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「露口 長氏・本間 昭雄氏・本間 律子氏への障害基礎年金に関するインタビュー」

話し手：露口 長さん・本間 昭雄さん・本間 律子さん／聞き手：髙阪 悌雄さん
20170624　16:30～19:10　グランドヒル市ヶ谷（東京都）.
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last update: 20220325


■話し手について

　露口長氏へのインタビューを2017（平成29）年6月24日16時30分～19時10分，グランドヒル市ヶ谷にて行った．
　露口氏は1978（昭和53）年10月より1984（昭和54）年4月まで厚生省社会局更生課で総務係長等を歴任した．厚生省を退官後，浴風会専務理事を経て，2017（平成29）年6月現在浴風会常任顧問．
　なお露口氏へのインタビューは故板山賢治氏の長年の友人でもあった盲老人施設聖明福祉協会理事長の本間昭雄氏とご息女の律子氏に仲介いただいた．


■インタビュー本文


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●1.WAV（9分）
聞き取れない箇所は、＊＊＊（hh:mm:ss）
聞き取れるけれど自信のない箇所は、【きこえたおと（hh:mm:ss）】
と表記しています。
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露口長氏（以下、露口）：障害者の【ニーズ（00:00:01）】を知らずして、＊＊＊（00:00:03）。

高阪：実態調査やろうと。

露口：だから、これはどんなことがあってもやるということで、障害者団体とは、さっき言ったようなかなりの長い話し合いをして。

高阪：長い話し合いをして。50数回行った。
露口：最後は、重度＊＊＊（00:00:24）交渉対策にも障害者も委員に入れて。

高阪：入れましたね。

露口：そういう意味では、やはり今までにない行政だったと思いますね。それは僕、部下でいて、勇気を持って。だから、それまで障害者団体っていうと、まだ統制が取れていない自治体は、まず厚生省、窓口を封鎖して。座り込みされると困るからって。だから、そういうことは嫌うわけです。

高阪：板山さんの場合は。

露口：とにかく会うわけです。我々も、だからそういうことで、よく話し合いしたり、上の食堂行って、板山さんとか4、5人いたかな。医者なんかと一緒に雑談しておこうかなと。だから、座り込みはしないと。我々でも会うと。こんなような、やったんですよ。だけど、最後のところ、自治体長、ここだけは、どうこちらがあれして、じゃあどこを直せばいいんだっていうことをやっても、もう出てこない。

高阪：全障連の人たちは、新左翼系がバックにいたんですか？

露口：バックにいた。この中に。

高阪：いたんですか。新左翼系の人たちが。

露口：後ろのほうにいて、手ぬぐいで顔したような人が、障害者団体の後ろに常に。

高阪：成田闘争とかの、全障連。

露口：だから、名前も言わない。自分たちの仲間も。

------（中断　00:02:18～00:03:19）------

高阪：本当にいいお話を……。それでいま全障連系の話を聞いていまして。それで、ちょうど全障連というのが、新左翼というものが関わっていたということですよね。それで、なんぼ説得をしてもまったく聞く耳を持たなかったということですよね。だから、そういう実態調査の中で、協力しなかった障害者っていうのも、かなりいたっていうことですよね。

露口：その団体はそうだよね。最後は、どこをどう直せばいいんだ。青い芝なんかがそういうことをやって、どんどんそういう調査項目も変えて、受け入れて、じゃあそれで調査やることにして、オッケーになったわけよ。ところが、そこの最後のワカツキの脱走のときのあれについては、これ、80年1月19日、14時から翌20日までやった、午前まで。＊＊＊（00:04:22）。いったん休憩。結局、どこをどう直せばいいか訪ねても、出てこない。提案が。ただ反対しているというだけで。だから、そういうところは、それでもう次の、ほかとの話し合いではいろいろ修正しながら、2月15日に調査を実施するまでになって。さらに、あとのところだけがどうしても駄目で、もう打ち切った。

高阪：板山さんは、4月に報告書を出して、その確か5日後くらいにもう辞められるんです。確か5日後か1週間後くらいに、板山さん辞められたっていう記録が、ちょうど。

露口：板山さんが辞めたのは。

高阪：4月だと思います。82年のですね。

露口：82年かな。

高阪：本当複雑に作図をしていまして、すいません。こんなややこしい話を持ちかけて。そのあと、一気にこれも、山口さん、年金局の話もどんどん進んでいくんですよね。それで、山口新一郎という局長が、最初、検討委員会の総務審議官としてリーダーをやっていて、その8月から正木さんという人が、リーダーに、総務審議官になったんです。それで、8月に年金局の局長に山口新一郎さんが移って、その下に、例の年金局で、テロ事件で殺された山口剛彦さんが課長になりまして。それで、本当年金局にここから移っていくなっていう。それで、厚生局との関係なんですけれども、昭和59年に、ちょうど4月に、共済組合が年金法案の改正を、すごく猛烈に反対するんですね。絶対にこれは成立させないっていうようなことで。いわゆる共済組合の持ち出し分、拠出っていうことで、大きな給付額の減額があるっていうようなことで、いわゆる共済組合の人がものすごい反対をする。それで、そのときに、新一郎さんが、イケドウさんを呼んで、年金局で。それで、障害者団体にもっと声をあげさせろっていうようなことを言っているんです。そのあと、先ほどの、露口さんと障害者団体の会話につながっていくところ。

露口：そこはちょっと覚えてないな。そこのところは、まさに実態調査に立ち会った、やってくれっていうやつのあれになっちゃって、通常業務になっていますね。自分もちょっとよく覚えてないな。

高阪：ちょうどカワノヤスノリさんという、全身性障害者の定義を行った。

露口：カワノさんがいいと思う。NHKのあれにもカワノさん紹介してあるの。NHKのディレクターがカワノさんのところ行ったんですよ。会ってもらって。だけど、どういうわけか、またNHKの人が僕のところに来たの。

高阪：でも、本当あれよくまとまってたので、僕すごい参考になりました。暁の脱走の内容なんていうのも、絶対その前後の話なんてわからなかったので。

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●2.WAV（3分）
聞き取れない箇所は、＊＊＊（hh:mm:ss）
聞き取れるけれど自信のない箇所は、【きこえたおと（hh:mm:ss）】
と表記しています。
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露口：相談しながら、自治体にも＊＊＊（00:00:03）そこらへんになると自分じゃないんだよな。

高阪：対応策とか、でも、実際その話が入ってきたときに課長にすぐ通すのは、もう露口先生でいらっしゃったんですよね。

露口：受けるのは僕だけど、課長が＊＊＊（00:00:20）、さっき言った、担当の専門家とかなんかと一緒に課長に言ってるんじゃないかな。こんなこと来てるけど、どうしますか、言いますか？とか。

高阪：とにかく、この交渉の申し込みっていうのは、全部露口さんを通してすべて厚生課に入ってきてたっていうことですよね。

露口：そうそう。何年何月だった？

高阪：こちら1984年ですね。露口さんの。

露口：これ、タナカソウジかもしれないな。

高阪：丸山さんは、もう。

露口：丸山一郎。タナカソウジさん【より（00:01:10）】か、カワモトさんいないのかな。こんなことあったっけ、記憶ないな。

高阪：ごっついね、＊＊＊（00:01:20）書いて、いない言うてね。めちゃめちゃ書いてるんですよね。

露口：記憶ないな。今、板山さんと比較すると、タナカ氏引き継いだわけで、まだちょっとあれじゃないでしょうかね。知らなかったでしょうから、きちんと。

高阪：この頃から、大体板山さんあたりがいたときは、厚生課ととにかく青い芝の機関紙、ものすごい折衝にあたっているんですよ。調査っていうのがあったっていうことなんですけれどね。実態調査があったんですけれど。調査が終わってからも、年金局。

露口：これは、ちょっとあげておこうか。参考にね。これ、自分の＊＊＊（00:02:17）。


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●4.WAV（85分）
聞き取れない箇所は、＊＊＊（hh:mm:ss）
聞き取れるけれど自信のない箇所は、【きこえたおと（hh:mm:ss）】
と表記しています。
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高阪：残っていると思います。枯れ木に咲く一輪の花は残っていると思います。おそらく誰がやじを言ったかっていうところまでは、残ってないと、おそらくは思うんですけれども。

露口：あれは、社会党の大原亨かな。田邊誠か、どっちかだな。

高阪：社会党だと思いますね。ちょうどそのとき、あのときの改革っていうのは、いわゆる財務省、大蔵省にとってみれば、いわゆるものすごい得になる仕組みだったんですよね。ちょうど臨調で＊＊＊（00:00:35）さんが、財政をきっちりと整えて、それで、国家支出を減らさないかんっていうようなことで、どんどん国会財源の支出っていうのを切っていた時期で。それの負担っていうのが、年金組合の拠出金に変わってしまった。全部年金組合が負担する形になってしまって。それで、僕は障害基礎年金の成立っていうのは、厚生省の抵抗やったんちゃうかなと思って。最後の。板山さんと山口新一郎さんの、いわゆる臨調行革で、徹底的にお金が切られていて、それで年金組合にまで負担がかかっていて。でも、ああいった20歳前の障害者のために動いた。あれ、実は額が2600億円、余計にかかっているんですよね。3000億近く余計にかかっていて、それが全部年金組合の負担になっているんですけれども。

