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対話――国際協力について

井上武史・安原美佐子 2020/08/12 西宮市・メインストリーム協会 

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障害者と/の社会開発 ◇井上 武史
こくりょう(旧国立療養所)を&から動かす ◇生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築

 2020年8月12日、「自立生活センターあるる」※の安原美佐子さんが西宮の「メインストリーム協会」来所。安原さんは大阪の刀根山病院に入院中の患者さんの支援に関わっており、同じ刀根山に入院していた経験のあるメインストリーム協会スタッフ高橋雅之(筋ジストロフィー、ベッカー型)に話を聞きに来た。「筋ジス病棟に未来を考えるプロジェクト」でいっしょに活動している、同じくメインストリーム協会の井上武史が同席した。(井上)
※自立生活センターあるる https://www.npo-aruru.com/
 その記録(ZOOM196分)をいくつかに分割して公開していく。(立岩)
 ↓
 この頁はその中から国際協力に関わる部分。他には
◇高橋 雅之 i2020 インタビュー――自立までの経緯&刀根山病院・大阪界隈のこと 2020/08/12 聞き手:安原美佐子・井上武史 於:西宮市・メインストリーム協会
◇安原 美佐子・高橋 雅之・井上 武史 2020/08/12 「鼎談:コロナ下の筋ジス病棟・プロジェクト」,於:西宮市・メインストリーム協会

□cf.

◇井上 武史 2018/05/18 インタビュー→井上武史さん,於:京都 cf.インタビューにあたり


□障害者の国際協力

井上:JICAの仕事とかまだしてる?

安原:ぜんぜんしてないです。

井上:一番最後いつ?

安原:いや、ぜんぜんしてないです。え、いつ?もうぜんぜんしてないです。

井上:あれはでも、あの、

安原:ちゃうちゃう、あれですよね。

井上:シリア、ヨルダンか?あれは行ってない?
※【出演者インタビュー】安原美佐子さん「紛争によって障害者になり、劣悪な環境の中で国に帰れない人たちがいる」
 https://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3500/250177.html

安原:もう行ってないです。

井上:それが最後?

安原:はい、そうです、そうです。

井上:3年前くらい?

安原:いや、4年5年ぐらい前。

井上:もうぜんぜんやってないんや。02:05:04

安原:はい。そのあと、井谷(重人・CIL星空代表)さんはいかはりました※。
※CIL星空 http://cilhoshizora.com/
 井谷重人 http://cilhoshizora.com/member/?v=f8f993120e2d
 四国運輸局 すぽっとライト No.51 https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/interview51.pdf
 ヨルダンに暮らすシリア難民障害者をJICAが支援 https://www.jica.go.jp/topics/2016/2016062101.html

井上:わりと最近まで行ってた。引き継いだ感じ? 頼まれないだけ?

安原:あ、そうそうそうそう。

井上:(笑)そうなん。そうそうそう言われても困るんやけど。なんでなんやろうな。

安原:なんでしょうね。

井上:いっときは、やすっちばっかり行ってた。それまで、

安原:いなかったりもしたから。続きでみたいな。今、ぜんぜんなんですか?ああいうのって?

井上:ちょっと途切れたかな。ピアカンで行ってるのか。あれはね、合澤さん知ってるやん。合澤さんが当事者を絡めるので、合澤さんやめてから、

安原:辞めはったんですか?

井上:3年、4年前か。

安原:あ、そうなんや。なんか知り合いが協力隊で行ってたんですけど、今帰ってきてて。なかなか難しいですね、きっと。渡航。みんな元気にしてはるんですか?あっちの人※。
※安原さんは2011年2月JICAの技術プロジェクトの招きでコスタリカでピアカウンセリングの講座を開催している。
 https://www.jica.go.jp/project/costarica/0602942/news/general/20110525_02.html

井上:コスタリカ ?

安原:はい。

井上:昨日、一人死んだけどな。

安原:あ、そうなんですか。

井上:あの最初に行った2008年、ひょっとしたらやすっち(安原)とかも知ってるかもしれへんけど、最初に行った頃によく関わってた、男の人が亡くなった。30歳かな。たぶん知ってるはず。

安原:え、名前なんていうの?

