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NZ男性身体拘束後死亡事件:関連報道


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last update: 20170930


◆精神科医療の身体拘束を考える会https://www.norestraint.org/

◆Alliance against physical restraint in psychiatric care (精神科医療の身体拘束を考える会) (仮)2017/08/19 「End long-term restraint in psychiatric care (精神科医療における身体拘束の状況の改善を求める)」[外部サイト(English・日本語)]
★Call for signs. 賛同を募っています。

◆日本放送協会(NHK) 2017/07/28 WEB連動企画チエノバ「【募集中】精神科病院での『身体拘束』について、みなさんのお考えや体験談などお寄せ下さい(2017年9月放送“チエノバ”)」[外部サイト]
★体験談を募っています。

◇佐藤光展(読売新聞) 2017/09/25 「精神科、増える身体拘束…長時間縛られ心に傷」
◇館林牧子(読売新聞) 2017/09/05 「精神科病院での身体拘束を考える(3)」
◇館林牧子(読売新聞) 2017/08/30 「精神科病院での身体拘束を考える(2)」
◇館林牧子(読売新聞) 2017/08/25 「精神科病院での身体拘束を考える(1)」
◇原昌平(読売新聞) 2017/08/11 「医療事故調査制度には大きな欠陥がある」
◇水島宏明 2017/07/28 「ニュージーランド人青年の死亡 カルテから『入院生活は99.5%が身体拘束状態』と遺族が発表」
◇読売新聞(原昌平) 2017/07/28 「精神科の身体拘束は、死の危険を伴う」
◇東京新聞 2017/07/27 「NZ男性死亡から身体拘束を考える」
◇中日新聞 2017/07/27 「精神科の身体拘束増える 神奈川でNZ男性死亡、遺族ら訴え」
◇特定非営利法人イマジン 2017/07/25 「精神医療の問題に対する啓発のためにデモ行進を開催しました!」 ◇毎日新聞(青野由利) 2017/07/22 「土記:『身体拘束』を考える」
◇CB News 2017/07/21 「精神科病院での身体拘束『しっかりと調べて対処』 塩崎厚労相」
◇朝日新聞(井上充昌) 2017/07/20 「精神科の24時間身体拘束禁止を 遺族らが団体設立」
◇読売新聞(yomiDr.) 2017/07/20 「精神科病院で拘束後死亡、NZの男性…遺族ら団体を設立」
◇NZ Herald 2017/07/20 "Kelly Savage's family campaigns to end restraint in Japan after his death"
◇Herald Sun 2017/07/20 "Questions raised about Japan's psych care"
◇テレ朝News 2017/07/20 「精神科病院で“身体拘束” 遺族らが会見で訴え」
◇NHK News Web 2017/07/19 「精神病院で安易な身体拘束しないよう求める団体発足」
◇毎日新聞 2017/07/19 「NZ男性――措置入院中に身体拘束死亡 遺族『人権侵害』」
◇時事通信 2017/07/19 「身体拘束後死亡、遺族ら訴え=精神医療『状況改善を』」
◇Japan Times News 2017/07/19 "Citizens group calls for review on use of restraints after New Zealand teacher's death"
◇Metro International(都市日報) 2017/07/19 "Muerte de joven extranjero destapa 'trato inhumano' en psiquiatricos de Japon"
◇EFE Futuro 2017/07/19 "Morte de jovem estrangeiro revela “tratamento desumano” em clinicas do Japao"
◇共同通信社 2017/07/19 「精神科病院で拘束後死亡、神奈川 NZ男性遺族『非人道的』」
◇FNN 2017/07/19 「病院で身体拘束し死亡か 遺族が会見」[外部サイト]
◇0テレNews24 2017/07/19 「精神科病院の身体拘束禁止 ルール作り訴え」[外部サイト]
◇Buzz Feed News 2017/07/19 「日本の精神科病院で外国人男性が急死 身体拘束の影響か」
◇Buss Feed Japan 2017/07/19 「外国人男性急死で問われる日本の「身体拘束」 世界と大きく隔たる現状とは?」
◇TBSニュース 2017/07/19 「精神科病院での身体的拘束10年で2倍、遺族が疑問」[外部サイト]
◇弁護士ドットコム 2017/07/19 「精神科病院で身体拘束された外国人が死亡…遺族ら『不必要な拘束やめるべき』と訴え」
◇記者会見 2017/07/19 "Hasegawa, Martha & Patrick Savage: "Japan's Psychiatric Treatment: Practice of Physical Restraint""[外部サイト(You Tube)]
◇みわよしこ 2017/07/19 「大和市・ニュージーランド人男性死亡事件:ご家族と精神医療専門家の記者会見(2017.7.19・改題)」[外部サイト(Yahoo!ニュース)]
◇JAM THE WORLD 2017/07/18 [外部サイト(番組紹介)]
◇Japan Times News 2017/07/18 "Family blames prolonged use of restraints at Kanagawa hospital for English teacher's death"
◇水島宏明 2017/07/18 「ニュージーランド人青年の死亡 今日、遺族が記者会見」
◇Huffpost(高山義浩) 2017/07/17 「ニュージーランド人男性の死 病院における身体拘束を考える」
◇GekkanNZ 2017/07/17 「NZ人患者が日本で死亡、遺族が診療記録公開を訴え」
◇GekkanNZ 2017/07/15 「【続報】大和市の病院で死亡したNZ人男性(27)の遺族『長期の拘束は野蛮で中世的』」
◇水島宏明 2017/07/15 「ニュージーランド人男性の死亡【続報】大和市の精神科病院が「記録提出を拒否」と報道」
◇水島宏明 2017/07/15 「日本の精神科病院でニュージーランド人男性が死亡 母国でニュースに」
◇the Gurdian 2017/07/13 "New Zealand man died after being tied to bed in Japanese hospital, says family"
◇Stuff 2017/07/13 "Kiwi dies after spending 10 days strapped to a bed in Japanese hospital"
◇NZ Herald 2017/07/13 "Kiwi family's heartbreak over son who died in psychiatric care in Japan"




◆佐藤光展(読売新聞) 2017/09/25 「精神科、増える身体拘束…長時間縛られ心に傷」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170919-OYTET50036/

 日本の小中学校で英語を教えていたニュージーランド人の男性(27)が、精神科病院で身体拘束を受けた後、急死した問題は海外でも大きく報じられた。拘束を受けた経験のある患者たちは「当時を思い出すと胸が苦しくなる」と一様に訴える。この10年で身体拘束が急増したのはなぜか。原因すら分からない現状を改めるため、厚生労働省研究班による実態調査がようやく始まった。

(図表)

精神科、増える身体拘束…長時間縛られ心に傷
 身体拘束は、憲法で保障された人身の自由を奪う行為で、介護施設などでは原則禁止されている。精神科では精神保健福祉法により、精神保健指定医の資格を持つ精神科医がやむを得ないと判断した場合に限り、最小限の時間行える。
 だが、拘束が不可欠か否かは、指定医の主観にも左右される。家で興奮した患者が病院に来て落ち着いても、指定医が「不穏」などと判断して拘束し、長期化する例が後を絶たない。
 今年7月に設立された「精神科医療の身体拘束を考える会」には「強引な拘束を受けた」という患者、家族の声が相次ぐ。このうちの一人で、30歳代の女性患者は昨年、気分の高まりなどの症状で精神科救急病棟に強制入院になった。(中略)
 杏林大学保健学部教授の長谷川利夫さんは「精神科救急の中には、身体拘束も治療の一部と考えて積極的に行う所もある。だが、拘束されてオムツをはかされたり、導尿されたりする患者は自尊心までズタズタになってしまう」と話す。
 精神科救急の専門家も疑問の声をあげる。日本精神科救急学会元理事長の 計見けんみ 一雄さんは「身体拘束は治療ではない。やむを得ず拘束した場合、医師は患者に寄り添って話を聞き、落ち着けば即座に解除する。患者を理解する努力を怠り、安易に拘束したり、拘束した患者を長く放置したりする病院は問題だ」と話す。
 日本で身体拘束を受ける患者は2014年6月30日時点で1万682人。10年前の約2倍になった。だが、海外では身体拘束を避ける取り組みが進んでいる。
 イタリアの精神科医で、ボローニャ精神保健局元局長のイボンヌ・ドネガーニさんは「急性期の患者にやむを得ず身体拘束を行う病院は一部あるが、行っても数時間」とし、「不安を募らせて混乱する患者を拘束したら、不安が増して怒りも生じる。更に拘束を続けると感情自体が薄らいでしまう」と警告する。(中略)
 病状悪化につながりかねない身体拘束を、どうしたら減らせるのか。研究班をまとめる国立精神・神経医療研究センター精神保健計画研究部長の山之内芳雄さんは「今年度中をめどにデータを集計し、原因や対策を考えたい」としている。



◆館林牧子(読売新聞) 2017/09/05 「精神科病院での身体拘束を考える(3)」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170905-OYTET50013/

米国では病院ごとの実態公開
 日本の精神科病院に入院中に拘束され、後に死亡した患者の遺族らが、長時間の身体拘束を減らすことを求める署名活動をしています。米国では公的保険の支払いを受ける約1600病院の身体拘束時間(率)の一覧が政府機関のホームページ上に公開されていますが、日本の実態は明らかではありません。
 一覧を公開しているのは、米政府で公的保険を扱う「メディケア&メディケイドサービスセンター」という部門です。 ホームページ をクリックすると、病院ごとに「身体拘束使用時間(Hours of physical-restraint use)」という欄があり、「1000時間当たりの身体拘束時間」のデータが出ています。

不正報告には罰則も
 同センターによると、公開は2014年から。メディケア(高齢者と障害年金の受給者向けの公的保険)から精神科入院料の支払いを受ける1688病院が対象で、全米の全ての精神科病院と、救急などの急性期を除いた精神科病床のある病院がこれにあたるそうです。1年間に入院した全ての入院患者の身体拘束時間を入院時間で割って、1000時間当たりに換算したもので、不正な報告をすると、病院への支払いが削減されてしまうという厳しい罰則もついています。(中略)

情報公開進まない日本(後略)



◆館林牧子(読売新聞) 2017/08/30 「精神科病院での身体拘束を考える(2)」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170829-OYTET50005/

10年前から倍増した拘束件数
 精神科での隔離や身体拘束について調査・研究を続ける杏林大学保健学部の長谷川利夫教授は、手首、胴、足の拘束具を2時間近く身に着け、患者の気持ちを体験したことがありました。「医療者側は患者が暴れるのを防ぐために拘束するかもしれない。が、拘束されれば暴れたくなるのは、当然の心理。縛られる立場になって考えてほしい」と言います。
 厚生労働省の調査によると、精神科のある病院に入院する患者数は減少傾向にあるものの、身体拘束を受けている患者数は2014年6月30日時点で1万682人に上り、10年前の5242人から約2倍に急増しています。簡単に着けられる拘束具の普及や、精神科病院に入院する認知症患者の増加が影響しているとも言われますが、はっきりした原因はわかりません。厚労省は「調査中」としています。

1人当たりの拘束時間が長い(中略)

背景に、「暴れるかもしれない」という推測?
 日本で患者さんやご家族の話を伺うと、同じような状態で入院しても病院によって対応が違うようで、すべての病院が長時間の身体拘束をしているとは限りません。ただ、混乱した症状もないのに「暴れそうだから」「暴れるかもしれないから」拘束されたという話も聞きます。長谷川さんは、この「かもしれない」という理由での「予防的な拘束」が日本では多いのではないかとみています。「国際的にも身体拘束は行われていますが、どうしても他に安全が確保できない場合に限って行われる、最後の手段。できるだけ短時間にとどめ、速やかに解除しています。日本でも本当に拘束が必要なのかどうかを厳しく精査し、件数や継続時間を減らすための努力が必要です」と話しています。 (館林牧子 読売新聞編集委員)
 病院での身体拘束について、体験談、ご意見を募集します。医療者の方のご意見も歓迎します。ご意見は iryou@yomiuri.com まで。



