平素より、難病対策にご尽力いただき心より感謝申し上げます。
新型コロナウィルス感染防止のため7都道府県に「緊急事態宣言」が出され、更に全国的に急速な感染拡大が進行しており、医療体制の崩壊が危惧されております。
このような状況下において進行性神経難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)等の人工呼吸器を装着した重症の患者、家族などから以下の要望が寄せられております。
つきましては、迅速な対応措置を講ずるよう、お願い致します。
通常は医療保険の在宅療養指導管理料に基づき 主治医の指示により必要な衛生材料が支給されております。また3月13日には貴省関係課より「医療的ケアを必要とする児童等を支援する事業所等における手指消毒用エタノールの優先供給について」(医政局他事務連絡)が自治体に発出されています。
しかしながら全体的な品不足から 、自費購入による入手も難しくなっており、 患者、家族は今後の医療衛生管理に強い不安を抱いています。早急に在宅医療に必要な衛生材料の生産確保と必要な患者への支給をお願いします。
現在、患者、家族や出入りの医療、介護関係者は必要な感染防止を行っていますが、万が一、患者や関係者に感染が生じ、在宅療養が困難になった場合には緊急入院先等を確保する必要があります。そのために現在の神経難病拠点病院(領域的拠点病院)、協力病院、難病医療コーディネーターなどの地域支援が不可欠です。それらの支援体制が全国的に機能するよう、関係者への周知をお願いします。また、患者が感染し入院する場合意思疎通方法を工夫するように、医療機関に指導願います。
また、ALSは進行性であり気管切開による呼吸器装着や胃ろう手術などはタイムリーな医療措置が必要となります。その場合に入院措置できる病院を確保して下さい。
医療崩壊の一つとして人工呼吸器の不足が言われています。ウイルス感染による重傷者が集中治療室(ICU)で使われる人工呼吸器は神経難病患者等が在宅で使用している機種とは異なると医療者関係者から聞いておりますが、場合によっては在宅呼吸療法に使っている人工呼吸器の品不足の事態も考えられます。そのために国産の人工呼吸器の増産を図るなど、神経難病患者の生きる権利が脅かされることのないよう迅速な措置を講じてください。
また、現在、使用中の人工呼吸器のメンテナンスや交換部品の供給が滞ることのないよう、関係機器を取り扱っている会社と十分な対策を講じて下さい。
緊急事態宣言により外出自粛や事業制限が行われ、在宅の重症患者への訪問診療、訪問看護および訪問介護が制限され、患者へのケア体制が低下しないように指導して下さい。
特に地域での感染拡大により介護事業所などのヘルパー派遣サービスが少なくなり、独居者や配偶者などの介護体制で療養している患者と家族に過度の負担が生じないよう必要な措置をお願いします。地域関係機関から介護事業所への指導、協力要請をお願いします。
また、今回のウイルス感染との闘いは長期にわたるとの専門家の声が聞かれます。介護者不足が続いており、重度訪問介護者等の痰吸引等の研修(特に3号研修)においては違法性阻却措置の周知やWeb受講など弾力的な運用の配慮をお願いします。
更新手続きに必要な受診検査及び臨床個人調査票、医師意見書の依頼や入手等の各種手続きを行うことは、感染リスクを大きく伴います。
感染症に対する「異常事態宣言」も全国的拡大傾向が見られており、特別な措置をお願いします。