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「在宅生活・自立への一歩」
増田 英明
[English Page]
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last update:20171017
※この資料は、通常の講演で使われるスライド資料をテキスト化したものです。PDFデータは
こちら
。
スライド1
在宅生活・自立への一歩
スライド2
自己紹介
増田英明
出身 名古屋市
昭和18年10月26日生
同居 鬼嫁一人?(^-^;
2004年 60歳でALS発症
(会社定年退職してまもなく)
進行が速く、約1年で四肢が動かなくなる
2006年2月 バイパップ導入、胃瘻造設
5月 気管切開 人工呼吸器装着
8月 呼吸器をつけ在宅生活はじまる
スライド3
私の戦闘(?)装備1
首の所についている白い管は人工呼吸器につながっています。
人工呼吸器は普段はベッドのそば、今日は車椅子の下の方にあります。
スライド4
私の戦闘(?)装備2
口にくわえているチューブの1本は唾液を吸い取るため、もう1本はパソコンのスイッチです。
舌をかまないようにマウスピースもしています。
スライド5
私の戦闘(?)装備3
カニューレのとこからでているチューブは定量持続吸引器につながっています。
スライド6
定量自動吸引器
たんの吸引は24時間、ひどい時には20〜30分毎に必要です。介護の大きな負担になります。
私は定量自動吸引器アモレを使用してからは吸引回数が激減しました。さらに吸引の苦痛もありません
スライド7
私の病気はALSという難病です
筋肉を動かす神経が働かなくなるので手足などがだんだんと動かなくなります
舌も麻痺するので話すことや食べることができません
呼吸筋も麻痺するので呼吸が出来なくなり死んでしまいます
スライド8
不動人間
身体は動かない
食事は出来ない
声もでない
だけど喜怒哀楽の感情や痛いかゆい等の感覚は有ります
現在は治療法も無く
一生不動の身体になる
残酷な難病です
スライド9
ALSになったのは60歳の時でした
それまでは健康に生活をしていました
12年前、腕に力が入らなくなり箸が使えなくなりました
歩くとふらついて転倒も有りました
検査入院の診断はALSでした
スライド10
医師の説明は
ALSは難病で 治療法もありません
病気が進行すると身体は全く動かなくなり
寝たきりになります
最後は呼吸もできなくなります
人工呼吸器をつける人もいますがほとんどの人はつけていません
何故なら
一生寝たきりになるので仕事も出来ず経済的負担が大きく介護する人も大変です
そして一度人工呼吸器をつけたら外すことはできません
という話でした
スライド11
大変な病気になってしまった!
《人工呼吸器はつけません≫
私は意思表示しました
その時はかなり先の話だろうと思っていました
ところが進行が速く口からの食事に時間がかかり、飲み込みづらくなってきたのはALSの診断を受けてから半年後のことで、同時に息苦しさも感じるようになりました
スライド12
再入院
呼吸苦をやわらげるためバイパップという呼吸器をつけました
バイパップとは気管切開をしないで鼻と口から呼吸を補助するものです
しかしバイパップをしても息苦しさは日に日にどんどん強くなってき,このまま息ができなくなりそうな不安と恐怖を感じてきました
そんな時も医師からは
「人工呼吸器をつけないですね」と確認をされ私は暗澹たる気持ちになりました
スライド13
息苦しさは想像以上でした
苦しい
私はもう死ぬのだろか?
苦しい まだ生きたい
でも・・・・・
スライド14
体力も精神力も限界になった時
娘から手紙をもらいました
少しでも生きて
孫達の成長を見守ってほしい
スライド15
家族みんなが
「人工呼吸器をつけて!もっと生きようよ」と後押しをしてくれて私は決断しました
「気管切開をして人工呼吸器をつけます」
ALSの宣告を受けてから1年でした
スライド16
2006年5月 人工呼吸器 装着
やっと息苦しさから解放されました
生きている喜びもつかの間これからは寝たきりの現実が!?