◆館林牧子(読売新聞) 2017/08/25 「精神科病院での身体拘束を考える(1)」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170810-OYTET50009/?catname=column_hara-shohei

どうあるべき? 病院の身体拘束
 日本の小中学校で英語教師をしていたニュージーランド人男性、ケリー・サベジさん(当時27歳)が今年5月、精神科病院で身体拘束を受けている間に、突然亡くなりました。ケリーさんの遺族は、日本の医療関係者、弁護士、患者家族らと「 精神科医療の身体拘束を考える会 」をつくり、病院での長時間の身体拘束を減らすよう求める署名活動を続けています。母親のマーサさん(60)は、「日本の病院で不必要な身体拘束がなくなるようにしてほしい」と訴えています。

息子の突然の死(中略)

拘束に命の危険
 人は長時間、からだを拘束され続けると、足に血栓ができ、それが肺に移動して詰まってしまう 肺塞栓症はいそくせんしょう (エコノミークラス症候群)を起こしやすくなります。命の危険もありますが、ケリーさんの死と身体拘束の因果関係は不明のままだそうです。病院側は取材に対し、「提訴予告を受けており、一切話すことができない」と回答しています。ただ、マーサさんたちが開示請求をした診療記録によると、ケリーさんは入院中、容体が落ち着いて、暴れる様子がない時でも、からだを拭く時間以外はずっと身体拘束が続いていたことがわかっています。(中略)

もしも、あなたの子どもに起こったら?
 ケリーさんの死後、マーサさんら遺族は、他の精神科病院でも身体拘束中に亡くなった患者がいることを知り、冒頭の「精神科医療の身体拘束を考える会」を結成しました。病院の身体拘束は、精神科だけでなく、高齢者の入院治療でも行われることがあります。自分を傷つけたり、暴れて病院のスタッフを傷つけたりするのを防ぐために必要な局面もあるのかもしれません。けれども、皆さんは、マーサさんのように大切に育ててきた自分の子どもが身体拘束をされたまま亡くなったら、どう思いますか? 病院での身体拘束はどうあるべきなのか、議論が必要なのではないでしょうか? (館林牧子 読売新聞編集委員)
 病院での身体拘束について、体験談、ご意見を募集します。医療者の方のご意見も歓迎します。ご意見は iryou@yomiuri.com まで。



◆原昌平(読売新聞) 2017/08/11 「医療事故調査制度には大きな欠陥がある」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170810-OYTET50009/?catname=column_hara-shohei

 医療を受けていた家族が思いがけなく亡くなったときにどうするか。入通院中の場合はもちろん、今は元気な人でも、急な病気やけがで医療にかかることはあるし、医療では、どこでどんなトラブルが起きるかわかりません。決して、ひとごとではないのです。
 そこで頭の片隅に入れておいてほしいのが「医療事故調査制度」の存在です。2015年10月から、医療法に基づく医療事故調査制度が施行されています。すべての病院・診療所・助産所は、医療に起因する(医療が原因になった)疑いのある予期しない死亡・死産があれば、一般社団法人日本医療安全調査機構(医療法上の医療事故調査・支援センター)へ報告しないといけません。そして、その医療機関が設けた調査委員会(外部委員を含む)が死亡に至った要因を調べ、機構へ調査報告書を提出して、再発防止に役立てることになっています。
 ただし、今の制度には、たくさんの問題があります。最大の問題点は、報告・調査の対象になるかどうかを医療機関の管理者(院長)が最終判断することです。たとえ、明らかに事故といえる場合でも、院長が「対象外」と決めれば、それを覆す方法がありません。医療側が自分たちのメンツや利益を守るため、うやむやにすることも可能なのです。早急に制度を改めるべきです。

病院側は「報告・調査の対象にならない」
 前回のコラムで伝えたニュージーランド人青年のケースはどうでしょうか。彼は神奈川県内の精神科病院で身体拘束されていて心肺停止になり、転送先で今年5月17日に亡くなりました。
 病院側は6月26日、「医療安全調査機構への調査依頼はしない」と遺族に文書で伝えました。これはヘンな言い方です。現行制度では、機構による調査が行われるのは、医療機関が機構へ発生を報告した後、自院では手に余ると判断して調査を依頼するか、報告後に遺族が機構による調査を求めた場合だけだからです。おそらく病院はこの時点で、制度をよく理解していなかったのでしょう。
 病院側の弁護士に筆者が問い合わせると、「その後、改めて検討した結果、医療起因性がなく、制度の対象にならないと判断した」という回答でした。なぜそういう判断になるのか、よくわかりませんが、「相手側が訴訟を起こす可能性があるので、これ以上は説明できない」としています。

医療が原因かどうかは、調べないとわからない(中略)

【A】対象になる=診察、検査、治療、経過観察のあり方。この中には投薬、注射、リハビリ、処置、手術、 分娩ぶんべん 、麻酔、放射線治療、医療機器の使用などが含まれる
【B】対象になることがある=転倒・転落、 誤嚥ごえん 、隔離、身体の拘束・抑制、療養に関連するものは、医療に起因する疑いありと管理者が判断すれば対象になる
【C】対象にならない=施設の火災や天災、医療に関連のない偶発的疾患、もとの病気やけがの進行、本人意図による自殺、院内の殺人・傷害致死(薬の影響による自殺は対象になりうる)

 ここで考える必要があるのは、死亡の原因やそれをもたらした要因は、調査してみないとわからないことが多いという点です。何に起因するかよくわからない時点で、いずれかの区分に当てはめるのは無理があります。したがって、死因やその要因がはっきりしない場合は、医療に起因する疑いがあると解釈して報告・調査するのが、あるべき対応でしょう。「医療に起因する可能性を否定できない場合は対象」と書いておけば、その点が明確になったのですが、法律や通知は、死因不明の場合も含め、どの区分にあたるかの判断を管理者にゆだねています。
 さらに、身体拘束を含むBの区分では、医療に起因する疑いがあるかどうかの解釈も管理者にゆだねているため、二重の裁量を持たせる形になっています。調査しようと思えば対象になり、やりたくなければ対象にしなくてよい。非常にあやふやです。

死のリスクを予期しながら対策が不十分だった場合は?(中略)

「医療事故」のネーミングも問題(中略)

遺族の要請や機構の判断による調査を
 現行の制度で、医療機関が報告しない場合、遺族ができるのは、医療機関への要望と機構への相談だけです。機構も医療機関への説明・説得をするだけで、調査の義務づけや代行はできません。あまりにも医療機関側を守り、患者・遺族をないがしろにしているように感じます。それでは、原因究明にも再発防止にもつながらず、真相を明らかにしたい遺族は訴訟の道を選ばざるをえません。
 管理者が対象にしないと決めたらおしまい、という制度の欠陥は明らかです。遺族の要請があるか、機構が必要と判断したときは報告・調査を義務づけ、医療機関が消極的なら機構が代わりに調査するといった仕組みを導入すべきではないでしょうか。

 
 
◆水島宏明 2017/07/28 「ニュージーランド人青年の死亡 カルテから『入院生活は99.5%が身体拘束状態』と遺族が発表」https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20170728-00073831/

 語学学校の教師などをしていたニュージーランド人青年ケリー・サベージさん(27)が神奈川県大和市の精神科病院・大和病院に入院中に長期間の「身体拘束」という環境下に置かれて、心臓発作を起こして死亡した事件は、本国ニュージーランドで大きく報道された。(中略)

7月26日になって病院側はようやくその診療記録(カルテ)を遺族に公開した。
 その記録を元に兄のパトリックさんはケリーさんの入院生活についてのフローシートを作成した。
 パトリックさんはこの分析結果について、以前取材を受けたジャーナリストなどに対して日本語と英文で伝えている。
(中略)

 パトリックさんらは、日本医療安全調査機構や厚生労働省がこの記録を元に本格的な調査に入ることを望んでいる。
 現在まではパトリックさんら遺族側と病院側という、当事者同士の個別の紛争事案だからと、大手メディアも取り上げなかったが、パトリックさんは
「119ページにおよぶ全カルテのスキャンデータも渡します」
と言っていて、その姿勢はとてもフェアに感じられる。
 こうなると、監督官庁である厚生労働省や医療事故についての調査機関である日本医療安全調査機構、さらには日本のマスメディアがこの問題を取材して報道する気がどこまであるのかという問題になってくる。
 私もマスメディア出身の人間として、日本のマスメディアはダメなどとは言いたくはない。
 材料は揃っている。後は問題意識がどこまであるかだろう。メディアの本気が問われている。

 
 
◆読売新聞(原昌平) 2017/07/28 「精神科の身体拘束は、死の危険を伴う」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170728-OYTET50007/

 ニュージーランド人の男性が今年5月、神奈川県内の精神科病院で身体拘束されて心肺停止になり、救急搬送先で亡くなりました。拘束によって静脈内の血液が固まる静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)を起こし、その血栓が移動して肺動脈をふさぐ「肺塞栓」で死に至った可能性があると、搬送先の医師は遺族に説明しました(精神科病院側は、因果関係がないと主張)。
 長時間の拘束は、苦痛を与え、尊厳を傷つけるだけではありません。身体(とくに脚や腰)を動かせないことにより静脈血栓症、さらに肺梗塞を起こすリスクがあることは、すでに医学の常識です。
 今回のケースでは、(1)どうしても身体拘束をするしかない状態だったのか (2)入院直後から10日間も身体拘束を行う必要があったのか (3)身体拘束の間、血栓症の予防措置は十分に行われたのか (4)医療法に基づく医療事故調査(第三者を交えた院内調査)を病院が拒んでいるのは許されるのか――などが問題になっています。(中略)

来日して英語を教えていた青年が……
 亡くなったのは、当時27歳のケリー・サベジさん。記者会見した遺族によると、2015年8月に来日して鹿児島県志布志市の小中学校で英語指導をしていました。双極性障害(そううつ病)があり、今春、調子を崩して神奈川県の兄の家に滞在中、暴れたことから4月30日、民間の精神科病院へ措置入院(行政命令による強制入院)になり、入院当初から身体拘束されました。5月10日に心肺停止で発見されて市立病院へ救急搬送されたものの、脳死に近い状態で、同月17日に死亡しました。転送された時、血液検査で血栓の発生を示すDダイマーという数値が高かったのですが、死後の病理解剖で血栓は見つからず、死因は確定しませんでした。

10年間で倍増
(中略)

本来は例外的な手段
 精神保健福祉法では、身体拘束は、精神保健指定医の資格を持つ医師が診察して必要と認めた場合しかできません。厚労省の処遇基準は「制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならない」とし、拘束を行う際は、患者本人に理由を知らせるよう努めることを求めています。
 そのうえで身体拘束の対象になりうる状態として次の3種類を示し、ほかに良い代替方法がない場合に行うとしています。3種類にあてはまらない場合は、拘束してはいけないわけです。また、隔離と同様に「制裁や懲罰あるいは見せしめのために行われるようなことは厳にあってはならない」とも強調しています。
ア 自殺企図または自傷行為が著しく切迫している場合
イ 多動または不穏が顕著である場合
ウ ア・イのほか、精神障害のために、放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそれがある場合
 今回、男性の遺族は「病院に着いた時点で本人は暴れていなかった。措置入院が決まり、保護室のベッドに寝るように指示された。本人は抵抗もせず、言われた通りにベッドに寝たのに、足、腰、手首を拘束された。拘束する必要はないのではと看護師に聞いたが、とりあえず拘束されるという返事だった」と説明しています。さて、拘束の必要はどこまであったのでしょうか。

血栓症の予防が必要
(後略)

 
 
◆東京新聞 2017/07/27 「NZ男性死亡から身体拘束を考える」http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017072702000145.html

