第193回 国会にて精神保健福祉法改正案が審議されていたことはご存じでしょうか。2016年7月に起きた津久井やまゆり園での事件を受け、その再発防止の為に法案が提出されながら、法案趣旨を変更するといった前代未聞の状況がおこりました。先に審議となった参議院では、法案審議に多くの時間が費やされ、その結果参議院を通過したところで国会は閉会しました。
この過程で、当事者団体等は改正内容に危惧を抱き、議員への働きかけや国会前での 座り込みなどの行動がなされ、審議過程に大きな影響を与えました。ただ、私たちが属する専門職集団・関連団体は、当事者の法案に対する不安などを払拭するような動きは残念ながらできていなかったのではないでしょうか。
この法案も含め社会保障を巡る状況は大きな変革が模索され、国からのトップダウンという形で「我がごと・まるごと」という方針が示されていますが、現場からの声がきちんと反映されていくのか疑問があります。
そこで今回は講師に法案審議の際、参考人として出席された桐原尚之氏、様々な団体に働きかけをされてこられた長谷川唯氏を講師に迎え、精神保健福祉法改正の問題点と、その審議に影響を与えた当事者の行動を振り返り、私たちが見落としがちなソーシャルアクシ ョンへの視点や、当事者・支援者等それぞれの立場での思いをどう共有するかを、あらためて考える機会を設けたいと思います。
多くの方のご参加をお待ちしております。