新型コロナ感染症拡大で日々忙殺されていることと存じます。4月7日には緊急事態宣言も出されました。この感染症は2割の人が重症化するという、私たちが経験したことがない恐ろしいものです。障害のあるなしに関わらず、世界の人々は危機にさらされています。
障害の重い人たちの多くは、社会サービスの提供によって、生命や生活を依拠している現実があり、「この感染症は他人と触れないことが大切」という考え方と、相容れない難しさがあります。平時においても障害の重い人たちは多くの課題を持っており、社会との摩擦が少なくありません。
この危機的状況下の中で、障害特性を顧みられないで、辛い思いをしながら生命を落とすのではないかという、二重三重の危機意識が日に日に増してきています。
特に障害の重い者の立場から以下のことを切に要望いたします。
1.障害の重い人たちにとって、介助等の社会サービスは、生きていくにあたって絶対必要不可欠なものである。
障害者が発熱あるいは風邪の症状がある時などに、ヘルパー派遣の事業者は、ヘルパーの健康と安全に留意を払いながらも、その事を理由に一方的な派遣中止せず、常に利用者である障害者との協議を重ね、基本的な生活を保障していくこと。
2.障害の重い人たちが新型コロナ感染症になり、入院した場合、受け入れた医療機関は、一般的な基礎疾患はもとより、全身性障害者が持つ言語障害や、不随意運動という障害特性を十分に考慮(その障害者とのコミュニケーション環境に十分配慮するなども含め)し、対応をすること。
3.新型コロナウイルス感染症拡大の中で、障害者が医療にアクセスできる環境はますます厳しいものとなっているが、必要とする医療がしっかり受けられるように十分な配慮を講じること。また、難治性疾患をもつ人たちを含め、障害者が、保険証や所持金がなくても確実に医療機関を受診できるような特別措置を講じ、さらにすでに医療費助成を受給している難病の人、障害者には受給者証の更新申請の有効期限延長を図ること。
4.アメリカのアラバマ州などでは、「ダウン症、自閉症、脳性まひなどの障害のある人について人工呼吸器の補助の対象にならない可能性がある」というガイドラインが出されたという情報もある。生命の選別が行われないことを強く求める。