相模原殺傷事件から一年がたったが、障害者をめぐる環境は依然、厳しい。精神障害者をめぐっては、ニュージーランド人の男性が五月、神奈川県の精神科病院で十日間、身体を拘束された後に死亡した。この件は日本の精神科医療の後進性を示す問題として、海外で大きく報じられた。認知症患者の入院増などで、身体拘束は増えている。背景には、少なからずの精神科病院でのゆがんだ運営が横たわる。(安藤恭子、池田悌一)

 
 
◆中日新聞 2017/07/27 「精神科の身体拘束増える 神奈川でNZ男性死亡、遺族ら訴え」http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=476359&comment_sub_id=0&category_id=116&from=news&category_list=116

相模原市の知的障害者施設殺傷事件から一年がたったが、障害者をめぐる環境は依然、厳しい。精神障害者をめぐっては、ニュージーランド人の男性が五月、神奈川県の精神科病院で十日間、身体を拘束された後に死亡した。この件は日本の精神科医療の後進性を示す問題として、海外で大きく報じられた。認知症患者の入院増などで、日本の精神科病院での身体拘束は増えている。(後略)

 
 
◆特定非営利法人イマジン 2017/07/25 「精神医療の問題に対する啓発のためにデモ行進を開催しました!」https://www.value-press.com/pressrelease/187011

 7月22日(土)うつ病学会総会が開催される中、市民の人権擁護の会は賛同する議員や教育者、医療関係者らを集め、新宿にて精神医療の現状を啓発するためのデモ行進を開催しました。

[写真:特定非営利活動法人イマジンのプレスリリースアイキャッチ画像]

 日本で英語教師として働き暮らすニュージーランド人のケリー・サベージさん(27)が心臓発作のため神奈川県大和市内にある大和市立病院で死亡しました。入院中、サベージさんを長時間にわたって無理に拘束していた疑いがあるとし、遺族は病院に対して診療記録を公開するよう訴えています。
 このような中、7月22日(土)うつ病学会総会が開催されることにも合わせ、市民の人権擁護の会は賛同する議員や教育者、医療関係者らを集め、新宿にて精神医療の現状を啓発するためのデモ行進を開催しました。(中略)
 デモ行進には子ども連れの主婦や医療関係者、議員など約50名が参加。柏木公園から開始し、この日京王プラザにて開催されていたうつ病学会総会の前を通り抜け、35分ほど練り歩き、新宿中央公園で解散しました。「子どもの命を奪うな!」などといった掛け声を出しながら、参加した主婦は、「この精神医療にどれだけの方が苦しめられているか、、と思うと、もう涙しかありませんでした。明日もまだ続きますね、ご活動ありがとうございます。」と述べ、参加は有意義なものだったとしました。(中略)
 特定非営利活動法人イマジンは、知的障害者のノーマリゼーション、覚せい剤撲滅の普及啓発活動を行っており、障害者の真のノーマライゼーションを目指し、市民の人権擁護の会の活動に協力しています。

 
 
◆毎日新聞(青野由利) 2017/07/22 「土記:『身体拘束』を考える」https://mainichi.jp/articles/20170722/ddm/003/070/162000c

 なんともやりきれない記者会見だったが、小さな光も見えた。
 ニュージーランド人のケリー・サベジさんが5月、神奈川県内の精神科病院で身体拘束された後に死亡した。27歳。母国で日本語と心理学の学位を取った後、九州の小中学校で英語を教えていた。
 子どもたちにも慕われていたのに、なぜ――。
 会見では、母親で地震学者のマーサさんとケリーさんの兄、精神科医療に詳しい杏林大教授の長谷川利夫さんらが話した。遺族によると、経緯はこうだ。
 ケリーさんには双極性障害(そううつ病)があった。関東に住む兄の家に滞在中に症状が悪化。4月末に措置入院となり、すぐに両手両足、腰をベッドに拘束された。身体拘束は続き、10日後に心肺停止。転院先で亡くなった。
 病理解剖で死因は特定できなかったが、体を長時間動かせなかったことで血栓ができ肺塞栓(そくせん)症を起こしたエコノミークラス症候群の可能性が高い、と遺族はみる。
 「弟はすでに落ち着いて、協力的だったのに」。付き添った兄の無念さが伝わる。
 一方で注目したいのは、会見が今回のケースを告発するだけの場ではなかったことだ。「残念ながら弟は例外ではないだろう」と兄は語った。(中略)
 マーサさんは東大地震研究所にも客員教授として何度か長期滞在した経験がある。「日本で研究を始めたのは息子たちの影響。日本の地震観測は世界トップで、実り多い共同研究ができた」
 そうした最先端とは対照的な身体拘束。数も時間も国際水準まで減らしていければと思う。(専門編集委員)

 
 
◆CB News 2017/07/21 「精神科病院での身体拘束『しっかりと調べて対処』 塩崎厚労相」https://www.cbnews.jp/news/entry/20170721165540

 精神科病院などで患者の体をベッドに固定する身体拘束について、塩崎恭久厚生労働相は21日の閣議後の記者会見で、「(実態を)しっかりと調べて対処していく」と述べた。【松村秀士】
 (前略)会見で塩崎厚労相は、医療機関での身体拘束について、「ハイペースで増えているので、なぜ増えているのかをしっかりと分析しなければいけない」とし、厚労省で現在、実態調査を進めていることを明らかにした。その上で、調査の結果を踏まえて、必要な対策を検討する考えを示した。
 患者への身体拘束をめぐっては、今年4月末にニュージーランド人の男性が神奈川県の精神科病院に措置入院となり、足や腰などを固定された。その後、心肺停止の状態となり、別の病院に救急搬送されたが、数日後に死亡したという。

 
 
◆朝日新聞(井上充昌) 2017/07/20 「精神科の24時間身体拘束禁止を 遺族らが団体設立」http://www.asahi.com/articles/DA3S13045186.html

 神奈川県内の精神科病院に措置入院させられ、5月に亡くなったニュージーランド国籍のケリー・サベジさん(27)の遺族らが19日、精神科病院で行われている24時間以上の身体拘束の禁止などを求める任意団体を設立した。日本の有識者らも加わり、署名活動などを進めていく。
 サベジさんの兄(32)によると、双極性障害があるサベジさんは4月30日に措置入院させられてベッドに両手足などをくくりつけられた。5月10日に意識がない状態で発見され、近くの病院に救急搬送されたが17日に死亡した。病院は拘束と死亡の因果関係を否定しているという。(後略)

 
 
◆読売新聞(yomiDr.) 2017/07/20 「精神科病院で拘束後死亡、NZの男性…遺族ら団体を設立」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170720-OYTET50014/

 日本の精神科病院で身体拘束を受けた後に今年5月に死亡したニュージーランド人男性の遺族が、日本の医療関係者、弁護士、患者らと共に「精神科医療の身体拘束を考える会」を19日、設立した。遺族は「当たり前のように拘束が行われていることにショックを受けた。同じ思いをする人を減らしたい」と訴えている。
 亡くなったのは、鹿児島県の小中学校で英語教師をしていたケリー・サベジさん(当時27歳)。遺族によると、神奈川県在住の兄(32)の自宅に滞在中、双極性障害(そううつ病)の悪化で、今年4月末に同県内の精神科病院に緊急入院。入院時は穏やかで、指示通りベッドに寝たところ、足、腰などを拘束された。10日後に心肺停止状態で発見され、救急病院に搬送。その1週間後に死亡した。病院側は「提訴予告を受けており、一切話すことはできない」としている。(後略)

 
 
◆NZ Herald 2017/07/20 "Kelly Savage's family campaigns to end restraint in Japan after his death"http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11893024

The family of a Kiwi man who died after being tied down for 10 days in a psychiatric hospital are begging the Japanese Government to ban the practice.
Yesterday, Kelly Savage's family helped launch a campaign against the increasing use of physical restraints in the country's hospitals at a press conference in Tokyo.
They said Japan's use of the practice was out of line with the rest of the world.
"It's not going to bring Kelly back, but at least his death won't be in vain," said Kelly's brother, Pat Savage.

Kelly, 27, died after being transferred to Yamato City Hospital on May 17, a week after suffering a heart attack and more than two weeks after he was hospitalised for mental health issues.
It had not been established what caused the heart attack, but doctors suspected deep vein thrombosis as a result of being restrained for up to 10 days continuously.[……]
Kelly's mother Martha Savage spoke about her son's life, how loved he was, and how much he had been enjoying living in Japan, where he'd been teaching English for the past two years.

[Kelly, 27, has been teaching english in Japan for about two years before he died. Photo/ supplied by Harada Elementary School]
The alliance was being led by Kyorin University professor Toshio Hasegawa, who has spent the past decade researching the use of restraint in Japanese hospitals.
It also included psychiatric patients, lawyers and academics as well as families like the Savages who have lost loved ones.
At the conference, Hasegawa said restrained patients on average were strapped down for 96 days.
This compares with several hours to several tens of hours in many other countries, he said.
"What I would like to ask you first is to think about the feelings of those who are dying while under physical restraint."[……]
The alliance's first action was to call on Japanese Prime Minister Shinzo Abe and Minister of Health, Labour, and Welfare Yasuhisa Shiozaki to prohibit the use of restraint lasting more than 24 hours in psychiatric care.
They also asked for an immediate investigation into possible human rights violations and for tighter rules around how and when restraint could be used.
To sign the petition or learn more about the campaign, you can click here.

Rules around restraint:
The United Nations Convention Against Torture, which Japan has ratified, says use of excessive restraint is a breach of human rights, which must only be used as a last resort, and should be removed as soon as possible.
However, there are no exact guidelines about how long is too long or when restraint must be lifted.
A recent report into seclusion and restraint practices in New Zealand linked restraint to an increased risk of death and physical harm, including blood clots.

 
 
◆Herald Sun 2017/07/20 "Questions raised about Japan's psych care"http://www.heraldsun.com.au/news/breaking-news/kiwis-death-sparks-health-debate-in-japan/news-story/f7eebd01dde611a1ad15293054c65373

A New Zealand family says it wants to be a catalyst for change in mental health care in Japan, following the death of a family member who went into cardiac arrest after being restrained in a hospital for 10 days.
Kelly Robert Savage, who was working as an English teacher in Japan, was admitted to Yamato Hospital outside of Yokohama in late April after experiencing manic episodes related to his bipolar disorder.
He was immediately strapped down because the hospital thought he might become agitated, said his older brother Patrick Savage, who accompanied him at the time.
Kelly went into cardiac arrest after 10 days and was transferred to Yamato Municipal Hospital, where he died seven days later.
The family suspects the death was caused by deep-vein thrombosis resulting from his immobility, and blames the hospital for what it says was inhumane use of physical restraint.[……]
Toshio Hasegawa, a professor at Kyorin University in Tokyo, said at the news conference that psychiatric patients in Japan are restrained for an average of 96 days, while in other countries restraint lasts for only a few hours.