井上:レオニダスっていう、男の人。

安原:車いす?

井上:当時はまだ杖で歩いてた。2008年9年ぐらいは。

安原:病気かな。

井上:もともと筋ジスやし、そのなおかつその、太り過ぎで、よくある部屋から出られへんような状態になって、けっこう、健常者のスタッフがいろいろやって支援してた。ルイス・アルベルト知ってるでしょう。ルイス・アルベルトって太っちょいたん知ってるでしょう?知らん?まぁぜったい知ってるはずやね。

安原:へぇ誰やろう。

井上:ルイス・エルナンとルイス・アルベルト両方死んでるからね。

安原:あ、そうなんですか。大きい人も?

井上:そうそう大きい人も死んだ。

安原:あ、そうなんや。

井上:ルイスが亡くなってました。

安原:亡くなったんは知ってます。

井上:大きい方も死んだ。

安原:え、なんで?

井上:心臓やっかな、あの人も太ってたから。

安原:大きかった。へぇー。

井上:2年前かな。

安原:そうなんや。なかなかあれなんですね。

井上:そうやんね。

安原:こう長く続けるって、なかなか、当事者が、そういうこともあるっていうことですね。向こうもコロナの影響ってあるんですか?

井上:あるよー。

安原:あ、そうなんですか。ぜんぜん向こうのこと入ってこないじゃないですか。アメリカとかヨーロッパの話は入ってくるけど。

井上:いっとき封じ込めたっていって、メディア的にも、日本のメディアにもけっこうコスタリカ すごいってなったけど気を緩めたらいっぺんにパーッとなって。もうそれでもね、まだたぶん20人ぐらいしか死んでなくて。こないだメキシコに長いこといる、日本人としゃべってたら、1日何百人単位で死んでるから。そういうこと比べたらぜんぜんましなんやと。いつ帰れるかわからん状態。02:10:07 ()

安原:ふーん、そうですか。渡航禁止ってなってるんですか?そういう、えっと。

井上:今、たぶん両方入られへんくて。

安原:入られへんっていう意味の。

井上:日本人も、コスタリカ人も相互にね。

安原:ほな、ダスキンの人とかってもう今年来れないですよね、来年?あ、今年か。

井上:今、そもそも帰れてないでしょ、ベトナムの子とか。

安原:あ、帰れてない。終わったじゃないですか、ちょっと前に。へー。

井上:帰れてないんよ。

安原:帰られへん。

井上:東京にずっといるから、またくるかもっていう話してて。

安原:はー、(笑)はーなるほど、へー。

井上:飛行機がないやん、今、それはたぶん。

安原:あ、そかそか。

井上:ベトナム人やから帰れるはずやけど、便がないんちゃうかな。

安原:あー、そうかそうか、へー海外研修が。

井上:メキシコの人は嫁さん別れてるけど、残ってるけど、娘もいるから、ぜんぜん。日本人は入れるらしい、メキシコには。メキシコ人は今、入られへん。で、それいくらで帰れるん?っていったら、14万ぐらい、そんなにふつうの値段で帰れる。今、値段っていったいどうなってるんやろと思って。14万ってふつうやん。