露口：だから、そういうタイミングで制度化できたっていうことなのか。

高阪：あれは、すごく厚生省の臨調行革に対しての抵抗っていうものもすごくあったんじゃないかなっていうふうに。ただ大蔵省は、支出は削減できたので、すごく得はしたと思うんですけれどもね。だから、すごく思うんですけれども、反骨精神の強い人たちっていうんですかね。板山さんも山口新一郎さんも、結局反骨精神っていうかな、抵抗したんじゃないかなっていうふうに私はちょっと思うんですけれどもね。すごい臨調行革の流れからいったら、あんなこと絶対できなかった。でも、負担は年金組合のほうにかかっちゃったんですけれどもね。

露口：これは、本当のこのときはあまり覚えてないや。

高阪：おそらく大原さんが、枯れ木に咲く一輪の花。

露口：大原と、社会党の党委員会っていって、こうあって、一番左側の社会党の野党の席があって。理事長が、板山さん答弁したときに、そういうやじっていうか、激論のやじだな、あれ。大原亨、どっちだろうな。理事長は、＊＊＊（00:03:24）板山さんを【思って（00:03:25）】たような感じする。どっちかだな。

高阪：社会党が言ったんだったら、非常に納得できますね。当時の国会の質問は、社会党がとにかく反対していた。

露口：田邊さんが、社労の筆頭理事でね、社会党の。大原さんがその次くらいで。

高阪：ちょうどあのときは、社会党は、委員長はアシカタさんになったんですかね。ちょっと僕も、そのあたりは。大原さんが、とにかくよく年金関係は質問されていましたね。とにかく板山さんっていうのは、一番最後にまとめとして、すごい誠実な人で、行政官の姿勢っていうのが、誠実な姿勢を学ばせてもらったっていうようなことを、まとめでおっしゃっていましたよね。

露口：あれは、結局、板山さんっていうのは厳しい人だから、知らない人は、怖い人なんですよ。僕は、20歳すぎで役所へ入ってから係長じゃない。年齢は15、16離れているし、そのままずっと今日まで来ているから、ライバルでも何でもないじゃない。どっちかっていったら教育者だよな。

高阪：もう15離れてたらそうですよね、普通。

露口：だからそういう意味で、いろんな先輩と仕事したけれども、やはり一番影響あったね。

高阪：影響がありましたか？

露口：うん、影響があった。

高阪：やはり一番印象に残っている人物を1人あげるといったら、もう板山さんになりますか？

露口：そう。好きな人はいっぱいいるけれどね。

高阪：ちょうどCP研究会を立ち上げるときに、座長を仲村優一さんがなさったんですよね。CP研究会の議事録なんかが、この東京青い芝の機関紙にけっこう残っていまして。そのCP研究会の、いろいろと議事録を見ていますと、当初は厚生課所管の問題の研究テーマにしてくれ、みたいなことを言っていたんですよ。途中から、やっぱり所得保障だと、青い芝の関係が。

露口：年金方面にいった？

高阪：年金方面にいったんです。あれ、途中で変わったのはなぜかな？っていうようなことで。

露口：僕は、中は入っていないから、全然わからない。障害者のいろんな運動を起こすときに、そういう所得保障の問題は解決しなかったら自立できないわね。そこへたどり着いたんだな。それが、年金にかけたんじゃないかな。たまたま年金の動向とあって。そこは、どっちかっていうと、年金局長や審議官が、そういう年金の行政を携わったのが＊＊＊（00:07:45）したかもしれないな。

高阪：もしかしたら、そのあたり、背後に何か年金局とのやり取りもあったかもわからないですよね。

露口：厚生課で年金のことは言えない。

高阪：仲村優一さんを引っ張ってきたのは、当然板山さんですよね、おそらく。

露口：でしょうね。

高阪：ちょうどホンマ先生の、社会事業大学のほうにおられたときに、仲村優一先生が教えておられて。60年の記念誌とか読ませていただくと、代行を頼まれたっていうこととか、仲村先生の。そういうことも書かれていた、どこかでちょっと拝見をしたんですけれども。ホンマ先生、それくらい優秀な方だったっていう。仲村優一さんっていう方も、かなり反骨精神の強い方でいらっしゃったんですよね。

本間昭雄氏（以下、本間昭）：阿部志郎先生と無二の親友というか。何か阿部先生が社大の研究会へ入るときに、板山さんと同期でしょう。ところが、留学を認めてもらったけれど、学校のほうが忙しくて、阿部先生は研究科卒業していないんですよ。それで、僕は落第生なんです、とおっしゃって。それで、そのときに、若くして仲村優一先生が助教授か何かでいらして、留学について案内をして、こういうコースがありますとか、いろいろなことを説明してくれたのが、仲村優一先生なんですって。

高阪：じゃあ、今の阿部志郎があるのは、仲村優一先生の貢献が大きいのかもわからないですよね。

本間昭：それからずっと仲村優一、阿部志郎というのは、本当に友人関係でね。僕も国際会議に一緒に何回も行っていますけれどもね。仲のいいというか、お互いに尊敬し合って。どちらもクリスチャンでしょう。

高阪：クリスチャンですね。結局、仲村先生もかなり体制に反発するところっていうのがおありいなった。いろいろと、CP研究会の発言とかちょっと追っていますと、やはり生活保護制度を批判して、年金を中心にした議論にしていくべきだっていうふうな形で、やはり障害者の側に立った意見を述べておられたんですよね。やっぱり相当板山さんが引っ張ってくるなっていうふうに、それくらい板山さんとの信頼関係があったとは思うんですけれども。

本間昭：板山さんが研究科に【参加（00:11:01）】したときは、既に仲村優一先生がいらしたんですよ。鷲谷先生とかにかわいがられましたよ。

高阪：鷲谷善教さんですよね。

露口：こういうところが、全体的にいるのが、こっちのほうの委員会が僕あまり詳しくないから。内部については。＊＊＊（00:12:10）申し訳ないんだけれど。

高阪：いやいや、そんなことはないです。いろいろと貴重な。

露口：なんとなく【空気（00:12:15）】はやってるだけでね。この頃すごい、昭和何年って言ったっけ。

高阪：59年ですね。

露口：国際障害者年は終わってたんだよな。

高阪：終わってます。

露口：僕も、このあと4月から変わるんだ。

高阪：露口さんも、厚生課から別の課に異動されるんですか？

露口：変わったの、4月に。59年4月から。

高阪：ちょうど1978年から厚生課にいらっしゃるということですね。

露口：4月だな、確か。4月か2月か忘れたけど、変わってる。

高阪：じゃあ、そのあとはどちらの課に？

露口：書記という仕事がある。社会局長付きの書記の仕事があるの。そこへ変わったの。私のあとに、カワイっていうのが来たのかな。亡くなった、全社協の。

高阪：じゃあ、ちょうど一番厚生課の中の。

露口：こうやって見るとタナカになってるから、書いてないってことは、カワノさん変えちゃったのかな。

高阪：けっこうそこ重要なポイントでして。結局、脳性まひ者がものすごい中心になって運動を展開したから、こういう法改正につながったなっていう、1つのかなり重要なポイントなんですよ、そこは。

露口：全身性障害者っていう聞いたこともない名前をつけてね。

高阪：結局、官僚側が折れたっていう部分なんですよね。結局、障害年金に、基礎年金につながるように。

露口：受け止めたってことだな。

高阪：等級表を変えないかんっていう。

露口：カワノさんだろうな。カワノさん言ったはずだな。総括＊＊＊（00:14:34）専門官。カワノさんも言うからね。この間、NHKから取材があったときに電話して、カワノさんまだ生きてたらね、紹介したの。

高阪：もうだいぶお年をめされて。

露口：いや、そんな年じゃないよ。でも、僕より上だから。

本間昭：あの人、いくつくらいになられました？

露口：でも、80にはなってますかね。

本間昭：80になるでしょう。

高阪：専門官でね。身体障害者専門官でしたよね。

露口：福祉専門官。そう。

高阪：専門官ということは期限が決められていて、厚生官僚ではないんですよね。

露口：官僚は官僚。

高阪：京極先生が、よく社大の卒業生を推薦しておられる。

露口：専門官は専門官だけれど、カワノさんの場合は係長からなったかな。中で上あがって、専門官になったな。だから、専門官として招聘したっていうのじゃなくて。

高阪：じゃあ、厚生官僚からというふうな形で。

露口：そういうこと。

高阪：私もてっきり、ずっと2年任期でいっている専門官の方かなと思っていたんですけれど、そうじゃなかったのですね。カワノさんというのはね。

露口：そうじゃなかったか。もう長かった。丸山さんなんかも専門官。

高阪：専門官ですよね。障害者施設からね。丸山さんは、誰が引っ張ってきたんですか？

露口：板山さん。中の頃にね。

高阪：あの方が、ちょうど太宰博邦さんという方がいらっしゃって、障害者団体が集まった推進協という団体をつくって、所得保障の要求をしたんですけれども。その推進協の障害者団体を引っ張ってくる役割っていうのを、板山さんと丸山さんがやるようなんですね。それで、どんどんいろんな団体引っ張ってきて、共産党、社会党系。唯一、最大の【なんたる（00:16:54）】身体障害者連合会という、日身連というのがあったんですけれど。そこは、振興団体と一緒にせんといてくれって言って、参加を断ったところがあったんですよね。日身連というのは。ちょうどその後見者が、丸山さんと板山さんっていうのが、すごい障害者団体を推進協に引き入れたっていう。やっぱり板山さんが見込んだ人だから、丸山さんはとにかく動いたんでしょうね。