 
 
◆テレ朝News 2017/07/20 「精神科病院で“身体拘束” 遺族らが会見で訴え」http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000105763.html

 家族が精神科病院で手足をベッドなどに縛られる「身体拘束」を受けて亡くなったと訴える遺族らが19日、会見を行いました。
 会見は東京・千代田区で開かれ、精神疾患の患者の手足をベッドなどに固定し、強制的に身動きを取れなくする身体拘束がいかに人の尊厳を奪い、身体的・精神的苦痛を患者に与えるかなどについて説明が行われました。会見に参加した杏林大学の長谷川利夫教授らは「精神科医療の身体拘束を考える会」を設立し、今後、国に対して長時間の身体拘束の禁止や病院の情報開示などを求め、安易な身体拘束をなくしていく考えです。

 
 
◆NHK News Web 2017/07/19 「精神病院で安易な身体拘束しないよう求める団体発足」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170719/k10011065341000.html

 統合失調症や認知症など精神疾患の患者の体をベッドに固定する「身体拘束」について、安易に行わないよう訴える団体が設立され、今後、国に対し長時間の拘束の禁止など厳格なルールを定めることを求めていく考えを示しました。
 設立されたのは精神疾患の患者や家族、それに弁護士などで作る「精神科医療の身体拘束を考える会」です。
 身体拘束は精神科の病院で、はいかいや自殺などを防ぐために患者の体をベッドに固定する行為で、厚生労働省の調査では平成26年に全国で1万682人に行われ、10年間でおよそ2倍に増えています。
 19日、都内で開かれた記者会見で杏林大学の長谷川利夫教授は身体拘束に使われる器具を示し「非常に強固な器具で身動きをとれなくすることは精神の治療に悪影響だ」と指摘しました。
 会見にはことし5月に神奈川県内の病院で10日間身体拘束され、その後、転院先の病院で脳の障害で死亡したニュージーランド人の男性の母親も出席しました。母親は病院に対し身体拘束と死因との関係について説明を求めているということで「拘束された息子は全く動けず、非常にショッキングな姿だった。息子の最期は悲しいもので、縛らない医療を実現すべきだ」と訴えました。
 そのうえで会は今後、国に対し長時間の身体拘束の禁止や目標値を設けて拘束を減らすよう病院に指導するなど厳格なルールを定めることを求めていく考えを示しました。

 
 
◆毎日新聞 2017/07/19 「NZ男性――措置入院中に身体拘束死亡 遺族『人権侵害』」https://mainichi.jp/articles/20170720/k00/00m/040/087000c

 日本で措置入院中に身体拘束を受けたことが原因で死亡したとして、ニュージーランド人男性の遺族が19日、東京都内で記者会見し「日本は患者の人権を著しく侵害している」と訴えた。支援者らと「精神科医療の身体拘束を考える会」を作り、今後、同様の事例を調べたり署名を集めたりし、安易な身体拘束をしないよう制度改正を呼び掛けていく。
 死亡したのは、国際交流事業で英語教員をしていたケリー・サベジさん(27)。2015年に来日した。同会によると、精神疾患に伴う行動でけがをする恐れなどがあるとして4月末に神奈川県内の精神科病院に措置入院し、直後からベッドに拘束された。10日後に心肺が停止し、その後に死亡した。長時間体を動かせない場合に起きるエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)による肺塞栓(そくせん)を起こしていた可能性があるという。(中略)
 来日した母マーサさん(60)は「息子は日本が好きで生活を楽しんでいた。動けないまま亡くなり、本当に悲しい最期だった。身体拘束をなくしてほしい」と話した。【山田泰蔵】
[関連:動画]

 
 
◆時事通信 2017/07/19 「身体拘束後死亡、遺族ら訴え=精神医療『状況改善を』」http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071900984&g=soc

 神奈川県の精神科病院で身体拘束を受けた後に死亡したニュージーランド国籍の男性の遺族らが19日、厚生労働省で記者会見し、「不必要な拘束はやめるべきだ」と訴えた。今後、精神科医療での身体拘束の状況改善や実態調査を厚労省などに求めていくという。
 死亡したのは鹿児島県で英語を教えていたケリー・サベジさん=当時(27)=。遺族によると、ケリーさんはそううつ病が悪化し、4月30日に神奈川県の病院に措置入院。5月10日に心肺停止状態で発見されるまで、ベッドに手首や足、腰を拘束され続けた。同17日に搬送先の別の病院で死亡した。
 死因は肺梗塞が疑われ、拘束が原因だった可能性があるという。母親のマーサさん(60)は「処置は理解し難く、本当に悲しい最期だった。日本は拘束をやめるべきだ」と語った。(後略)

 
 
◆Japan Times News 2017/07/19 "Citizens group calls for review on use of restraints after New Zealand teacher's death"http://www.japantimes.co.jp/news/2017/07/19/national/social-issues/citizens-groups-calls-review-use-restraints-new-zealand-teachers-death/#.WXxJO2cUldh

A health scholar and the family of an English teacher from New Zealand who died after being tied to his hospital bed for 10 days announced Wednesday the establishment of a group that will push for a review on the use of physical restraints at psychiatric hospitals.
The group, Seishinka Iryo no Shintai Kosoku wo Kangaeru Kai, which can be translated as “A group to review restraints at psychiatric hospitals,” is headed by Toshio Hasegawa, professor of health sciences at Kyorin University in Tokyo who has researched human rights abuses relating to the strapping down of patients at psychiatric hospitals across the country.
The group's establishment was spurred by the May 17 death of Kelly Savage, a 27-year-old JET teacher who lived in Kagoshima Prefecture. On May 10, he had a heart attack at Yamato Hospital in Yamato, Kanagawa Prefecture, where he had been hospitalized for 10 days after suffering a manic episode linked to bipolar disorder while visiting his brother.
The Savage family suspects that the use of restraints at the hospital in which he was tied to his bed at the waist, wrists and ankles during most of the 10-day stay at the facility led to the formation of deep vein thrombosis in his leg and caused a fatal heart attack.[……]
Health ministry statistics show that the number of restrained patients doubled over the past decade to 10,682 in fiscal 2014. Hasegawa’s research of 11 psychiatric hospitals in 2015 also found that 245 patients were restrained for 96.2 days on average.
The group will also collect signatures both in and outside Japan to ask hospitals to stop the excessive use of restraints and will submit them to Prime Minister Shinzo Abe and other key government officials, Hasegawa said.
The group's campaigners include former Miyagi Gov. Shiro Asano, former Chiba Gov. Akiko Domoto, sociologist Shinya Tateiwa, Martha Savage as well as some lawyers and groups of people with mental disabilities.

 
 
◆Metro International(都市日報) 2017/07/19 "Muerte de joven extranjero destapa 'trato inhumano' en psiquiatricos de Japon"https://www.metroecuador.com.ec/ec/noticias/2017/07/19/muerte-joven-extranjero-destapa-trato-inhumano-psiquiatricos-japon.html[抜粋掲載]

Kelly Savage, un profesor de ingles de 27 anos que residia en Japon desde 2015, murio el pasado abril de un paro cardiaco, causado posiblemente por una trombosis intravenosa debido a las condiciones en las que se encontraba internado, explicaron sus familiares en una rueda de prensa organizada hoy en Tokio.
El fallecimiento de un joven neozelandes en un hospital psiquiatrico de Japon tras permanecer diez dias atado a una cama ha puesto de relieve una practica “inhumana y generalizada” en el pais asiatico, afirmo el 19 de julio un experto nipon.
Kelly Savage, un profesor de ingles de 27 anos que residia en Japon desde 2015, murio el pasado abril de un paro cardiaco, causado posiblemente por una trombosis intravenosa debido a las condiciones en las que se encontraba internado, explicaron sus familiares en una rueda de prensa organizada hoy en Tokio.
La practica de inmovilizar a pacientes atandoles de pies, cintura y manos durante largos periodos de tiempo esta “generalizada” en los psiquiatricos de Japon, dijo, por su parte, el profesor de Ciencias de la Salud la Universidad Kyorin de Tokio, Toshio Hasegawa, quien comparecio ante los medios junto a los allegados de Savage.
En Japon hay actualmente unos 20.000 internos en centros psiquiatricos sometidos a una inmovilizacion fisica similar o encerrados en cuartos de aislamiento, lo que supone el 7 por ciento del total de los pacientes, segun Hasegawa.
El numero de pacientes sujetos a estas “practicas alarmantes” se ha duplicado durante la ultima decada, dijo el experto, quien afirmo que el fenomeno es producto de un sistema psiquiatrico “basado en el autoritarismo”, “contrario a los estandares medicos internacionales” y que vulnera “los derechos humanos y la dignidad del paciente”.[……]
La autopsia no pudo determinar si la trombosis intravenosa fue la causa de la muerte, aunque senala como posibles motivos disfunciones circulatorias o del ritmo cardiaco derivadas del tratamiento del paciente.
La familia ha solicitado al hospital todos los informes del paciente sin obtener respuesta por ahora y ha reclamado al Gobierno una investigacion, mientras que el centro medico ha evitado pronunciarse publicamente sobre el caso.
“No queremos que esta tragedia suceda a nadie mas. Solo pedimos que Japon cambie la forma en la que trata a los pacientes psiquiatricos”, dijo la madre del fallecido, Martha Savage.

 
 
◆EFE Futuro 2017/07/19 "Morte de jovem estrangeiro revela “tratamento desumano” em clinicas do Japao"http://brasil.efesalud.com/noticia/morte-de-jovem-estrangeiro-revela-tratamento-desumano-em-clinicas-do-japao/

O professor de ingles Kelly Savage tinha 27 anos e desde de 2015 morava no Japao. Ele teve uma parada cardiaca e morreu em abril, provavelmente por uma trombose intravenosa devido as condicoes em que estava internado.

A familia do jovem da Nova Zelandia que morreu em um hospital psiquiatrico no Japao depois de ficar dez dias preso a uma cama deu uma entrevista coletiva nesta quarta-feira em Toquio. Acompanhada de um professor da Universidade Kyorin, eles afirmaram que o falecimento do rapaz trouxe a luz uma pratica “desumana e generalizada” no pais.
O professor de ingles Kelly Savage tinha 27 anos e desde de 2015 morava no Japao. Ele teve uma parada cardiaca e morreu em abril, provavelmente por uma trombose intravenosa devido as condicoes em que estava internado. De acordo com o professor Toshio Hasegawa, a pratica de imobilizar pacientes pelos pes, pela cintura e pelas maos durante longos periodos e amplamente difundida nas clinicas psiquiatricas do Japao.
Segundo ele, o pais tem, atualmente, 20 mil pessoas internadas em clinicas como a que o neozelandes estava e que sao submetidas a imobilizacoes parecidas ou fechadas em quartos de isolamento (7% do total).[……]
A autopsia nao conseguiu determinar se a trombose intravenosa foi a causa da morte, mas apontou como possiveis motivos disfuncoes circulatorias e do ritmo cardiaco derivadas do tratamento do paciente. A familia pediu ao hospital todos os relatorios do tratamento, mas ainda nao teve resposta. Tambem foi solicitada uma investigacao ao governo, enquanto que o centro medico evitou se pronunciar publicamente a respeito.
“Nao queremos que esta tragedia aconteca com mais ninguem. So pedimos que o Japao mude a forma como trata os pacientes psiquiatricos”, disse Martha, a mae de Kelly.