□ラテンアメリカ自立生活オンラインセミナー

井上:俺ら今、11月11日にラテンアメリカ全体で自立生活のセミナーを企画中、準備中。だからそういうの使って。マックス100で。

安原:ラテンアメリカ。

井上:まぁ、メキシコからアルゼンチンまで全部の国との準備委員会で今、できあがったとこで、うん。

安原:へー、じゃぁそれぞれから発表するみたいな。

井上:そうそう、基本はコスタリカの介助の法律ができて、実際もう回りはじめて、ちょうどその日が1年なんですよ。これはもうちょっとあの、インパクトあることで、そのコスタリカ、コスタリカだけじゃなくて、これほんまにすごいんよ。俺、思うねんけど向こうにいて、夢のようやって思うん、思う。その制度ができて、ここみたいなんよ、ほんまに。その、スタッフがいて介助者が出入りするの。こんなんありえへんような光景がもう目の前にあるわけよ。あ、これは、こういうのがあるって知らしめないといけないと思って。今年入ったぐらいのときに、あ、これ、国連に持って行ったろと思ったんよ。権利条約の委員会があるので、はい。で、そういう話をつくり始めとったんですよ。カタリーナ・デバンダスとか、コスタリカの政府のJICAに行って話をしてて。で、6月の二週目ににそういう締約国議会みたいなんがあるから、それにも出たらいいという、もうなんかもう、コスタリカの政府も協力してくれるっていう。これ、ぜんぜんいけそうやなって思ったらもう、跡形もなくそういう、だれもがそんな話をできるような状況じゃなくなって(笑)。そんで。
 そんでまぁ、無理やなって思ってたら。あ、ZOOMつかってふつうにやれるやんって、建て直してその途中。

安原:その、わたしぜんぜん、その土地勘とかそういうのわからへんのですけど、その南米、南米ですよね?

井上:ラテンアメリカ、全体含めると。メキシコから南。

安原:ああ!そうか。え、ラテンアメリカって時間帯いっしょなんですかね?

井上:いや、4時間ぐらいいってる、うん。

安原:ああ、4時間ぐらい、うん、そうか、そうか。ふーん。え、会議あるときって何時になるんですか?

井上:コスタリカ時間4時とか、3時って午後の今ぐらい。

安原:ああ、ほんでその周辺にまぁ1、2時間。

井上:で、遅くて7時ぐらいとか、アルゼンチンとか

安原:、へー。すごい。

井上:俺、入ったら朝の6時とかにやってる(笑)。

安原:あそっか、ぜんぜんちゃうんですね。言語はいっしょなんですか?

井上:言語はいっしょ。それでかいけどね。

安原:そうですよね、うんうん。頼もしいですね、すごい。

井上:ちゃんと政府の人も呼んで、JICAの人も呼んで、入ってもらって。

安原:はー、それはすごい。

井上:いやぁ、行ってもらってもなにもないところから、ここまでたどり着いた(笑)、ほんまによくやったなと思って、ほんまに。

安原:え、今どことどこが、どこ、どこの国が活躍してるんですか?どこの国がこうあるんですか?

井上:ラテンアメリカでいうと?

安原:はい、コスタリカと。

井上:コスタリカがまぁ一応その、形としては完成して。アルゼンチンが法制化は一番いま、近い。アルゼンチン、ペルー、コロンビアで法律が動いてる。けれどもその、自立生活センターとしての活動とか、あの、きっちり介助者をコーディネイトして回してみたいのは、ボリビアが一番進んでる。

安原:ああ、ボリビア。

井上:そういうふうに、こう、まちまちに進んでるから、あの、そういうのを全部そろったらこういう形になりますよっていうのをコスタリカをモデルみたいにして、みんなに示してもらってっていうのが、だいたいのコンセプト。

安原:コスタリカに筋ジスの人っているんですか?

井上:いるよ。

安原:あ、さっき言ってましたよね。02:25:36

井上:呼吸器とかも日本といっしょで、政府が配ってるし。サンホセにいる中国系の男の子はふつうに気切してる。車いす、ずっと一人で移動してるから、まぁ進歩してるよ。このへんの国とはちょっとやっぱ違うから、介助制度みたいなのが受け入れられていられるっていうことでもある。あの辺でちょっとそういう、実例が一個できるっていうのはでかくて。いくらその、経済の程度に差があるにしても。いろいろ難しくて。コスタリカなんか、ほんとに小さな国で、予算規模も小さいし、人口も少ないし。その、ポテンシャルがある国、コロンビアとかアルゼンチンとか、ペルーですらまだあの、経済発展でいえばぜんぜん上やけど。でかい国だからっていって、それがやれるとは限らないのよね、これは。予算の取り合いになるし、その、地方、その県ごとの差がはげしくて。国のなかなかこうまとまりが取れなかったりとか。

安原:はー、そうですか。


UP:20201211 REV:
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