納得できません。それに判決では、優生保護法が平成8年の母体保護法に改正になった時には裁判ができたと言っていました。仙台の裁判の報道まで、まさか国が手術をしたとは思っていませんでした。国は私に何も知らせず、謝ってもくれませんでした私の住所は分かったはずです。謝ろうと思えばいつでも謝れた筈です
手術のことを知らせることぐらいはできた筈です。国から何も知らせがないのに裁判なんかできるはずがありません。私はずっと親が手術を受けさせたんだと思っていたんです。平成8年には裁判ができたはずと言われた事は納得ができません。
裁判所には同じ判決はしてほしくありません。20年たったから請求できないと言われると、裁判所は血も涙もないのかと思ってしまいます。
妻のためにも被害者の人たちにも、私はこの不当な判決に泣き寝入りできません。国に謝ってもらうまで裁判を続けます。命のある限り闘っていきます。全国にいる2万5000人もの方が人生被害を受けました。そのうち、誰一人として,満足のいく被害回復をしてもらっていません。
ようやっと全国で25名、裁判に名乗りでてくれました。私は、もっと名乗りでてほしいという気持ちでテレビや新聞に顔を出しました。優生被害者がどれほど辛く悲しい日々を送ってきたか。一人ひとり苦しみが違うかもしれないけれど、国にこの苦しみを訴えていきたい。
私たちは高齢者ばかりです。原告の中では裁判中に亡くなられた方もいらっしゃいます。一日も早く解決をしたいと思っております。
裁判所には、被害としっかりと向き合い、公平に裁判して欲しいです。
――――――――――――――――――――――――――――――
関哉東京弁護団長
新里全国弁護団共同代表
(Zoom集会を並行)
第4節:終わりに
次回は10月29日午後2時開廷。
*作成:
安田 智博
UP: 20211012 REV: 1016
◇
山本 勝美
◇
優生学・優生思想
◇
不妊手術/断種
◇
優生:2020(日本)
◇
病者障害者運動史研究
◇
全文掲載
TOP
HOME (http://www.arsvi.com)
◇