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検証:換気・マスク徹底 学校再開指針 「想定内」現場冷静

毎日新聞 20200325 2項2面 東京・大阪朝刊

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last update: 20200401


■検証:換気・マスク徹底 学校再開指針 「想定内」現場冷静(毎日新聞 20200325 2項2面 東京・大阪朝刊)

 新型コロナウィルス感染拡大防止のために政府が要請した全国一斉の臨時休校について、文部科学省は24日、新学期の学校再開に向けた指針(ガイドライン)を全国の教育委員会などに通知した。学校でのクラスター(感染者集団)化を防ぐため、教室の換気や授業中のマスク着用などを促している。
 通知は政府の専門家会議が19日に示した「密閉」「密集」「密着」の3条件が同時に重なる場を徹底的に避けることが重要として、教室のこまめな換気▽マスクの使用▽手洗いやせきエチケットの励行――を要請した。給食時に机を向かい合わせにしないことなども明記した。【水戸健一】

 ……(中略)……

 △識者「感染拡大懸念」
 大人数が集まる学校は、どうしても集団感染のリスクがつきまとう。専門家は今回の指針をどうみたのか。
 近畿大学病院の吉田耕一郎・感染対策委員長は「三つの条件がそろって高まるのはあくまでも集団感染のリスク。学校が再開すれば飛沫(ひまつ)感染や接触感染の可能性はあり、指針を受けて安易に再開と考えるのは危険な部分もある」と警鐘を鳴らす。
 指針は「密閉」「密集」「密着」の3条件の回避として、窓を開けることによる換気や給食時に机を向かい合わせにしないなどの対策を挙げ、手洗いや消毒などの基本的な感染症対策の徹底を呼びかけている。だが、吉田室長は「子どもは登下校や休み時間に肩を組んだりじゃれ合ったりするのが普通で、大人がコントロールできない時間によって感染が拡大しないか心配だ」と懸念を示した。
 障害のある子どもへのさらなる配慮を求めるのは立命館大の美馬達哉教授(医療社会学)。特に発達障害などのある子に関しては「近距離での会話を控えさせることが難しかったり、換気で窓を開けるなど通常の環境と異なることがストレスになったりする。そうした配慮も指針に盛り込むべきだった」と指摘する。
 指針は一般的な感染症への注意点に留まるとして、「この程度の内容を守って再開できるなら、そもそも一律休校は必要なかったのではないか」と述べた。
 今回の臨時休校により学習の遅れが懸念されており、指針には補充授業の実施や子どもの学習状況についての情報を進学先の学校と共有するなどの対応が盛り込まれた。子育て支援に取り組むNPO法人「フローレンス」(東京都)の駒崎弘樹代表理事は「現場の先生たちは大変だ。事務職員を応援で増員するなどし、先生たちの業務負担を減らしながら授業の遅れを取り戻すべきではないか」と提言した。【千脇康平、成田有佳、五十嵐朋子】


◇学校再開指針(骨子)
・毎朝の検温(登校前にできなければ保健室などで)
・手洗い、せきエチケットの徹底
・「密閉」「密集」「密着」が同時に重なる場を徹底的に避ける
・教室などのこまめな換気
・授業中などはマスクを着用
・部活動で部室を使うときは短時間にして一斉に利用しない
・給食は机を向かい合わせにせず、会話を控える


■掲載記事のPDF

美馬 達哉教授の言及(抜粋) [PDF]




*作成:岩ア 弘泰
UP: 20200401 REV:
立命館大学先端総合学術研究科 美馬達也  ◇感染症:Infectious Disease  ◇全文掲載
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