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地域のウーマンリブ運動資料のアーカイヴィング実践がもつ可能性
――二〇〇〇年代京都市における活動経験とその先にある地平

The Potential of Archiving Practices of the Local Women's Liberation Movement Materials:
Practical Experience in Kyoto in the 2000s and the Horizons That Lie Ahead


村上 潔MURAKAMI Kiyoshi) 20210715
大野光明・小杉亮子・松井隆志編『[社会運動史研究 3]メディアがひらく運動史』,新曜社,72-94

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last update: 20220902


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20210715『社会運動史研究 3』表紙

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■書誌情報[Bibliographic Information]

◆村上潔 20210715 「地域のウーマンリブ運動資料のアーカイヴィング実践がもつ可能性――二〇〇〇年代京都市における活動経験とその先にある地平」,大野光明・小杉亮子・松井隆志編『[社会運動史研究 3]メディアがひらく運動史』,新曜社,72-94
Murakami, Kiyoshi, 2021, "The Potential of Archiving Practices of the Local Women's Liberation Movement Materials: Practical Experience in Kyoto in the 2000s and the Horizons That Lie Ahead", Mitsuaki Ono, Ryoko Kosugi and Takashi Matsui eds., The Movement History Opened up by Media (Social Movement History Studies: 3), Tokyo: Shin-yo-sha, 72-94.

大野光明・小杉亮子・松井隆志編『[社会運動史研究 3]メディアがひらく運動史』,新曜社,240p. ISBN-10: 4788517337 ISBN-13: 978-4788517332 2400+ [amazon][honto]
 https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b586837.html
 装幀:川邉雄 / 装画:A3BC(反戦・反核・版画コレクティブ)

特集の内容(Contents of the Feature)

「1968前後に誕生した社会運動のメディアを焦点とする特集。思想と運動を牽引した独立系の出版、映像、記録活動を掘り起こし、模索舎、富山妙子の絵画、小川プロ映画自主上映、日大闘争、リブ資料、新左翼系雑誌、第一期『情況』を読み解きます。
* 好評3号をお届けします。当事者と若手双方の寄稿と証言から蘇る60〜70年代メディアとは?
* 草の根メディアを守り育てる「市民アーカイブ多摩」をインタビュー。
* ほかにヤン・イークスとべ平連、東大闘争のインタビュー、書評も充実。」(https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b586837.html)

「この特集は、社会運動とメディアのより多義的な関係性を歴史的に再検討する。ここでは「メディア」を、運動史をとらえるための一つの方法あるいは視座として考えたい。」(p.6:編者「特集 メディアがひらく運動史」)
「運動の中で生み出されたメディアの集積は、それ自体が別の運動的な営みにつながっていく。たとえば、紙やフィルムといったモノとしてのメディアを流通させる場やインフラがつくられてきた。清原悠さんの論考は、自主流通出版物を扱う模索舎を事例に、このユニークな書店がどのような課△6/7▽題に応えるなかで形づくられたかをミニコミ資料に基づいて描き出している。また、時間の経過とともにミニコミ等が史資料として位置づけ直されると、それはアーカイブをめぐる実践につながる。村上潔さんの論考は、京都の女たちのスペース「シャンバラ」にあったウーマン・リブ資料のアーカイブ化の実践を紹介し、その意義と課題を明らかにする。」(pp.6-7)
「本特集における「メディア」とは、モノでも人でもあり、運動の帰結でありつつ動因でもある。また、その物質性が人々の関係性を生み出すのだ。こうしたメディアへの着眼が運動史の様々な側面を開示し、現在の運動とメディアの関わりを再検討する手がかりにもなれば幸いである。」(p.7)

本論文の内容(Contents of the Article)

◇はじめに
◇1 リブ運動資料をアーカイヴィングする
◇2 リブ資料と出会い、作業を進める
┃経緯
┃方法
◇3 活動の位置づけの変化――公的機関・アカデミズムとのつながり
◇4 作業完了後の展開とその位置づけ
┃作業完了
┃寄託契約
┃活動の位置づけの変化
┃報告書やインタビュー記録のWeb公開
◇5 成果と意義
┃アーカイヴィング実践そのものがもつ意義
┃リブ運動の歴史を広範に・長期的に捉える視野の提供
┃〈シャンバラ〉におけるアーカイヴィング実践とつながること
┃運動のなかでの成果、研究としての成果、そして「スペース」を作ること
┃〈ウィングス京都〉にもたらされた役割
◇6 残された課題――今後していくべきこと
┃方法論の共有
┃指定管理者制度問題への対応
┃限定された「利用」という課題に対して
┃「ハコ」と「ハブ」
┃資料の性格の枠を広げる
┃フェミニスト・アーカイヴィングとしての意味づけ
◇7 この先のヴィジョンと展望
▽注
▽参考文献

誤記訂正[Correction of Errors]

◆p.91:注(3)
【誤】“Vol.5(特集:われら詩人――詩を生きるわれら 2009)が最終号となっている。”
 ↓
【正】“Vol.10(2016)が最終号となっている。”

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■参考/関連情報[Related Information]