 
 
◆共同通信社 2017/07/19 「精神科病院で拘束後死亡、神奈川 NZ男性遺族『非人道的』」http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1500462513802/

 神奈川県大和市の精神科病院に措置入院中だったニュージーランド人の男性、ケリー・サベジさん=当時(27)=が今年5月、10日間身体を拘束された後に死亡したとして、遺族が19日、都内で記者会見し、「非人道的」と拘束の不当性を訴えた。(中略)
 サベジさんの兄(32)は「拘束する必要はなかった」と主張。
 病院側は取材に対し「代理人の弁護士を通してほしい」としている。

 
 
◆Buzz Feed News 2017/07/19 「日本の精神科病院で外国人男性が急死 身体拘束の影響か」https://www.buzzfeed.com/jp/eimiyamamitsu/kelly-savage?utm_term=.iwgp7GoN4#.gnWk54Nbv

 日本で英語教師として働いていたニュージーランド人のケリー・サベジさん(27)が、神奈川県の精神科病院で入院中に心肺停止し、急死した。病院側の不適切な身体拘束が原因だったのではないかとして、サベジさんの遺族は19日、東京で記者会見を開き、真相解明を訴えた。(後略)

入院直後から足、腰、手首を拘束
 遺族らによると、ニュージーランドにいる2010年から精神病と診断されて服薬を続けていたサベジさんは、2015年8月、鹿児島県志布志市の小中学校で外国語指導助手として英語を教えるために来日した。
 その頃から副作用を避けるために服薬が不規則になり、2017年3月には薬を飲むのが途絶えて、症状が再発。4月からは横浜市の兄の自宅で暮らしていたが、4月30日、自宅で暴れるなどしたため、神奈川県大和市の精神科病院「大和病院」に強制的に入院させる措置入院が決まった。
 同院で躁うつ病(双極性障害)と診断された。入院直後から、外から鍵がかかる閉鎖病棟の個室に入院し、足、腰、手首を拘束されてベッドに寝かされたという。その後も足腰はほぼベッドに拘束されたままで過ごしていたといい、5月10日、心肺停止状態になっているのを、看護師に発見された。
 心臓マッサージを受けながら近くの大和市立病院に救急搬送され、一旦、心臓は動き始めたが、呼吸と意識は戻らないまま、1週間後の17日、低酸素脳症で死亡した。解剖の結果、脳死状態となっており、重度の誤嚥性肺炎も確認された。
 遺族によると、病理解剖の結果、大和市立病院の主治医は「心肺停止になった原因は見つけられなかった」とした上で、心臓に明らかな異常がなかったことから、「消去法から考えられるのは、深部静脈血栓による肺塞栓か薬の副作用ではないか」と遺族に告げたという。
 深部静脈血栓症は、エコノミークラス症候群とも呼ばれ、長時間足を動かさずにいることで、足の深部にある静脈に血栓(血の塊)ができること。血栓がちぎれて血液の流れで移動し、肺の血管を塞ぐ肺塞栓を起こすと、死に至る可能性もある。

大和病院は死亡との因果関係を否定
 遺族によると、大和病院の主治医らは、身体拘束との関連を疑う遺族に対し、「手首を外す時はあったが、足と腰は継続的に拘束されていた」と認め、心肺停止の原因を深部静脈血栓症と推定したという。予防のために、脚を圧迫する「弾性ストッキング」を使用し、スタッフによる定期的なチェックをしていたとも説明した。
 遺族はサベジさんが亡くなった原因を明らかにしようと、大和病院に対し、民間の第三者調査機関である「日本医療安全調査機構」に医療事故調査を依頼するよう要請。また、日本における身体拘束が、必要最低限に制限されている他国に比べて著しく問題があるとして、病院の身体拘束に対する方針の見直しや謝罪を求めた。
 それに対し、石井一彦院長は「医療安全調査機構への調査依頼について」と題する6月26日付の文書で、「調査依頼をしない」と回答した上で、「精神科専門病院としての当院の治療は適切」と説明。
 その上で、「身体抑制についても、10日間休みなく身体抑制されたとのことではなく、適時に身体抑制を中断し、身体抑制の必要な時々に限って対応していた」と釈明した。
 また、「(大和市立病院の)病理解剖最終診断結果の原因が、当院での医療行為によるものとは考えられない」「死亡と当院の医療行為との間に、因果関係ありとする他の事実がない」と答え、「投薬についても、病状に即した安全性の高い薬」として、病院の対応と死亡との因果関係を全面的に否定した。(中略)

大和病院は「答えられない」とコメント
 BuzzFeed Newsの取材に対し、大和病院の事務部担当者は「代理人を立てているので答えられない」「代理人に連絡をしてほしい」とコメント。代理人弁護士に連絡をすると「明後日(20日)まで不在」との回答だった。
 搬送先の大和市立病院の総務課担当者は、ケリーさんについて「当院に5月10日に搬送され、17日に死亡が確認されたことを確認している」と回答した。詳しい死因や経緯については「個人情報に当たるので、ご遺族に確認してほしい」とした。
 また、大和市立病院については、主に海外メディアにおいて、大和病院と大和市立病院を混同した取材や報道が複数あるとして「患者さんが心配になってしまうので、事実と異なる報道については弁護士と相談して修正をお願いしていく」とコメントした。

「精神科医療の身体拘束を考える会」
 サベジさんの死を受けて、遺族は既に海外メディアを通じ、「日本の身体拘束の現状が変わることを願っている」と訴えている。ガーディアン紙やニュージーランドの大手ヘラルド紙NZ Heraldが報じている。(中略)
 19日、遺族は長谷川さんと共に、「精神科医療の身体拘束を考える会」を設立。日本の長期間に渡る身体拘束の改善に対する政府の早急な動きを求めている。今後、人権侵害に該当する身体拘束の被害者の情報収集、国内外での署名活動、国民への情報発信をしていく。

 
 
◆Buss Feed Japan 2017/07/19 「外国人男性急死で問われる日本の『身体拘束』 世界と大きく隔たる現状とは?」https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/shintaikosoku-zehi?utm_term=.tkmMvEGDB#.ilwnMzxZY

日本で英語教師として働いていた外国人男性が神奈川県の精神科病院で入院中に急変し、死亡した件。死亡と入院中の「身体拘束」の関連性が疑われる中、杏林大学の長谷川教授は「おそらくサベジさんの死は氷山の一角」と危惧する。海外と大きな隔たりのある日本の身体拘束の現状とは。【BuzzFeed Japan / 朽木誠一郎】

 日本で英語教師として働いていたニュージーランド人のケリー・サベジさん(27)が神奈川県の精神科病院で入院中に急変し、死亡した。死亡と入院中の「身体拘束」の関連性が疑われている。
 サベジさんは2010年頃から精神病の治療をしていた。2015年に来日し、英語教師になったが、副作用の問題があり服薬が不規則になる。2017年3月頃から服薬を止め、再度、精神病の症状が出始めた。4月29日から30日にかけて、横浜にある兄の自宅で断続的に「大声で叫ぶ」「外に走り出る」など躁状態になった。
 一度サベジさんは戸部警察署に連れて行かれ、横浜市職員に神奈川県大和市の精神科病院「大和病院」を紹介された。その後、強制的に入院する「措置入院」をすることになった大和病院で「躁うつ病」と診断される。遺族によれば、サベジさんは同院の閉鎖病棟の施錠可能な個室に入室し、足・腰・手首を拘束された。(中略)

 「ニュージーランドの医師は、弟の身体拘束について“残念”“ニュージーランドだったら身体拘束はされなかったのに”と言っていた」サベジさんの兄はBuzzFeed Newsの取材にそう打ち明けた。
 そもそも、日本における身体拘束とは、精神保健福祉法に基づき、止むを得ない場合に認められる処置。人権侵害の可能性が指摘されており、同法についての厚生労働省の告示でも「できるだけ早期に他の方法に切り替えるように努めなければならないものとする」と明記されている。
 患者が対象となるのは、主に1. 自殺企図または自傷行為が著しく切迫している場合、2. 多動または不穏が顕著である場合、3. 精神障害のためにそのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそれがある場合。また、その間は身体的拘束が漫然となされることがないように、医師は頻回に診察を行うものとされる。
 では、その実態はどうなっているのか。サベジさんの遺族による記者会見に同席した杏林大学保健学部教授の長谷川利夫氏は、日本の精神科医療における身体拘束を“ブラックボックス”と表現した。2017年の厚労省による調査結果(2014年6月30日時点)によれば、身体拘束中の患者は1万682人と過去最高になっている。
 長谷川氏によれば、諸外国の身体拘束の平均継続時間は数時間〜数十時間ほど。例えば、アメリカのカリフォルニア州は4時間、ペンシルベニア州は1.9時間、ドイツは9.6時間、フィンランドは9.6時間、スイスは48.7時間。遺族によれば、サベジさんもニュージーランドで入院した際には、身体拘束を受けていなかった。(中略)

 「おそらくサベジさんの死は氷山の一角」と長谷川氏は危惧する。サベジさんの遺族と長谷川氏は19日に「精神科医療の身体拘束を考える会」を設立した。
 長谷川氏は長らくこの問題を訴え続けてきたが、「改善されるどころか悪化している」という。そして「おそらくサベジさんの死は氷山の一角」とした。19日の会見では、サベジさんの死をきっかけにした「精神科医療の身体拘束を考える会」の発足が発表された。
 同会は、日本の身体拘束についての情報を限りなく多く集めること、それを広く知らせていくことを目的に活動する。今後は国内外で署名活動を行い、その結果とあわせて、総理大臣と厚生労働大臣に「人権侵害の調査」や「実施状況の検証」などを求める申し入れをするという。
 「日本の身体拘束は世界的に見ても異常な状況です。サベジさんのご家族のような遺族の方、今も苦しんでいる患者の方、関心を向けてくれる方など、ぜひみなさんと一緒に、身体拘束の是非について考えていきたい」(長谷川氏)
 サベジさんの兄は会見で、「唯一の兄弟であり、一番の友人だった」というサベジさんについて、声を詰まらせながら、次のように語った。
 「身体拘束は非人道的で、そもそも弟には不要だと考えていましたが、まして心肺停止の原因になり得るとは思ってもみませんでした。弟の死は例外的な事件ではありません。弟の身に起きた悲劇を、もう二度と繰り返してはいけません」

 
 
◆弁護士ドットコム 2017/07/19 「精神科病院で身体拘束された外国人が死亡…遺族ら『不必要な拘束やめるべき』と訴え」https://www.bengo4.com/iryou/n_6386/

 日本で英語教師として働いていたニュージーランド人、ケリー・サベジさん(27)が神奈川県大和市の精神科病院で身体拘束を受けたあと、心臓発作で亡くなったことを受けて、ケリーさんの母マーサ・サベジさん(60)や兄(32)らが7月19日、東京・霞が関の厚生労働記者クラブで記者会見を開き、「身体拘束はやるべきでない」と訴えた。
 ケリーさんはもともと精神の病を患っていたが、今年4月下旬に症状が悪化して、神奈川県大和市にある精神科病院に入院した。その際、腰や肩、両手両足をベッドに縛り付ける器具で、10日間にわたり身体拘束された。ケリーさんは心臓発作を起こして心肺停止になり、市民病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。
 遺族側は、身体拘束による「深部静脈血栓症」が死因だと考えて、病院側に診療記録を公開するよう求めている。母のマーサさんは会見で「ケリーが受けた拘束について、理解ができません。拘束されている姿にショックを受けました。本当にひどいと思いました。まるで中世の映画を見ているかのようでした」と振り返った。
 兄によると、ケリーさんは入院する前に暴れていたが、病院では落ち着いていたことから、『拘束する必要はないのでは』と病院側に伝えていたという。兄は「精神病患者の人権を著しく侵害してよいのでしょうか。こんな悲劇が今後二度と起きないように願ってやみません」と声を震わせた。現段階で、病院に対して法的措置をとる予定はないが、診療記録の公開等がない場合には検討するという。

「身体拘束をルーチンでおこなう病院が多くなっている」
 この日、専門家や弁護士、ジャーナリスト、当事者その家族でつくる「精神科医療の身体拘束を考える会」が発足した。呼びかけ人の一人で、会見に同席した杏林大学保健学部教授の長谷川利夫氏によると、精神科病院での身体拘束が2014年までの10年で倍増している。また、長谷川氏が11の病院を調べたところ、身体拘束日数は平均96日にのぼったという。(後略)

 
 
◆Japan Times News 2017/07/18 "Family blames prolonged use of restraints at Kanagawa hospital for English teacher's death"http://www.japantimes.co.jp/news/2017/07/18/national/family-blames-prolonged-use-restraints-kanagawa-hospital-english-teachers-death/#.WXxhM2cUldi