露口：指示でね。

高阪：どんな方だったんですか？　一言で言うと、丸山さんというのは。

露口：丸山さんは、すごく人に好かれるんだよ、あのタイプは。非常にオープンで。だから、いろんな団体の人たちとコミュニケーション取ってる。

高阪：オープンな性格だったんですね。

露口：それから、慶応大学出て、アメリカ行って、また戻ってきて。つまり、最初から障害者の仕事をやりたいという。丸山さんの本がある。持ってる？

高阪：僕、丸山さんのは持ってないんです。

露口：もしよかったら、来たら見せてあげるよ。丸山一郎の伝記を誰かが書いたんだよ。こんな分厚いの。

高阪：丸山さんの伝記を書いたんですか？

露口：丸山さんの生涯と業績を書いた本があるの。

高阪：ほんならそれ、かなり推進協に引っ張る経緯みたいなのが、かなり。

露口：書いてあるかもしれない。

高阪：ぜひ、その資料いただけたらいいです。

露口：それは、僕はどこからからもらって、今、浴風会の書棚に飾ってある。

高阪：また、浴風会行かしていただいてよろしいですか。

露口：来て見てください。参考になる。

高阪：経歴をお調べすると、今、全員浴風会の専務理事で？

露口：今、顧問。週2回出てるから。だから、いる日でも。

高阪：じゃあ、その日にお伺いすればよろしいですか？

露口：前もって連絡してくれて、いるときに来てくれれば、用意しておきますよ。

高阪：ありがとうございます。メールアドレスが書いてありますよね。

露口：メールで送ってくれてもいいし。あるいは、本部に職員がいるから、本部の職員通じて電話で言ってくれたら。

高阪：わかりました。丸山さんの資料は、おそらくどこでも手に入らないと思うので。

露口：あれは、けっこう出ているかもしれない。

高阪：要は、推進協にいろんな団体を引き入れるっていうところに、丸山さんはすごい大きな役割を果たしている部分があるんですよね。それは、じゃあちょっと見せていただきたいですね。ぜひぜひ。

------（雑談　00:19:50～00:20:07）------

露口：NHKから取材があって、戦後のいろいろ、それぞれの制度の振り返った番組がつくったの。生活法やら何やら。そのときの障害者問題のときに私取材を受けて、カワノ専門官紹介したら、僕にまた戻ってきちゃってね。テレビの取材があって。放送には、たいしたこととか言わないものだから使わなくて。パソコンの中に、NHKアーカイブスの中で、露口さんのインタビュー残しておきましたから。

高阪：あのインタビュー本当参考になりましてね。すごい良くまとまって。確かに質問者のほうの質問がかなり抽象的だったので答えにくいっていう、その部分はね。

露口：そうなの。何かテーマ決まって、それに答えればいいだけれど、あとは？っていう感じだった。

高阪：あとは？って感じで、どんどん突っ込んでいった。そこまで答えられへんやろっていうような質問の仕方していましたからね。あれ、かなり戸惑ったんやないかなって。

本間昭：青い芝の本でしたっけ、板山さんの、最後まであった、歴代の課長はみんな避けてたでしょう。板山さんが、初めて＊＊＊（00:21:45）てね。

高阪：結局、歴代の課長は避けていて、それにイケドウさんもちょっとやっぱり引いている部分もあって。ちょうど板山さんっていう人が、とにかく向き合ったから、障害基礎年金というものは絶対できたっていうふうに。

露口：そう。イケドウさんが向き合ったっていうのは一番初め言ったから、そこはもうあれにして、あまり印象持たないほうがいいと思うんですが。要は、板山さんが築いてきた＊＊＊（00:22:14）ですね。その続きで、今度さらにこれをやろうって言ったときに、ここに出席していないというのがちょっとよくわからないけれども、どうしたのかな。専門官が出たらいいじゃないか、みたいな気持ちがあったのかな。

高阪：イケドウさんのほうにっていうことですね。

露口：カットしてやってんだから。だけど、板山さんのときは出てから。当事者として、必ず。それで、青い芝のほうも、課長は出ないのかと。

高阪：それ、説明していただいてよくわかります。

露口：そうすると、こっちが調整役としても、出ないものはしょうがないんだよな。だけど、こうやって専門官はちゃんと出てるんだよ。

高阪：専門官は出てるから。だから、イケドウさんがしてみれば出なくてもいい。でも青い芝にしてみれば、板山さんがずっと向き合っていたので、どうしてやっていう。

露口：そういう気持ちが、ここに表れてるのかな。タナカ専門官って、タナカソウジさん知ってるでしょう。あの人、厚生課の専門官もやったかな。

本間昭：タナカソウジさんのほう、専門官のほう当時長かったんじゃないですか。

露口：長かったですね。

本間昭：タナカさん、たばこがやめられなくてね。

高阪：厚生課かなり長い方だったんですか？

露口：もともと老人福祉課をやってたんですよ。日大の先生、どこの先生なりましたかね。

本間昭：そうですね。

露口：青い芝のイソベさんとか、寺田、ワカバヤシさんっていって、みんな頭の切れる優秀な人で。脳性まひ者っていうと、一般的に脳性まひだから、知的なことが何か欠けているんじゃないかと勘違いする。そこ、全然関係ない。例えば、言語能力とか、それから肢体不自由というところに表れるんですよ。脳性まひは。だけど、知的には表れない。優秀なの、みんな。

高阪：すごい舌まくくらい優秀だっていうね。

露口：寺田さんっていうのは、寺田寅彦の孫なんだよ。

高阪：物理学者の寺田寅彦の？

露口：物理学者じゃなくて、文学者か。

高阪：寺田寅彦ですよね。物理学者兼、文学者です。

露口：物理学者か。随筆いっぱい書いている。あの人の孫だっていうわけだよ。だから、優秀でね。外国語なんてくると、どんどん訳していく。ただ、それは動かせないから、タイプライターですよ。障害者の使えるタイプライターでどんどん訳していくの。頭から。

高阪：これ、園田さんが、外国語をどんどん訳す脳性まひの人がいるっていうようなことを国会で答弁していて、それ、寺田さんのことなんですね。寺田寅彦いうたら、すごい優秀なエッセイストで、文学者でもあって。それ、ちょっと書いてもいいんですかね。こういうことって、論文とか書いたらちょっとまずいかな。

露口：確認はしたほうがいいな。板山さなから、そう言っていたけれどね。僕は本人には聞いてないからね。

高阪：寺田さんは、まだ生きておられるかもわからないですよね。もしかしたら。

露口：どうかな。ネットか何かで調べればわかるかもしれないね。喫茶店で、皆さんここではなんだからって言って、4、5人を、27階の喫茶店でお茶の話をしながら、なんとかなんとかコミュニケーションを取ろうというところで。したら、向こうも、そういうことで、非常に。だから、いい関係だったんですよ。悪くはない。それは、何もかも、トップである板山さんがそういう姿勢だから。これ、上が閉鎖的だと、そうはならないんだよ。今の文科の前川次官と同じだよ。おそらく。ああいう人がトップにいると、職員も頑張るんじゃないかな。上が閉鎖的だったら、あまり漏らそうとしないわな。逆に言うと、弱いよ、そういうところ。

高阪：なかなか安倍さんと対決しているところは、なかなかの見応えがありますね。あれはね。すごいですよね。あれだけ勇気を持って対決しているっていうのは。その背景はわからなかったんですけれど、前の厚生課長と比べて、やっぱり青い芝にとっては、物足りない部分っていう。

露口：あったかもしれない。会ってくれないからな。それが表れているんだな。おそらく。あまり覚えていないけれどね。

高阪：露口さんのことは悪く書かれている感じですけれどね(笑)。

露口：＊＊＊（00:27:38）っていってね(笑)。おそらく、僕はそういうことだったんだけれど、本人は、みんなが会えばいい、みたいなことになっているんじゃないか。共同作業所連絡会っていったじゃない。共作連って。

高阪：共作連ありましたね。共産党系の。

露口：小平養護学校から、きょうされん事務局長になったんですよ。なんていったけな。

高阪：あの人はね、この間NHKに出ていた人ですよね。視覚障害の人ですよね。

露口：そう。もともと僕ら付き合っていた頃は視覚障害じゃなかった。進んじゃったの。

高阪：ヒトラーのナチスのホロコースト訪問した、それで、優生思想の問題について取り上げてた。

露口：いい人でね。

高阪：藤井克徳。藤井さんですよね。

露口：藤井さん。あの人もいい人でね。養護学校から障害者運動に転じて。

高阪：全障研ですよね。

露口：先生だったんだからね。養護学校の教諭だった。それで、共同作業所連絡会だから、イケドウさんに、ここはちゃんとした団体ですから一度お会いになったらどうですか？って言ったら、きょうされんって言っただけで、共産党の団体かなって想像しちゃうわけよ。だから会わないって言うわけ。それ、説明して会うようになるんだけれど、やっぱりそういうところあるんだよ。

高阪：本当珍しい方でしたよね。

露口：あと、例のちょっと悪行みたいになっちゃったけれど、障害者自立支援法ってあったでしょ。あれも、各障害者団体と間とって、民間審議会みたいなところで、1つの副座長みたいなことをやって、板山さん役割果たしたんだけれど、結局、ちょっと障害者の所得保障も厳しいということで、自立支援法も駄目になった。またやり直ししたわね。