著者関係

◇栄井香代子・竹村正人・村上潔 20070331 『「平成18年度京都市男女共同参画講座受講生参考資料(女性解放運動関係)収集調査」報告書』,NPO法人京都人権啓発センター・ネットからすま,28p.(A4版)[付:資料目録(22p.)|提出先:京都市女性協会]【Web掲載:20201025】
◇村上潔 20070331 「労基法改定反対の動き」,栄井・竹村・村上[2007:12-20]
◇滝川マリ・冬木花衣・ぶんた(聞き手:村上潔) 20070731 「[インタビュー]八〇年代京都におけるリブ運動の模索――〈とおからじ舎〉へ、そして、それから。」,『PACE』03:36-49 【Web掲載:20200927】

◇村上潔 20140505 「[連載]京都の女性運動と「文化」(全3回)第1回:序論――女のスペース〈シャンバラ〉の活動から」,Webマガジン『AMeeT』(一般財団法人ニッシャ印刷文化振興財団)2014年5月5日更新
◇村上潔 20140708 「[連載]京都の女性運動と「文化」(全3回)第2回――〈シャンバラ〉以後、1980年代のリブ運動」,Webマガジン『AMeeT』(一般財団法人ニッシャ印刷文化振興財団)2014年7月8日更新
◇村上潔 20140926 「[連載]京都の女性運動と「文化」(全3回)第3回――1990年代、リブとして生き続けることの模索」,Webマガジン『AMeeT』(一般財団法人ニッシャ印刷文化振興財団)2014年9月26日更新

◇村上潔 20090331 「「男女平等」を拒否する「女解放」運動の歴史的意義――「男女雇用平等法」に反対した京都のリブ運動の実践と主張から」,『Core Ethics』05:327-338 【英文要旨】
◇村上潔 20101225 「いま、リブとしてあれることとは・覚書」,中部大学編[2010:172-179]*
*中部大学編 20101225 『アリーナ 2010 第10号』,中部大学総合学術研究院〔発行〕/風媒社〔発売〕
 ★本誌ではタイトルが「いま、リブとしてれることとは・覚書」となっていますが、正しくは「れる」です。
◇2016/04/29 「原一男監督と考える 70年代の生の軌跡――障害・リブ・沖縄 〜初期ドキュメンタリー作品上映とトーク〜」
 (於:立命館大学朱雀キャンパス5F大ホール) ……企画/主催/トーク
◇村上潔 20160429 「[報告]ウーマンリブと「性」――産む自由の追求(との距離)」
◇村上潔 20160430 「『極私的エロス・恋歌1974』とリブについてのメモ」

◇村上潔 20190425 「アナーカ・フェミニズム」,『現代思想』47(6): 170-173
 *2019年5月臨時増刊号《総特集=現代思想43のキーワード》
◇村上潔 20200227 「アナーカ・フェミニズムにおけるジン――ジンが教育/スペースであること」,『現代思想』48(4): 160-168
 *2020年3月臨時増刊号《総特集=フェミニズムの現在》
◇村上潔 20210620 「ジンというメディア=運動とフェミニズムの実践――作るだけではないその多様な可能性」,田中東子編『ガールズ・メディア・スタディーズ』,北樹出版,130-148

その他

◇Knight, Rosie, 2018, "How Zine Libraries Are Highlighting Marginalized Voices", BuzzFeed News, December 30, 2018, (https://www.buzzfeednews.com/article/rosieoknight/zines-libraries-marginalized-voices).=2019 村上潔訳,「ジン・ライブラリーはいかにして周縁化された声を強調しているのか」,arsvi.com:立命館大学生存学研究所,2019年8月29日,(http://www.arsvi.com/2010/20190829mk.htm
Naples, Nancy A., 199711, "Women's Community Activism and Feminist Activist Research", Nancy A. Naples ed., Community Activism and Feminist Politics: Organizing Across Race, Class, and Gender (Perspectives on Gender), New York: Routledge, 1-27.
◇Naples, Nancy A., 200202, "Changing the Terms: Community Activism, Globalization, and the Dilemmas of Transnational Feminist Praxis", Nancy A. Naples and Manisha Desai eds., Women's Activism and Globalization: Linking Local Struggles and Transnational Politics, New York: Routledge, 3-14.
◇平野泉 2013 「女性アーカイブ概論(平成25年度女性情報アーキビスト養成研修配布資料)」,国立女性教育会館,(http://id.nii.ac.jp/1243/00018675/)
◇平野泉 2014 「女性アーカイブ概論(平成26年度女性情報アーキビスト養成研修配布資料)」,国立女性教育会館,(http://id.nii.ac.jp/1243/00018669/)

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■本論文への言及[References to This Article]

◇長志珠絵 2022 「[2021年の歴史学界――回顧と展望]日本(近現代)――13 ジェンダー」,『史学雑誌』131(5): 183-186
“【引用】田口香代子「『婦人問題研究』と『月報』」(『総合女性史研究』三八)、村上潔「地域のウーマンリブ運動資料のアーカイヴィング実践がもつ可能性」(『社会運動史研究』三)は共に史料アーカイブの必要性を重視する。”(p.184)

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■その他[Others]



*作成:村上 潔MURAKAMI Kiyoshi
UP: 20210715 REV: 20210826, 20220422, 0902
フェミニズム (feminism)/家族/性…  ◇性(gender/sex)  ◇社会運動/社会運動史  ◇身体×世界:書籍  ◇生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築
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