土曜講座代替企画 生存学研究所オンラインセミナー 「ウィズコロナ/アフターコロナのアクセシビリティ」 2020年7月5日(日)午後1時30分―4時10分 Zoom Meeting 開会のご挨拶 長瀬 修(生存学研究所特別招聘教授) 皆様、今日はご参加ありがとうございます。生存学研究所を代表して心よりお礼を申し上げます。冒頭に、九州の豪雨でお亡くなりになった方々のご冥福を祈ると共に、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。 今日の講座名にある、立命館大学の土曜講座は1946年以降続いているもので京都の衣笠キャンパスで開催されています。今日は本来、5月に行う予定だった当研究所担当の土曜講座の代替講座として位置づけております。 さて、緊急事態宣言もひとまず終わり、都道府県の境を越えた自粛要請もなくなった先月下旬に、以前から足を運ぼうと思っていた、宮城県石巻市の大川小学校跡地を訪問し、子どもさんをなくし、語り部の活動をしている方のお話をうかがいました。尊い74人の小学生の命が失なわれた現場です。逃げていたら助かっていただろうと言われる裏山にもご案内いただきました。もしも、大川小学校に車いすを使う子どもさんが仮にいたとしても、避難路は比較的なだらかな道で、小学生なら先生がおぶって逃げられたことでしょう。そんなことを思ったのは、東日本大震災で障害者の死亡率は、全体の死亡率の2倍だったというとても悲しい数字があるからです。サイレンが聞こえず、情報が届かなった聴覚障害者が亡くなりました。バリアフリーでない道で逃げ遅れた身体障害者が亡くなりました。情報のアクセシビリティ、物理的なアクセシビリティは生死の境を分けることがあることを震災は改めて示しました。 この新たな、コロナの危機を障害者そしてアクセシビリティという視点で見ると、何が見えるでしょうか。緊急事態宣言中に車いすを使う方と飲み会をしました。オンラインです。その方からは、普段から冬はインフルエンザの心配で出歩かないようにしていると言うのを初めて聞きました。そして巣篭り生活のいろいろな知恵をうかがいました。今日の講座もそうですが、オンラインの活用で可能性が広がる人たちが相当いることに私は気付きました。そこで思い出したが、私の学生で難病が進行して施設に入った人のことでした。もう15年以上前ですが、彼の施設の部屋に一度だけ、講義をネットをつないだことがありました。今だったら、もっとオンラインでたくさんのことができるでしょう。深刻な状況や危機がもたらす新たな可能性もあるのかもしれません。 今年度、生存学研究所はコロナに取り組んでいます。様々な情報発信を積み重ねてきたほか、5月8日にはコロナと生存学をテーマとするオンラインセミナーも開催いたしました。日本における非常に早い取り組みとして、本日同様、ミライロとNPO法人ゆにのご協力を得て手話と文字通訳もオンラインで提供できました。 そうしたコロナに関する研究所の取り組みの一環として、今日の講座も位置付けられています。また、私どもの研究所の国際的な主要な事業として、東アジアの毎年の障害学国際セミナーがあります。昨年10月はまさに武漢での開催でした。この9月に予定していた京都でのセミナーは来年に延期せざるを得ません。そこで、今年は7月18日にオンラインセミナーとして、こちらもコロナをテーマとして英語で開催します。現在、日英通訳を入れて日本語ベースでの傍聴の準備に取り組んでおります。その準備が整った時点で研究所のサイトでご案内させていただきます。  本日はこれから当初の土曜講座で話していただく予定だった、NPO法人ゆにの安田さん、当研究所の客員研究員である松波さん、そして、副所長の大谷さんからご報告があります。今日の講座が皆様のお役に立つことを心より願っております。以上をもちまして、開会のあいさつとさせていただきます。