高阪：やり直しましたね。でも、京極さんが、でも1割負担かなり推進していましたよね。京極さんのやり方っていうのは。

露口：京極さん、委員長だったからね。

高阪：京極さんのやり方に、かなり板山さんっていうのは異議唱えたっていう。

露口：言ってた？

高阪：それはわからない。でも、そういうことになるんじゃないかなと思いますけれどね。

露口：でも、そういう歴史を、この人どうだ、こうだって言うのは、別にそういう物事の制作過程のプロセスというのについて、ないがしろにしないで、一つひとつこうやって【ケンシュウ（00:31:57）】していくっていうのは大事なことだね。

高阪：すごく大事な。

露口：それが、将来役立つんだな。

高阪：板山のような人がいたっていうことを明確にしておきたいなということ。それと、それを引き継いだ山口新一郎も。がんで亡くなったんですけれどね、あの人も。最後、85年に。

露口：年金局長に在籍して亡くなった。

高阪：その2人っていうのが、やはり大きな功績があるんじゃないかなって、僕は思うんですよね。

露口：年金の抜本改正とかね。それから、障害者福祉のね。

高阪：あれ、かなり捨て身になったところが、あの2人はあったんじゃ。捨て身じゃないとできない話なんですよね。

露口：もっとさかのぼると、生活保護制度なんですね。そこへ行くと、今度は小山進次郎。

高阪：国民皆年金の小山進次郎ね。

露口：娘さんは、僕は仲がいいんだけれど。

高阪：今、娘さんは？

露口：慶應大学出て、今65、66になったかな、もう。書簡文、僕預かっているんだけれどね、当時の。

高阪：小山さんっていうのは、自民党の野田さんっていう人と一緒になって、国民皆年金制度っていうのをつくったんだけれども、やっぱり年金組合同士を分立させてしまっていて。でも小山さんっていう人は、大きな働きをした人だっていうようなことは、厚生省のOBは皆、異口同音におっしゃりますよね。

露口：昭和25年、『生活保護法の解釈と運用』名著があるじゃない。

高阪：ちょっと僕、小山進次郎はちょっとまだよく調べてなくて。

本間律子氏（以下、本間律）：私、わかります。小山進次郎。

高阪：小山学校ってありましたね。山口学校っていうのも、またありましたけれども。小山学校っていうのもあって。

露口：僕は、灘尾弘吉の本を持っているんですよ。

高阪：灘尾先生？

露口：灘尾弘吉って、衆議院議長、議長が【終わりで（00:34:18）】、うちの浴風会の昔の会長で、衆議院議長、それから全社協の会長も何度かやって。内務省の一番のあれなんだけれど。その人が書いた、草柳大蔵っていう人の取材した本があるの。そこに読んでいきますと、後ろの末尾に、昭和10年代、あの人文科長やったり、いろんなことして、内務省の課長やっていたものだから、当時いろいろ論文書いているのね。まだ軍国時代から社会政策が大事かというエッセイを書いたの。だから、官僚も捨てたもんじゃない。まだ要所要所に、そこで一生懸命やった人がいるということだな。

高阪：何年かに一度、やっぱりいますよね。今回の前川さんっていうのも、かなり。どうなのかわからないですけれど。おそらく獣医師会の圧力っていうのも、僕はあったんちゃうかなって思うんですけれどね。前川さんの後ろには。

露口：ただ、現役のときの姿が見えないからね。辞めたっていう連中に見えちゃうから、批判する人は批判する。でも、僕は今の段階だと、遅くたっていいと思うんだ。ああやって、きっちり言うべきことは言うっていうことは、かなり厳しいと思うよ。官邸に対して言うんだから。

高阪：たいしたものですね。国会の、いつでも証言に応じるっていうようなことをね。

露口：本間先生、どう思います？　ああいうのは。

本間昭：本当どうなっちゃうのか。

高阪：僕、だからあれは、安倍さんが特区をつくって、獣医師、風穴をあけたっていうようなことを言っているけれども。でも、文科省のほうも、やっぱり獣医師会の圧力っていうのがあって、それでつくってはいけないっていうような圧力っていうのが、やっぱりあって。それで、前川さんっていうのは。

露口：全体見れば読めるわな。誰でも読めること。

高阪：だから、そっちのほうの圧力っていうのも、今までの既得権益につながっとったんやろなっていうふうに、僕は思うんですけれどね。

本間昭：板山さんは、本当だったら、制度が変わらなかったら国会議員になってたでしょう。

高阪：制度が変わらなければ、国会議員になっていた？

露口：小選挙区制に。

高阪：小選挙区制に変わらなければ。

本間昭：変わったためにお金がうんとかかるんで、それで板山は結局遠慮したんでしょう。あれは、集まらなかった。

露口：あれは、あれだけれど、話あったんですもんね。出るかと。そうしたら、選挙制度が変わっちゃって、小選挙区されたから。そういうことで、出なくなっちゃったんだなと、自分言っていましたよ。

高阪：どこからの公認を得られる？　自民党からの公認を得られる言うて？

露口：太宰さんあたりから、あれだから。だけど、板山さんっていうのは、自民党っていうタイプじゃないわね。本当言えば。板山共産党って言っていたから、自分で(笑)。

本間昭：板山さん当選していたら、厚生大臣までやったかもしれませんよ。

高阪：そうですか。厚生大臣まで。

露口：わかりませんね。

高阪：それくらいの度量のある人だったかもわからないですよね。

露口：総理大臣【移管（00:38:04）】によっては、君はやれと言っていたかもしれませんね。思いますよ。

高阪：すごい人なんだな、板山さんっていうのは。

本間昭：板山さんってすごい人ですよ。それで、僕がえらいと思うのは、社会事業大学の改革だとか、あれもやった方。それから、国際障害者年もあの方がやった。だけど、僕がやったんじゃない、たまたまそのポストにいたからやったんだって、講演でおっしゃるのよ。そういう点で、偉いなと思って、僕、思うのよ。

高阪：謙虚な方ですよね。

本間昭：実力あるし、素晴らしいですよ。

露口：行動力と実行力っていうかね。よく僕言われた、露口くんいいこと言うな、でもやらなきゃ駄目なので。

高阪：いいこと言うな、でもやらなきゃ駄目なんだよっていう、行動力のことを。

露口：それで、そういうのは、いとわなかったですね。困難な挑戦っていうことは、いとわなかった。そういうのが好きなんですね。立ち向かっていくのが。

高阪：五味百合子さんが、ちょうどゼミの先生で。それで、五味百合子さんから、既存の制度に機械的に適応したら駄目だと。今いる困っている人を、既存の制度にそのまま機械的に適用するのが駄目だと。やっぱり何か工夫をしろっていうような、そういう教えがあったようですよね。五味百合子さんから、そういうことを教えてられていた。五味百合子さん、かなり革新的な方だったんですけれど。僕は、でも、今露口さんのお話聞くと、板山さん、そんな保守とは言えないっていうふうなことを、今ちょっとおっしゃられていた。

露口：保守じゃないんじゃないかな。

高阪：僕、ちょっとそれは初めての証言で。

露口：ただ、基板に立つところは、つまり政治的なバックボーンというのは、あるいは1つの物事を進めるための手順ということについては理解しているから、そういうところでは、それをもし言うなら保守なんだけれど、やろうとしていることは革新。

高阪：だから、これを敵に回したらまずいっていう人は、絶対に敵に回さんかったということですよね。敵に回したら、これは絶対制度改革はできないぞっていうような。

露口：戦うとき戦うけれどね。だから、保守じゃないですね。保守とは言えないな。

高阪：社会事業大学関係者に聞いたら、全部保守だっていうふうに。

露口：ただ、晩年は保守かもしれないな。丸くなったから。だって、言われたもん、若いとき。露口くん、丸くなるってことはいいことじゃないって。最近丸くなったって言ったら、ほめられたと思うなって言われたもん。若いとき。

高阪：すごい意味深いことをおっしゃいますよね。

本間昭：本当板山さんは、自力がある方だと。＊＊＊（00:41:34）っていう会があるんですよ。それは、厚生省の事務次官クラス、社会保険庁長官、そんな経験者たちが集まって。それから、あと、京極先生も入っていますけれども。そういった方たちの中でも、一目も二目も、板山さんおかれていますよ。事務次官経験者なんかだって、みんな、板山さんどう思うとか。すごいですよ、やっぱりね。立場は、課長だったかもしれないけれども。
露口：キャリアの人におもねてませんね、全然。

高阪：おもねてなかったんですか？

露口：おもねてない。

高阪：正々堂々と。

本間昭：またそれが正論だから、通っちゃうんですね。

露口：自信持っていますからね。

本間昭：本当すごいですよ、あれは。

------（食事注文　00:42:38～00:43:13）------

露口：本間先生は、本当に優秀な先生で。

高阪：本間律子さんが書かれた、社会福祉学会で発表された、聖明園の設立過程をずっと読ませていただきまして、水戸藩の定義の流れずっとくんでいて。

露口：うちの浴風園に、古い本間先生の、本間家の人々かなんとかっていう本があるんだよ。最近、本間先生もう1回つくり直しているけれど、古い本間先生の家系の本がある。そうしたら、セイゴウの名前が出てきてね。下の名前セイゴウで。あれ、2人セイゴウいるんだと思って。

