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中村佑子「私たちはここにいる――現代の母なる場所[第2回]」を読んで

村上 潔MURAKAMI Kiyoshi) 2018/05/14

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last update: 20180808

■中村佑子 2018/03/06 「私たちはここにいる――現代の母なる場所[第2回]」『すばる』40-4(2018-04): 306-325

▼kiyoshi murakami(@travelinswallow)

@中村佑子「私たちはここにいる――現代の母なる場所[第2回]」(『すばる』4月号)、本当に時間をかけて読了。途中、数週間ずつ間をあけながら少しずつ読み進めた。仕事や自分の気分といった事情もあるが、やはり、そうやって読むことがなにがしかの必然性をもつ性格の文章である、ということもある。
[2018年5月14日22:04 https://twitter.com/travelinswallow/status/996013321261268992]

A前半でフィーチャーされているデュラスの『ナタリー・グランジェ』は、私の「好きな映画」ランキング第3位(現時点)ということもあり、その意義の指摘をなぞり、再確認しながら読んだ。私自身は、セールスマンのシーンの対照をなすシーンといえる、ラスト近くの、庭の芝→[…]
[2018年5月14日22:16 https://twitter.com/travelinswallow/status/996016324647124992]

Bにローラーをかける反復横移動の広角描写を、もっとも象徴的な空間性表現として記憶している。そこには、溜め息しか出ないような[a]労働の無意味さ[b]逃れられない状況と[c]どこまでも地続きであるかのような矛盾する「箱庭」性が見出された。それが主婦が置かれ/→[…]
[2018年5月14日22:20 https://twitter.com/travelinswallow/status/996017424934715392]

C主婦が管理する空間の秩序を見事に描いていたことは、ここに補足しておこう。私が「自らの経験として」書いた「主婦の/と部屋」に関することは、こちらにある(【リンク】)。もちろん私は「当事者」ではない。しかし子ども/ティーンの頃の私が感知しえた→[…]
[2018年5月14日22:26 https://twitter.com/travelinswallow/status/996018975518613504]

Dこともたしかにあって、それは――中村さんが描く、当事者〔たち〕のそれとは当然異質なものであることは認識しつつ――「大切」にしていきたいと考えている。一方、「相馬さん」・「岩渕さん」の語る感覚は、私には身体的に理解することができないものだ。それを補うための→[…]
[2018年5月14日22:32 https://twitter.com/travelinswallow/status/996020368350494720]

E解釈ツールとして、中村さんはクリステヴァを引く。非常に明快にまとめてくれていて、有用だ。私のような者もこれを読めば、どんどん頷けてしまう。しかしそのあとに彼女たちの言葉を読むと、頷いていた自分を疑い出す自分がいる。これはたしかにつながるのだろう。しかし→[…]
[2018年5月14日22:35 https://twitter.com/travelinswallow/status/996021185212121089]

Fこれをつなげてよいのか。どうもわからない。おそらく中村さんも、そこは絶対の自信のもとにではなく、手探りで、経験と体感と共振の感覚をもとに、つなげているのだと思う。そして、それしかないのだとも思う。いまの時点では。ただ一方で、このつなげかたはもちろん有効→[…]
[2018年5月14日22:43 https://twitter.com/travelinswallow/status/996023112469626880]

Gだが、それでも、つなげるルートはこれだけではない、ということも考える。それは、エコフェミニズムのような流れでもあるだろうし、もっと離れた、近代西洋世界の外側にある流れでもあるだろう。とはいえそれを、現代の日本で生活する女性たちの体験や心性につなげるのは→[…]
[2018年5月14日22:49 https://twitter.com/travelinswallow/status/996024728270745600]

H、相当難しいように思える。中村さんが今後どんなルートを選ぶのかはわからない(6月号はこれから読みます)が、私も、私なりに、アプローチを続けていきたい。私の場合はどうしても「歴史」からのアプローチになるわけだが、特に現代日本における地域の・無名の主婦/母→[…]
[2018年5月14日22:53 https://twitter.com/travelinswallow/status/996025744147955712]

Iたちが残した「痕跡」――それは詩かもしれないし、学習会の記録かもしれないし、買い物のリストかもしれないし、捨てられる衣服かもしれない――を拾い、「読み」、見えない彼女たちの「顔」を浮かび上がらせ、並べること。それが私の使命です。(cf https://twitter.com/travelinswallow/status/995247107140440065)[…]
[2018年5月14日23:04 https://twitter.com/travelinswallow/status/996028504117428224]


◇kiyoshi murakami(@travelinswallow)
@yukonakamura108 こちらこそ、考える機会を与えてくださりありがとうございました(私自身も、ずっと、シクスーやクリステヴァ抜きでこのことを「言う」にはどうしたらよいのか、とひっかかっていたので……)。6月号、これから(また時間かかるかもしれませんが)読みます。
[2018年5月15日8:49 https://twitter.com/travelinswallow/status/996175689316384768]


◆20180804 「中村佑子「私たちはここにいる――現代の母なる場所[第4回]」を読んで」
◆20180531 「中村佑子「私たちはここにいる――現代の母なる場所[第3回]」を読んで」


■cf.
◆連載第1回を読んで
◇kiyoshi murakami(@travelinswallow)
中村佑子「私たちはここにいる――現代の母なる場所」(『すばる』2月号)読了。普遍的な問いかけを身の回りの事例収集から辿り直す試み。[…]
[2018年1月29日19:54 https://twitter.com/travelinswallow/status/957930004716838913
◇kiyoshi murakami(@travelinswallow)
@yukonakamura108 そういえば、1月に講義で『苦海浄土』を取り上げたのですが、中村さんが連載でやろうとされていることの根幹は、どうしてもここにつながってくるように感じます。未分化な時間、死者たちとの交感、社会化しえない自然と人間が形成する秩序、そしてそれを「わたし」が語ること。http://www.arsvi.com/d/2017qasmk.htm#15
[2018年2月3日11:20 https://twitter.com/travelinswallow/status/959612436528508929
第1回の引用


*作成:村上 潔MURAKAMI Kiyoshi
UP: 20180514 REV: 20180515, 31, 0602, 0807, 08
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