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「コロナウイルス対策をめぐる質疑応答(佛教大学四条センターとの間で)」

村岡 潔 20200730.

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last update: 20200816


■本文


四条センター 御中

【質問】センターの定員を、大講堂 150名⇒60名(または50名);会議室 40名⇒20名で、机1つに一人着席としようと思っています。
専門家の先生のご意見をお聞かせいただければ幸いです。


【回答】
お尋ねの件ですが、長文になりますが思いつく限り書いておきます。医療者の共通見解を超えた私見も含みますが以下のような点に注意なされば、施設側としては完ぺきとは言えないまでも充分かと存じます。
@新型コロナウイルス感染症については、まだ医学界でも統一した見解はありませんが、席と席の間の距離は、ご提案の数字でもよろしいかと存じます。ベストはまだわかっていませんので。


なお、各講座が終わった後は、ご面倒ですが、机やいす、並びに、床や通路も消毒すれば完璧でしょう。床などは、噴霧でもやむをえませんが、机やいすは、大変ですが、手袋をしたうえで、手拭きにしてください。机の表面などは、見た目は平ですが、ミクロの状態では、山あり谷ありで凸凹していますので、噴霧だと手拭きより、谷間に消毒液が届きにくいからです。むろん、手拭きが完ぺきではありませんが、ベターです。

資料やパンフレットも、手渡しせずに各自が手に取るようにしたほうがよいでしょう。また、受付のところではコンビニなどがやっているように透明版の仕切りを立てることで、四条センターの職員の感染の危険性を減らすことができます。ただし、頭の高さより50p以上高いことが望ましいです。

(注)以下の文中の「菌」は、正確には細菌の意味ですが、ここでは、ウイルスを含めた「病原体」「バイキン」などの全体を指します。ちなみに、細菌の大きさは1μm(マイクロメートル)前後です。μmは10-6 mのことで,1 mmの千分の1の大きさです。さらにウイルスは、細菌の100分の1くらいの小ささです。ですから、人間には見えませんので、きれいな水に見えてもその中にいることは確認できません。トイレの水まわりは菌がいることを前提で行動しましょう。

A問題は、参加者が教室やロビー等で会話をするときに、もし感染者がいるとうつりやすいということです。ロビーや元の喫茶店のテーブルの周りの椅子も出来る限り距離を保つようにした方がよいと思います。ロビーのソファーも間にぬいぐるみの人形などを置くようにして、距離を保つように設定してください。いずれにしろ、講座を聞いたら、ロビーで雑談などしないで直ちに帰ってもらうような工夫が必要です。

B私たちは、ふだんは気づきませんが(コロナウイルスのことで、メディアでも報道されるようになったので、ご存じかもしれませんが)、至近距離で話している時には、口や鼻から出る呼気の中に大声でなくとも、菌が含まれており(飛沫だけではなく)、その場ではそういう菌入りの空気を交換してきたのです。欧米風のキスやハグはさらに至近距離となりますので、要注意。それを防ぐのがマスクです。マスクは、自分よりもむしろ他人に感染させない手段としては有効です。完全ではありませんが、ある報道では6割以上は防げると言っていました。
ですから、マスクは必須です。マスクしてない人がいたら、」
四条センターで提供するようにしてくださいね。会場での飲食禁止もマスクを外さないためです。これからは講義時間が1コマ70分ですから、水分補給も、各自その前後に行なってもらいましょう。

Cまた、発熱のある人はやはり遠慮してもらうのがよいでしょう。新型コロナウイルス感染症ではないとしても何らかの感染症が疑われますので、そういう方が無理して講座に参加することは、他の人にうつす危険性(≒悪い結果の可能性)だけではなく、ご本人のためにもよろしくありません。
なお、秋以降ですと、PCR検査や抗原検査で陰性だったという人が出てくると思いますが、その人は当然、入場を許可すべきでしょうが、どういう経緯で検査を受けることになったかは受付で伺っておく必要はあります。特に抗体検査で陰性の場合、状況次第では、現時点で感染してないということにはなりません。なぜなら、周りに感染者がいたというエピソードがあるために検査したのか、(7月時点では難しいですが)単に症状もないが心配で検査したのかで対応が違ってくるからです。後者の場合は無条件で入場を許可していいと思います。ただし、またPCR検査や抗原検査の場合は、厳密な観点から言えば、いったん検査で陰性に出ても数日後の再検で陽性になることが新型コロナウイルス感染症では、ニュースを見ていると少なくないからです。二回以上で陰性が出れば、OKとも言えますが。これは私見です。四条センターでも、独自の基準を決めておくとよろしいかと思います。


D入場時にはアルコールか石鹸できちんとした手洗いをすることもお願いしたいところです。 (退出時にも手洗いするかは個人の判断ですが、私は施設の屋内から外に出る時にもおすすめです)。


Cトイレに関してですが、石鹸水が、手洗いの時必ず出るように(切らさないようにしてください)。石鹸での手洗いを勧める張り紙を目立つところに張ってください。


エアタオルは、感染を広げる危険性がありますから、張り紙をするなどして、本体は使えないように電源を抜いてください。もともと、エアタオルは、飛沫作成装置でもありますから、コロナウイスがいないとしても、手の皮膚には様々な常在菌と排便後にお尻を拭い手についた大腸菌などの病原菌がついています。手洗いは、それらを流し落とすためのものなのですが、洗い残しは必ずありますので(目で確認できないため)、エアタオルは、それらのバイキンを含んだ霧状の飛沫を巻き上げることになり、それを自分の肺で吸い込むことになります。皮膚にいる時には、常在菌として皮膚のガードになっている菌でも、肺の中に入ると悪さをするので肺炎となりかねません。ですから、エアタオルは、新型コロナウイルス感染症の流行以前に、もともと有害で問題な装置なのです。ましてや、エアタオルで飛散した他人の菌を含んだ飛沫を吸い込むのは、更に問題です。(設計者は、ティッシュペーパーの節約と考えたのでしょうが、医学・細菌学の知識のない人です。)