高阪：僕、水戸藩の転移っていうのは、水戸藩っていうのは、もともと尊皇攘夷の考え方っていうのが行き渡っていて。徳川の最後の将軍も、尊皇攘夷で、斉昭も尊皇攘夷の考え方っていうのをやっぱり強く持っていて。大政奉還したのも、尊皇攘夷の思想っていうのがすごく強く。僕、ただあのとき残念なのは、慶喜ってそのまま将軍に居座ってほしかったなっていう、そういう思いはすごくあるんですけれどもね。あのとき、水戸藩の慶喜、徳川家ちょっと続けてもらっていたら、またちょっと違った国の形ができていたんじゃないかなっていうふうにね。

露口：逃げちゃったんですね。

高阪：慶喜は、京都からね。大阪城からすっといなくなっちゃったので。

露口：でも、斉昭らは立派な人だったらしいですよね。ただ、桜田門外の変のときに、水戸藩の浪士に追っかけられたじゃないですか。そのときに、水戸藩がかくまわないで、あれはどういうあれなんでしょうかね。かくまわないで、どんどん逃げて、関なんとかとか。

高阪：関は捕まりましたけれどね、最後は。

露口：捕まって、最後は。吉村昭の出世の。

本間昭：関鉄之介っていうのは、本間家と関係がある。

高阪：そうなんですか。関鉄之介は。

露口：鉄之介は、立派な熱血漢で。最後、群馬から上州まで逃げて。

高阪：逃げて、最後捕まりましたね。首はねられましたけれどね。

露口：どういう関係なんですか？

本間昭：僕の本間家の、だいぶ遠いけれども縁戚。

高阪：そうなんですか。首謀者ですよね。本当に桜田門外の首謀者。

露口：あれが主人公で、あれで。思ったのは、つまり＊＊＊（00:46:11）っていうのは、ある意味、斉昭だのに会ってるんでしょ。

高阪：鉄砲渡されたんですよね。

露口：ところが、どういうわけか、やったら幕府に反したことをやったからって言って、もうあれだからって言って、水戸藩も追っかけたじゃない。

高阪：見捨てましたよね。

露口：あれはどういうことなのかな。

高阪：どういうことか。斉昭らはやれって言ったんですよね。忖度ですよね、今で言うところの。忖度をしたんだけれども。

露口：そこはわからない。

高阪：わからないですよね。忖度してかくまわなかったですよね、あれは。そういえば、そうですよね。あれ、忖度をしているんだけれど、かくまわなかったですよね。

露口：あれは壮絶だね。あの小説は。

本間昭：露口さんね、本間家、僕は医者になれなかったから、この人の娘が今医学部入っていますよ。ですから、今度本間家また復活するの。

露口：そうですか。DNAがついてるんじゃないですか。

高阪：娘さんが医学部入られて、息子さんのほうが福祉の方向に行かれたっていうことを書かれていて。

露口：それは素晴らしいな。

高阪：科はどこに？　小児科とか外科とか。

本間律：私は今年入ったばかりで、東京医大に。

高阪：東京医大？

本間律：東京医大に入りました。

露口：よかったら浴風会に勤めてください。東京医大の先生いますから。

高阪：じゃあ、本当脈々と本間家の医者の流れが絶えずに続くということですよね。すごい。

本間昭：本間家は熱血漢が多くてね。

高阪：そうだったんですか。

本間昭：5・15の事件の本間憲一郎っていうのは、僕の次男ですよ。

露口：兵隊で？　士官か何かで？

本間昭：5・15事件ってご存じで？

高阪：犬養毅が襲われた事件ですよね。

本間昭：昭和7年の犬養総理やなんかが＊＊＊（00:48:29）。あれは、僕の叔父っていうのは、水戸にシザン塾という塾を持っていたの。吉田松陰と同じ。愛国者で、そういう思想を受けた海軍の兵隊たちが決起したんですよ。

高阪：その決起した中に。

露口：叔父さんがいるんですか？

高阪：あれは、皆さん死刑にはならなかったですよね。懲役で。2・26はみんな死刑になったけれども、5・15っていうのは、みんな死刑にならなかったんですよね。

本間昭：そうそう。僕の叔父も禁固3年かな。

高阪：2・26に参加していたら確実に死刑になっていますけれども。そうだったんですか。

本間昭：僕の叔父がもう1人、最高裁の判事やった叔父がいるんですよ。それが弁護士で、5・15のときは弁護士しているから。見解を弁護している。

高阪：すごいですね。

露口：先生のところは名門だからな。水戸藩っていったら、何たってね。徳川雄藩っていうかな。

高阪：水戸藩はね。

露口：吉村昭が小説つくるときに目に付けたのは、水戸は、ずっと港が海だった。だから、恐れるんだと、外国を。ということに目をつけたんですね。あの作者は。それで、桜田門外の変は、そこから始まるんですね。物語が。なぜ水戸藩がそんなにあれなのか、それは海に面している藩だから。

高阪：海に面しているということは、それだけやっぱり外国っていうものを意識するんですね。尊皇攘夷に走りましたよね。攘夷はやりましたよね。やったけれども、でもやっぱり外国っていうものは、恐れている部分っていうのは。

露口：井伊直弼が、勝手に勅許あれして。

高阪：外交の条約の。

露口：言ったために、今度は江戸城に出ちゃならんっていうことになったんだよな。

高阪：なりましたよね。それで、【勅許せい（00:50:53）】という形になりましたよね。

露口：そういういろんなことがあって、水戸藩の若手が決起したんじゃないかと。よくわからないけれど。ところが、何かやったら全然かばってくれないって、あそこ、俺わかんねえ。

高阪：それ、今の安倍内閣と一緒で、忖度はするんだけれど、かばってくれないっていうね(笑)。やっぱりよく似ていると思います。私、すごく構造よく似ていると思うんですけれどね。

露口：僕はね、安倍はもたないと思う。

高阪：そうですか？

露口：歴史的に。安倍とトランプはもうもたない。僕は、トランプは、最初から言っているの、1年もたないって。今度の＊＊＊（00:51:32）によるな。

高阪：そうですね。でも、安倍さんはもたないほうが、日本のためになるんじゃないかなって僕思いますね。こんな政治的な発言したら、ちょっとあれなんですけれども。でも、憲法改正とかっていうような、すごく過激なことやっていますからね。あの人ね。皇室の方が、聖明園のほうにお尋ねになられて、今の天皇陛下っていうのは、お人柄すごいいい方ですよね。とにかく人当たりっていうのか、包容力のある。実際にお接しになって、どういう印象を受けますかね。

本間昭：毎年1回は、＊＊＊（00:52:19）お会いしますよ。

高阪：律子さんのこともいろいろと、直接ご紹介されたという話が載っていましたよね。

本間昭：去年の、ちょうど皇后さまのお誕生日のときに。

露口：本間律子ってどういう字？

本間律：法律の律に。

高阪：ぎょうにんべんで。

本間昭：何を研究しているんですか？っておっしゃって。

高阪：社会福祉っておっしゃったって書かれていましたよね。

本間昭：この間は、＊＊＊（00:52:48）おっしゃったんですよ。皇后さまから、読後感を伝えてくださった。岩橋武夫のことは、天皇陛下もご存じなんですよ。

高阪：年に1回お会いになっているっていうのは、本当。

露口：それは、どういう機会だったんですか？　お会いになるのは。

本間昭：天皇陛下は、皇后さまのお誕生日のときには、いつもご招待いただいて。それから、【オオメ（00:53:31）】にもいらしているでしょう。皇太子さまの＊＊＊（00:53:34）で、僕は毎年お正月に年賀に行っていました。

露口：うちの大友先生も行っていますか？　うちの大友病院長。最近行っていないと思うんだ。

本間昭：東宮御所にいらした当時は、いつでもお会いできたんだけれども、陛下になってからお会いするのは難しい。

露口：僕は、顧問になって、ちょっと役割やったと思う。新しい雑談言うと、天皇皇后、皇太子さんが初めて見えた。ご夫妻が。来るときに、事前の見聞があるんですよ。日比谷警察、丸の内警察、皇宮警察、偉い刑事さんたちが20、30人来て、やるの。それから杉並消防、みんな来るわけ。厚生省も来る。

高阪：聖明園も、それあったんですか？　事前見聞っていうのは。

本間昭：必ずある。

露口：それで、今まで天皇陛下さんは、正門から入っていろいろ見てこうやるんだけれど。初めて、皇太子さま、老人ホームの敬老日の視察を浴風会選んでくださった。そのとき、新しいから、周りに交通網迷惑かけちゃいけないっていうことで、ちょこっと来て、ちょこっと裏から帰るって言ったの。それで、僕が発言したの。みんな誰もやらない、理事長もいなかったから。うちには、2000人の利用者がいると。陛下が見えられれば、要所要所できちんとお迎えをして、きちんとお送りをしたいと。それを、1つの老人ホーム見ただけで、ぱっと裏道から来て、裏道から帰るっていうのは悲しいと。正門がきちっとあるから、正門から来て、老人ホームを見て、またぐるっと回ってくれれば、みんなでお送りをしたいと。したら、言うんだよ。東宮御所が、それはみんな警察が決めることだからって言うの。警察は、ちょっと考えさせてくれって。それは、それによって交通を遮断するから、遠回りするから。それで、すぐ返事があって、浴風会さんの希望の通りそうしますってなった。そういうことを言ったの俺だから、それ、俺、顧問として役割果たしたなと思って。