スライド17
“運命の出会い”
人工呼吸器装着した私の人生を変えてくれた恩人はリハビリ診療所の院長先生でした
私「ずっと寝たきりでなく散歩でもしたいです」
先生「車椅子に乗れるようリハビリに来なさい!」
私は呼吸器につながれていても車椅子に乗れると聞いて嬉しさで涙が出ました
リハビリ当初は身体中痛みがありましたが外出できる喜びの方が大きくまた何よりも看護師・理学療法士・作業療法士の先生方が明るく接してくれ初めて楽しく笑えるようになりました
スライド18
リハビリの風景
スライド19
少しずつ“日常”が戻ってきました
私一人では動くことも出来ませんが
ヘルパーさんに車椅子に乗せてもらい
散歩や外出ができます
話せなくても
文字盤を使ってくれれば
会話ができます
スライド20
明るいスタッフ
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クリスマスコンサート
スライド22
リハビリに通い始めた頃(-_-;)
現在・・・・・\(^O^)/
スライド23
元カノの結婚式出席
ジャズライブ
祇園祭
スライド24
悲願の御朱印
在宅生活になって1年後には社会活動や旅行にも行けるようになりました
退院後初の旅行2泊3日
那智青岸渡寺
スライド25
現在の在宅生活の一部をご紹介します
・訪問入浴 週3回
・訪問看護 週4回
・往診 週1回
・訪問リハビリ 週2回
・口腔ケア(歯科衛生士) 週1回
・人工呼吸器回路交換 2週間に1回
・薬の配達 2週間に1回
ヘルパーさんは毎日9時〜21時
スライド26
週間スケジュール
日曜
月曜
火曜
水曜
木曜
金曜
土曜
09:00
訪問入浴
訪問看護
10:00
訪問入浴
訪問看護
訪問入浴
11:00
訪問看護
12:00
13:00
14:00
訪問看護
15:00
回路交換
往診
16:00
訪問リハ
口腔ケア
訪問リハ
17:00〜
スライド27
訪問看護
訪問看護は週4回お世話になっています
1回1時間〜1時間30分
バイタルチェック、吸引、カフ
アシスト、口腔ケア洗顔、体調管理などをしてもらいます
付き合いが長い看護師さんで10年お世話になっています
こうして元気に活動できるのも主治医や看護師さんのおかげです
スライド28
訪問入浴
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訪問リハビリ
孫もリハビリ!?
スライド30
パーソナルアシスタントのケア
日常のほとんどのことを介助してもらいます
医療的ケア(吸引・胃ろう)も研修後にしています
スライド31
パーソナルアシスタントとは 私の専属のヘルパーさんです
私に合ったケアを覚えてもらうために専属できてもらいます
一般的には自薦ヘルパーと言います
パーソナルアシスタントは15人いて、ほとんどが学生です
学生なので学校卒業がパーソナルアシスタント終了になります
そのため常時パーソナルアシスタントの募集を行っています
私にとっては寂しくなりますが
社会に出て私の所での経験を生かして活躍してもらいたいと願っています
スライド32
ベッド上のパソコン操作
スイッチは口にかんでいるチューブです
メール・ネット・テレビ・書類作成やパワーポイント作りをしています
もちろんブザーで呼んだり会話もします
車椅子ではタブレットです
スライド33
ベッドと車椅子の移乗はリフトを使用
スライド34
人工呼吸器を車椅子にのせて外出
人工呼吸器をのせる前
車椅子の下に金属製のトレイを備え付てあります
その上にバッテリーと人工呼吸器をのせます
スライド35
2015年10月 声門閉鎖分離術を受けました
手術の目的は12年間の悲願
もう1度口で味わいたい、そして誤嚥性肺炎を防ぐ為です
スライド36・37
分離術をしたが残念なこと
甘味や塩味酸味、苦みはわかるが、においを感じないので、美味しさは前と違う
えんげ出来ないので、少しの量だけ味わって流し込むかんじ
一番好きなのは ブランデー!
スライド38
私のライフワーク
若い人たちにALSを知ってもらうために活動しています
ALS患者の重大な問題はコミュニケーションをとれない事です
発語できなくなり四肢が動かなくなると自分の意思を伝えられなくなる人が多い
コミュニケーションの相談や新しい意思伝達装置の情報などを日本ALS協会の一員として患者や家族にお伝えしています
スライド39
高校や短大での授業(2016年)
スライド40
難病コミュニケーション支援シンポジウムや文字盤教室
スライド41
私は何所に?
スライド42
孫たちも大きくなりました
*作成:
青木 千帆子
UP:20171017 REV:1104, 1127
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