=>一方、NHK・EテレのTED(スーパープレゼンテーション)でティッシュペーパーの節約法を指南していました。それは“Shake, shake! Fold, fold!!”なる方法です。つまり、洗った両手をよく振ってできるだけ水けを切り、次に手を拭くわけですが、その際には、ティシュペーパー1枚を二回たたんで4分の1のサイズで厚くして拭くと1枚で済むというものです。私も、それ以来、試していますが、それまでのように乾かすのに2,3枚使ってましたが、1枚で済むようになりました(個人の感想です)。


(注)使用禁止をスムーズにするには、コロナを理由にするのはよいと思いますが。
また、トイレで(特に大便のあと)水を流す時にも、同様のことが起こります。ですから、トイレを使ったあと水を流す際には、便器にふたをしてから流すように、報道でも推奨されています。この点も、注意書きとしてトイレに張っておくと親切でしょう。


感染者を多数出したクルーズ船の調査でも、トイレの床の汚染度が高いことが知られています。コロナウイルスは、唾液にも含まれますので、それが胃腸系に入るのは避けられません。また、気道内に流れ込んだウイルスも気道粘膜の粘液で押し戻されて食道に流れ込みます。胃では、胃酸(塩酸)が出て食べ物(食べ物には必ず微生物がついています)を殺菌処理していますが、流れ込んだ唾液も同じで殺菌されます。しかし、結核菌などの抗酸菌と同様に、新型コロナウイルスも、この関門(安全装置)を潜り抜けてしまうようです。その結果、大便中にウイルスがいることになります。


(参考)
 近年、ウォッシュレットが普及していますが、これも、もろに菌入りの飛沫作成装置です。私もたまに使ったりしますが、使用中はお尻がフタの役割をしているからそのままの姿勢で流しても飛沫は少ないですが、使用後立つときに流す場合は、素早く便器のフタをしてから流すのがよいでしょう。

なお、残念なのは、最近、ウォッシュレット付きトイレが増えると同時にトイレの個室内の手洗いが無くなっていることです。個室内の手洗い(これもしぶきをたてないように静かに手洗いすることが肝腎ですが)、をしなくなると、手についた大腸菌などを自分のズボンなどの服につけたりトイレの取っ手につけたりすることになります。ズボンを直す前に手を洗うのがおすすめです。ところが、ウォッシュレットを使うようになると肛門の周りが自動洗浄できれいになったと信じ込むために、後は水切りのためトイレットペーパーで軽くふくだけになりやすいのですが、実はその時に洗い切れない菌が手についてしまう危険性があります。これが落とし穴です。


いずれにしろ、個室内に手洗いがないトイレでは、トイレットペーパーで取っ手や便器のフタに間接的に触るのがよいでしょう。


もう一つ、ウォッシュレットの功罪の罪は、肛門の外の周囲の常在菌まで洗い流そうとすることです。排便後は、肛門の周囲直径3pくらいが大腸菌などで汚染されますが、通常、常在菌がいるとその常在菌が自分たちの領域に侵入した大腸菌などを滅ぼしてもとの状態に戻してくれるのです。(ちなみに、ウォッシュレットの功罪の功は、痔の人の排便後の温水洗浄などが痛みを和らげる点などです。)


以上は、医学的・細菌学的に考える理屈ですが、家庭内では、新型コロナウイルス感染者がいない限り、これほど厳密にやる必要はないかもしれません。また、私たちのカラダは、免疫機構が働いていますから菌が入ってきても、大方が殲滅されてしまうのであまり神経質になる必要はありません。ただし、新型コロナウイルス感染症では、感染の仕方や程度がまだまだ不明なため、公共施設では、注意するに越したことはありません。


Cそれから、これはプライバシーの問題も絡んできますが、 講座は原則予約制にして、参加者の氏名・連絡先を抑えておくとよいでしょう。
 万一感染者が出た時には、同じ教室にいた参加者に警告のために知らせたり、保健所のクラスター検査の資料にもなったりします。もちろん、当日参加の人には、そうした事情を話して、住所氏名を記録してもらうとよろしいかと思います。


これらは、書面で伝える方がスムーズかもしれません。その時、万一、参加者が講座参加後にコロナに感染していることがわかった場合には、いちはやく、四条センターにご一報くださるよう、一言、文言を加えておいてください。


D換気も、充分行ってください。対角線上の2か所の扉を開けておくと換気はスムーズに行きます。
秋には、クーラーはあまり必要でなくなるとは思いますが、冬期にヒーターが必要になっても換気は必要です。1か所の出入り口で換気を行なう場合は、出入り口に扇風機を置いて外側に空気を押し出すようにしますが、それだけでは二か所の場合と比べると不十分なのでその横に送風機を置いて、外の空気が中に入るようにすると、空気が回流して換気効率が上がるとのことです。


以上です。


(文責:村岡 潔 chisiciotte.muraoka@arsvivendi.comgmail.com)


■原文

村岡 潔 20200730 「コロナウイルス対策をめぐる質疑応答(佛教大学四条センターとの間で)」 [PDF]




*作成:岩ア 弘泰
UP: 20200816 REV:
村岡 潔 全文掲載
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