高阪：すごいですね。

露口：俺、だって厚生省におったとき、そういうことやっていたんだもん。

高阪：調整ですからね、いろいろね。

露口：いろんな施設とか訪問するとき。＊＊＊（00:56:18）。できないわけない。ところが、東宮御所が初めて、今まで敬老の日っていうのは、天皇皇后両陛下の仕事だったの。一昨年から、80歳になったとき、俺宮内庁から聞いたんだけれど、譲りたいと。若い公家に。同じ年の人を見舞うのもなんだから、もう若いのに。それで、去年は弟宮が回って、今年初めて、皇太子さんが東京都内の特養を回ったんだ。そういうことで。そういうことはできないはずないからというので。

高阪：でも、動線をつくられたいうことですよね。

本間昭：今の皇太子さまの高校時代は、僕のいとこが英語をご進講にあがっていたの。東大の教授やっていたの、僕のいとこが。＊＊＊（00:57:12）高校時代は。英語は、ご進講にあがっていたの。

露口：本間先生いろんなところに親戚いるな(笑)。

高阪：浩宮、元、今の皇太子。それはそれは。

露口：でも、雅子さんも来てくださって良かったですよ。ご夫妻で来てくれたから、うちは。

高阪：そうですか。浴風会のほうは。

露口：雅子さんも、こうやって写真撮ったけれどね、みんな喜んで。また来るって言って。お送りして。向こうも、こんななって笑顔でね。これは、利用者だけじゃないのね。職員から、それから地域の町民の人たちも、浴風会の周りに。町内会にも知らせているから。あれは、誇りですよね。

高阪：そうですよね。素晴らしいですよね。

本間昭：今度の日盲連の大会が、来年創立75周年。それで、また秋篠宮ご夫妻と眞子さまにおでましいただく。

高阪：今度、婚約されましたよね。

本間昭：決まってね。＊＊＊（00:58:32）。

露口：どこでやるんですか？

本間昭：文化ホール、東京都の。2000人くらい入るらしい。

露口：日盲連、今会長はどなたなんですか？

本間昭：今、竹下義樹という、うちの奨学生で弁護士。

露口：さっき言っておられた。

高阪：奨学生で弁護士の方いらっしゃるって言っていましたよね。

露口：ムラタニさんが長かったですからね。

高阪：ムラタニさん？

本間昭：ムラタニさんのあとが、ササガワさん。

高阪：右翼の。自民党議員ですかね、今は。

露口：いや、それじゃない。盲人の。ササガワさんっていう人がいるの。

本間昭：ああいう皇族方が、ああいういろんな団体においでになるということは、いいこと。

露口：いいことです。やっぱ障害者とか、ちょっと弱い方を＊＊＊（00:59:27）お会いいただけるという、＊＊＊（00:59:30）。

------（食事注文　00:59:43～01:00:53）------

露口：先生、長生きしてくださいよ。僕は、板山さん亡きあとは、先生が目標ってことはないですけれど、先生っていう方がいらっしゃる。そういう方が何人かいるけれど、本間先生はやっぱり格別ね。

高阪：本間律子さんの書かれた、学会の発表の要約で読ましていただいたんですけれど、やっぱり人物の大きい方ですよね。とにかく、本当に人物の大きい方。

露口：いろいろなところで見ていたんだけれど、ラジオ深夜便、それとかラジオで聞いたんだよ。若いときにいろんな募金。

高阪：募金活動とかね。

露口：やっぱり本間先生も淡々と話ししているから。だから、それが今日あるんだなと思って。1時間やっていましたね。ラジオ深夜便。朝の【訪問か（01:01:49）】。

本間昭：そう。某大学生の奨学金に1000万小切手。

露口：したら、一気に集まったってお話されていましたね。すごいわ。それが、先生の話しっぷりなんだよ。淡々とね。盲人の方に苦しみ、気持ち、そういった人たちの＊＊＊（01:02:13）ぱっと集まったってお話されててね。＊＊＊（01:02:16）かな思った。

高阪：律子さんが書かれた、【シシン（01:02:25）】がない方っていう、いわゆる自分をアピールする個性的な人が、施設の創立者なんかに多いんですけれども。でも律子さんが書かれていたのは、自分をとにかくそんなにがっと全面に出すっていう方ではないし、そういうことをおっしゃっていましてね。

露口：そんなことしなくても、そこにおられる姿、あるいはお話聞いていて、皆、そういう気持ちになるんじゃないですか。何もそんな形とらなくても。そういう力ない人はとるんだよな。政治家は。この間の変な政治家いたじゃない。女の変な。あんなのが政治家になるかな。

高阪：もうすごいですよね、あの人もね。

露口：エリート、一番最悪だね。

高阪：厚生労働省でしたよね、確かね、あの人も。

露口：縁ないですけれどね(笑)。

高阪：良かったですよ。あんなのと縁がないから。板山さんが生きていたら、どういうふうに言うかね、あの人のことをね。

本間律：理事長の論文を1本書いたんです。論文を書いて、それで『社会福祉学』に論文が掲載をされて。そのあとに、お返事しんたんですよ。養女の。研究をしたかったんですよ、私。

露口：社会福祉学博士ってなるんだろう？

本間律：そうですね。人間福祉の博士号取りまして、岩橋武夫＊＊＊（01:04:05）。

高阪：関西学院のほうで。

本間律：はい。そのあと学者として、研究者として、論文を書いて、もう1冊を本を出したいなという気持ちはありました。

高阪：岩橋の本を出しました？

露口：岩橋武夫先生。

本間律：岩橋の本を出して、そのあと、盲老人ホームの歴史という次の論文を書いていたんですよ。その中に、＊＊＊（01:04:34）の設立というところで、板山先生を研究し、そして本間昭雄を研究し、そのあと、全盲老連を研究してというところで、1冊の本になるような形で、私考えていて。それで、7割完成したところで、理事長とは長いお付き合いがありまして。そういう中で、理事長のお気持ちに応えないといけないなというところで、これで、研究は。身内になったので、論文出せないです。

露口：それで、ご縁になったわけですか？

本間律：そうですね。娘が医学部に行ったので。それで、本間家は医学部を。理事長の息子さんに後継ぎはいらっしゃらないんです。そういったこともありまして、うちの。

露口：それ、先生も安心だわ。

本間律：それで、阿部志郎先生に説得されまして、ぜひ理事長のところで勉強しなさいということで、福祉の研究だけじゃなくて、実践現場で勉強しなさいっていうことで、説得されて、今ここに自分があるんです。

高阪：そのあと、天皇陛下にもお会いになって、ご紹介をされたっていう話なんかも書かれていましたよね。

露口：そういうご縁だったんだね。

高阪：本間先生のほうから直接ご紹介をされて、ぜひ大事にしてくださいねっていうふうな声をかけられたっていうふうなことが、なんか書かれていましたよね。

露口：僕も厚生課10年いたから、ホンマカズオ先生っていう方もいたんですよ。日本点字図書館。カナタイプのね。それから、松井新二郎さん。これ、カナタイプの発案者。それから、地方にもいろいろいらっしゃるの。盲人会の方々っていうのは。だから、団体運動で、ムラタニさんでしょうか。それから、こういう施設現場実践。それから、盲学生を育てて、育成して、＊＊＊（01:07:11）までしたっていう、そういう実践では本間先生っていう具合に、やっぱし視覚障害者の方っていうのは、やっぱしすごいね。これはすごい。やっぱり、それぞれにすごい。

高阪：視覚障害者の老人福祉法が立ち上がった翌年に、軽費老人ホーム、初めて日本で設立されたっていうことで、書かれていました。それで、盲老人関係の施設をつくるときに、一番誰を参考にしているかっていうと、本間先生のことを一番。

露口：盲老人福祉協議会ね。

高阪：すべて本間先生のことを参考にされているっていう。

露口：本間先生はね、僕初めてお会いしたの、自分が係長のときなんですよ。たいして何もしていないんですよ。

高阪：働き盛りの。

露口：僕が32、33だから、昭和48、49年頃。先生が訪れてきて、資料をつくって、盲老人ホーム、養護老人ホームの一種の位置付けなんだけれど、盲老人ホームとして独立して、そこに加算をつけるという。そういうご要望があって。でも、先生はそういうところ、きちんとデータを提供して、行政も答えるという関係だな。だから、盲老人ホームというのは、施設体型としては、養護老人ホームなんだけれど、制度的には、盲老人ホームという1つの体系ができたわけね。素晴らしい。

本間昭：けど、つくりなさいとおっしゃったのは、板山さん。

高阪：そうだったんですか。板山さんだったんですか。

本間昭：それは、板山さんが。

露口：なきゃわかりませんからね。

本間昭：板山さんが、データをつくって持ってこいよと。そうすれば、いいと。何もなくちゃ駄目だ。

露口：でも、そうやったってやらない人いますからね。だけど、ちゃんときちんとして、答えて、それを受け止めて制度化したんです。そういうお互いのあうんのつながりだよな。それが素晴らしいじゃない。

高阪：板山さんがデータを持ってこいと言ったのは、それはいつくらいの？

露口：施設課の、まだ老人福祉課ってない時代。僕が役所行ったときは、老人福祉っていう言葉はなかった。

高阪：なかったんですか？

露口：なかった。

高阪：40年代のはじめ。

露口：施設課の中に係りがあったくらいで、老人福祉っていう言葉がなかった。それが、昭和38、39年ですかね。老人福祉課ができた。厚生省社会福祉課。だから、行政で1つの老人福祉という。それから、行政業務としても、老人福祉という言葉ができたのね。