On April 30, a 27-year-old English teacher from New Zealand was admitted to a psychiatric hospital in the city of Yamato, Kanagawa Prefecture, after a manic episode linked to bipolar disorder.
Ten days later, his heart stopped.
Kelly Savage was rushed to another hospital in the city, where he was resuscitated but was left with severe brain damage. He died seven days later.
The Savage family alleges that the death was caused by the use of physical restraints, pervasive across psychiatric hospitals in the country and a practice long criticized internationally as inhumane and cruel.
Kelly’s older brother Pat, who lives in Yokohama, was with him when he was hospitalized at the privately run Yamato Hospital. He suspects the death resulted from the use of restraints, saying his brother remained strapped to his bed at the waist, wrists and legs nearly continuously for 10 days.
Savage said the lack of mobility during this period likely led to the formation of deep vein thrombosis (DVT) in his brother’s leg, which traveled up the bloodstream, blocked the flow of blood in the lungs and caused a heart attack.
“I don’t have problems with the doctors who treated him,” Savage told The Japan Times last week. “The only one that sticks out is the restraints.”
He said they “should never have been used in the first place” and especially not for 10 days.[……]
Savage, who was with his brother throughout the process, said he was surprised to see restraints being used right away. By then, he said, his brother had calmed down and was complying with orders.
“I was shocked that they suddenly put restraints on him,” Savage said. “And I told them I don’t think he needed that, but they said he will remain restrained for a while.”
During the Golden Week holidays, family members were not allowed to visit the hospital, but Savage called every day to ask that his brother’s restraints be removed. The request was not because of the risks of DVT ? which he did not know of at the time and which was never explained by hospital staff ? but simply because he was worried about his brother’s comfort, he said.
But his brother remained strapped down, Savage said, quoting a doctor who briefed the family after his death. The doctor explained that, during the 10 days, the wrist restraints were sometimes removed but the leg and waist restraints were not, he said.
On the night of May 10, Kelly Savage was found in a state of cardiac arrest and was taken to Yamato Municipal Hospital. He died on May 17 from brain damage caused by a lack of oxygen, but an autopsy failed to pinpoint the cause of his cardiac arrest, his brother said.
But according to hospital records dated May 14, a cardiologist at Yamato Municipal Hospital wrote: “To speculate, given that he was restrained for 10 days, it is possible that DVT was formed at some point and that this led to pulmonary embolism and cardiac arrest.”
Asked by the family why a blood clot wasn’t found, the cardiologist explained that when a blood clot is new, it’s hard to distinguish from regular blood that hardens after death, the family said.
It has long been accepted that physical restraints on psychiatric patients increase the risk of developing DVT.
In a study published in the medical journal Psychosomatics in 2014, Dr. Takuto Ishida examined the conditions of 181 restrained patients at Sakuragaoka Memorial Hospital, a psychiatric hospital in Tama, western Tokyo. The study found that, while all restrained patients wore compression stockings and received anticoagulant shots to prevent DVT, the condition was detected in 21 patients, or 11.6 percent, much higher than the incidence of DVT in the general population ? 1 in 1,000.
Meanwhile, in a letter addressed to the family dated June 26 and seen by The Japan Times, Yamato Hospital Director Dr. Kazuhiko Ishii defended the decision to not report the case to a third-party medical accidents investigation center ? created by the government in 2015 to probe “unexpected” hospital deaths ? despite the family’s request to do so.
Ishii wrote that the hospital’s treatment was “appropriate,” and that the death “cannot be considered to have resulted from treatment” at Yamato Hospital. Ishii also suggested that the municipal hospital should report the death to the investigation center as it “has more expertise” about what caused the death.
In addition, Ishii wrote in another letter dated June 27 that the cardiac arrest was “beyond (the hospital staff’s) control” and that Kelly Savage had been restrained “only when it was necessary.”
Yamato Hospital, when contacted by The Japan Times, requested that inquiries be directed to its lawyer, Kimihiro Itaya.
Itaya declined to answer questions about the case, saying that since the Savage family has given notice of plans to sue, the hospital will make its case in court.
Norio Sato, head of the general affairs department at Yamato Municipal Hospital, declined to comment, citing privacy concerns and saying the case mainly concerns Yamato Hospital.
The death and the family’s quest for an investigation have bigger implications for mental health care in Japan, where the use of physical restraints has surged over the last decade.
The use of restraints at mental hospitals is permitted by law only when designated doctors determine that patients can harm themselves or others.
According to the latest health ministry statistics, the number of patients strapped down was 10,682 in fiscal 2014, compared with 5,109 in 2003, when the government started taking statistics.
Toshio Hasegawa, professor of health sciences at Kyorin University in Tokyo, said the use of restraints is increasing, adding that the duration of their use is inhumanely long. His study of 11 psychiatric hospitals across the nation in 2015 found that 245 patients were restrained for 96.2 days on average, with some being restrained for more than six months or even a year. While statistics are hard to find, that’s much longer than in countries where data are available, where the use of restraints typically lasts less than 50 hours at the longest, he wrote in his 2013 book on the issue.[……]
Pat Savage is also asking that the policy of tying down patients be reviewed ? at Yamato Hospital and beyond.
“The problem is that it’s legal, that it’s been done all throughout Japan,” he said. “I don’t think it’s a case we can win in courts; the problem is bigger than that. The laws need to be changed to bring (the situation) in line with the international community.
“We just want all the hospitals in Japan to change their practices.”

 
 
◆水島宏明 2017/07/18 「ニュージーランド人青年の死亡 今日、遺族が記者会見」https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20170718-00073438/

27歳のニュージーランド人青年ケリー・サベジさんの死は、今日7月19日に東京発のニュースとして世界中に大きく報道されるはずだ。
 ケリーさんは精神病を患っていたが、入院先となった神奈川県大和市の精神科病院でおよそ10日間にわたる身体拘束の後で、
 心臓発作を起こして意識不明になり、別の病院に運ばれたがそこで死亡した。(中略)
 ニュージーランドなどの報道によればケリーさんの死と精神科病棟での身体拘束との因果関係について、病院側は否定しているという。
 今日7月19日(水)午後3時から、厚生労働省の記者クラブでケリーさんが精神科病棟で身体拘束を受けている様子をそばで見ていたという兄パトリックさん(32)と地球物理学の専門でビクトリア大学の教授を務める母親マーサさんが記者会見をするという。

兄や母親など家族の側から見た「ケリーさんの死の真相」がそこでくわしく説明されることだろう。
 それだけではない。その記者会見には日本人の専門家が同席するという。
 杏林大学教授の長谷川利夫さんだ。

 (中略)ケリーさんの遺族や長谷川さんたちは、厚労省記者クラブでの会見が終わったら、外国人特派員協会でも記者会見を行う予定だ。 
 外国人特派員協会には会見の予定がアップされている。

Wednesday, July 19, 2017, 16:30- 17:30
"Unruly physical restraint of patients at psychiatric hospitals must stop"
Language: The speech and Q & A will be in English and Japanese with English interpretation
There is a dark secret in Japan’s psychiatric treatment, in which physical restraint of patients is widely practiced. It is so widely practiced that it might be causing unnecessary death of patients.
The questionable practice was highlighted earlier this year when Kelly Savage, a 27-year-old English teacher from New Zealand, died in Yamato Hospital’s psychiatric ward. Kelly, who was put waist, leg and wrist restraints, and tied to a bed for 10 days before he suffered a heart attack on May 10.
Physical restraint refers to patients’ limbs being tied to a bed using specialized tools. It causes substantial physical and psychological distress on the patient. However, it is widely practiced in Japan because a psychiatrist alone can authorize it on the basis of clear hyperactivity and/or agitation.
In Japan, although the number of patients in psychiatric wards of a hospitals is decreasing, cases of physical restraint are increasing. According to national data, 10,682 people were restrained in 2014 more than double the number from a decade earlier.
An investigation of 11 hospitals conducted by Prof. Toshio Hasegawa of Kyorin University showed the average duration of physical restraint was 96 days. This directly contradicts UN Resolution 46/119 on “The protection of persons with mental illness”.There are approximately 290,000 patients in Japanese psychiatric hospitals, of which over 200,000 are hospitalized for more than a year. The average length of stay is approximately 280 days.
There are many reports of patients and their families being shocked to find restraint being applied even at times when patient are perfectly calm. It is also common for patients to be restrained on the grounds of fall prevention, and there are examples of restraint being used in a disciplinary manner.
Speakers will share the awful experience they had with Kelly’s hospitalization, and call for reviewing the legitimacy of the widely practiced use of physical restraint.
出典:The Foreign Correspondent' Club of Japan

ケリーさんの母親のマーサさんも科学者で、わざわざ日本に来てまで記者会見をするからには、息子の死の真相を究明したいという思いが強いのだろうと思う。

厚生労働省が行った精神科病院への調査でも1万人以上の人たちが身体拘束されている現状が明らかになっている。
 欧米でこれほどの状態はありえないことだというが、今日19日の夜には東京発の特派員電が世界中に発信されることだろう。
 もちろんケリーさんの死の真相がどこにあるのかはまだわからない。このため、日本側、特に当該の精神科病院や監督官庁など関係機関は速やかに情報を収集して真相がどうだったのかを確認して公表してほしい。

今日のテレビの夕方ニュースや夜のニュース、あるいは翌朝の新聞の報道がこの記者会見をどう扱うのか、注目したい。

 
 
◆Huffpost(高山義浩) 2017/07/17 「ニュージーランド人男性の死 病院における身体拘束を考える」http://www.huffingtonpost.jp/yoshihiro-takayama/kiwi-death-in-japan_b_17492830.html