高阪：ちょうど老人福祉法ができるあたりの前後にあたりますよね。

露口：それで、老人福祉国民会議ってやった。山口新一郎課長がいたとき。それで、2日、3日連続で、日比谷公会堂か何かで、老人福祉国民会議をやった。そして、毎日その日のことを、今日はこんなことがあったと、僕らに見せて読んだ。僕は関係なくて書記していた。＊＊＊（01:10:49）で。ああいうエネルギッシュなのが、老人福祉の始まりかな。

高阪：そのときに、課長が山口新一郎で、部下が板山賢治で、データを持ってこいっていうふうに本間先生におっしゃったとき、ちょうどそのとき。

露口：板山さんまだ係長だった。課長補佐。

高阪：課長補佐の頃ですか？　ちょうど昭和40年のはじめっていうのは課長補佐の頃で、そこに板山さんもいらっしゃって、データっていうのを持ってこいというふうな、そういう流れだったんですね。じゃあ、当時からもうデータということはおっしゃっていたんですね、とにかくね。

露口：係長から。

高阪：係長の時代から、データ、データっていうことはね。それ、貴重な証言、ありがとうございます。

露口：僕ちょっと書いたでしょ、あそこに。＊＊＊（01:11:36）。

高阪：それは、はいはい。

露口：ああいうことなんだよな。随筆にね、板山さんが残された言葉に。

高阪：【ソウギロク（01:11:49）】のほうですよね。

露口：これ、重いからあげる、あなたに。

高阪：本当すごい貴重ないろんなデータが残っている、シオタニさんの。

露口：ちょっと何か変なのはさんであるな。これ、僕、板山さんが亡くなって、2日か3日でつくったんだよ、これ。

高阪：露口さんがつくられたんですか？

露口：僕がつくったの。よくつくったでしょ。

高阪：これ、よくできています。僕、これ論文のとき、ものすごい参考に。

露口：ばーっとみんなから集めて、自分で書いて、自分で板山さんの思い出を書いて。

高阪：シオタニさんのあとに。

露口：それは、京極さんが、露口くんやってくれっていうから。

高阪：ごめんなさい、僕ちょっとこれ見落としていました。露口さん書かれた部分が。

露口：それで、板山さんの奥さんが書いたでしょ。それで、ここに、板山さん87年の軌跡っていうのね。

高阪：このあたりも全部まとめられたんですね。

露口：基本、板山さんの最後の論文載せようかなっていって、末尾に、探して2つ載っけたの。もう、ばんばんってやったんだよ。でも、1000人の方見た。これだな。

高阪：すいません、ちょっと見落としていました。私、これ持っているんです。社会事業大学の同窓会の顧問の人からもらったんです。

露口：それで、これを、板山先生、福祉クラブに100人くらいいるんです。全部配ったんです。社会福祉のOBに。葬式に来れなかった人もいたから。こうやってまとめたから、皆さん。

高阪：ごめんなさい、ちょっとこれ、見落としていました。露口さんの。シオタニさんのほうばっかりずっと目がいってしまっていて。

露口：僕は本当、今一番夢見るのは、おふくろなんだけれど、ナコードのタカハシさんっていう人の夢も見るんだけれど、板山さんの夢はよく見る。露口くんと呼んでいる声、よく見るの。夢の中で呼ぶのよ(笑)。

高阪：怒られたことってあります？

露口：板山さんにあまり怒られたこというのは、あるんですよ。あるんだけれど、その思い出よりは、かわいがられたってことだな。俺の場合は。15、16離れているから、俺を教えよう、教えようということでやってくれているということで。怒られたっていうのももちろんあるんだけれど、あまり印象的には。育ててくれたっていう印象のほうが強いな。

高阪：でも、それすごいいい上司に恵まれていますよね。

本間昭：板山さんの葬儀はすごかったですよ。

高阪：娘さんがいらっしゃったって聞いたんですけれども。

本間昭：お嬢さんね。

高阪：お嬢さん2人が。今はもうだいぶお年を召されている方々ですよね。

露口：でも、そんな年じゃないよ。

高阪：年ではない？

露口：50ぐらいだよ。

高阪：葬儀は、いろいろと盛大に。シオタニさんも。

露口：1000人くらい。

高阪：障害者の方も？

本間昭：1000人を超すでしょう。すごかったですよ。そんな中で、僕は友人代表で弔辞を読まされて。

露口：それは、みんな書いてある。

本間昭：板山さんみたいな大物の。

高阪：友人代表で弔辞述べられたんですね。

本間昭：だから、僕なんかよりもいくらもいらしたと思うのよ。だけど、奥さまたちが、僕にと言って、おっしゃったらしいのね。

高阪：板山ミエコさんという名前でしたよね、確かね。奥さまのほうから、直々のご指名っていうことだったんですよね。

本間昭：そうそう。露口さんのほうからも。

高阪：露口さん、ぜひということで、本間先生に。

露口：僕はわかっていますからね。もちろん奥さまも、奥さまどなたにあれしたいですか？って聞くじゃない。僕もわかっているし。そうすると、本間先生になるわけ。一番の友人なんだから。

高阪：僕は、板山っていうと、基礎年金のCP研究会のところからずっと研究しているんですけれども。でも、やっぱり本間律子さんの調べられた論文読むと、それ以前の老人ホームの設立過程とか。

露口：あなたの書いた論文、僕に1回読ませてくれる？

本間律：はい。お送りします。

高阪：僕持っていますので、ちょっとゆっくりとまた。要約集は読んでいるんですけれども、またゆっくりと読ませていただきます。ものすごい『社会福祉学』に、これ4本、5本くらい載せているんですよ。

露口：素晴らしい。

高阪：おそらくナンバーワンじゃないですかね。あれだけ載せているっていう人は。おそらく数で言うたら。

本間律：すべて査読は通りました。

高阪：おそらく4本か5本くらい載せておられましたよね。

本間律：福祉学は5本ですね。

高阪：すごいですよね。

露口：本間先生の業績っていうのは、1回【誠明学園（01:17:57）】の何十年史に書いてあるけれど、先生自身が残したいっていうのがあったら、ぜひ言葉でね。

本間昭：本当に僕は、人に恵まれたの。露口さん。人よ、財産は。

ですよね。1人じゃ駄目ですよね。もちろん、1人はしっかりしていいんだけれど、幸せはやっぱり支えるというか、ついてくれる。これ大事だわ。

高阪：板山さんもそうですし。奥さまも、すごいいろいろと支えになったっていうことを書かれていましたよね。

露口：素晴らしい奥さまだった。

本間昭：家内が、板山さんと同県人なの。山梨。

高阪：そうですか。山梨の同県人だった。

本間昭：ですから、宴会なんかで飲むと、2人で武田節が始まる(笑)。

高阪：武田信玄の武田節が始まるんですか。すごいですね。山梨で中学校の先生なさっていたっていうね。

本間昭：1年かちょっとされて、すぐ社大に。

高阪：社大のほうに入学されたっていうお話でしたよね。ちょうど時期的には、4年くらいあとですよね。本間先生が社大のほうで学ばれたのはね。ちょうど26年くらい。

本間昭：そう。僕が26のとき。

高阪：でしたよね。板山さんが確か22年くらいだったと思うんです。

本間昭：研究科の1期生かな。

高阪：で、いらっしゃいましたよね。でも、当時の社大っていうのは、やっぱりいろいろと、かなりストイックな雰囲気っていうのがあって、反骨精神がすごいある人たちも数多くいて。先生もそうだし、板山さんもいて。

露口：僕たちが行っていた頃は、みんな壁に、過激な文章をいっぱい書いて。

高阪：過激な文章をいっぱい書いてという時代だったんですね。

露口：そうですよ。

高阪：五味先生もちょうどいらっしゃった頃ですよね。

本間昭：そうですよ。五味先生、晩年よくお見えられた。聖明園に。

高阪：聖明園のほうに。そうだったんですか。晩年によくお見えになって？

本間昭：五味先生も山梨県人よ。

高阪：そうなんですか。山梨県人だったんですか？

本間昭：そう。

高阪：五味先生っていうのは、やっぱりちょっと考え方がかなり反天皇とかいう方で。

本間昭：そうです。

高阪：反天皇制の方で。板山さんがちょうどゼミの先生だったんですけれども、全然考え方がまたちょっと違う先生だったんですよね。

露口：板山さんが反天皇じゃないですよね。

高阪：じゃないです。秋篠宮とかとお会いしていますよね。だから、どうしても五味先生のゼミから板山さんが生まれたのかなっていうところが、全然価値観が違うところがあって。

露口：板山さんに聞いたときに、学校の教師辞めて東京に来たときに、原宿で待っていたのが若き日の五味さんだったって言うんだよ。若き日の五味さんが迎えてくれたって言うの。それで、大学案内してくれた。それが出会いだったと言っていたよ。どうなんですか？それ。そんなこと言っていましたよ。

本間昭：五味先生の最後の遺産とか何かも、全部板山さんに。

露口：板山さんに全部やったんですよ。

高阪：天皇陛下も考え方も全然違っていたと思うんです。五味さんっていうのは、絶対天皇陛下とかっていうのは。

露口：認めないんだ。

高阪：認めないタイプだったって聞いているんですよね。そこが全然違っていたんだけれど、でもそこを超えて、2人の友情っていうのは、すごい深いのがあったっていう。

露口：そう。それはそれだよ。

本間昭：でも五味先生、うちに皇族方何人も、どなたもたくさんいらっしゃるけれども、そういうことはあまり関係なくいらしたよ。

露口：それはそうですよね。

高阪：でも、本当、今の天皇陛下ってお人柄が本当素晴らしい方でね。

本間昭：素晴らしいですよ。

高阪：それに触れておられる本間先生は、本当すごい。

本間昭：とても幸せですよ。

高阪：幸せそうですよね。

本間昭：皇太子さま当時からだから、長いんですよ。

露口：うちも、浴風会病院の大友病院長っていらしたでしょ。今もう辞めちゃった。大友さんっていう、浴風会病院の病院長いたんですよ。もう80いくつで、うちの名誉病院長なんですが。この人が、今の天皇のかな、侍医だったんですよ。長く。だから、いつも山登りのときには、大友さんが一緒に行ったの。だから、同じドカンのお風呂に入ったっていうの、本当かな、だけれど。だから、いつも誕生日に呼ばれていましたから。皇太子さん、今の天皇のほうだね。天皇のほうの子供時代から、主治医っていうかな。それで、いつも山登りのときは、常に一緒に行っていた。だから、大友先生は、百名山全部登っているわけだ。

高阪：すごいですね。バイタリティのある。

露口：もう80くらいになられましたけれどね。


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●5.WAV（10分）
聞き取れない箇所は、＊＊＊（hh:mm:ss）
聞き取れるけれど自信のない箇所は、【きこえたおと（hh:mm:ss）】
と表記しています。
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露口：ニコラスさんじゃなくて、そんなような名前の人とね。そしたら、そういう昔のGHQの話。要は、日本は身体障害者福祉っていう、戦争のあれが身体障害者ということで、米軍は、GHQは誤解あるじゃない。そうじゃなくて、日本の身体障害者っていうのは、何も戦災で身体障害になったばかりじゃないよっていうことで、身体障害者福祉法が必要だっていうときに、力があったGHQに当時の担当の者に、＊＊＊（00:00:40）できたわけ。それが日本に来たの。5、6年前。それで、サプライズか何かいったら、あまりあれだったから、彼が困って僕のところに来たから、僕のところに連れて来なさいと。私のところの会議室で、板山さんも喜ぶし、歴代厚生課長も呼ぶからって言って。イデさんとか、誰か数人読んで、厚生課長を読んで、懇談会をやった。だから、すごく喜んでいた。丸山さんが。

高阪：そのあとに、じゃあもう亡くなられた？

露口：それから2年後くらいかな。1年か2年後か。

高阪：がんか何かだったんですか？

露口：がんだな。

高阪：大きな働きをされた方。慶應大学出て、福祉の道進むって珍しいルートでね。

露口：彼は、ちょっと工学部的なところだったな。感動的だよ。だって、大学出て、ほかで一生懸命勤めるところあるのに、あえて、東京の＊＊＊（00:01:58）か何か行ったんだよ。私を使ってくださいって言って。

高阪：調さんのいるところですよね。調一興さんのいるところ。

露口：そうやって、障害者運動に最初から走ったから、若いときから。

高阪：丸山さんが、その何年代ですか？　誰か、どなたかいたんですか？

露口：その志がね。だから、将来貫いたじゃない。そういう生き方、志を。それ素晴らしい。

高阪：彼がそれを選んだ、丸山さんが選んだ背景っていうのは。

露口：そんなに本読めばわかるから、読んで。

高阪：ちょっと読ませていただきます。太宰さんが推進協の会長で、板山さんと丸山さんが組織づくりに貢献して、それが大きな力になったんですよね。基礎年金の。

露口：だから、板山さんの指示で動くわけだけれど、指示しても、あとはそれを民間とつなぐのは丸山さん。

高阪：丸山さんだったんでしょうね。板山さんが見込んで、彼を引っ張ってきたわけですよね。彼の。

露口：民間とのパイプを使う。

高阪：板山ラインっていうのがね。丸山一郎も板山ラインだし、仲村優一も、CP研究会、板山が引っ張ってきたと思うんですよ。だから、そのあたりの、板山の人の選択のすごさっていうのも、かなり。

露口：人脈がな。

高阪：人脈のすごさっていうのがね。

露口：板山人脈ってすごいですね。一言で言うとね。

高阪：本間先生もそうですしね。

露口：そう。人脈がすごい。ちょっとした一期一会って言うじゃない。そうじゃない。そのとき捕まえたのを、ずっと付き合うわけだな。普通終わっちゃうんですよ、それだけで。一期一会で。そのときだけのお互いの便利さで、人間ってわりあいと。そうじゃなくて、そういうのを忘れないで、ずっとつなげていくっていうところが、板山さんの素晴らしさじゃないかな。僕ができないのはそこだな。

高阪：情に厚い人で。退官するときも、青い芝との交渉で泣いていたっていう記録が残ってね。

露口：情に厚いですね。それから、ヒューマリティに富んでいるね。すごく厳しいですよ、人に対して。僕と同僚とか、役所の仲間でも、すごくそういう目で見る人はいますよ。それは知らないから。

高阪：厳しい人だったっていう？

露口：僕は、本当に育ててもらった立場だからわかるわけだな。

高阪：はたから見たら、板山さんのことを知らない人っていうのは、何やこいつって思う人もいるかもわからないけれど。

露口：厳しいと思っている人多いと思う。それはよく話に聞くから。

高阪：厳しかった。ただ厳しいだけしかなかった人もいたけれども、やっぱりそこで、露口さんのようによく知っておられる方は、やっぱり彼のヒューマニズムみたいなものを、すごく強く感じておられるんですか。

露口：そう。

本間昭：うちの倅の仲人、板山さんがね。

高阪：セイゴウくんの。

本間昭：＊＊＊（00:05:20）教育してくれって言っても駄目。優しすぎて。

露口：もう駄目ですか？　おじいさんになっちゃったみたいですね。板山さん最後はね、本当に丸くなっちゃった。

高阪：晩年は丸くなっちゃったっていうね。

本間昭：前からよく言ったの。板山さんのときに、うちの倅も厚生省入ったんですよ。

高阪：そうなんですか？　今、厚生省のほうで。

露口：現場にいましたけれど、それから本省へ戻って、露口さんの下にいたんだよね。

高阪：主任でしたから、僕。

本間昭：露口さんの下にいたの。いたけれど、【キヨサト（00:06:01）】かわいがってくれるのいいんだけれど、叱ってくれないので(笑)。

露口：本間先生から預かってるんだからな、なんて言われて(笑)。

高阪：でも、激務の中で今も厚生省で頑張っておられるんですね。すごいな。

露口：今は法人で。

高阪：法人のほうに戻られた？　そうですか。

露口：副理事長なんですか？

本間律：執行常務理事で。園長で。

高阪：写真に載っている、60年記念誌に載っていましたね。

本間律：怖い人です。

高阪：雰囲気が恰幅のある方ですよね(笑)。でも、厚生労働省にパイプおありになるから、いいですよね。

露口：セイゴウくん、どや、ちゃんとやってるか？っていうのは、俺。たまに会うと、ちゃんとやってるかって(笑)。愛すべきね。

本間昭：露口さんにもかわいがっていただいて。

高阪：息子さんって、福祉の道に進まれたという。

本間律：お兄さんが、今【キヨサト（00:07:28）】園長で、私のお兄さんです。理事長の息子さんが、厚生省に5年勤められて、そのあと、新しく建物を建てるので、帰ってきてもらわないといけないので。今は、園長と執行常務理事で。

高阪：それで、60年記念誌に載っておられた方っていうのが。

本間律：はい。

高阪：本間理事長の息子さん。そうですか。

本間律：私の息子は、今、日本大学の社会福祉学科です。

高阪：学生さんをやっておられるんですね。

本間律：18で。お姉ちゃんも東京医科大で、20歳で2浪して。

高阪：すごいですね。医師の道っていうのは、なかなか本当すごいです。

本間律：でも、高阪先生残念ですよね。板山先生お会いされていますか？

高阪：僕、この研究を始めたのが2014年で。板山さんが亡くなったのは、2013年で。大学時代も、どこかで、廊下とかではすれ違っているはずなんですけれども、一度も板山先生とお話しする機会っていうのが。京極先生は一度だけ話したことあるんですけれど、学生時代に。本当なかったんですよ。だから、そういう意味で言うと、こんなにすごい人が学生時代いたのに、一度も話すことなかったっていうのは、もったいない話なんですけれど。

露口：1回でもね、言葉を交わしておけばね。

高阪：よかったんですけれどもね。

露口：もう元気いいからな。

高阪：それがなかったんですよね。

本間律：私は、その1回取材して、1回で終わったんですけれど、その1回に巡り合ったんですよ。

露口：元気よかったろ？　言葉が＊＊＊（00:09:22）って。

本間律：そうです。浴風園にお伺いして、そのとき、露口さんと同じ顧問でおられて。それで、お伺いして。

高阪：書いておられましたね。

本間律：今日皆さんとお話しして、板山先生がお会いしてくださいって言ったような気持ちというか。

高阪：そうかもわからない。板山さんが結びつけてくれたのかも。不思議なものっていうのかね。私もそれ感じていました、今日は。

本間昭：今日はとてもいい会ができて。

高阪：ありがとうございます、本当に。


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＊作成：岩﨑 弘泰
UP: 20220325　REV:
◇障害者と所得保障／年金　 ◇年金　 ◇生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築
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