 ニュージーランドの大手紙ヘラルドが、神奈川県内の病院で死亡した20代の英語教師について、7月13日の紙面で大きく報じています。
NZ Herald: Kiwi family's heartbreak over son who died in psychiatric care in Japan
 ヘラルド紙によると、亡くなったのはニュージーランドから来日していたケリー・サベージさん(27歳)。精神疾患を発症して入院していましたが、深部静脈血栓症に続発する肺塞栓症で死亡したと疑われています。
 深部静脈血栓症とは、エコノミークラス症候群とも呼ばれ、長時間、体を動かさずに同じ姿勢でいることが原因で、足の深部にある静脈に血の塊ができてしまうものです。この塊が血流にのって肺の血管を閉塞してしまうことを肺塞栓と呼び、患者さんは死に至る危険にさらされます。
 サベージさんの家族は、長時間の身体拘束が行われていたのではないかと考え、病院に対して診療記録を公開するよう求めているそうです。ただし、病院側はそれを否定して、食事の時間などで拘束を解いていたと説明しています。
 サベージさんの母親は次のように語っています。「国際的な関心が息子の死に集まり、精神症状への身体拘束が行われている日本の現状が変化することを願っている」
 残念ながら、日本の病院では精神病棟に限らず身体拘束が横行しています。いや、精神科領域の方がルールが明確ですし、専門医が判断することになってますから、一般病棟より適正化されているかもしれません。
 たとえば私の病院でも、専門的なアセスメントもないままに「転ぶかもしれないから」という病棟看護師の直感的な理由で高齢者が縛られていることがあります。患者さんの身体拘束の可否、基準について一般的に規定した法令が存在しないことも問題でしょう。
 私は看護部に対して、「すぐに拘束をやめるように求めるつもりはありません。ただ、何人の患者が、どのように縛られているかについて、各病棟ごとにサーベイランスを始めてみませんか?」と提案しています。何が起きているのかを把握せずして、何をすべきかは見えてこないでしょう。
 そのうえで、
------
1. 院内の倫理委員会の下に、抑制小委員会を設置すること
2. 身体拘束を実施したとき、速やかに抑制小委員会に届け出ること
3. 抑制小委員会は、24時間以内に身体拘束の妥当性評価を行うこと
------
を開始できたらいいですね。
[写真:筆者を模擬的に身体拘束したもの]
と・・・ こういう話をしていると、「介護施設では拘束なんてしてないのに、どうして病院はやめられないの?」という無垢な指摘を受けることがあります。
 でも、生活の場である介護施設で身体拘束をせずにすんでいるからといって、侵襲的処置が行われている病院で同じようにできるはずだと論じるのは、かなり無理があります。病院には病院なりに、身体拘束を排していくための努力があるのです。
 身体を拘束しなかったことを「過失」とした判例もあります。それは、意識消失により救急搬送され、ICUに入室していた50代の男性が、看護師が目を離した間にベッドから転落してしまい、頸髄を損傷して四肢麻痺となってしまったという事故でした。
 意識回復後もアルコール禁断症状があり、深夜、セレネース(ハロペリドール)を投与し看護師がベッド脇に作業机を置いて作業しながら観察していたのですが、他の患者さんの人工呼吸器アラームが作動したため離れた間に転落したのです。(中略)
 サベージさんが亡くなったことは残念ですが、せめて事実関係が明らかになってほしいと私も思います。やむを得ない拘束だったのか、あるいは過剰だったのか・・・。そして、病院における身体拘束の是非について、これを機会に議論が高まるといいですね。
 あと、もうひとつ・・・
 このニュージーランド人の若者の死から察すべきことがあります。
 私も経験があるから分かりますが、異国での入院は辛いんですよ。精神疾患ならなおさらだし、ケアする側も大変だったろうなと思います。私は感染症医として、外国人の隔離入院(究極の拘束ですね)を担当したことが何度かありますが・・・。
 まず、日本の病院食が受け入れられない外国人が多いです。ほんと可哀想。入浴方法も異なります。たとえば、水シャワーしか浴びたことがないタイ農村出身の患者さんは、いきなり看護師からお湯をかけられて「殺されると思った」と後に述べてました。こうした整容方法の違いは互いの不信感を高めます。
 採血や点滴など苦痛をともなう医療行為への拒否があっても、言語の障壁によって、その必要性を丁寧に説明することが困難です。もちろん、医療通訳を確保する方法もありますが、24時間いるわけではありません。
 外国人患者は怒りっぽくなり、異文化になれていない看護師は「何をされるか分からない」と強い不安を感じるようになります。日中なら複数の看護師で対応することができますが、夜間のケアでは1人きりで男性患者と向き合うことも少なくありません。そして、身体拘束の閾値が低下してゆく・・・。日本人なら言語でフォローができますが、沈黙したまま体を縛られることほど外国人患者にとって恐怖はないでしょう。
 テレビをつけて気分転換させようにも、ほとんどの病院には衛星放送が入っておらず、英語や中国語の番組を見ることができません。とくに隔離入院されている患者さんにとっては、絶望的なほど空白の時間に包まれます。精神疾患がなかったとしても、患者さんの精神は壊れてゆきます。
 長野県の病院に勤めていたときは、技能実習で来日していたアジアからの若者が結核を発症し、隔離入院を余儀なくされることがありました。ときに、何週間にも及ぶことがあり、そんなときは(他との接触がないよう注意しながら)夜中に、病棟の隣を流れている千曲川の河川敷に連れ出していました。
 信州の星空のもとで、20代の中国人の女の子が「私の村と同じ空」と言って、大声で泣き始めたことがありました。あのときはもらい泣きしながら、この子を早く国に返してやりたいと強く思ったものでした。
 というわけで、サベージさん・・・ 事情は分かりませんが、できるだけ早い帰国支援こそが一番の解決策だったろうなと、私は思います。

 
 
◆GekkanNZ 2017/07/17 「NZ人患者が日本で死亡、遺族が診療記録公開を訴え」http://www.gekkannz.net/archives/22525

 日本で英語教師として働き暮らすニュージーランド人のケリー・サベージさん(27)が5月17日、心臓発作のため神奈川県大和市内にある大和市立病院で死亡した。入院中、サベージさんを長時間にわたって無理に拘束していた疑いがあるとし、遺族は病院に対して診療記録を公開するよう訴えている。ニュージーランド紙『ヘラルド(Herald)』が伝えた。(中略)
 サベージさんは日本に渡航する前、ウェリントンの病院でも精神病と診断され、通院していた過去がある。最近はほぼ回復したため兄と日本で一緒に暮らし、英語教師として働きながら日々の生活を楽しく過ごしていたという。しかしサベージさんは今年4月頃から再び妄想的な発言が多くなったり、奇怪な行動が増えてきたりしたため、兄が日本での入院を勧めたという。
 ニュージーランドの外務貿易省(Ministry for Foreign Affairs and Trade )は診療記録の公開に向けて、東京の在日本ニュージーランド大使館が遺族に対し支援を行っていることを明らかにした。

 
 
◆GekkanNZ 2017/07/15 「【続報】大和市の病院で死亡したNZ人男性(27)の遺族『長期の拘束は野蛮で中世的』」http://www.gekkannz.net/archives/22558

 7月13日(木)お昼ごろに取り上げた、ウェリントン出身のケリー・サベージさんが日本の病院で亡くなられ、遺族の方が情報の公開や処置について改善を求めているというニュース。ニュージーランドだけでなくオーストラリア、さらにはイギリスのガーディアンにも取り上げられ、今やヨーロッパ全土に行きわたり、各SNSでのコメントの多さからもその反響の大きさが見て取れます。
 しかし、15日(土)午前9時現在、日本の大手メディアからはいまだ取り上げられていないようで、日本語サイトではGekkan NZウェブのニュース記事が1次ソースとして用いられ、redditをはじめとする他ニュース系サイトでも話題になってページビューも急上昇。ツイッターでは斎藤環さんをはじめとする日本の精神科医の方々も関心を示され、またケリーさんのお母さんが世界的に有名な地震学者のマーサ・サベージさんということもあり、関係者の方々が悲しみのコメントをされていました。
 本日は13日にニュージーランドの各メディアが報じたこのニュースを新しい情報とあわせ見やすいようにおおよその時系列(NZ時間)で並べてみましたので、論点の整理に役立てていただければと思います。

※7/17(月)順番の並び替え、追記とともに、それぞれ利用者の多い海外ソースのものはフェイスブック、日本のものはツイッターの投稿でまとめなおしました。
5月17日、ケリーさん永眠。兄パットさんがフェイスブック上で訃報の投稿をされました。
7月13日 5:00 am、第一報はおそらくRadio NZではなく新聞系最大手NZ Heraldでした。
13日 6:44 am、Radio NZでの兄パットさんのインタビュー音声
13日 7:52 am、新聞系大手NZ Herald Radio NZがつづきます。
13日 11:57 am、NZ Heraldの記事を日本語訳。
13日 2:09 pm、日本在住の地震学者ロバート・ゲラーさんがコメント。
13日 6 pmごろ、少し遅れてStuff。
13日 9:43 pm、イギリス大手紙ガーディアンがアップ。ここからヨーロッパをはじめ、いっきに世界に広まります。
"New Zealand man died after being tied to bed in Japanese hospital, says family"
14日 時間不明、弊社記事ソースでRedditにアップされました。
14日 4:54 am、兄パットさんがNZ Heraldトップ扱いとなっている新聞の写真をフェイスブックに(その後、母マーサさんがこの投稿をシェア)。
14日 6:39 am、Radio NZの続報。5年前にサモアで起きた状況に似ていると指摘。
14日 1:33 pm、ようやく共同通信も、なぜか英語版のみ。
14日 4 pmごろ、オーストラリアでも。(中略)
15日 1:27 am、母マーサさんと研究仲間の河合研志さん。
15日 4:25 am、こちらも弊社記事をもとにした海外の反応をまとめたブログ
「キウイ『日本の医療は凄いはず!』日本の病院で拘束されたNZ人が死亡して大騒ぎ」
15日 4:19 pm、国際医療福祉大学の教授、大熊由紀子さんがNZメディアの情報をもとにフェイスブックへ投稿。この情報がその後のヤフージャパンでの記事につながったようです。
15日 10:16 pm、上智大学教授の水島宏明さんによるヤフージャパンへのニュース投稿で日本のウェブメディアが一斉に反応。
そして、つい先ほど7月19日 7:30 pm(NZ時間)よりケリーさんのご遺族の方々が外国特派員協会にて会見をされるという情報が、勝見さんより入りました。
19日、その前に厚生労働省で行われた会見の一部が毎日新聞映像グループにて、
外国特派員協会での全ての会見内容がYoutubeに公開されています。
[写真、画僧など多数:省略]

 
 
◆水島宏明 2017/07/15 「ニュージーランド人男性の死亡【続報】大和市の精神科病院が「記録提出を拒否」と報道」https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20170715-00073324/

 ニュージーランド人青年のケリー・サベジさん(27)が神奈川県大和市の病院で変死したニュースは地元ニュージーランドでは大きく報道された。
 新聞はもちろんネットのニュースサイトやラジオの公共放送でも報道されている。
 ケリーさんは日本の子どもたちに英語を教えることで国際交流の一翼を担っていくことに意欲を示していたという。
 小学校などで熱心に英語を教える彼の写真が残っている。

 それなのに日本では大手マスコミが一切報道していないのは不可解としかいいようがない。
 日本の語学学校で子どもたちに英会話を教えていたケリーさんはもともと精神病の持病があったが、服用していた薬の副作用が出たために服用を中止したところ、精神状態が悪化したという。
 このため、4月末から「大和病院」で精神病の治療を受けていた。この情報を元に探すと確かに大和市に精神科だけの医療法人正史会大和病院が存在する。
 遺族によると、その際10日間ほどベッドに縛り付けられていたというが、そのうちに心臓発作が起きて昏睡状態になった。
 「大和市民病院」に搬送されたもののその後も回復せず、1週間後に別の心臓発作が起きて深刻な脳障害につながって死亡したとされている。
 身体を縛り付けられて拘束されたことで血栓が出来たことで、心臓の専門医は(いわゆる「エコノミークラス症候群」と同じ)心臓発作につながったものと見ているという。(中略)
 日本では患者への身体拘束が多いことを問題視するジャーナリストは少なくない。

 「患者の人権」や「身体の自由」という現代人の当たり前の権利をあざ笑うかのように、10年ほど前から急増している身体拘束患者数と隔離患者数。昨年4月の当コラムでは、2013年の身体拘束患者数が10年前の2倍になったことを伝え、増加の背景などを探った。今回、2014年の結果がまとまったので紹介するが、またしても不名誉な記録が更新された。
出典:ヨミドクター

 日本の精神科病院は欧米に比べて身体拘束を安易に行いがちな点を改善すべきだという声は根強い。

 杏林大学保健学部教授の長谷川利夫さんは「身体拘束や隔離は患者の人権侵害につながる恐れがあるので、可能な限り減らそうと考えるのが当然だ。しかし、身体を簡単な操作で縛る拘束具の普及もあってか、安易な方向に流れる医療者が増えているように思う。拘束や隔離で治まる症状ばかりではないのに、これを治療と考えているかのような医療者もいる。患者の人権について、もう一度考え直さないといけない」と指摘する。
出典:ヨミドクター

 ケリーさんの遺族に対しては、在東京のニュージーランド大使館も協力を約束している。
 日本で国際交流の架け橋になることを夢見ていたニュージーランド人の青年がなぜ大和市で死ななければならなかったのか?
 その死は、日本における精神科病棟での身体拘束のあり方に一石を投じるかもしれない。

 
 
◆水島宏明 2017/07/15 「日本の精神科病院でニュージーランド人男性が死亡 母国でニュースに」https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20170715-00073322/

 このニュースを教えてくれたのは、元朝日新聞の論説委員で現在は国際医療福祉大学大学院の教授を務める大熊由紀子さんからのメールマガジンだった。

◆◇こどもたちに慕われていた27歳の英語の先生 精神科病院で縛られて、理不尽な死◆
 ビクトリア大で日本語と心理学を学び、日本の小中学生に、この2年、英語を教えていたケリー・サベジさんの死が、母国のニュージーランドだけでなく、英国、オーストラリアなどで、大きく報じられています。
 躁病の発作で裸になって騒ぐケリーさんを心配する兄のパットさんに、横浜市の職員が、神奈川県の精神科病院、大和病院を紹介しました。
 診療室では落ちつきを取り戻していたケリーさんをベッドに胴体と手足を縛りつける「身体拘束」するように医師が指示。おむつをつけられ10日続きました。そして、10日後の4月30日の夜9時すぎ、心肺停止状態になっているところを看護師が発見しました。
 ケリーさんは、市立大和病院に搬送され、蘇生処置が施されましたが、5月17日に死を宣告されました。
 市立病院の医師は「10日間、抑制(縛ること)されたことを考えると、深部静脈血栓が発生し肺の血管がつまり、心肺停止になった可能性があります」と遺族に説明しました。
 「なぜ縛られなければなければならなかったのか」「なぜ死ななければならかったのか」、
 それを知りたくて、遺族はこの2カ月間、病院にカルテのコピーを求めつづけていますが、病院側は拒んでいます。

というのがその情報だ。
 事実なら重大な話なのに。このニュース、どこの新聞社もテレビ局も報道していない。
 このため、筆者としてはこの発信をする時点では真偽のウラを取っていないことはお伝えしておく。
 最近多くなっている「偽ニュース」でないとは言い切れない。
 とはいえ、ニュース源はニュージーランドの新聞社NZヘラルドのちゃんとしたサイトのようだ。

The family of a New Zealand man who died after being tied to a bed for 10 days in a Japanese psychiatric ward say his care was an abuse of human rights.
Kelly Savage, 27, died in Yamato Hospital, Japan on 17 May (file photo)
Kelly Savage, 27, died in a hospital in Japan on 17 May (file photo). Photo: Supplied
Kelly Savage, 27, had been teaching English in Japan for two years when a pre-existing mental health condition worsened.
His Wellington-based family say he became manic after stopping his medication because of the side effects.
He was admitted to Yamato Hospital under a compulsory order and restrained on a bed in a secure ward for 10 days.
A nurse found him in cardiac arrest in mid-May and he died seven days later.
His death certificate lists the cause of death as hypoxic ischemic encephalopathy caused by cardiopulmonary arrest.
But his family say the cause of the cardiac arrest is inconclusive and it has been suggested to them that deep vein thrombosis may have been involved because of the long period of restraint.
They say researchers in Japan have reported that 30 days' restraint is common there.
出典:ニュージーランド・ヘラルド電子版

 サイトを見る限り、本物のニュージーランド・ヘラルド紙の記事のようだ。(中略)

「中世の映画のような出来事」「ニュージーランドでは絶対に起こりえない」
 そう現地で言われているのであれば、病院や警察、日本政府も責任を持って実態を調べるべきだろうと思う。
 日本のマスコミも感度が低いが、これはニュースではないのだろうか? 
(ネットの情報は、自分のように報道のプロだった人間でも確認が難しい。 ネット情報を確認せず引用してすっかり騙されたフジテレビのようなケースもあるのでもちろん確認は必要だ。)

 フジテレビの二つの番組がインターネット上の情報を引用するなどして、相次いで誤報を出したことを受け、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(委員長=川端和治弁護士)は14日、ネット情報の扱いなどについて、放送局に注意を喚起する委員長コメントを今秋に公表することを決めた。
出典:ヨミウリ・オンライン

 さて、その後、英国の高級紙「ザ・ガーディアン」のサイトにも載ったので、ニュースとして報道されていることが確認できた。

New Zealand man died after being tied to bed in Japanese hospital, says family
Kelly Savage, 27, was admitted following a manic episode, but died after 10 days in which he was reportedly restrained at the wrists, ankles and waist
出典:ザ・ガーディアン電子版

 日本のマスコミがこの問題を報道して検証する流れになることを願っている。

 
 
◆the Gurdian 2017/07/13 "New Zealand man died after being tied to bed in Japanese hospital, says family"https://www.theguardian.com/world/2017/jul/13/new-zealand-man-dies-tied-bed-japanese-hospital

Kelly Savage, 27, was admitted following a manic episode, but died after 10 days in which he was reportedly restrained at the wrists, ankles and waist

[Kelly Savage had ‘bloomed’ while teaching English in Japan, his mother told the Guardian. Photograph: Savage family]

A New Zealand man has died after allegedly being forcibly tied to a bed in a Japanese psychiatric hospital for 10 days.
Kelly Savage, 27, who also had US citizenship, died in May after a massive heart attack at the Yamato hospital, where he was admitted on 30 April following a manic episode with psychotic features.
His family believes the heart attack was the result of deep vein thrombosis, which he developed after being unable to move or walk at the psychiatric hospital for 10 days.
Savage had a history of depression in New Zealand but had worked for two years as an English teacher in Japan without problems until April this year. His mother, Martha Savage, said her son had “bloomed” in a country he loved, was living a full and productive life, and was beloved by his students.
Savage stopped taking his medication in April and his bipolar symptoms reappeared. His brother Patrick, who was with him when he was admitted to the acute ward, said Kelly was not violent and his symptoms were not severe enough to warrant forcible restraint.
He said the restraints at Yamato were secured to the teacher’s wrists, ankles and waist, tying him to a bed, and meant he was unable to feed himself or use a toilet.
“I was there when the restraints were put on. He wasn’t resisting, he wasn’t struggling, there was no violence,” Patrick Savage told the Guardian.
“He definitely needed to go to hospital because he wasn’t in a good state and he shouldn’t be left free to run around completely, but he was already in a locked room, a locked ward.”[……]
Although the autopsy was inconclusive, Martha Savage told the Guardian that the attending cardiologist said Kelly showed classic signs of deep vein thrombosis, which could have lead to a pulmonary embolism. Another possible cause of death was a reaction to the strong medication he was on, though this was less likely.
“They did give him compression stockings but that was the only measure they took,” Martha said of the hospital’s care for her son during his lengthy period of restraint.
“They didn’t massage his feet or exercise him or let him out of the restraints. They told us they didn’t do anything.”
Yamato hospital told Kyodo News on Friday it was not directly commenting on the case or on its policy on restraints.
The United Nations special rapporteur on torture has called for an absolute ban on the use of restraint in healthcare settings, as excessive or unjustified use could amount to torture as defined by the UN.[……]

 
 
◆Stuff 2017/07/13 "Kiwi dies after spending 10 days strapped to a bed in Japanese hospital"https://www.stuff.co.nz/world/94698360/kiwi-dies-after-spending-10-days-strapped-to-a-bed-in-japanese-hospital

[photo: Kelly Savage spent 10 days strapped to a psychiatric hospital bed in Japan before a nurse found him dead.]

Wellingtonian Kelly Savage spent 10 days strapped to a bed in a psychiatric ward in Japan before suffering the heart attack that killed him.
His family is demanding answers, claiming the restraints were a breach of his human rights. They are calling for the practice to be banned in Japan.
Martha Savage, the 27-year-old's mother, said her son's official cause of death was a heart attack, which she said was likely caused by the restraints.

[photo: Kelly Savage with his parents, Martha and Michael, during his graduation from Wellington's Victoria University.]

"It was very shocking. How could they put him in restraints, basically tied to his bed," she said.
"He needed to be in the hospital. He was in a lot of distress and he needed help ... he wasn't violent in any way, he didn't hurt anybody."

[photo: Kelly Savage's family say he was not violent, and did not need to be restrained while he underwent psychiatric care.]

Savage said her son's heart attack, which happened on May 17, could have resulted from a clot brought on by his immobility.
"If six hours on an aeroplane can be a problem, 10 days being tied down could be a problem too," she said.
Kelly was moved to hospital after the heart attack but remained unconscious and died several days later.

[photo: Kelly Savage had been in Japan teaching English.]

[……]The hospital claimed to have released her son for short periods to bath and eat, she said. But they had refused to release nurse records that would support the claim, despite allowing family to see his general medical records.
The family do not believe this, however, and Martha Savage said the restraining was most likely continuous to the point where her other son, Pat, was asked for money for nappies, because Kelly would not be able to use the toilet.
The family are currently approaching a judge, who will be able to demand the nurse records be released.

[photo: The family of Kelly Savage will talk at the launch of a new group, which aims to end the use of restraints in medical ...]

"They are affectively blocking everything, and making things drag out, and we have to go through legal precedings," Martha Savage said.
The mother and son are now telling Kelly Savage's story in the hope Japan will phase out the use of restraints.
They will speak at a press conference outside the Japanese Ministry of Health and Welfare on July 19, which will launch a new awareness group apposing the widespread use of restraints in Japanese hospitals.
"They are not the only hospital that does this, it's widespread throughout Japan," Martha Savage said.
"There's bound to be people who have gone through the same thing we have, and we want to stop that. We don't want anyone else to go through the loss of a loved one through such a horrible experience."[……]

 
 
◆NZ Herald 2017/07/13 "Kiwi family's heartbreak over son who died in psychiatric care in Japan"http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11889661

[photo: Martha, left, Kelly and Mike Savage at Kelly's graduation in Wellington in 2015. Photo / Supplied by the Savage family]

By: Tess Nichol, Reporter, NZ Herald tess.nichol@nzherald.co.nz @tnichss

A young Kiwi living in Japan died after having his legs and waist strapped to a bed in a psychiatric ward for 10 days without release, his family says.
Kelly Savage died in Yamato City Hospital on May 17, a week after suffering a heart attack and more than two weeks after he was hospitalised for mental health issues.
The 27-year-old's family is fighting for access to his medical records, after hospital officials denied saying he had been restrained for so long.
His mother and brother, Martha and Pat Savage, have spoken to the Herald about his death in the hope international attention on Japan's use of restraint on mental health patients will help force change.
"They're sick, they're not criminals," said Martha. "They need care and help."
The Ministry for Foreign Affairs and Trade (Mfat) confirmed the New Zealand Embassy in Tokyo had been providing consular assistance to the Savage family.
Correspondence between Mfat and the family also showed Mfat offered to help where it could with access to Kelly's medical records.
Kelly, from Wellington, had a history of mental illness and had previously been hospitalised in New Zealand.
But he'd recovered and was enjoying life in Japan as an English teacher, where he'd lived for nearly two years.

[Kelly was a fun and well-liked teacher at Japan's Harada Primary School, where he taught English to schoolchildren. Photo / Supplied]

Then, in April this year Kelly began acting paranoid, lashing out and behaving in increasingly bizarre and concerning ways.
He came to stay with his brother Pat, who also lives in Japan. Pat, 32, organised for Kelly to go into medical care in the hope it would be the first step to recovery.
"I was really worried that something was going to happen to him, so I was trying to protect him and do what was best for him."
But on May 10, Kelly's heart stopped beating for nearly an hour.
He was rushed from Yamato Hospital, where he had been receiving psychiatric care, to Yamato City Hospital for treatment, but he never recovered from the extensive brain damage caused by the cardiac arrest.
A week later he suffered another cardiac arrest and died.
His cardiologist, Dr Kei Miyagishima, suspected the first heart attack was a result of a pulmonary embolism caused by deep vein thrombosis (DVT).[……]
A much-loved son gone too soon:

[Kelly was loving living in Japan and his family said they took comfort he was so happy in the years before he died. Photo / Supplied]

Kelly Savage was a loving, playful son, his mum says.
Martha Savage said although the family sometimes felt overwhelmed by grief, she was comforted knowing her son had been working in his dream job in Shibushi city, Japan.
Father Mike found talking about his son too painful.
Kelly's first serious battle with psychosis was in 2012, and it took him years to recover.
But in 2015 he graduated with a BA in psychology and Japanese from Wellington's Victoria University, moving to Japan shortly after to teach English, where his older brother Pat also lives with his wife and two young children.
His teaching job was a triumph, a dream job for someone who loved kids and proof of how far he'd come.
"He worked really hard for this, he finished his degree even though he had this depression," Martha said.
"We take a little bit of comfort that in his last years he was doing what he wanted to do and that he was appreciated.
"He was a very loving person, everyone loved him."
The outpouring of love from Kelly's friends following his death was hugely appreciated, she said.[……]



*作成:伊東香純
UP: 20170729 REV: 20170802, 0930
精神障害/精神医療:2017  ◇障害者と政策:2017  ◇介助・介護  ◇病者障害者運動史研究全文掲載
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